近年、子どもの花粉症の発症は低年齢化している傾向が見られており、2歳頃から発症するケースも増えています。
花粉症には眠くなりにくい薬が選ばれることが一般的で、以前より日常生活に薬の影響が出にくくなっていることも最近の特徴です。
子どもに花粉症のような症状が見られた場合、「まだそんな年齢ではない」と決めつけずに、一度医療機関を受診してみるとよいでしょう。
まだ発症していなくても、これから先の可能性も考えて花粉の飛散時期は対策を心がけておくといいですね。
花粉症は子どもなら何歳から発症する可能性があるのか
子どもの花粉症は2歳頃から発症するケースが増えています。
以前は5歳から小学生くらいでの発症が一般的でしたが、最近の調査では低い年齢で発症する割合が高まっていると報告されています。
0~4歳のスギ花粉症有病率は3.8%という報告も
アレルギー性鼻炎ガイド2021年版に記載されている調査によると、0~4歳児のスギ花粉症有病率(2019年)は3.8%となっています。
1998年では1.7%、2008年では1.1%だったため、低年齢化が進んでいることがうかがえます。
同調査で5~9歳の有病率は30.1%と報告されており、こちらもこの20年で著しく増加しています。
0歳や1歳での発症も報告されている
0歳や1歳で発症することは、理論上はあまり多くありません。
花粉症は、花粉を繰り返し浴びることで体に抗体が蓄積されて起こるからです。
ただし、現在では2歳未満での花粉症発症はとても珍しいというわけではなくなってきています。
低年齢化の理由には、飛散量の増加や生活環境の変化が影響している可能性があると考えられます。
子どもの花粉症と風邪の症状を見分けるためのポイント
子どもは自分の症状を詳しく言葉で伝えることが難しいものです。
花粉症かどうか判断する目安として、花粉症と風邪の主な違いを確認しておきましょう。
| チェック項目 | 花粉症の症状でよく見られる傾向 | 風邪の症状でよく見られる傾向 |
|---|---|---|
| 鼻水の状態 | 透明でさらさらしている | 黄色や緑で粘り気がある |
| 目のかゆみ | 強く、頻繁にこする | ほとんどない |
| 症状の期間 | 数週間から数ヶ月続く | 数日から1週間程度で和らぐことが多い |
※風邪の引き始めなど、症状によっては見分けがつきにくい場合もあります。自己判断せず、医師の診察を受けることが大切です。
他にも、花粉の飛散が多い時間帯に症状が強まる場合などは、花粉症が疑われます。
子どもの花粉症は鼻が詰まりやすいのが特徴
これ以外にも、花粉症の子どもによく見られる状態に注目するとよいでしょう。
- 鼻が詰まって口呼吸をしている
- 鼻を気にして頻繁に触っている
- 鼻呼吸がスムーズにできずにいびきをかいていることがある
- 目が充血している、目やにが多い
子どもは鼻腔が狭いため、大人に比べて鼻詰まりが起こりやすいのが特徴です。
口をポカンと開けていることが増えていると、鼻が詰まっている可能性もあるので受診を検討するとよいでしょう。
1歳や2歳の子どもでも花粉症の検査は受けられるか
花粉症の検査自体は何歳からでも受けることができますが、診断に必要なものとは限りません。
検査が必要かどうかについては、医師に相談するとよいでしょう。
検査の方法は血液検査が一般的
検査方法としては、少量の採血で原因を特定する血液検査(特異的IgE抗体検査)が一般的です。
ダニやハウスダストなど、他のアレルギーが疑われる場合に、どのアレルゲンに反応している可能性があるのかを調べることができます。
5歳前後になり、根本的な治療を検討する時期には検査が推奨されることもあります。
小さな子どもにとって採血は大きな負担になることもあるので、医師に相談し、慎重に判断するのが良いでしょう。
数値が高くても花粉症の症状が出るとは限らない
血液検査で数値が高かったとしても、必ずしも花粉症の症状が出るとは限りません。
花粉症の診断は、医師の問診やこれまでの症状や経過から総合的に判断されます。
どのアレルゲンに反応が出やすいのかを知るために検査は役に立つ場合もありますが、検査なしに花粉症と診断されることも多いです。
検査が必要かどうかについては、医師と相談してみてください。
子どもの花粉症に使われる薬と舌下免疫療法
花粉症の症状が強く出てしまうと、日常生活に大きく影響します。
「花粉症かも」と思ったら、早めに医療機関に相談して症状を抑えるとよいでしょう。
- すでに発症している場合は、毎年症状が出る前か軽いうちに薬の服用を開始する
- 内服薬だけでなく、点鼻薬や点眼薬も併用する方法もある
- 子どもの年齢や症状に合った処方薬を使うことが推奨される
最近の花粉症の薬は、眠気が出にくいタイプが主流となっています。
低年齢の子どもには、飲みやすいシロップや粉薬が処方されることもあります。
5歳からは舌下免疫療法も選択肢となる
5歳(舌の下に1分程度薬を保持できる年齢)以上になると「舌下免疫療法」という選択肢も出てきます。
アレルギーの原因となる物質を少量ずつ体に取り入れる治療法です。
数年にわたる継続が必要ですが、アレルギーの原因物質に体を徐々に慣らしていくことで、症状を和らげる効果が期待されています
実施できる医療機関は限られていますので、気になる場合はかかりつけの小児科や耳鼻科で相談してみるとよいでしょう。
病院へ行くタイミングと小児科や耳鼻科の選び方
子どもの症状に気づいたとき、早めに受診を検討するべきなのは以下のような症状が出ている時です。
- 鼻が詰まってで口呼吸をしている
- 目をこすって赤く腫れてしまっている
- 夜にしっかり眠れていない様子がある
症状が本格化する前に対応することで、花粉シーズン中の負担を軽減しやすくなります。
上記のような状態ではなくても、花粉症を疑うような症状が見られた場合は、早めに受診を検討するようにしましょう。
まずはかかりつけの小児科を選ぶとよい
花粉症が疑われる場合の受診先は普段の体の様子を知っている、かかりつけの小児科が適しています。
他のアレルギー疾患や風邪との区別も含めて、総合的に診てもらえるからです。
鼻の洗浄や吸引をしっかり行いたい場合は、耳鼻咽喉科を受診するのも一つの方法です。
家庭でできる子どもの花粉対策と生活の工夫
花粉症の対策は薬だけでなく、家の中に花粉を持ち込まない工夫をすることが大切です。
- 外から帰ったら玄関の前で服を払う
- 花粉が付きにくいツルツルした素材の服を選ぶ
- 花粉の飛散が多い日は洗濯物の外干しを控える
- 帰宅後すぐに顔を洗って花粉を落とす
- 室内を適切な湿度に保って花粉の飛散を抑える
これらの工夫を積み重ねることで、子どもの鼻や目のムズムズを軽減できる可能性があります。
子どもの健康的な生活を守るためにも、アレルゲンを遠ざける環境づくりを意識しておくと良いでしょう。
子どもの花粉症に関するよくある質問
- 市販の目薬を使ってもいいですか?
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抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の点眼薬は子どもでも使用できるものもあります。
ただし、子どもの年齢に適した点眼薬を選ぶ必要があるため、まずは医師への相談を推奨します。
ステロイド薬を含むものは眼圧上昇などの副作用の恐れがあるため、医師の診察を受けた上で処方されたものを適切に使用するようにしましょう。
- 市販の点鼻薬を子どもに使ってもいいですか?
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市販の点鼻薬にはステロイドを使ったもの、抗アレルギー薬、血管を収縮させる作用があるものなど、さまざまな種類があります。
子どもが使えるものもありますが、長期の使用に適さないものもあるため、医師に処方されたものを使うことをおすすめします。
特に血管収縮剤が含まれるものは、2歳未満への使用は禁忌とされています。
自己判断での使用は避けて医師や薬剤師に相談してください。
- 去年まで平気だったのに急に発症することはありますか?
-
花粉の飛散量や体調によって、ある年から突然症状が出ることは考えられます。
まだ発症していなくても、花粉の飛散が多い時期には子どもの体調の変化に注意しておくとよいでしょう。
アレルゲンを遠ざける環境づくりも、意識しておくといいですね。
子どもの花粉症は2歳頃から発症することがある!受診を迷う場合はオンライン診療での相談も検討して
子どもの花粉症は、近年では2歳頃から発症するケースが増えています。
風邪だと思っていた症状が、実はアレルギーによるものだったということも少なくありません。
- 子どもの花粉症は2歳頃から発症するケースが増えている
- 鼻水の色や目のかゆみの有無で風邪との違いを確認する
- 花粉の飛散が多い時間帯や場所で症状が強まる場合は花粉症を疑う
適切な時期に服薬を始めたり、生活環境を整えたりすることで、子どもの負担を減らすことが期待できます。
対面での受診が難しい場合や、まずは相談したいという時は、スマホで自宅から利用できる小児科オンライン診療あんよの活用も検討してみてくださいね。

