生まれたばかりの赤ちゃんの顔に、赤いブツブツやカサカサが出てくると、思わずドキッとしてしまいますよね。「これは何かの病気なの?」「もしかしてアトピーかな」「洗い方や保湿のしかたが悪かったのかも」と、不安に感じる親御さんは少なくありません。
この記事では、新生児の湿疹の主な種類と見分け方、家庭でできるスキンケア、受診を考える目安までを、公的機関や学会の情報をもとにわかりやすく解説します。「すぐに受診したほうがよいのか」を判断するチェックもまとめましたので、慌てず、お子さんの肌の様子を確かめながら読んでみてくださいね。
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新生児の湿疹とは?まず知っておきたい「新生児」と「乳児」の違い

新生児の湿疹とは、生まれてまもない赤ちゃんの肌に出る、赤みやブツブツ、カサカサなどの湿疹をまとめて指す言葉です。「新生児湿疹」はひとつの病名ではなく、いくつかの原因による肌トラブルが含まれます。
まず、言葉を整理しておきましょう。母子保健法では、「新生児」は出生後28日を経過しない赤ちゃん、「乳児」は1歳に満たない赤ちゃんと定められています。
つまり、生後4週間ごろまでが新生児期にあたります。ただ、肌トラブルはこの時期から乳児期まで続けて起こることが多いため、この記事では新生児期を中心に、乳児期に入ってからの湿疹もあわせてお伝えします。
新生児に湿疹ができる主な原因|カギは皮脂の量の変化
新生児の肌は、大人に比べてとても薄くデリケートです。バリア機能が未熟なため、ちょっとした刺激でも湿疹ができやすい状態にあります。
湿疹の出方を左右する大きなカギが、皮脂の量の変化です。生まれてから生後2〜3か月ごろまでは、お母さんから受け継いだホルモンの影響で皮脂の分泌がさかんになります。この時期は皮脂が毛穴にたまりやすく、ブツブツやかさぶたのような湿疹が出やすくなります。
その後は一転して皮脂が減り、肌が乾燥しやすくなるため、今度は乾燥による湿疹が増えていきます。さらに、汗がたまったり、よだれやおむつが触れたりする刺激も、湿疹のきっかけになります。原因はひとつではなく、月齢や肌の状態によって変わると考えられます。
新生児の湿疹の種類と見分け方|時期・場所・見た目でチェック
新生児から乳児期にみられる湿疹には、いくつかの種類があります。まずは全体像を、出やすい時期と場所、見た目で確かめてみましょう。
| 種類 | 出やすい時期・場所 | 見た目の特徴 |
|---|---|---|
| 新生児ざ瘡(新生児ニキビ) | 生後2週〜1か月ごろ/頬・額 | 赤いポツポツやニキビのような発疹 |
| 乳児脂漏性湿疹 | 生後1〜4か月ごろ/頭・眉・生え際 | 黄色いかさぶたやフケのようなもの |
| 皮脂欠乏性湿疹 | 生後3〜4か月以降/ほほ・体・手足 | カサカサした乾燥と赤み |
| あせも | 汗をかく時期/首・わき・背中 | 小さな赤いブツブツや水っぽい発疹 |
| おむつかぶれ | おむつが触れる部分 | 当たる範囲の赤みやただれ |

新生児ざ瘡(新生児ニキビ)
生後2週間から1か月ごろにあらわれやすい、赤いポツポツとした湿疹です。皮脂が多く分泌される時期に、毛穴に皮脂がたまって起こると考えられています。頬や額に出ることが多く、思春期のニキビに似た見た目です。多くは数週間から数か月で自然に落ち着いていきます。

乳児脂漏性湿疹
生後1〜2か月から4か月ごろにみられる湿疹です。大阪小児科医会によると、額や眉のまわり、小鼻の脇などの毛穴に沿って、黄色いかさぶた(乳痂)ができるのが特徴とされています。かゆみは比較的少なく、幼児期までに良くなっていくことが多いようです。
皮脂欠乏性湿疹(乾燥による湿疹)
皮脂の分泌が減る生後3〜4か月以降に増えてくる湿疹です。肌がカサカサと乾燥し、赤みやかゆみをともなうことがあります。空気が乾く冬場は、特に気をつけたい時期です。
あせも(汗疹)
汗をたくさんかいたあと、汗が皮膚にたまることで起こります。首やわきの下、背中、関節の内側など、汗がたまりやすい場所に小さな赤いブツブツが出ます。汗をかいたらこまめに拭き取り、清潔を保つことが大切です。
おむつかぶれ・よだれかぶれ
おむつやよだれが触れる部分に起こる、刺激による湿疹です。おむつの当たる範囲や口のまわりが赤くなります。おむつかぶれは、皮膚のカンジダ症と見分けが必要なこともあります。
新生児の湿疹とアトピー性皮膚炎の違い
「湿疹がなかなか治らないと、アトピーなのでは」と心配になる親御さんは多いものです。ここでは、見分け方の考え方と、湿疹と食物アレルギーの関係をお伝えします。
見分け方のポイント
国立成育医療研究センターは、アトピー性皮膚炎を「かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気」と説明しています。
| 比べる点 | 新生児・乳児の湿疹(多くの場合) | アトピー性皮膚炎 |
|---|---|---|
| 経過 | 一時的で、ケアで落ち着きやすい | 良くなったり悪くなったりを繰り返す |
| かゆみ | 種類により軽いこともある | かゆみをともなうことが多い |
| 診断 | 見た目と経過で判断 | 一定期間の経過をみて医師が診断 |
乳児では、湿疹が長引くかどうかを含めて経過をみたうえで、医師がアトピー性皮膚炎かどうかを判断します。見た目だけで自己判断するのは難しいため、気になるときは相談してみましょう。
湿疹と食物アレルギーの関係(経皮感作)
近年の研究で、湿疹と食物アレルギーの関係がわかってきました。国立成育医療研究センターによると、湿疹があってバリア機能が低下した皮膚から食物の成分が入り込むことで、食物アレルギーを発症する仕組み(経皮感作)が明らかになっています。
だからこそ、湿疹は早めにケアして落ち着かせることが大切です。なお、自己判断で母乳や離乳食を制限すると、赤ちゃんの成長に必要な栄養が不足するおそれがあります。食物アレルギーが心配なときは、必ず医師に相談してください。

新生児の湿疹の家庭でのケア|清潔と保湿が基本

新生児の湿疹のケアは、「清潔」と「保湿」が基本です。皮脂が多いタイプでも、乾燥するタイプでも、肌を清潔にして潤いを保つことは共通して大切にしたいポイントです。
洗い方のコツ
独立行政法人環境再生保全機構は、赤ちゃんの肌の洗い方として、きめが細かく、逆さまにしても落ちないくらいの泡を作り、手でやさしく洗う方法をすすめています。
ナイロンタオルやスポンジは肌を傷つけることがあるため、避けたほうがよいとされています。洗ったあとは泡が残らないようにしっかりすすぎ、こすらずに押さえるように水分を拭き取りましょう。顔や頭も、洗浄料で洗ってあげて構いません。
保湿の量とタイミング
保湿は、お風呂あがりに水分を拭き取ったら、できるだけ早く行うのがポイントです。保湿剤の量は、大人の人さし指の先から第一関節までにのせた量(約0.5g)が、大人の手のひら2枚分の広さの目安とされています。
すり込むのではなく、肌にたっぷりのせるように、やさしく広げます。塗ったあとにティッシュが軽く貼りつく程度が、ひとつの目安です。
湿疹を悪化させないための工夫
毎日のちょっとした心がけで、湿疹の悪化を防ぎやすくなります。次のような点を意識してみてください。
- 汗をかいたらこまめに拭き取り、着替えをする
- よだれやミルクの汚れはやさしく拭き取る
- 赤ちゃんの爪は短く切り、かき壊しを防ぐ
- 部屋の湿度を保ち、乾燥しすぎないようにする
新生児の湿疹で受診を検討する目安|緊急度別に整理
多くの新生児の湿疹は、家庭でのスキンケアで落ち着いていきます。ただし、なかには早めの受診がすすめられる場合もあります。緊急度ごとに整理しました。
| 緊急度 | こんなとき | おすすめの行動 |
|---|---|---|
| すぐに相談・受診 | 広い範囲に赤みやジュクジュクが広がる/黄色い汁やかさぶたが増える/水ぶくれ/発熱をともなう/母乳やミルクの飲みが悪い | できるだけ早く小児科・皮膚科へ |
| 早めに受診 | スキンケアを2週間ほど続けても改善しない/かゆがって眠れない/繰り返す | 診療時間内に小児科・皮膚科へ |
| 様子をみてもよい | 軽いブツブツで機嫌がよく、母乳やミルクも飲めている | ケアを続けつつ経過を確認 |
特に生後3か月未満の赤ちゃんは、体の変化に気づきにくいことがあります。ジュクジュクした湿疹は、とびひ(伝染性膿痂疹)などの感染を起こしていることもあるため、迷ったら早めに相談すると安心です。
「様子をみてもよい」場合でも、判断に迷うことは珍しくありません。夜間や休日で病院が開いていないとき、受診すべきか迷うときは、ご自宅からスマートフォンで医師に相談できる小児科オンライン診療「あんよ」を活用するのもひとつの方法です。医師の判断により、対面での受診をおすすめする場合もあります。
新生児の湿疹と保湿の最新情報|スキンケアはアレルギー予防にもつながる
スキンケアは、今ある湿疹のケアだけでなく、その後のアレルギーとも関わることがわかってきました。ここは、少し新しい研究の話です。
国立成育医療研究センターの研究では、新生児期から保湿剤を塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上下がったと報告されています(家族にアレルギーのある赤ちゃんを対象にした研究です)。ただし同じ研究では、いったんアトピー性皮膚炎を発症すると保湿だけでは不十分で、皮膚の炎症をしっかり抑えることが欠かせないという点も明らかになりました。
さらに、国立成育医療研究センターが2026年に報告した研究では、湿疹(アトピー性皮膚炎)のある赤ちゃんに早めにしっかりとした治療を行ったところ、3歳の時点での食物アレルギーが少なく(早期治療群47.4%、通常治療群58.8%)、特に卵アレルギーが有意に減ったとされています。
この治療は医師の指導のもとで行うもので、成長への影響は3歳時点ではみられなかったと報告されています。ステロイド外用薬などの塗り薬を心配する声もありますが、自己判断で使ったり中断したりせず、医師と相談しながら正しく使うことが大切です。
つまり、湿疹は「様子をみすぎず、早めにケア・相談する」ことが、赤ちゃんの肌とアレルギーの両面で意味を持つと考えられます。
新生児の湿疹はいつまで続く?種類別の経過の目安
「この湿疹はいつまで続くの」と気になりますよね。経過には個人差がありますが、種類ごとのおおよその目安をお伝えします。
| 種類 | 落ち着いてくる目安 |
|---|---|
| 新生児ざ瘡(新生児ニキビ) | 数週間〜数か月 |
| 乳児脂漏性湿疹 | 幼児期までに軽快することが多い |
| 皮脂欠乏性湿疹(乾燥) | スキンケアで改善し、1歳ごろに落ち着くことが多い |
皮膚のバリア機能が育つ1歳ごろには、肌トラブルが落ち着いてくる赤ちゃんが多いようです。ただし、ケアを続けても長引く、繰り返す、悪化するといった場合は、別の原因やアトピー性皮膚炎が隠れていることもあります。そのときは医師に相談してみてください。

新生児の湿疹に関するよくある質問(FAQ)
- 新生児ニキビは自然に治りますか?
-
多くは数週間から数か月で自然に落ち着いていきます。ただし、清潔と保湿のケアは続けてあげましょう。赤みが強い、範囲が広がる、ジュクジュクするといったときは、小児科や皮膚科に相談してください。
- 赤ちゃんにステロイドの塗り薬を使っても大丈夫ですか?
-
医師の指導のもとで正しく使えば、湿疹の治療に役立つ薬とされています。自己判断で量や期間を変えず、処方された使い方を守ることが大切です。不安な点は、遠慮なく医師に確認しましょう。
- 母乳やお母さんの食事が湿疹の原因ですか?
-
母乳やお母さんの食事が直接の原因とは限りません。自己判断で食事を制限すると栄養が偏ることもあるため、気になるときはまず医師に相談してください。
- 顔ばかり洗ってよいのか心配です。洗いすぎになりませんか?
-
皮脂や汚れを落とすことは大切なので、1日1回はやさしく洗ってあげて構いません。洗ったあとの保湿をセットにすると、乾燥を防ぎやすくなります。
- 保湿をすると、皮脂が多い湿疹が悪化しませんか?
-
皮脂が多いタイプでも、清潔にしたうえで保湿することはすすめられています。それでも悪化するように感じるときは、量や種類について医師や薬剤師に相談してみましょう。
【まとめ】新生児の湿疹は皮脂と乾燥が主な原因|種類を見極めて正しいケアと早めの相談を
新生児の湿疹は、皮脂の量の変化や乾燥、汗・刺激などが重なって起こります。多くは家庭でのスキンケアで落ち着きますが、種類や状態に合わせたケアと、迷ったときの相談が安心につながります。
- 新生児の湿疹は皮脂の多い時期と乾燥する時期で原因が変わる
- 種類は時期・場所・見た目で見分け、清潔と保湿のケアが基本になる
- 広範囲の悪化やジュクジュク、発熱をともなうときは早めに受診する
- 湿疹を早めにケアすることが食物アレルギーの予防にもつながると考えられている
- 自己判断で食事制限や薬の中断をせず、迷ったら医師に相談する
夜間や休日など、すぐに病院へ行けないときや、受診すべきか迷うときは、ご自宅から医師に相談できる小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのもひとつの方法です。
最終的な判断は医師に相談してくださいね。

