「子どもが急に高熱を出して、喉も痛がっている……これって夏風邪?それとも新型コロナ?」
保育園や幼稚園、小学校で感染症が広がりやすい夏。子どもが急に体調を崩すと、不安になってしまいますよね。
夏風邪と新型コロナウイルス感染症は初期症状が似ているため、ご家庭での見分けは難しいのが実情です。
本記事では夏風邪とコロナの違いについて知りたい親御さんに向けて、症状・原因・治し方・受診の目安をわかりやすく整理してお伝えします。
子どもの夏風邪に不安を感じたとき、お役立ていただければ幸いです。
そもそも夏風邪とは?冬の風邪との違い
「夏風邪」とは特定の病名ではなく、夏に流行しやすいウイルス感染症の総称です。
冬の風邪との大きな違いは、原因となるウイルスの種類にあります。
| 比較項目 | 夏風邪 | 冬の風邪 |
|---|---|---|
| 主なウイルス | アデノ/エンテロ/コクサッキー など | ライノ/コロナ(旧型)/RS など |
| 好む環境 | 高温多湿(夏) | 低温乾燥(冬) |
| 主な症状 | 喉の痛み、発熱、下痢、発疹 | 鼻水、咳、喉の痛み |
| 多い年齢層 | 乳幼児〜小学校低学年 | 全年齢 |
| 流行ピーク | 6月〜9月 | 12月〜3月 |
夏風邪の原因となるウイルスは 高温多湿を好み、口や手指、便を介して感染 するのが特徴です。
夏風邪の原因を知ることが、家庭での予防対策を考えるうえでの出発点になります。
冬の風邪が「飛沫」中心なのに対し、夏風邪は 接触感染も多い ため、ご家庭内でも対策が変わってきます。
夏風邪のウイルスとは?主な3つの種類
子どもがかかる夏風邪のウイルスは、主に次の3つです。それぞれ症状の出方が異なります。
- アデノウイルス:高熱(39度以上)、喉の強い痛み、結膜炎が出やすい。プール熱(咽頭結膜熱)の原因
- エンテロウイルス:手足や口の中の発疹が特徴。手足口病の原因
- コクサッキーウイルス:口の中に強い痛みを伴う水疱ができる。ヘルパンギーナの原因
これらのウイルスは、子ども同士の接触や、おもちゃ・タオルの共有を通じて広がります。
特に保育園・幼稚園での流行が多いため、夏場は登園後の手洗いや着替えが大切です。
子どもの夏風邪の代表的な症状(3疾患別)
子どもの夏風邪の症状は、原因ウイルスによって大きく変わります。
代表的なのが、ヘルパンギーナ・手足口病・プール熱(咽頭結膜熱) の3つの疾患による夏風邪の症状です。
それぞれ症状に特徴があるので、家庭で観察するときの参考にしてみてください。
ヘルパンギーナ
| 対象 | 特徴 |
|---|---|
| 熱 | 突然の39度以上の高熱 |
| 喉 | 奥に小さな水ぶくれ(水疱)ができ、強い痛みを伴う |
| 食事 | 喉の痛みで食べたり飲んだりを嫌がる |
| 流行 | 6月〜8月がピーク |
特に乳幼児に多く、脱水症状に注意が必要 です。
水分を嫌がる場合は、後述する「家庭での対処法」を参考にしてください。

手足口病
| 対象 | 特徴 |
|---|---|
| 熱 | 微熱〜38度台が多く、高熱になりにくい |
| 発疹 | 手のひら、足の裏、口の中、お尻に水疱状の発疹 |
| 痛み | 口の中の発疹がしみて痛がる |
| 流行 | 7月がピーク |
熱が低いため見逃されがちですが、発疹がかさぶたになるまで登園を控える のが基本です。

プール熱(咽頭結膜熱)
| 対象 | 特徴 |
|---|---|
| 熱 | 高熱が4〜7日続く |
| 喉 | 強い喉の痛み |
| 目 | 結膜炎(充血、目やに、まぶしさ) |
| 流行 | 6月〜8月、プール開放の時期に多い |
3つの症状(発熱・喉・結膜炎)が揃うのが特徴です。
学校保健安全法上の「学校感染症」に該当し、主な症状がなくなって2日経過するまで登園・登校できません。

子どもの新型コロナの代表的な症状
新型コロナウイルス感染症は変異株によって出やすい症状が変化していますが、子どもに多くみられる症状は次のとおりです。
- 発熱:微熱から高熱までさまざま
- 咳/鼻水:上気道症状が出やすい
- 喉の痛み:強い咽頭痛が出ることもある
- 倦怠感/頭痛/筋肉痛:「体がだるい」と訴える
- 消化器症状:嘔吐や下痢を伴うこともある
- 味覚/嗅覚の変化:食欲が極端に落ちる、いつもの味と違うと言う
大人に比べると子どもの重症化は少ないとされていますが、乳幼児の高熱はけいれんや脱水を招くことがある ため、注意深く観察してあげましょう。
参考: 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」
【比較表】夏風邪とコロナの違いを5項目で見分ける
夏風邪と新型コロナの違いを5つの項目で整理しました。
あくまで目安ですが、子どもの症状を観察するときのヒントにしてください。
| 観察項目 | 夏風邪の特徴 | 新型コロナの特徴 |
|---|---|---|
| ① 喉の症状 | 喉の奥や口の中に水ぶくれが出やすい | 強い喉の痛みはあるが、水ぶくれは出にくい |
| ② 咳・鼻水 | 比較的少ない(ウイルスによる) | 咳や鼻水などの上気道症状が出やすい |
| ③ 目や皮膚 | 結膜炎(プール熱)・発疹(手足口病) | 通常は目やに・水疱性の発疹は出ない |
| ④ お腹の症状 | 下痢や腹痛が出やすい | 嘔吐・下痢もあるが主症状ではない |
| ⑤ 味覚・嗅覚 | 通常は変化しない | 食欲が落ちる、味がわからないと訴えることがある |
大切なポイント
初期症状だけで完全に見分けることは、医師であっても困難です。
「うちの子は夏風邪に違いない」と決めつけず に、症状の変化を観察してあげましょう。
味覚・嗅覚障害は子どもでも見抜けるサインがある
新型コロナでは味覚・嗅覚障害がよく知られていますが、小さな子どもはこれを言葉で表現できません。
次のようなサインがあったら、味覚・嗅覚の変化を疑ってみる材料になります。
- 普段大好きなものを嫌がる
- 食事の進みが極端に悪い
- 「変な味がする」「いつもと違う」と言う
- 香りの強いものに無反応になる
これらは喉の痛みが原因のこともありますが、コロナを疑うひとつの観察ポイントとして知っておくと安心です。
家庭でできる夏風邪の治し方と自宅ケア
夏風邪か新型コロナかがはっきりしない場合でも、ご家庭でのケアは共通しています。
夏風邪の治し方として、慌てずお子さんの体力を支えてあげることが基本です。
とくに 夏風邪の喉の痛みは、子どもの食事や水分摂取を妨げるため、丁寧なケアが必要になります。
水分補給・解熱剤・食事の3原則
① 水分補給:脱水を防ぐことが最優先
夏場の発熱で一番怖いのは脱水です。
喉の痛みで飲み物を嫌がるときは次の工夫が役立ちます。
- 経口補水液、麦茶、白湯を少量ずつ、こまめに飲ませる
- ゼリー飲料、シャーベット、冷ましたスープなど喉ごしのよいものを活用
- 柑橘系ジュース・炭酸など刺激の強いものは避ける
「半日以上おしっこが出ていない」「唇や口の中が乾いている」場合は、脱水が進んでいるサインです。
② 解熱剤:本人がつらいときだけ使う
熱が高くても、お子さんが比較的元気で水分を飲めているなら、無理に熱を下げる必要はありません。
発熱は体がウイルスと戦っている証拠です。
ただし、眠れない・水分が摂れない・ぐったりしている場合は、解熱鎮痛剤の使用を検討します。
- 必ず医師または薬剤師にご相談のうえ 、お子さんに合った解熱鎮痛剤(一般的にアセトアミノフェンが処方されます)を使用してください。
- 大人用の解熱剤や、市販の総合感冒薬を自己判断で飲ませることは避けましょう。
- 15歳未満の方は、アスピリン系の薬は重い副作用のリスクがあるため使用しないでください。
③ 食事:食べたいものを少しずつ
無理に食べさせる必要はありません。食欲が落ちているときは次のような工夫を。
- うどん、おかゆ、茶わん蒸し、豆腐など柔らかく薄味のもの
- 冷たいヨーグルト、プリン、フルーツゼリー
- 食事より水分・電解質補給を優先
夏風邪が長引くのはなぜ?何日で治るかの目安期間
「夏風邪は長引く」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に夏風邪が長引くケースは少なくなく、冬の風邪より治りが遅く感じることがあります。
ここでは、夏風邪は何日で治るのか、長引く理由とあわせて整理します。
夏風邪が長引きやすい3つの理由
- 夏バテで免疫力が落ちている
暑さ・冷房・睡眠不足が重なり、回復力が低下しやすい - ウイルス自体が腸内で増える
エンテロウイルスなど腸で増殖するタイプは、症状が落ち着いた後もしばらく便にウイルスが出る - 再感染しやすい
兄弟間や家族内での再感染で症状が長引いて見える
何日くらいで治る?目安期間
| 疾患 | 発熱の期間 | 完治までの目安 |
|---|---|---|
| ヘルパンギーナ | 2〜4日 | 1週間程度 |
| 手足口病 | 1〜3日 | 7〜10日 |
| プール熱(咽頭結膜熱) | 4〜7日 | 1〜2週間 |
| 新型コロナ(子ども) | 2〜5日 | 1〜2週間 |
あくまで一般的な目安です。
1週間以上発熱が続く、いったん下がった熱が再び上がる などの場合は、別の疾患が隠れていることもあります。
早めに医療機関にご相談ください。
受診の目安|病院へ行くべき4つの危険サイン
「いつ病院に行くべきか」は、親御さんが一番悩むポイントですよね。
次の4つの危険サインが一つでも当てはまる場合は、夜間・休日でも医療機関の受診をおすすめします。
- 半日以上おしっこが出ない / 唇や口の中が乾いている(脱水のサイン)
- 呼吸が苦しそう / 呼吸が異常に速い / 肩で息をしている
- 呼びかけへの反応が鈍い / 意識がぼんやりしている / いつもと様子が違う
- 生後3か月未満の赤ちゃんが38度以上の発熱
一方で、次のような場合は翌朝までかかりつけ医を受診する形で大丈夫なケースが多いです。
- 熱はあっても機嫌よく遊べている
- 水分や食事がそれなりに摂れている
- 夜はしっかり眠れている
ただし、保護者の方が不安に感じる場合は、無理せず医療機関にご相談ください。
判断に迷うときは、当サービス「あんよ」のオンライン小児科相談もご活用いただけます。
夏風邪と夏バテ、熱中症との見分け方
夏の体調不良で混同されやすいのが「夏バテ」と「熱中症」です。
原因が違うため、対処法も変わってきます。
| 項目 | 夏風邪 | 夏バテ | 熱中症 |
|---|---|---|---|
| 原因 | ウイルス感染 | 自律神経の乱れ・栄養不足 | 高温多湿・水分不足 |
| 発熱 | あり(38度以上が多い) | 微熱程度 | 高体温(時に40度以上) |
| 発症の仕方 | 数日かけて徐々に | 慢性的に | 急激に |
| 喉の症状 | 痛み・水疱あり | なし | なし |
| 対処 | 安静・水分補給・受診 | 生活リズム改善 | 冷却・救急要請 |
特に熱中症は命に関わる緊急事態です。
涼しい場所で冷却しても改善しない・意識がもうろうとする場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。
参考: 環境省「熱中症予防情報サイト」
夏風邪・コロナの予防方法5つ
夏風邪と新型コロナ、どちらにも有効な予防策を5つにまとめました。
ご家庭で今日から実践できる内容です。
- 手洗いの徹底
帰宅後・食事前・トイレ後に石けんで20秒以上。お子さんと一緒に習慣化を。 - こまめな水分補給
のどの粘膜を潤すことで、ウイルスの侵入を防ぎやすくなります。 - 適切な冷房・換気
室温は26〜28度を目安に。1〜2時間に1回、窓を開けて空気を入れ替える。 - 十分な睡眠と栄養
夏バテで免疫が下がると感染しやすくなります。タンパク質・ビタミンを意識した食事を。 - おもちゃ・タオルの共有を避ける
兄弟間・家族間での感染を防ぐ重要なポイントです。
ワクチンで予防できる感染症(新型コロナなど)については、かかりつけ医とご相談のうえ、お子さんの状況に合わせて検討してください。
よくある質問(FAQ)
ここでは、夏風邪・新型コロナに関して親御さんからよく寄せられる質問にお答えします。
- 夏風邪は何日で治る?目安期間を教えてください
-
疾患によりますが、ヘルパンギーナで約1週間、手足口病で7〜10日、プール熱で1〜2週間 が目安です。
1週間以上発熱が続いたり、いったん下がった熱が再び上がる場合は、別の疾患の可能性もあるため受診をおすすめします。
- 子どもの解熱剤はどれを使えばいいですか?
-
必ず医師や薬剤師にご相談のうえ 、お子さんに合ったお薬をお使いください。
一般的にはアセトアミノフェンが処方されることが多いです。
市販の総合感冒薬や大人用の薬を自己判断で使うのは避けましょう。
- 兄弟への感染を防ぐにはどうすればいいですか?
-
次のような工夫が役立ちます。
- タオル・コップ・歯ブラシを別にする
- お風呂は感染した子を最後にする
- おむつ替え後・トイレ後の手洗いを徹底する(特にエンテロウイルスは便から長く出ます)
- 保育園や学校はいつから登園・登校できますか?
-
主な疾患の登園・登校の目安は次のとおりです(出席停止期間は園や学校によって異なる場合があります)。
スクロールできます疾患 登園・登校の目安 ヘルパンギーナ 主な症状が消失し、食事が摂れるようになってから 手足口病 発熱や喉の痛みがなく、普段の食事が摂れるようになってから プール熱(咽頭結膜熱) 主な症状が消失して2日経過後 新型コロナ 発症から5日経過し、症状軽快から24時間経過後(学校保健安全法) - プール熱は大人もうつりますか?
-
はい、大人もアデノウイルスに感染する可能性があります。
家族内感染を防ぐため、タオルの共有を避け、こまめに手洗いを行いましょう。
大人が感染すると重症化しやすいケースもあるため、注意が必要です。
【まとめ】夏風邪とコロナの違いに迷ったら早めにご相談を
お子さんの急な発熱、不安になりますよね。
夏風邪とコロナの違いや、それぞれの対処法を知っておくだけでも負担や心配は軽くなると思います。
- 見分けは難しい:夏風邪と新型コロナは初期症状が似ており、ご家庭で完全に見分けるのは困難です
- 夏風邪の特徴:高熱に加え、喉や口の中の水ぶくれ、下痢などのお腹の症状が出やすい
- 新型コロナの特徴:咳・鼻水などの上気道症状、味覚・嗅覚の変化が出ることがある
- 危険サイン:脱水・呼吸困難・意識障害・乳児の高熱は、夜間でも受診を
- 予防の基本:手洗い・水分補給・適切な冷房と換気・十分な睡眠
「病院に行くべきか迷う」「待合室での感染が心配」という場合は、無理をして外出せず、小児科オンライン診療「あんよ」 のご利用を検討してみてはどうでしょうか。
関連記事




