赤ちゃんのアトピーはどう見分ける?乳児湿疹との違いと受診の目安を解説

赤ちゃんのアトピーはどう見分ける?乳児湿疹との違いと受診の目安を解説

保湿を続けているのに、頬のカサカサがなかなか引かない。よくなったと思ったらまた赤くなる。

そんな日が続くと、ふと不安がよぎりますよね。「これってアトピーなのかな」「うちの子はずっとこのままなの?」と、検索の手が止まらなくなる親御さんは少なくありません。

この記事では、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎がどう診断されるのか、乳児湿疹とどう違うのか、家庭で何ができるのかを順番に整理します。

まずは今の肌の様子を落ち着いて見るところから始めてみてくださいね。

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目次

赤ちゃんのアトピーとはどのような状態を指すのか

赤ちゃんのアトピーとはどのような状態を指すのか_まとめ画像

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が、よくなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気です。一度きりの肌荒れとは異なり、期間をかけて経過を追ってはじめて全体像が見えてきます。

背景にあるのは、皮膚のバリア機能の低下です。バリア機能とは、肌のいちばん外側にある角質層が、水分を保ちながら外からの刺激を防いでいる働きのことをいいます。

この働きが弱まると、肌は乾燥しやすくなり、汗やほこりといった刺激で炎症を起こしやすくなります。かゆくてかくと、さらにバリア機能が落ちて、また炎症が起きる。この繰り返しが、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎でよく見られる流れです。

乳児期は、頭や顔から湿疹が始まり、その後に体幹や手足へ広がっていく経過をたどることがあります。左右の同じ場所に対称的に出やすいことも、特徴の一つとして知られています。診断や治療の考え方は、日本アレルギー学会が公開している診療ガイドラインにまとめられています。

なお、アトピー性皮膚炎は原因を一つに絞れる病気ではありません。もともとの肌の性質、家族のアレルギー歴、汗や乾燥といった環境の要因が重なって症状が出ると考えられています。

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赤ちゃんのアトピーはどのように診断されるのか

ここがいちばん誤解されやすいところです。アトピー性皮膚炎は、写真一枚や一度の診察で決まるものではありません。かゆみがあること、特徴的な湿疹が特徴的な場所に出ていること、そしてそれが一定の期間くり返していることの3つを合わせて判断されます。

かゆみのある湿疹がよくなったり悪くなったりを、ある程度の期間にわたってくり返しているかどうかが、判断の手がかりになります。乳児では、数週間から数か月ほどの経過を見たうえでの判断になることが一般的です。

血液検査でアレルギーの反応を調べることもありますが、検査の数値だけで診断が決まるわけではありません。数値が高くても症状が出ない場合もあれば、その逆もあります。検査を行うかどうかは、月齢や症状に応じて医師が判断します。

そのため、保護者が見た目だけで「アトピーだ」と決めてしまわないことが大切です。反対に「まだ小さいから様子見でいい」と判断を先送りするのも避けたいところです。湿疹が数週間続いているなら、診断がつくかどうかにかかわらず、一度は小児科か皮膚科で相談してみてください。

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赤ちゃんのアトピーと乳児湿疹の違い

乳児湿疹は病名ではなく、生後まもない時期から1歳ごろまでに見られるさまざまな皮膚トラブルをまとめた呼び方です。赤ちゃんニキビ(新生児ざ瘡)、脂漏性湿疹、乾燥による湿疹、よだれやおむつによるかぶれなどが含まれます。

見分けの手がかりを表にまとめました。ただし、どれか一つが当てはまれば決まるという性質のものではありません。

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見るところ乳児湿疹に多い様子アトピー性皮膚炎で見られる様子
経過ケアを続けるうちに、少しずつ落ち着いていくよくなったり悪くなったりを、期間をおいて繰り返す
かゆみ目立たないことも多いかゆがるそぶりがあり、かき壊しにつながる
出る場所皮脂の多い頭や顔、おむつのあたりに集まりやすい顔から始まり、体幹や手足へ左右対称に広がることがある

いちばん大きな違いは、かゆみと繰り返し方にあります。乳児湿疹の多くは、洗い方と保湿を整えるうちに落ち着いていきます。一方でアトピー性皮膚炎では、いったんきれいになっても間をおいて同じような湿疹が戻ってきます。

とはいえ、月齢が低いほどこの見分けは難しくなります。生まれてすぐの時期は皮脂の影響が大きく、乾燥に傾く時期とも重なるため、専門家でも初回の診察だけでは判断を保留することがあるのです。「乳児湿疹と言われたのに長引いている」という経過は珍しくありません。

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月齢別に見る赤ちゃんのアトピーの見かたと対応

肌の性質は月齢によって変わります。同じ「顔の赤み」でも、時期によって背景が違うのです。時期ごとの傾向と、家庭でできることを整理しました。

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時期肌に起こりやすいこと家庭での対応
生まれて1か月ごろまで皮脂が増え、頬や額にブツブツやかさぶたが出やすい泡でやさしく洗い、洗い残しを作らない
生後2〜5か月ごろ皮脂が減って乾燥に傾き、かゆがるそぶりが出てくる入浴後の保湿を毎日の習慣にする
生後6か月〜1歳ごろ離乳食やよだれで口のまわりが荒れ、体幹や手足にも広がることがある汚れをこまめに拭き、荒れが続くなら受診する
1歳以降ひじやひざの内側など、曲がるところに湿疹が出やすくなるかき壊しを防ぐため爪を短く整える

とくに気をつけたいのが、生後2〜5か月ごろの変化です。それまで皮脂で潤っていた肌が乾きはじめ、はじめてかゆみが目立つようになります。「急に肌が変わった」と感じるのは、体質が変わったのではなく、肌を取り巻く条件が変わったためと考えてよいでしょう。

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赤ちゃんのアトピーで今日からできる洗い方と保湿

赤ちゃんのアトピーで今日からできる洗い方と保湿_まとめ画像

治療の柱は、スキンケア、薬による炎症の抑え込み、悪化のきっかけを減らすことの3つです。このうち家庭が受け持つのは、1つ目と3つ目になります。

洗うときは、赤ちゃん用の洗浄料をよく泡立て、手のひらでなでるように洗います。ガーゼやタオルでこするのは避けてください。首のしわ、脇、ひざの裏、耳の後ろは汚れが残りやすいので、しわを伸ばして丁寧にすすぎましょう。洗浄成分が肌に残ると、それ自体が刺激になります。

保湿は、入浴後5分以内を目安に全身へ広げます。ワセリンやヘパリン類似物質を含む保湿剤など種類はさまざまですが、季節や肌の様子に合わせて選んで構いません。夏でも冷房で乾燥するため、一年を通して続けるとよいでしょう。

  • 洗浄料はよく泡立ててから肌にのせる
  • しわの奥まですすぎ、洗い残しを作らない
  • 入浴後はできるだけ早く保湿剤を全身に塗る
  • 汗をかいたらぬるま湯で流すか、やさしく拭き取る

炎症が起きている部分には、ステロイド外用薬(副腎皮質ステロイドの塗り薬)が処方されることがあります。作用の強さによって段階が分かれており、月齢や部位、症状の程度をふまえて医師が選びます。塗る量や回数、いつまで続けるかは一人ひとり違うため、受診時の説明に沿って使ってください。

見た目がきれいになった段階でも、皮膚の内側では炎症が残っていることがあります。自己判断で塗るのをやめると、間をおかずに湿疹が戻ってしまうことがあるため、次の受診で医師に確認しながら減らしていくのが基本です。

赤ちゃんのアトピーと食物アレルギーの関係

「湿疹が続くのは食べ物のせいでは」と考える親御さんは多くいます。ここは慎重に整理しておきたい部分です。

乳児期に湿疹が続くことと、その後に食物アレルギーが見つかることには関連があると報告されています。国立成育医療研究センターが発表した臨床研究では、新生児期からの保湿剤の使用でアトピー性皮膚炎の発症が3割以上減り、あわせてアトピー性皮膚炎の発症と卵アレルギーの発症に関連が見られたと報告されています。

ただし、これは「アトピー性皮膚炎の原因が食べ物である」という意味ではありません。順序としては、湿疹で荒れた皮膚から食物の成分が入ることが、アレルギーの発症に関わると考えられています。だからこそ、まず肌の炎症を抑えることが先になるのです。

そのため、自己判断で食物を除去しないでください。まだ食べたことのない食材を避けたり、授乳中の親御さんが特定の食品をやめたりしても、湿疹がよくなるとは限りません。

むしろ栄養が偏ったり、食べられるようになる時期を逃したりすることがあります。除去が必要かどうかは、検査と症状の経過をあわせて医師が判断します。アレルギー全般の情報は日本アレルギー学会の一般の皆さま向けの解説が公開されています。

離乳食の進め方に迷ったときは、自分で結論を出す前に相談してみてください。厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドには、授乳・離乳の支援に関する考え方と、月齢ごとの進め方の目安が示されています。

赤ちゃんのアトピーをめぐるよくある誤解とNG行動

情報が多い分野だけに、受け取り違いも起こりやすくなります。よく耳にするものを表にまとめました。

よくある受け止め今わかっていること
アトピーなら食べ物が原因のはずだ湿疹が先にあり、そこから食物アレルギーにつながる経路が考えられています
ステロイドは怖いので使いたくない段階を選んで期間を区切って使う薬で、量や期間は医師が決めます
きれいになったら薬はやめてよい皮膚の内側に炎症が残ることがあり、減らし方は受診時に相談します
保湿さえしていれば炎症も治まる保湿はバリア機能を支える手段で、炎症を抑える役割は別にあります
母乳をやめれば湿疹が引く母乳そのものが原因とは言えず、中断の判断は医師と行います
大きくなれば自然に何もしなくてよくなる落ち着く子は多い一方、経過には個人差があり定期的な確認が要ります

とくに避けたいのが、症状が落ち着いた時点で受診をやめてしまうことです。アトピー性皮膚炎は、症状が抑えられた状態(寛解)を保つことを目標にする病気です。かゆみのない状態をどう続けるかが治療の中心になるため、経過を見てもらう場を持っておくと判断がしやすくなります。

かき壊しを減らす工夫も役に立ちます。爪は短く、角を丸く整えておきましょう。眠っている間に無意識にかいてしまうことが多いためです。寝具や衣類はこまめに取り替え、汗をかいたままにしないことも、悪化のきっかけを減らすことにつながります。

赤ちゃんのアトピーで受診を考える目安

湿疹が続いているとき、どのくらいで相談すればよいのかは迷うところです。次のような様子があれば、早めに小児科か皮膚科で診てもらってください。

  • かゆみで目が覚めてしまい、夜まとまって眠れない日が続いている
  • 湿疹からじくじくした液が出る、黄色いかさぶたが付く、うみを持っている
  • 保湿を2週間ほど続けても、赤みやかさつきが引かない
  • 体重の増えが思わしくなく、食欲や機嫌にも変化がある

じくじくした部分や黄色いかさぶたは、細菌の感染が加わったとびひ(伝染性膿痂疹)のことがあります。この場合は保湿だけでは追いつかないため、受診したうえでの治療が必要になります。

かゆみのある湿疹そのもので救急車を呼ぶ場面は多くありません。ただし、食べ物を口にしたあとに顔色が悪くなる、急にぐったりする、息が苦しそうといった様子が現れたときは、迷わず119番へ連絡してください。判断に迷う場面では、小児救急電話相談(#8000)で看護師や小児科医に相談できます。子育ての困りごとの相談先は、こども家庭庁の相談窓口一覧にまとめられています。

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オンライン診療でできることとできないこと

画面越しの診療では、医師が肌に触れて硬さやかさつきを確かめたり、その場で検査をしたりすることができません。湿疹の色や範囲は映像である程度わかりますが、判断がつきにくいときは対面での受診をすすめられることがあります。

一方で、経過の共有には向いています。日々の写真を見せながら、保湿の回数や洗い方の見直しを相談する、塗り薬を使ってからの変化を伝える、といった使い方です。新しい症状が出たときの相談先として使う方法もあります。

お薬については、症状や経過をふまえて医師が判断します。医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。また、対面での診察や検査が必要と判断されれば、受診をすすめられることもあります。

子どもの医療の相談先については厚生労働省の子ども医療電話相談事業(#8000)でも案内されています。

赤ちゃんのアトピーについてよくある質問【FAQ】

赤ちゃんのアトピーはいつからわかりますか?

月齢が低いうちは乳児湿疹との区別がつきにくいため、いったん経過を見ることが多くなります。かゆみのある湿疹がよくなったり悪くなったりを、ある程度の期間くり返しているかどうかが判断の手がかりになります。まずは数週間の経過を医師と共有するところから始めましょう。

アトピー性皮膚炎は治りますか?

乳児期に症状が出たお子さんの多くは、成長とともに落ち着いていきます。ただし目標は、症状が抑えられた状態(寛解)を保つことに置かれます。かゆみのない日を長く続けることを目指して、経過に応じてケアを調整していく形になります。

保湿をしていればアトピー性皮膚炎を防げますか?

そう言い切ることはできません。新生児期からの保湿で発症が減ったとする報告がある一方、その後の国内外の研究では結果が分かれています。保湿は肌の状態を整えるために続ける価値がありますが、それだけで発症を防げると考えるのは避けてください。

血液検査は受けたほうがよいですか?

月齢や症状によって判断が変わります。検査の数値と実際の症状が一致しないこともあり、数値だけで診断や食事の内容が決まるわけではありません。必要かどうかは診察のうえで医師と相談してください。

ステロイドの塗り薬は赤ちゃんに使って差し支えありませんか?

医師の指示のもとで使う薬です。作用の強さによって段階が分かれており、月齢や部位に応じて選ばれます。気になることがあれば、自己判断で中断する前に処方した医師へ伝えてください。

家の中で気をつけることはありますか?

汗、乾燥、ほこり、衣類のこすれなど、悪化のきっかけになりやすいものを減らしていきます。寝具はこまめに取り替え、室内の湿度と温度を季節に応じて整えましょう。ただし、環境を完璧にしようと親御さんが疲れてしまわない範囲で構いません。

【まとめ】赤ちゃんのアトピーは見た目だけで決めず、経過とかゆみで見ていきます

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が一定の期間くり返すことで判断される病気です。乳児湿疹との見分けは月齢が低いほど難しく、写真や一度の診察だけで決まるものではありません。家庭でできるのは、洗い方と保湿を整えること、そして経過を医師と共有することです。

この記事のまとめ
  • アトピー性皮膚炎はかゆみと繰り返しと経過の長さで判断される
  • 乳児湿疹との見分けは月齢が低いほど難しく、保護者の自己判断は避ける
  • 洗い方と保湿を整えることが家庭で受け持つ部分になる
  • 「アトピーだから原因は食べ物」と短絡せず、自己判断で食物を除去しない
  • 目標は症状が抑えられた状態を保つことにあり、経過に応じてケアを調整する
  • じくじくした湿疹や眠れないほどのかゆみがあるときは早めに受診する

夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。気になる症状があるときは自己判断せず、医師に相談してください。あんよマガジンの編集方針に沿って、公的機関と学会が公開している情報をもとに作成しています。

最終的な判断は医師に相談してください。