子どもの咳や鼻水が続いていても、熱がない場合は「風邪の治りかけ」や「軽いアレルギー」が原因であるケースも考えられます。
機嫌がよく食欲があれば、自宅での様子見が可能なことが多いですが、あまりにも症状が長引く場合には、何か他の疾患が隠れていないか確認するとよいでしょう。
放置すると症状が悪化し、より専門的な治療が必要になる可能性も否定できないため、症状が2週間以上長く続く、または悪化する場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
登園の基準は、一般的には軽い咳や鼻水では「OK」の場合が多いですが、必ず通っている施設のルールを確認してください。

小児科専門医六郷 由佳
2012年福島県立医科大学卒業後、小児科専門医として先天性心疾患を専門に診療。現在はオンライン診療と都内小児科クリニックに勤務。
熱はないのに子どもの「咳・鼻水」が続く!主な4つの原因
熱はないけれど、咳と鼻水だけが続く場合に考えられる原因は、以下の4つが挙げられます。
最も多いのは風邪を繰り返していることですが、アレルギーなど他の原因も考えられます。
風邪の治りかけ・軽症の風邪
風邪のウイルスの影響で、気道の炎症だけが残っている状態です。
熱は下がったけれど、咳や鼻水だけが1〜2週間ほど続くことは珍しくありません。
これは、体に入ったウイルスや異物を外に出そうとする防御反応です。
アレルギー性鼻炎・花粉症
透明でサラサラした鼻水や鼻づまりが出る場合は、アレルギーの可能性があります。
目のかゆみやくしゃみを伴うことも多いです。
鼻水がのどの奥に流れることで、咳が誘発されることもあります。
後鼻漏(こうびろう)
鼻水がのどのほうへ垂れ落ちてくる状態を「後鼻漏」と言います。
仰向けに寝ると咳き込むのが特徴です。
朝起きた時に、痰(たん)が絡んだような咳をすることがよくあります。
咳喘息(せきぜんそく)
「ゼーゼー」という音はしませんが、咳だけが続く喘息です。
夜中や明け方に咳き込むことが多くなります。
適切な治療をしないと気管支喘息に移行する可能性も指摘されています。
医師と相談し、適切な治療方針を決定することが大切です。
保育園・幼稚園に行かせても大丈夫?登園の判断基準リスト
一般的には、熱がなく、食欲と元気があれば登園は可能とする園が多いです。
ただし、咳がひどくて給食が食べられない場合や、夜眠れていない場合はお休みさせましょう。
一般的な目安は以下の通りですが、必ず通っている園のルールを確認してください。
| チェック項目 | 登園の目安 | 理由・ポイント |
|---|---|---|
| 機嫌・食欲 | 普段通りなら登園OK | 全身状態が安定していると考えられる |
| 発熱 | 解熱後24時間経過でOK | 熱のぶり返しがないか確認するため |
| 咳・鼻水 | 頻回でなければOK | マスクなどで飛沫対策をしましょう |
| 睡眠 | 夜眠れていればOK | 睡眠不足なら免疫力が落ちるため休息が必要 |
特に発熱後は無理をさせないように、注意深く様子を見てあげましょう。
「薬を飲ませてください」はNG?園でのルールを確認して
保育園で薬を飲ませる行為は、保育所保育指針で厳密にルールが定められています。
- 医師の処方薬に限る
- 与薬依頼票(医師名、薬の種類、内服方法などを明記)が必要
- 他の子どもが誤って飲まないよう厳重に管理
- 複数の保育士が慎重に確認したうえで飲ませる
このように、園の負担も大きいので家庭で飲ませることが推奨されるケースが多くあります。
病院で薬をもらう際には、園のルールに合わせて「1日2回の服用」で処方が可能なお薬は1日2回にしてもらいましょう。(お薬によっては3回の内服が必須のものもありますので必ず確認してくださいね。)
放置するとどうなる?合併症リスクと長引かせない3つの対策
熱がないからといって、咳や鼻水を1ヶ月以上そのままにしてしまうと、別の疾患が隠れていたり、症状が慢性化したりする心配があります。
特に乳幼児は、症状を自分で訴えられないため、保護者の方がいち早く変化に気づくことが大切です。
ここでは、放置してしまった場合に考えられる合併症と、長引かせないための3つの対策をご紹介します。
放置で起こりうる主な合併症
長引く咳や鼻水を放置した場合、考えられる合併症には以下のようなものが挙げられます。
| 合併症 | 主な特徴 | 注意したい年齢 |
|---|---|---|
| 副鼻腔炎(蓄膿症) | 黄色〜緑色のドロッとした鼻水が10日以上続く・鼻づまり・夜間の咳 | 全年齢 |
| 中耳炎 | 耳を触る、機嫌が悪い、夜泣きが増える | 特に2歳以下 |
| 細気管支炎・肺炎 | 呼吸が速い、肋骨の間が凹む、ぐったりする | 特に乳児 |
| 気管支喘息への移行 | 夜間・明け方の咳が繰り返される | 全年齢 |
| マイコプラズマ肺炎 | 解熱後も3〜4週間続く乾いた咳 | 学童期(5〜12歳) |
| 百日咳 | けいれん性の激しい咳・「ヒュー」と息を吸う音 | 全年齢(乳児で重症化) |
副鼻腔炎は、黄色や緑色の鼻水が長引く場合に疑われ、特に2歳以下では中耳炎を合併しやすいとされています。
また、マイコプラズマ肺炎は学童期に多く、解熱後も乾いた咳が3〜4週間続くことがあると報告されています。
百日咳は近年、日本国内で流行が続いており、特に1歳未満の乳児では重症化のリスクが高いと厚生労働省などが注意を呼びかけています。
長引かせない3つの対策
「ただの風邪」と自己判断して様子を見続けるよりも、以下の3つを意識すると重症化や慢性化を防ぎやすくなります。
対策1|「2週間ルール」で受診タイミングを判断する
咳や鼻水が2週間以上続く場合は、慢性咳嗽(まんせいがいそう)の入口にあたります。
軽症の風邪であれば1〜2週間で軽快することが多いため、それ以上続く場合は別の原因が隠れている可能性も考えられます。
「機嫌がよいから大丈夫」と判断せず、2週間を1つの目安として一度受診を検討しましょう。
対策2|鼻水の色・症状の変化を毎日チェックする
鼻水の色は、症状の変化を読み取る重要な手がかりになります。
| 鼻水の色/サイン | 原因 |
|---|---|
| 透明〜白 | ウイルス性の風邪・アレルギーの可能性 |
| 黄色 | 細菌感染や副鼻腔炎の入口の可能性(5日以上続けば耳鼻科受診を検討) |
| 緑色 | 細菌感染が進んでいる可能性(早めに耳鼻科受診を検討) |
| 血が混じる | 粘膜の傷・乾燥の可能性(続く場合は受診を検討) |
色が黄色〜緑色に変化して1週間以上続く、夜間の咳がひどくなる、耳を気にし始めた場合は、医療機関の受診をご検討ください。
対策3|「いつもと違う」を3つ以上感じたらすぐ受診
数値や日数で判断しにくい場合は、保護者の感覚も大切な判断材料です。
以下の「いつもと違うサイン」が3つ以上重なったら、日数を待たずに受診をご検討ください。
- 呼吸の速さや音がいつもと違う
- 食欲が普段の半分以下
- 睡眠中に何度も咳で起きる
- 遊び方が静かで覇気がない
- 抱っこを嫌がる
- または極端に甘える
- 顔色や唇の色がさえない
これらが重なるときは、見た目以上に体力を消耗していることがあります。
自宅でできるケア5選|咳と鼻水を悪化させない環境づくり
熱がない子どもの咳や鼻水は、適切な自宅ケアで気道への負担を和らげられることが知られています。
ただしホームケアは「治療」ではなく、あくまで症状を悪化させないためのサポートです。
症状が長引いたり悪化したりする場合は、必ず医療機関の受診をご検討ください。
ここでは、ご家庭で実践しやすい5つのケアをご紹介します。
自宅でできるケア5選
室内の湿度・温度を整える
空気が乾燥すると鼻やのどの粘膜が刺激され、咳が出やすくなることがあります。
厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、室内の湿度は55〜60%、室温は冬で20〜23℃、夏で26〜28℃が目安として示されています。
ただし湿度が60%を大きく超えるとカビやダニが繁殖しやすくなり、かえってアレルギー症状の悪化につながることがあります。
加湿しすぎを防ぐため、1〜2時間に1回は換気を行うこともポイントです。
加湿器は水を毎日入れ替え、タンクやフィルターをこまめに掃除して清潔に保ちましょう。
水分をこまめに補給する|のどの乾燥と痰の絡みを防ぐ
水分が不足すると痰が硬くなり、咳が出やすくなる傾向があります。
少量ずつ、回数を多く分けて飲ませることがポイントです。
一度にたくさん飲ませようとすると、咳き込んで吐いてしまうことがあるので注意しましょう。
飲み物の選び方の目安
- 常温〜ぬるめの白湯、麦茶、湯冷まし
- 離乳前の赤ちゃんは母乳・ミルクをいつも通り
- 経口補水液は脱水気味のときに(体重・年齢に合わせた量で)
冷たい飲み物は気道を刺激して咳を誘発することがあるため、症状が出ているあいだは常温〜ぬるめのものがおすすめです。
水分が摂れない、ぐったりしている、おしっこの量が極端に減っている場合は、脱水のサインかもしれません。
そのようなときは早めに医療機関の受診をご検討ください。
寝かせ方を工夫する|上体を15〜30度ほど高くする
仰向けで真っ平らに寝ると、後鼻漏(鼻水がのどに流れ落ちる状態)で咳き込みやすくなることがあります。
頭だけを高くすると気道が折れ曲がってかえって苦しくなるため、腰から頭にかけて緩やかな斜面を作るように意識しましょう。
具体的には、敷布団やマットレスの下にバスタオル・座布団・薄いクッションを入れて、上体を15〜30度ほど起こすイメージです。
ただし、生後6ヶ月未満の赤ちゃんは寝具による窒息リスクがあるため、枕やクッションを直接敷かないようにしてください。
なお、夜間の咳の対処法は別記事「夜間にひどくなる子どもの咳を止める方法」でも詳しく解説しています。
喉のケアをする|うがい・温かい飲み物・はちみつの活用
うがいができる年齢のお子さん(おおむね3歳以降)は、外出後の水うがいで喉の粘膜を潤すとよいでしょう。
うがいができない年齢の場合は、こまめな水分補給で代用できます。
温かいスープや具なし味噌汁を少量ずつ飲ませると、喉のうるおいを保つサポートになります。
1歳以上のお子さん限定で、就寝前にティースプーン1/2杯程度のはちみつをぬるま湯やお湯で溶いて与える方法も、咳の緩和につながることが海外の研究で報告されています。
ただしはちみつは1歳未満の乳児には絶対に与えないでください。
1歳未満の乳児のはちみつ摂取による「乳児ボツリヌス症」のリスクがあると注意喚起が出ています(加熱しても菌は死にません)。
刺激物・受動喫煙を避ける|空気環境の見直し
タバコの煙、線香の煙、強い香り、ホコリは気道の粘膜を刺激し、咳を悪化させる要因となります。
特に受動喫煙は、家族の喫煙によって子どもの喘息発症リスクを21〜85%高めると厚生労働省「e-ヘルスネット」に記載されています。
ベランダ喫煙でも衣服に付着した有害物質は屋内に持ち込まれるため、可能な限り屋外でも喫煙を控えることが望ましいです。
ハウスダストやダニは、喘息やアレルギー性鼻炎の悪化要因になります。
家庭でできる空気環境の見直しポイント
- 週2回以上の掃除機がけ(とくに寝室・ぬいぐるみ周辺)
- 布団や枕カバーは1〜2週間に1回洗濯
- カーテン・ぬいぐるみは月1回以上の洗濯
- 空気清浄機を寝室で使用するのも有効
これらのケアでも症状が改善しない、または悪化する場合は、何か他の疾患が隠れている可能性も考えられます。
そのようなときは、対面受診の前にまずはオンライン診療で気軽にご相談ください。
【受診の目安】肺炎かも?熱がなくても病院へ行くべきサイン
熱がなくても、呼吸が苦しそうな場合は速やかに医療機関の受診をご検討ください。
【緊急度:高】呼吸の状態や顔色で確認!急いで受診が必要なケース
以下の症状がある場合は、緊急性が高い可能性があります。
- 小鼻を膨らませて呼吸をしている
- 息をするたびに肋骨の間がペコペコ凹む
- 咳き込んで水分が摂れない
- 「ケンケン」という犬やオットセイが鳴くような咳をする
- 顔色が悪い、または唇が紫色になっている
これらのサインが見られたら、夜間でも救急相談などを検討してください。
今後悪化してしまうかも?日中の受診がおすすめなケース
以下の場合は緊急ではありませんが、悪化を防ぐためにも一度受診をおすすめします。
- 鼻がつまって口呼吸をしている
- 痰がからんで苦しそうな咳が出る
- 寝ている間に何度も咳が出る、咳で起きてしまう
放置すると肺炎や気管支炎、喘息などの悪化を招く心配があります。
適切な治療によって症状の緩和が期待できるため、他の病気の見逃しを避けるためにも、一度受診を検討しましょう。
【緊急度:低】子どもの機嫌と水分摂取がカギ!急いで受診しなくてもよいケース
以下の状態であれば緊急性は低いので、自宅で様子見で回復するケースもあります。
- 水分が適切に摂れている
- 咳が出るが苦しそうではない
- 鼻水は出るが吸引したり鼻をかむことで改善する
- よく眠れている
- 機嫌や遊ぶ様子が普段とあまり変わらない
あまり激しい運動はさせず、ゆっくり過ごしながら様子を見るようにしましょう。
少しでも悪化がみられる、症状が続くなどの場合には医療機関の受診を検討してください。
二次感染のリスクを軽減!熱がない時こそ「オンライン診療」が選択肢となる理由
「病院に行くほどではないけれど、自宅で経過をみても大丈夫なのか気になる・・・」という場合は、小児科のオンライン診療が有効です。
熱がないのに病院へ行くと、インフルエンザなど他の感染症をもらってしまうリスクがあります。
待ち時間も長いと子どもも飽きてしまって、親子で疲れ果ててしまいますよね。
オンライン診療なら、自宅にいながら医師の診察を受けられます。
ビデオ通話で医師が診療!
オンライン診療では、スマホのビデオ通話で医師がお子さんの様子を確認します。
呼吸の状態や顔色を見て、適切な薬(咳止め、去痰薬、アレルギー薬など)が処方されます。
処方された薬は自宅のポストに届く設定にもできるため、薬局へ行く手間もかかりません。(対応できる薬局か事前の確認は必要です)
オンライン診療は便利ですが、すべてに対応することはできません。対面診療が必要と判断される場合にはカメラ越しに判断しお伝えしますので、必ず対面診療をお願いいたします。
【Q&A】子どもの熱なし・咳・鼻水にまつわる疑問をチェック!
- お風呂に入っても大丈夫?
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一般的には熱がなく元気であれば、お風呂に入っても問題ないとされています。
ただし、長湯は体力を消耗するため、ぬるめのお湯で短めに済ませましょう。
湯気で気道が加湿されるため、咳や鼻づまりが楽になる効果もあります。
心配な場合は、医療機関に相談して指示を仰ぎましょう。
- 市販の風邪薬を使ってもいい?
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市販薬にも使用できるものがありますが、子どもは大人に比べて薬の成分に敏感なので年齢制限を必ず確認してください。
特に、同時に複数の種類の薬を飲ませてしまうのは危険です。
できるだけ自己判断での服用は避け、医師に相談して処方薬をもらうようにしましょう。
- 部屋の湿度はどれくらいがいい?
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咳や鼻水のケアには、部屋の加湿がとても重要です。
湿度は55〜60%を目安に保ちましょう。
空気が乾燥すると、のどの粘膜が弱まり、ウイルスの排出機能が低下してしまいます。
ただし、不適切な加湿や加湿器の汚れはカビの原因となり、肺炎を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
咳と鼻水が長引くなら対面受診の前にまずはオンライン相談を
「熱なし・咳・鼻水」の症状は、最短で数日で治ることもあれば、アレルギーなどで長引くこともあります。
お子さんが楽になるようにケアしてあげることが大切です。
- 熱なしの咳・鼻水は風邪の残りやアレルギー、喘息、副鼻腔炎などが隠れている可能性がある
- 機嫌がよく食欲があれば、保育園への登園は可能
- 呼吸が苦しそうなサインがある場合はすぐに受診が必要
対面受診が必要な状況か知りたいけれど、待合室での二次感染が心配な場合には、まずはオンライン診療「あんよ」で相談をしてみてくださいね。


小児科専門医
六郷 由佳
このくらいの咳と鼻水なら病院を受診しなくてもよいのかな?などと迷うことはよくありますね。そんな場合にはカメラ越しに医師に相談してみましょう。対面診療の目安がわかると落ち着いて看病に取り組みやすくなります。