小児喘息は、気道に炎症が起き、呼吸が苦しくなってしまう病気です。
「夜中に急に咳き込んで眠れない」
「息をするたびにゼーゼーという音が聞こえる」
お子さんにこのような症状があると、本当に不安になりますよね。
本記事では、小児喘息がどんな病気なのか、お家で様子を見るときのチェックポイントや治療の進め方について分かりやすく解説します。
小児喘息とはどのような病気か
まずは、小児喘息の基本的なメカニズムと子どもの気道の特徴について見ていきましょう。
気道の慢性的な炎症が原因
小児喘息とは、肺へつながる空気の通り道(気道)が、慢性的に炎症を起こしている状態です。
炎症によって気道が敏感になっているため、わずかな刺激でも粘膜が腫れたり、筋肉が縮んだりします。
その結果、空気が通る道が狭くなり、息苦しさを感じてしまうのです。
子どもの気道が敏感な理由
大人と比べて、子どもの気道は非常に細くできています。
そのため、ほんの少し腫れただけでも、空気の通り道が塞がりやすくなります。
成長とともに肺が発達し、症状が落ち着いていくことも多いと言われています。
しかし、放置すると炎症が長引く可能性があるため、しっかりと向き合うことが大切です。
小児喘息の症状は?
お子さんが喘息かもしれないと疑ったとき、どのようなサインに気をつければよいのでしょうか。
代表的な症状をいくつかご紹介します。
ヒューヒューと鳴る特有の呼吸音
息を吐くときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音が聞こえるのが大きな特徴です。
これを喘鳴(ぜんめい)と呼び、気道が狭くなっているサインと考えられます。
長引く咳や就寝時の激しい咳き込み
熱はないのに咳だけが2週間以上続くようなケースも珍しくありません。
特に布団に入って体が温まったときや、明け方の冷え込む時間帯に悪化しやすくなります。
息苦しさや胸の痛みを訴えるケースも
空気をうまく吐き出せなくなるため、息苦しさを伴うことがあります。
小さな子どもの場合、「胸やあばらが痛い」と呼吸の苦しさを表現することもあるため注意が必要です。
小児喘息と風邪の症状の違い
子どもが咳をしているとき、それが風邪か喘息なのか迷うことは多いでしょう。
風邪は1週間程度で落ち着くことが多いですが、喘息は夜間に悪化しやすい傾向があります。
症状を見分けるための目安
以下の表で、一般的な風邪と喘息を疑うサインの違いを確認してみましょう。
| 項目 | 一般的な風邪 | 喘息の疑い |
|---|---|---|
| 症状の期間 | 数日から1週間程度 | 2週間以上長引くことがある |
| 咳が出る時間 | 一日中変わらないことが多い | 夜間や明け方に悪化しやすい |
| 呼吸の音 | ズブズブという鼻詰まり音 | ヒューヒュー、ゼーゼーと鳴る |
小児科で行われる検査内容
実際に小児科を受診した際に行われる主な検査をご紹介します。
診断の基本となる問診のポイント
基本的には、いつ、どんな時に咳が出るのかという問診が非常に重要になります。
乳幼児の場合、息を吐く時のゼーゼー音を3回以上繰り返すかどうかが判断の目安となります。
呼吸の働きやアレルギーを調べる検査
必要に応じて、アレルギーの有無を調べる血液検査や、肺の働きを見る呼吸機能検査を行います。
また、気道の炎症具合を数値化する呼気NO検査を実施することもあります。
早めの受診が必要なサイン
お子さんの呼吸がいつもと違うと感じたときは、早めに小児科を受診してください。
呼吸が苦しいサイン
とくに、息を吸うときに喉仏の下や肋骨の間がペコペコとへこむ陥没呼吸には注意が必要です。
この様子が見られる場合は、呼吸がかなり苦しいサインかもしれません。
また、肩を上下させて息をしていたり、横になれずに座り込んでしまったりする場合も気をつけましょう。
顔色や機嫌の変化にも注意
体の様子がいつもと違う場合も、早めの対応が求められます。
顔色や機嫌が悪く、水分も摂れないような様子であれば、速やかに医療機関に相談してください。
小児喘息の発作を引き起こす原因
喘息の症状を引き起こすきっかけは、大きくアレルゲンとそれ以外の刺激に分けられます。
ダニやハウスダストなどのアレルゲン
ダニやハウスダスト、ペットのフケなどのアレルギー物質が引き金になるケースが多く見られます。
こまめな掃除や寝具の洗濯で、お部屋の環境を整えることが大切です。
気圧や運動などアレルギー以外の要因
気圧の変化や寒暖差、運動による刺激が原因で咳が出ることもあります。
また、タバコの煙も非常に強い刺激になるため、家族全員で禁煙に取り組むことが推奨されています。
小児喘息の基本的な治療法とホームケア
現在の小児喘息の治療では、発作が起きないように気道の炎症を抑え続けることが重要視されています。
毎日の予防薬で炎症をコントロールする
治療のベースとなるのは、毎日使用する吸入ステロイド薬などの予防薬です。
ステロイドと聞くと不安になるかもしれませんが、少量の薬を直接気道に届けるため、飲み薬に比べて体への影響を抑えやすいという特徴があります。
症状が消えたからといって自己判断でお薬をやめず、医師と相談しながらゆっくりと減らしていきましょう。
学校や保育園での過ごし方
集団生活では、担任の先生に喘息であることを事前に伝えておくことが大切です。
運動時の配慮や、発作が起きたときの対応手順を共有しておくと安心です。
治療の継続にオンライン診療を利用する
症状が落ち着いている時期のお薬の継続などには、オンライン診療も一つの選択肢になります。
医師の判断により、ご自宅からでも継続的なサポートを受けられる場合があります。
通院による負担を減らしつつ、無理なく治療を続けていきましょう。
子どもの喘息に関するよくある質問
- 水泳を習うと喘息に良いというのは本当ですか?
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水泳は湿度の高い場所で行う全身運動なので、気道が乾燥しにくく、喘息の子どもでも取り組みやすいスポーツとされています。
ただし、プールの塩素の刺激で咳が出る場合もあるため、事前に主治医に相談してみてください。
- 吸入器を嫌がる場合はどのように対応すればいいですか?
-
お子さんが小さいうちは、吸入を嫌がって泣いてしまうことも少なくありません。
お気に入りの動画を見せながら行ったり、マスクに可愛いシールを貼ったりして、楽しい雰囲気を作ってあげるのがおすすめです。
- 夜中に軽い発作が起きたときの対処法はありますか?
-
まずは上体を起こして座らせ、水分を少しずつ飲ませて気持ちを落ち着かせてあげましょう。
処方されている発作時のお薬(気管支拡張薬など)があれば指示通りに使用し、少し様子を見てください。
- 親のせい(遺伝)ですか?
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アレルギー体質は遺伝することもありますが、ダニやタバコの煙といった環境も大きな要因です。
自分を責めず、まずはお部屋の環境を整えてあげましょう。
- 何歳まで続く? 治るの?
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成長とともに肺が発達し、多くの子は思春期までに症状が落ち着きます。
ただし、再発を防ぐには症状がない時のケアが鍵になります。
- 放置するとどうなる?
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気道の炎症が長引くと、呼吸の通り道が硬く・狭くなり、大人になっても治りにくくなるリスクがあります。
早めに炎症を抑えきることが大切です。
- 保育園・学校を休むべき?
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「ゼーゼーして苦しそう」「夜の咳で眠れていない」時は無理せず休み、受診しましょう。
元気で食欲があれば登園可能ですが、運動の可否は主治医に相談してください。
【まとめ】小児喘息とは気道をコントロールして健康な生活を目指す病気
小児喘息は長く付き合う病気ですが、適切にコントロールできれば、元気に日常生活を送ることが十分に期待できます。
- 気道の慢性的な炎症によって少しの刺激でも空気が通りにくくなる病気である
- 夜間や明け方の咳に注意し陥没呼吸があれば早急に小児科を受診する
- 症状がない時も毎日のお薬で炎症を抑え続けることが治療の基本となる
- 生活環境の改善やオンライン診療の活用で無理なく長期間の治療を続ける
自宅での判断に不安を感じる時は、小児科オンライン診療あんよを活用して医師に相談しましょう。
一人で抱え込まず、かかりつけの医師と相談しながらお子さんをサポートしていきましょう。

