「これはアトピーなのかな」「かき壊してとびひになったらどうしよう」「病院に行ったほうがいいのかな」と、不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもの湿疹の代表的な原因と症状別の見分け方、うつる湿疹の登園のめやす、おうちでのスキンケアまでを、公的機関や学会の情報をもとにわかりやすく解説します。
「すぐに受診すべきか、様子を見てよいか」を判断するポイントもまとめましたので、慌てずにお子さんの肌の様子を確認してみてくださいね。
本記事の編集方針について
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まず確認|すぐに受診を検討したい子どもの湿疹のサイン

子どもの湿疹の多くは、おうちでのケアをしながら様子を見られるものです。
ただし、なかには早めの受診が必要なサインもあります。次のような様子があるときは、夜間や休日でも早めに医療機関に相談してください。
- 発熱をともない、ぐったりして元気がない
- 水ぶくれができて皮膚がめくれる、広い範囲がジュクジュクしている
- 押しても消えない紫色の点(紫斑)が出ている
- 唇や顔が急に腫れる、ゼーゼーして息が苦しそう
- かゆみが強くて眠れない、または急に全身へ広がっている
特に、唇や顔の腫れ・息苦しさは、アレルギー反応が全身に強く出る「アナフィラキシー」の疑いがあります。呼吸が苦しそうなときは、ためらわずに救急要請を検討してください。
判断に迷うサインについては、日本小児科学会が監修するこどもの救急の情報も参考になります。
子どもの湿疹の主な原因|症状の見た目から見分ける
子どもの湿疹は、乾燥やあせものように体質・環境によるものと、とびひや感染症のようにうつるものに大きく分かれます。
まずは「どんな見た目か」「どこに出ているか」から、考えられる原因の見当をつけてみましょう。
| 症状の見た目と部位 | 考えられる主な原因 | 受診のめやす |
|---|---|---|
| 生後まもなく、頭や顔に黄色いかさぶたやフケのようなもの | 乳児脂漏性皮膚炎(乳児湿疹) | 多くは自然に落ち着く。気になれば相談 |
| 体がカサカサ乾燥して赤くなり、かゆみが続く・くり返す | 乾燥による湿疹やアトピー性皮膚炎の可能性 | 長引く・くり返すなら受診 |
| 汗をかく時期に、首やひじ・ひざの内側に赤い小さなブツブツ | あせも(汗疹) | 悪化やかき壊しがあれば受診 |
| おむつが当たる部分が赤い | おむつかぶれ | しわの奥まで赤い・治りにくいなら受診 |
| 赤い部分がジュクジュクし、かさぶたや水ぶくれが広がる | とびひ(伝染性膿痂疹) | 早めに受診 |
| 中央がくぼんだ、光沢のある小さないぼ | 水いぼ(伝染性軟属腫) | かかりつけへ相談 |
| 蚊に刺されたような膨らみが出ては消え、場所が移る | じんましん(蕁麻疹) | 息苦しさ・唇の腫れは救急 |
| 熱とともに全身に発疹が広がる | 手足口病・りんご病・突発性発疹などの感染症の可能性 | うつる可能性があり受診 |
見た目が似ていても原因は異なることがあり、自己判断がむずかしい場合も少なくありません。判断に迷うときは、医療機関で相談すると安心です。
年齢別にみる|子どもがなりやすい湿疹とケアの方向性
子どもの肌は成長とともに状態が変わり、出やすい湿疹も年齢で少しずつ変化します。
年齢ごとの傾向を知っておくと、日々のケアの見当をつけやすくなります。
| 時期 | 出やすい湿疹 | ケアの方向性 |
|---|---|---|
| 新生児〜生後2・3か月 | 乳児脂漏性皮膚炎(皮脂が多い時期) | やさしく洗って清潔に保つ |
| 生後3か月〜乳児期 | 乾燥による湿疹・あせも・おむつかぶれ | 洗浄と保湿で乾燥を防ぐ |
| 幼児期 | あせも・とびひ・水いぼ・じんましん・感染症の発疹 | かき壊し予防とうつる病気への注意 |
| 学童期 | アトピー性皮膚炎・じんましん・接触皮膚炎 | 保湿とかゆみ対策を続ける |
生後まもない時期の乳児脂漏性皮膚炎は、国立成育医療研究センターによると乳児のおよそ3人に1人にみられるとされ、多くは成長とともに自然に落ち着いていくと考えられています。
うつる湿疹・うつらない湿疹|登園・登校のめやす
子どもの湿疹で気になるのが「これはうつるの?」という点です。
乾燥による湿疹やあせも、アトピー性皮膚炎、じんましんは、基本的に人にはうつりません。
一方で、とびひや水いぼ、発疹をともなう感染症は接触などでうつることがあります。かき壊した部分から広がったり、集団生活でうつしたりしないよう注意が必要です。
| 病気 | うつり方の特徴 | 登園・登校のめやす |
|---|---|---|
| とびひ(伝染性膿痂疹) | 触れるとうつり、かき壊しで広がる | 出席停止の対象ではないが患部を覆う。園の指示に従う |
| 水いぼ(伝染性軟属腫) | 直接接触やタオルなどの共用でうつる | 出席停止の対象ではない。プールは園・自治体の方針に従う |
| 手足口病 | 飛沫や接触でうつる | 熱や口の中の症状がなく、普段の食事がとれること |
| りんご病(伝染性紅斑) | 飛沫でうつる(発疹が出る頃には感染力は弱いとされる) | 全身の状態が良いこと |
| 突発性発疹 | 主に身近な人からうつる | 解熱し機嫌がよく、全身の状態が良いこと |
| 水ぼうそう(水痘) | 空気や接触で強くうつる | すべての発疹がかさぶたになること |
登園・登校の再開時期は、こども家庭庁の保育所における感染症対策ガイドラインで目安が示されています。運用は園や自治体で異なることもあるため、最終的には通っている園の指示を確認しましょう。
なお、とびひや水いぼについては、日本小児皮膚科学会が家庭向けにくわしく解説しています。

原因になりやすい主な病気とホームケア
ここからは、子どもの湿疹の原因になりやすい病気を、家庭でのケアのポイントとあわせて見ていきます。
乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎・乾燥による湿疹)
生後まもない赤ちゃんは皮脂の分泌が多く、頭や顔に黄色いかさぶたのような湿疹が出ることがあります。
生後2〜3か月を過ぎると今度は皮脂が減り、乾燥による赤みやカサつきが出やすくなります。
多くは成長とともに落ち着いていきますが、赤みやジュクジュクが強い、なかなか改善しないときは、かかりつけの小児科や皮膚科に相談すると安心です。
あせも(汗疹)
あせもは、汗の通り道が詰まって汗が皮膚の中にたまることで起こります。
汗の浅い層で詰まると透明な小さな水ぶくれに、もう少し深い層で詰まるとかゆみのある赤いブツブツになると済生会は説明しています。
風通しのよい服を選び、汗をかいたらこまめにふき取ったりシャワーで流したりして、清潔と乾燥を心がけましょう。
おむつかぶれ
おむつかぶれは、尿や便の刺激と蒸れによって、おむつが当たる部分が赤くなる状態です。
皮膚のしわの奥まで赤みが広がっていたり、いつものケアで治りにくかったりする場合は、カビの一種による皮膚カンジダ症が隠れていることもあります。この2つは見分けがむずかしいため、治りにくいときは受診して確認してもらいましょう。
とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひは、あせもや虫刺されをかき壊した部分などに細菌が入って起こり、触れると広がる皮膚の感染症です。
患部を清潔に保ち、爪を短く切ってかき壊しを防ぐことが大切です。ほかの子にうつさないよう、患部をガーゼなどで覆う配慮も心がけましょう。
アトピー性皮膚炎
かゆみのある湿疹が、よくなったり悪くなったりをくり返すのが特徴です。
診断や治療は専門的な判断が必要になるため、気になるときは医療機関に相談してください。治療については、日本皮膚科学会などによるアトピー性皮膚炎の診療ガイドラインが公開されています。
じんましん(蕁麻疹)
蚊に刺されたような赤い膨らみが、数時間から1日以内に跡を残さず消え、場所を変えて出るのが特徴です。
原因が特定できないことも多いとされます。じんましんで唇やまぶたが腫れる、息苦しさをともなうときは、すぐに受診してください。
接触皮膚炎(かぶれ)
特定の物質に触れて起こる炎症で、金属や植物、洗剤などが原因になります。
接触皮膚炎は、原因になっているものを見つけて避けることがケアの基本になると、日本アレルギー学会は説明しています。
子どもの湿疹の受診のめやす|緊急度の考え方
「すぐ病院に行くべき?」「朝まで様子を見てもいい?」と迷ったときは、緊急度で整理して考えると判断しやすくなります。
| 緊急度 | こんなとき | 対応のめやす |
|---|---|---|
| すぐに受診・救急も検討 | 発熱+ぐったり、水ぶくれで皮膚がめくれる、紫斑、唇や顔の腫れ・息苦しさ | 夜間・休日でも早めに(呼吸が苦しければ救急) |
| 早めに(翌日など)受診 | ジュクジュク広がる、かき壊してかさぶた、かゆみで眠れない、急に悪化 | 診療時間内に受診 |
| 様子を見てよいことが多い | 局所的で機嫌・食欲がよく、悪化していない | おうちケアを続け、長引けば受診 |
どの科を受診するか迷うときは、小児科でも皮膚科でも相談できます。全身の様子もあわせてみてほしいときは小児科、皮膚の症状が長引く・くり返すときは皮膚科が選びやすいでしょう。
子どもの肌を守る正しいスキンケア

子どもの肌は大人よりも薄く、外からの刺激を防ぐバリア機能が未熟なため、乾燥やトラブルが起こりやすいと環境再生保全機構は解説しています。
だからこそ、毎日の「やさしく洗う」「うるおいを保つ」というケアが、肌の調子を整える土台になります。
洗い方のポイント
体を洗うときは、次の点を意識してみてください。
- せっけんはよく泡立てて、泡でなでるようにやさしく洗う
- ゴシゴシこすらず、ぬるめのお湯で洗う
- しわの間やくびれもやさしく広げて洗う
- せっけん成分が残らないよう、しっかりすすぐ
保湿のポイント
洗ったあとの肌は乾燥しやすいため、入浴後はできるだけ早めに保湿剤を塗りましょう。
塗る量の目安として、大人の人差し指の先から第一関節までチューブから出した量(約0.5g)で、手のひら2枚分の広さに塗り広げると、適量になりやすいとされています。
乾燥しやすい肌や湿疹が出やすい肌では、こうして肌のうるおいを保つことが、乾燥による悪化やくり返しをやわらげるのに役立つと考えられています。
なお、健康な赤ちゃんに毎日保湿剤を塗っても、アトピー性皮膚炎の発症そのものを防ぐ効果は確認されなかったとする大規模な研究報告もあります。保湿は「病気を防ぐ手段」というより、乾燥しがちな肌をすこやかに保つケアととらえておくとよいでしょう。
やりがちなNGケア
よかれと思ったケアが、かえって湿疹を悪化させてしまうこともあります。
- かゆがるのを放置して、かき壊してしまう
- 熱いお湯やタオルでゴシゴシ洗ってしまう
- 汗をかいたあと、そのままにしてしまう
- 自己判断で大人用の塗り薬を使ってしまう
塗り薬について、ステロイド外用薬は医師の指示のもとで正しく使うことが大切です。自己判断で中止したり量を変えたりせず、気になる点は医師に相談しましょう。
受診に迷うときはオンライン診療も選択肢に
「夜間で病院が開いていない」「受診すべきか迷う」「保湿を続けても改善しない」といったときは、自宅から医師に相談できる小児科オンライン診療を活用する方法もあります。
移動や待ち時間の負担をかけずに、いまの肌の様子を画面ごしに相談できるのが利点です。症状によっては対面での受診をすすめられることや、医師の判断で対応できないこともありますが、受診の判断材料のひとつになります。
夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。
よくある質問(Q&A)
- 子どもの湿疹はうつりますか?
-
乾燥による湿疹やあせも、アトピー性皮膚炎、じんましんは、基本的に人にはうつりません。
一方で、とびひや水いぼ、手足口病やりんご病などの感染症による発疹は、接触や飛沫でうつることがあります。
- 保湿すればアトピーは予防できますか?
-
近年の大規模な研究では、健康な赤ちゃんに毎日保湿剤を塗っても、アトピー性皮膚炎の発症そのものを防ぐ効果は確認されなかったと報告されています。
ただし、乾燥や湿疹がある肌を保湿で整えることは、かゆみや悪化をやわらげるうえで大切と考えられています。
- 保湿だけで湿疹は治りますか?
-
乾燥が主な原因の軽い湿疹なら、保湿を続けることで落ち着くこともあります。
かゆみや赤みが強い、ジュクジュクしている、なかなか改善しない・くり返すといったときは、医療機関を受診しましょう。
- ステロイドの塗り薬は使って大丈夫ですか?
-
ステロイド外用薬は、医師の指示のもとで症状に合わせて正しく使うことが基本です。
自己判断で急にやめたり量を変えたりせず、不安な点はそのつど医師に相談すると安心です。
- 何科を受診すればよいですか?
-
小児科でも皮膚科でも相談できます。
熱など全身の様子もみてほしいときは小児科、皮膚の症状が長引く・くり返すときは皮膚科が選びやすいでしょう。
- 湿疹が出たり消えたりをくり返します。
-
数時間から1日以内に出ては消え、場所が移るなら、じんましんの特徴に近い状態です。
かゆみのある湿疹がよくなったり悪くなったりをくり返す場合はアトピー性皮膚炎の可能性もあり、続くようなら受診をおすすめします。
【まとめ】子どもの湿疹は症状の見た目と部位から見分け、迷ったら早めに相談を
子どもの湿疹は原因がさまざまで、見た目と出ている場所から見分けていくことが対応の第一歩になります。
- 子どもの湿疹は乾燥・あせも・アトピー・とびひ・感染症など原因が幅広く、症状の見た目と部位から見分けることが大切です
- とびひや水いぼ、感染症の発疹はうつるため、登園はこども家庭庁の目安と園の指示を確認しましょう
- 乾燥しやすい肌はやさしい洗い方と保湿でうるおいを保ち、かき壊しを防ぐことが悪化予防につながります
- 発熱・水ぶくれ・紫斑・唇の腫れや息苦しさがあるときは、早めに(必要なら救急で)受診しましょう
自己判断がむずかしいと感じたら、無理をせず医療機関に相談してください。
夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。
最終的な判断は医師に相談してくださいね。

