子どもが突然鼻血を出すと、慌ててしまうことも多いでしょう。
子どもの鼻血の多くは、鼻の粘膜が薄く傷つきやすいことが主な原因です。
そのため、正しく対処すれば自然に止まることがほとんどです。
この記事では、子どもの鼻血が出やすいしくみと年齢別の特徴、正しい止め方、主な6つの原因、受診の目安、心配される病気との見分け方、日常のケアと予防まで、小児科医監修のもとでわかりやすく解説します。
子どもの鼻血はなぜ出やすい?しくみと年齢別の特徴
子どもは鼻の入口にある「キーゼルバッハ部位」の粘膜が薄く、毛細血管が表面に近いところを走っています。
そのため、鼻をこすったり、くしゃみが続いたりするわずかな刺激でも出血が起きやすいのが特徴です。
成長とともに粘膜は丈夫になり、頻度は自然と減っていく傾向があります。
広島県医師会の子ども向け医療情報ページでも、子どもの鼻血の多くはこのキーゼルバッハ部位からの出血であり、わずかな刺激でも出血が起きやすいと説明されています。
年齢別にみる鼻血の頻度
成長段階によって出やすさが変わるため、年齢に応じた対処と予防を意識することが大切です。
| 年齢 | 鼻血の出やすさ | 主な背景 |
|---|---|---|
| 0〜2歳 | 比較的少ない | 粘膜が未発達だが鼻をいじる動作も少ない |
| 3〜6歳 | もっとも多い | 鼻ほじりの習慣、アレルギー性鼻炎の発症期 |
| 小学校低学年 | 多い | 乾燥・くしゃみ・鼻のかみすぎが重なる |
| 小学校高学年〜中学生 | 徐々に減少 | 粘膜が大人に近づき丈夫になる |
子どもの鼻血の正しい止め方|手順とNG行動
正しい止め方は「座らせて、頭を少し前に倒し、小鼻(鼻の柔らかい部分)を親指と人差し指でつまんで5〜10分待つ」の4ステップです。
頭を後ろに傾けたり、ティッシュを鼻の奥まで詰め込んだりすると、かえって状態を悪化させることがあります。
正しい止め方の4ステップ
- 座らせる:立ったままだとふらつくことがあるので、椅子か床に座らせます。
- 頭を少し前に倒す:うつむき加減にして、血液が喉に流れ込まないようにします。受け皿としてティッシュやガーゼを口元に添えておきましょう。
- 小鼻をつまむ:骨のないふにゃっとした柔らかい部分を、親指と人差し指でしっかり挟みます。鼻の根元(目と目の間)ではなく、出血している側の真下です。
- 5〜10分そのまま保つ:時計で時間を計り、途中で離さないように声をかけながら保護者がつまみ続けます。口で呼吸させて構いません。
5分未満で手を離すと、血が固まりかけたタイミングで再出血しやすくなります。
落ち着いた声で安心させてあげながら対応しましょう。
やってはいけない3つのNG行動
加えて、鼻血が出ている最中に大声で叱ったり、無理に動かしたりするのも避けたいところです。
落ち着いて静かに過ごせる環境を整えてあげてください。
| NG行動 | なぜダメか |
|---|---|
| 頭を後ろに倒す・仰向けに寝かせる | 血液が喉に流れ込み、飲み込むと気持ち悪くなったり嘔吐の原因になります |
| 鼻の根元(目と目の間の骨)を押さえる | 出血している場所と違うため、止血効果がほとんど期待できません |
| ティッシュを奥まで詰め込む | 引き抜くときに固まった血液がはがれて再出血する原因になります |
子どもの鼻血の主な6つの原因
子どもの鼻血の原因の大半は、①鼻ほじり、②アレルギー性鼻炎、③乾燥、④鼻のかみすぎ、⑤ぶつけたなどの外傷、⑥のぼせ・興奮の6つです。
多くは家庭での予防やケアで頻度を減らせます。
お子さんの生活習慣と照らし合わせながら、当てはまる項目を確認してみてください。
1. 鼻ほじり(鼻いじり)
子どもの鼻血の中でもっとも多いきっかけです。
無意識に指で鼻の中を触ることで、爪が粘膜を引っ掻いて出血します。
乾燥した鼻くそを取り出そうとしたときも傷つきやすくなるため、爪は短く整えておきましょう。
2. アレルギー性鼻炎による鼻のかゆみ
花粉やハウスダストでアレルギー反応が起きていると、鼻の中がかゆくなり、子どもは何度も鼻をこすります。
粘膜が炎症で腫れて毛細血管が浅くなっているため、軽い刺激でも出血しやすい状態になります。
3. 乾燥
冬場やエアコンを使う季節は、室内の空気が乾燥して粘膜の水分が失われます。
乾いた粘膜はひび割れやすく、ちょっとしたくしゃみでも出血の引き金になります。
4. 鼻のかみすぎ
風邪をひいているとき、強くかみすぎると粘膜にダメージが蓄積します。
片方ずつ、力を入れすぎないようにかむのがコツです。
5. ぶつけた・転んだなどの外傷
顔を打ったり、玩具が鼻に当たったりすると、毛細血管が一気に切れて出血します。
出血量が多くても通常は止血処置で落ち着きますが、頭をぶつけている場合は別途注意が必要です。
6. のぼせ・興奮
激しく走ったり、泣き続けたり、お風呂で体温が上がったりすると、顔面の血流が増えて鼻の血管に圧力がかかります。
普段から鼻血が出やすい子は、入浴後に少し涼んでから着替えさせると予防になります。
病院に行く目安|何科を受診すべき?
家庭で20分以上止まらない、週に何度も繰り返す、大量出血が続く場合は受診を検討してください。
年齢や症状に応じて耳鼻咽喉科または小児科が適切です。
下の表を参考に、状況に合わせて選んでください。
| 状況 | おすすめの受診先 | 理由 |
|---|---|---|
| 鼻血を繰り返す・原因をはっきりさせたい | 耳鼻咽喉科 | 鼻の粘膜や鼻中隔の状態を直接観察でき、必要に応じて止血処置も可能 |
| 全身症状(発熱・倦怠感・あざ等)を伴う | 小児科 | 全身の病気の鑑別が必要なため、まずは小児科で総合的に診てもらう |
| アレルギーが疑われる・通年で繰り返す | 耳鼻咽喉科または小児科(アレルギー外来) | アレルギー検査と治療の両方に対応 |
| 判断に迷う・夜間や休日 | 小児科オンライン診療やかかりつけ医 | まず相談して、必要なら対面受診の判断を仰ぐ |
救急受診(夜間・休日)の判断基準
以下のいずれかに当てはまるときはためらわずに救急受診や救急電話相談(#8000:子ども医療電話相談)の利用を検討してください。
- 30分以上、正しい止血を試みても出血が止まらない
- 出血量がコップ半分(100ml)以上と明らかに多い
- 顔面を強く打った後の鼻血で、意識がぼーっとしている・嘔吐があるなど頭部の症状を伴う
- 顔色が真っ青、ぐったりしている、呼びかけへの反応が弱い
- 出血と同時に高熱(39度以上)や全身のあざが見られる
通常の鼻血は緊急性が低いことが大半ですが、上のサインは別の病態が隠れている可能性があるため、自己判断より受診を優先してください。
子どもの鼻血で心配される病気とそうでない場合
鼻血だけで白血病などの重い病気を心配する必要はほとんどありません。
一方で、鼻血以外の全身症状(持続する発熱・あざ・倦怠感)を伴う場合は、別の病気のサインのこともあるため早めに受診してください。
鼻血だけで白血病を疑う必要はない理由
白血病で出血しやすくなるのは、血小板という血を固める成分が極端に減るためです。
この場合、鼻血単独ではなく、次のような複数のサインが同時に現れます。
- 体のあちこちに青あざが出る(ぶつけた覚えのない場所にも)
- 歯ぐきから出血する・歯磨きで血が出続ける
- 数週間続く倦怠感や顔色の悪さ
- 原因不明の発熱が長引く
- リンパ節の腫れ
逆に言えば、鼻血が出るだけで他の症状が一切なく、子どもが普段通り元気であれば、白血病の可能性は極めて低いと考えられます。
鼻血の頻度や量だけで判断せず、お子さん全体の様子を観察することが鍵になります。
こんな複合症状なら早めに受診を
以下のチェック項目に2つ以上当てはまるときは、念のため小児科で相談しましょう。
- 鼻血が週に3回以上、数週間続いている
- 体に小さな赤い点(点状出血)や青あざが複数ある
- 顔色が以前と比べて青白い
- 食欲が落ちている、活気がない
- 微熱や倦怠感が続いている
- 傷の治りが明らかに遅い
これらは血液の病気以外にも、貧血や慢性的なアレルギーなど複数の可能性を含みます。
早めに受診すれば、原因を特定して安心につなげられます。
鼻血を予防する日常ケア6選
日常の小さな積み重ねで鼻血の頻度を大きく減らせます。
次の6つを意識すると、繰り返す鼻血の予防に役立ちます。
| ケア項目 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 1. 室内の加湿 | 加湿器や濡れタオルで湿度50〜60%を維持。冬場や冷暖房使用時は特に意識 |
| 2. 爪を短く整える | 週1回を目安にカット。鼻ほじりで粘膜を傷つけない |
| 3. アレルギーの治療 | アレルギー性鼻炎があれば、医師の指示で点鼻薬や抗ヒスタミン薬を継続 |
| 4. 鼻を優しくかむ | 片方ずつ、強く押さえすぎない。ティッシュは柔らかいものを使用 |
| 5. 保湿ケア | 外出後や乾燥した日は、生理食塩水スプレーや鼻用保湿ジェルを活用 |
| 6. 生活リズム | 入浴は短めに、激しい運動の後はクールダウン。睡眠不足も粘膜の回復力を下げる |
子ども本人にも「鼻の中は触ると血が出やすいよ」と繰り返し伝えていきます。
叱るのではなく、なぜダメなのかを年齢に合わせて話すと、納得して習慣を変えやすくなります。
よくある質問(FAQ)
- 子どもの鼻血は何分以上止まらなかったら病院に行くべきですか?
-
正しい方法で止血を試みても20分以上止まらない場合は受診を検討してください。
30分以上止まらないときや、コップ半分以上の出血が続くときは、夜間でも救急受診や#8000への相談を優先しましょう。 - 子どもの鼻血は何科に行けばいいですか?
-
鼻の粘膜や鼻中隔の状態を確認したいときは耳鼻咽喉科、全身症状(発熱・あざ・倦怠感)を伴うときは小児科が適切です。
判断に迷うときはかかりつけ医や小児科オンライン診療あんよなどで一度相談してください。 - 子どもの鼻血は毎日出ても大丈夫ですか?
-
アレルギー性鼻炎・乾燥・鼻ほじりが重なると毎日出ることもあります。
原因のひとつでも改善すれば頻度は減ります。1〜2週間連続で続く場合は耳鼻咽喉科で粘膜の状態を確認してもらいましょう。 - 鼻血と一緒に高熱・あざがある時は緊急ですか?
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その組み合わせは血液の病気を含めて全身的な原因を調べる必要があるため、早めに小児科を受診してください。
夜間であれば#8000や救急外来に相談しましょう。 - ストレスで鼻血が出ることはありますか?
-
ストレスそのものが直接の出血原因になることはまれですが、ストレスで鼻をこすったり、寝不足で粘膜が荒れたりして間接的に鼻血を誘発することはあります。
- インフルエンザや風邪のとき鼻血が出やすいのはなぜ?
-
ウイルス感染で鼻の粘膜が炎症を起こし、血管が表面に浮き出るためです。
鼻のかみすぎとくしゃみが重なって出血しやすくなります。 - 血の塊が出てきたのですが、もう一度出血するのを防ぐには?
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塊が出たあとは、鼻の中をいじらず数時間は安静にしてください。
乾燥を防ぐために加湿し、激しい運動や入浴は数時間控えると再出血を予防できます。 - 鼻血を防ぐためにオンライン診療でできることは?
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アレルギー治療の継続フォロー、生活環境のヒアリング、症状の変化の経過観察などができます。
「病院に行くか迷う段階」での相談に向いています。 - 寝ている間に鼻血が出ているのはなぜですか?
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睡眠中も子どもは無意識に顔をこすったり、鼻に手を当てたりしていることがあります。
寝具のホコリや乾燥した空気、体温の上昇が重なると、本人が気づかないうちに出血しているケースが多いと考えられています。
寝室の加湿(湿度50〜60%)と、寝る前の鼻のケアで頻度を抑えられる可能性があります。 - 夜中に鼻血で目を覚ましたとき、どう対処すればいいですか?
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明かりをつけて落ち着いた状態を作り、座らせて止血の4ステップを実行します。
眠気で姿勢が保ちにくいときは、保護者の膝の上に座らせて支えてあげるとよいでしょう。
10分以内に止まれば、枕を新しいものに替えて再び休ませて構いません。 - 朝起きると鼻血が出ているのは大丈夫ですか?
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明かりをつけて落ち着いた状態を作り、座らせて止血の4ステップを実行します。
眠気で姿勢が保ちにくいときは、保護者の膝の上に座らせて支えてあげるとよいでしょう。
10分以内に止まれば、枕を新しいものに替えて再び休ませて構いません。
【まとめ】子どもの鼻血は落ち着いて対応しよう!止まらない場合は受診の検討も
予防には、室内の加湿・爪のケア・アレルギー治療の継続・優しい鼻のかみ方など、毎日の小さな積み重ねが大切です。
- 子どもの鼻血は「キーゼルバッハ部位」の刺激が原因。多くは家庭での止血で対応可能です。
- 止血は「座って、下を向き、小鼻を10分つまむ」。仰向けやティッシュ詰めはNG。
- 20分止まらない場合や、全身症状を伴う場合は受診を。
- 予防には加湿、爪のケア、アレルギー治療が大切です。
お子さんの鼻血が続いて不安なときは、小児科オンライン診療あんよでお気軽にご相談ください。
医師が一緒に状況を確認し、家庭でできるケアと受診の必要性を整理します。

