「これだけで足りているのかな?」「飲ませすぎていないかな?」「夜中に何度も起きて、もうどれくらい飲んだか分からない」と、不安になったことはありませんか。
特に初めての赤ちゃんを迎えたご家庭では、毎日の授乳のたびに迷いや心配が積み重なりやすいものです。
新生児に必要なミルクの量は、生後日数や成長の段階によって少しずつ変わっていきます。
この記事では、生後日数別のミルク量の目安、足りているサインと飲み過ぎのサイン、よくある悩みへの対処法までを、公的資料や授乳に関するガイドに基づいてわかりやすく解説します。
読み終えた頃には、毎日の授乳時間にもう少し安心して向き合えるようになっているはずです。
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本記事は一般的な医学情報の解説を目的としており、個別の診断・治療を指示するものではありません。最終的な判断は医師にご相談ください。
新生児のミルク量は「日齢×10mL」が目安|生後日数別の1回量
新生児期のミルク量や授乳回数には個人差がありますが、生後日数によっておおよその目安があります。

厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)では、授乳は赤ちゃんが欲しがるサインに応じて与えることが基本とされていますが、ミルク育児では一定の目安を持っておくと安心です。
新生児期に広く参考にされている目安は、次の表のとおりです。
| 時期 | 1回量の目安 | 1日の授乳回数 |
|---|---|---|
| 生後0日〜1週間 | 日齢×10mL(最大80mL前後) | 8〜12回 |
| 生後1〜2週間 | 80mL前後 | 7〜8回 |
| 生後2週間〜1か月 | 120mL前後 | 6〜7回 |
あくまで目安です。お手持ちのミルク缶の標準調乳量表を必ず確認してください。
生後0日〜1週間|1回10mLから少しずつ増やしていく
生まれてすぐの赤ちゃんの胃は、サクランボほどの小さなサイズしかないと考えられています。
そのため、最初は1回10〜20mLほどのごく少量からはじめ、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ増やしていきます。
ミルクの量は、生後1週間ごろまでは「日齢×10mL」を1回量の目安にする方法が、森永乳業のはぐくみコラムなど多くの育児情報サイトで紹介されています。
足りなさそうな様子のときは、さらに10mLほど追加するとよいでしょう。
授乳間隔は2〜3時間おき、1日8〜12回が目安です。
生後1〜2週間|1回80mL前後、リズムが少しずつ整う
1回あたりの量は80mL前後、1日の授乳回数は7〜8回程度が目安と考えられます。
1回にまとまった量を飲めるようになる赤ちゃんもいれば、まだ頻回に少量ずつ飲みたがる赤ちゃんもいて、進み方には個人差があります。
授乳のリズムには差があるため、毎回きっちり同じ量を飲ませる必要はありません。
生後2週間〜1か月|1回120mL前後で授乳リズムが整う
1回あたりの量は120mL前後、1日の授乳回数は6〜7回程度が目安です。
1回の授乳にかかる時間は10〜20分ほどを目安にし、長引きすぎる場合はだらだら飲ませ続けることを避けるとよいでしょう。
ミルクの飲み方に慣れてきて、授乳リズムが少しずつつかめてくる時期でもあります。
ミルク缶の調乳量表を必ず確認する
新生児期のミルク量は、メーカーや基準体重の設定によって少しずつ表記が異なります。
明治ほほえみでは0か月の標準調乳量を「1回80mL × 1日7回」、森永はぐくみでは「生後1週間からは日齢×10mLを目安に増量」と案内するなど、メーカーごとに目安が用意されています。
お手持ちのミルク缶のラベルに書かれた標準調乳量表が、ご家庭での基本になりますので、まずはそちらを確認してください。

母乳・ミルク・混合栄養でミルク量の考え方はどう変わるのか
新生児の授乳には、母乳育児・ミルク育児・混合栄養の3つの方法があります。

それぞれで授乳量の考え方や回数の目安が少しずつ違ってきます。
母乳育児の場合|欲しがるサインに合わせて頻回授乳
母乳は消化吸収がはやく、赤ちゃんが欲しがるサインに合わせて頻回に飲ませる「自律授乳」が基本と考えられています。
新生児期は1日8〜12回、2〜3時間おきが目安となります。
母乳の量は外から見て測りにくいため、量そのものよりも体重やおしっこの回数で確認する方法が現実的です。
ミルク育児の場合|3時間おきが基本
粉ミルクは母乳に比べて消化に時間がかかるため、授乳間隔は3時間前後になりやすい傾向があります。
新生児期は1日6〜8回、ミルク缶に書かれた標準調乳量を基準にしながら、赤ちゃんの様子に合わせて調整してみてください。
混合栄養の場合|母乳の後にミルク40〜60mLを足す
母乳育児を進めたい場合は、まず母乳を飲ませてから、足りないときにミルクを追加するのが基本です。
ミルクは、1回量80〜120mLの半分にあたる40〜60mLが目安と考えられます。
飲み残しが多かったり、授乳間隔があまり延びなかったりするときは、赤ちゃんの様子を見ながら量を調整してください。
新生児にミルクが足りているか確認する3つのサイン
ミルクが足りているかどうかは、1回の量だけでは判断しにくいものです。
赤ちゃんの体重・排泄・機嫌の3つを組み合わせて確認すると、より安心できます。
サイン①|体重が順調に増えている
赤ちゃんの体重は、ミルクが足りているかどうかを示す大切な指標です。
国立保健医療科学院の乳幼児身体発育評価マニュアルでは、生後0〜3か月に期待される体重増加は1日あたり約25〜30gとされています。
こども家庭庁の令和5年乳幼児身体発育調査による男女別の体重推移では、生後30日の体重は男児で約3.2〜5.0kg、女児で約3.0〜4.7kgが目安です。
サイン②|おしっこが1日6回以上で色が薄い
おしっこの回数と色は、水分が足りているかどうかの目安になります。
新生児期は1日6回以上の排尿があり、色が薄く透明に近いほど、十分な水分が取れていると考えられます。
おしっこの回数が急に減ったり、色が濃くなったりするときは、水分不足のサインかもしれません。
サイン③|機嫌や肌の状態が落ち着いている
授乳の後に落ち着いた表情で過ごせる、肌にハリがある、血色が良いといった状態は、ミルクが足りているサインの一つです。
ただし、これらは目安にすぎないため、体重とおしっこの回数と合わせて確認することをおすすめします。
ミルクを飲み過ぎているかもしれない4つのサイン
ミルク育児では「飲ませすぎていないか」も気になるところです。
次のような様子があるときは、量や授乳間隔を見直すと安心です。
- 授乳のたびに毎回大量に吐き戻している
- 飲んだ後に苦しそうにうなったり、いきんだりしている
- お腹が張ってパンパンになり、便秘や下痢が続いている
- 1日に50g以上のペースで急激に体重が増え続けている
新生児期は飲んだ直後に少量こぼれる「溢乳(いつにゅう)」もよく見られるため、すべての吐き戻しが飲み過ぎを意味するわけではありません。
噴水のように勢いよく吐く、緑色や黄色が混じる、血液が混じる、機嫌が悪く体重も増えないといった場合は別の原因が考えられるため、早めに医師に相談してください。
生理的体重減少と1か月健診で確認したいポイント
新生児期は、出生後すぐに体重が一時的に減ることが知られています。

これは「生理的体重減少」と呼ばれ、おしっこ・便・汗などから出ていく水分量が、最初に飲める量より多いために起こると考えられています。
日本産婦人科医会の身体発育に関する解説などでは、生後数日で出生体重の5〜10%ほど減少し、おおむね生後1〜2週間で出生体重に戻るとされています。
1か月健診までに体重が約1kg増えていれば、おおむね順調と考えられます。
体重がなかなか戻らない、1か月健診時点で増加が乏しいといった場合は、母乳・ミルクの与え方を医師や助産師に相談してください。
受診を考えたい新生児のミルクに関する症状
次のような様子が見られるときは、自宅で様子を見るよりも早めに相談したほうが安心と考えられます。
| サイン | 受診先の目安 |
|---|---|
| 5時間以上授乳が空き、起こしても飲まない | 産科または小児科 |
| 噴水状の吐き戻しが繰り返し起こる | 小児科 |
| おしっこが24時間で半分以下に減った/色が濃い | 小児科 |
| ぐったりして元気がない/体重が増えない | 小児科を当日中に受診 |
夜間や休日で迷ったときは、厚生労働省が案内しているこども医療でんわ相談(#8000)も利用できます。
自宅から医師に相談したい場合は、小児科オンライン診療「あんよ」を活用するのも選択肢の一つです。
新生児のミルク量に関するよくある質問
実際の育児相談で多く寄せられる質問にお答えします。
- 授乳間隔が3時間もたないのですが、ミルクが足りていないのでしょうか?
-
新生児期は授乳間隔が短くなることも珍しくありません。
体重が順調に増え、おしっこの回数も保たれていれば、足りていないと決めつけずに様子を見て大丈夫と考えられます。
- 赤ちゃんが寝ていてミルクを飲まないときはどうしたらよいですか?
-
新生児期は5時間以上授乳が空くと、低血糖や脱水のリスクが高まると考えられています。
授乳間隔が4〜5時間以上空きそうなときは、やさしく起こして授乳することを検討してください。
- ミルク缶の表示通りに作ったのに吐き戻します。減らしてもよいですか?
-
毎回大量に吐き戻すようであれば、1回量を10〜20mLほど減らして様子を見るのも方法の一つです。
噴水状の吐き戻しが繰り返される場合や、体重が増えない場合は別の原因が隠れている可能性があるため、医師に相談してください。
- パパや家族にミルクをあげてもらってもよいですか?
-
ミルク育児では、ご家族と授乳を分担できることが大きなメリットの一つです。
授乳の負担を分かち合うことで、ママの休息時間を確保しやすくなります。
- 母乳の量がわからず足りているか不安です。どう確認すればよいですか?
-
母乳量はそのものを測れないため、体重の増え方・1日のおしっこ回数・授乳後の赤ちゃんの様子で確認するのが現実的です。
こども家庭庁の授乳に関する情報でも、量よりも赤ちゃんのサインや体重で判断する考え方が示されています。
- 新生児期の1日のミルク総量はだいたいどれくらいですか?
-
生後1週間ごろは1日あたり約500〜600mL、生後2週間〜1か月では約700〜800mLが目安と考えられます。
赤ちゃんの体格や哺乳力によって幅があるため、お手持ちのミルク缶の標準調乳量表と体重の伸びを合わせて確認してください。
【まとめ】新生児のミルク量は「日齢×10mL」から始まり生後1か月で120mLが目安
新生児のミルク量は、生後日数によって少しずつ増えていくのが基本です。
「日齢×10mL」を出発点に、生後1〜2週間で80mL前後、生後2週間〜1か月で120mL前後と覚えておくと、毎日の授乳の目安が立てやすくなります。
- 生後1週間までは「日齢×10mL」が1回量の目安と考えられる
- 生後1〜2週間は1回80mL前後、生後2週間〜1か月は1回120mL前後が目安となる
- メーカーごとに標準調乳量が異なるため、ミルク缶のラベル表示を必ず確認する
- 足りているかは体重・おしっこ・機嫌の3つで総合的に判断する
- 5時間以上飲まない・噴水状の吐き戻し・元気がないなどは早めに医師へ相談する
夜間や休日で病院に行きにくいときは、小児科オンライン診療「あんよ」でご自宅から医師に相談するのも選択肢の一つですよ。
最終的な判断は医師に相談してください。

