生まれたばかりの赤ちゃんが体を小さく震わせて「ヒック、ヒック」と繰り返している姿を見ると、どこか苦しそうに見えて心配になるものです。
赤ちゃんは、体の機能が未発達なため大人よりもしゃっくりが起こりやすいと考えられています。
止めてあげたいときには、げっぷを促したり体を温めてあげたりすると、止まりやすくなることが期待できます。
多くは無理に止めようとせず見守ってよいとされていますが、心配な症状がある場合には速やかに医療機関に相談するようにしましょう。
そもそもなぜ出る?しゃっくりを起こす原因となるもの
しゃっくりは、横隔膜(おうかくまく)がけいれんした後に、声門が音を立てて素早く閉じることが繰り返し起こるものです。
数分でおさまる短時間のしゃっくりは、大人でも起こることがあり、男性に多くみられるとされています。
しゃっくりを引き起こす条件はさまざま
しゃっくりの多くは48時間以内に消失し、「良性吃逆(きつぎゃく)発作」と呼ばれます。
48時間~1カ月は持続性吃逆、1カ月以上は難治性吃逆と分類され、多数の疾患が原因と考えられています。
もっとも、赤ちゃんのしゃっくりの大半は、成長に伴う一時的な「良性吃逆発作」に該当します。
- 無意識に空気をたくさん飲み込んでしまうこと(呑気)
- 食べすぎ、飲みすぎなどでの胃が拡張した場合
- 温かい、あるいは冷たい物を飲み食いするなどで胃腸あたりに急激な温度変化が起きた場合
- 急に生じた興奮や感情的ストレス
なぜしゃっくりが起こるのかはよくわかっていませんが、横隔膜を制御している神経、あるいは脳の一部が刺激されることが関与しているのではと考えられています。
赤ちゃんのしゃっくりが多い3つの原因とは
大人に比べて、赤ちゃんはとても頻繁にしゃっくりをするものです。
一日に何度も繰り返すことが多いですが、その背景には赤ちゃん特有の体の構造が関係しています。
体の機能が未熟であるため
赤ちゃんの神経や筋肉はまだ発達の途中にあります。
ほんのわずかな刺激でも横隔膜を制御する神経が反応してしまい、けいれんを起こしやすい状態にあるのです。
成長とともに神経が発達してくれば、自然と回数は減っていくのが一般的とされています。
授乳時に空気も一緒に飲み込んでいる
授乳の直後にしゃっくりが出る場合、一つの要因として母乳やミルクと一緒に空気を飲み込んでいる可能性が考えられます。
飲み込んだ空気によって胃が膨らみ、その刺激が隣接する横隔膜に伝わることでしゃっくりが誘発されているのでしょう。
体温の変化やオムツの濡れなどの刺激
赤ちゃんは体温調節機能がまだ十分に働いておらず、周囲の気温や触れたものの温度に影響を受けやすい状態です。
そのため、お風呂上がりの急な湯冷めや、室温の変化などが刺激となり、しゃっくりが起こることがあります。
オムツが濡れて冷たくなると、お腹周りが冷えることや、その不快感がきっかけになることもあると考えられます。
赤ちゃんはしゃっくりを苦しいと感じているのか
大人がしゃっくりを繰り返すと息苦しさや疲れを感じることがありますが、赤ちゃんはしゃっくりをそれほど苦痛には感じていないと考えられています。
実際、しゃっくりをしたまま赤ちゃんがスヤスヤと眠ってしまう場合も多いです。
しゃっくりの合間にしっかり呼吸ができていて、顔色が良く、ミルクも普段どおり飲めているようであれば、過度に心配せず様子を見守っておくとよいでしょう。
家庭でできる赤ちゃんのしゃっくりへの対処法とやってはいけないこと
しゃっくりが出ているときは吐き戻しやすくなるため、赤ちゃんの顔を横向きにして寝かせてあげましょう。
基本的にはそのまま見守って、自然に止まるのを待てばよいとされています。
長く続いてかわいそうだと感じる場合は、以下のケアも試してみてください。
背中を優しく叩いてげっぷをさせる
胃の中に溜まった空気を外に出すことで、横隔膜への圧迫を減らす効果が期待できます。
赤ちゃんを縦抱きにして、背中を下から上へ優しくトントンするか、円を描くようにさすってあげてください。
母乳やミルクを少しだけ飲ませる
ものを飲み込む「嚥下(えんげ)」という動作は、横隔膜の動きのリセットに役立つことがあります。
ただし、お腹がいっぱいの状態で無理に飲ませると吐き戻しの原因になるため、赤ちゃんが欲しがる場合に限り少量を与えてみましょう。
冷えの原因に対処して体を温める
胃腸のあたりが冷えてしまうことがしゃっくりを誘発する原因となっている場合も考えられます。
オムツが濡れていれば交換し、肌着が汗ばんでいる場合は着替えさせてあげましょう。
親御さんの手でお腹や背中を温めてあげることが、しゃっくりを落ち着かせるきっかけになる場合もあります。
手足も冷えてしまっている場合は室温も調節してみてください。
赤ちゃんにやってはいけない方法
大人のしゃっくり止めとして知られる方法の中には、赤ちゃんにとって危険なものがあります。
- 赤ちゃんにとってストレスになるため、大きな音などで驚かさない
- 外耳道を傷つける恐れがあるため、耳の穴に指を入れない
- 1歳未満の乳児には乳児ボツリヌス症のリスクがあるハチミツを与えない
- 生後間もない時期は水中毒のリスクがあるため、医師の指示なく水や白湯を与えない
- 赤ちゃんの体に大きな負担がかかるため、激しく揺さぶったりうつぶせに寝かせたりしない
心配な症状がなければ無理に止めようとせずに、落ち着いて自然に止まるまで見守るとよいでしょう。
病院を受診すべき危険なしゃっくりのサイン
赤ちゃんのしゃっくりの多くは生理的な現象であり、基本的には心配ないことが多いとされています。
しかし、稀に「胃食道逆流症」や感染症などの病気が隠れている可能性があります。
現在の赤ちゃんに受診を検討するべき症状がないか、確認してみてください。
| チェック項目 | 心配の少ないしゃっくり(生理的) | 受診を検討すべきしゃっくり(病的) |
|---|---|---|
| 持続時間 | 数分〜1時間程度で自然に止まる | 数時間以上続き、睡眠や授乳を妨げる |
| 嘔吐の有無 | 吐かない、または少量の吐き戻し | 噴水のように激しく吐く 吐物に色がつく |
| 体の様子 | 元気があり、機嫌も良い | ぐったりしている 顔色が悪い 発熱がある |
特に、呼吸が苦しそうな様子が見られる場合は、速やかに医療機関へ相談しましょう。
しゃっくりが多くて心配ならオンライン診療も活用して
「病院に行くべきか判断がつかないけれど、家で様子を見るのは怖い」という場合は、オンライン診療の活用も選択肢の一つです。
スマホのビデオ通話機能を使い、医師が赤ちゃんの様子をリアルタイムで確認しながら、対面受診が必要な状態かどうかを含めアドバイスします。
特に夜間や休日など、病院が開いていない時間帯に不安を感じた際は、一人で悩まずに専門家に頼ることを検討してください。
赤ちゃんのしゃっくりに関するよくある質問
- 妊娠中もお腹の中でしゃっくりをしていましたが、生まれてからのものと同じですか?
-
胎動とは別に、お腹がリズミカルに動くのを感じたことがあるママも多いでしょう。
胎児期からのしゃっくりは、呼吸をするための筋肉を鍛える練習だったという説があります。
生まれた後もその名残で頻繁にしゃっくりをすることがありますが、一般的には成長過程の一つだと考えられています。
- しゃっくりが多いと脳の病気だと聞いたことがありますが本当ですか?
-
極めて稀なケースとして中枢神経系のトラブルが原因になる場合もあります。
その場合はしゃっくりだけでなく、けいれんや意識障害など、明らかに普段と違う症状が見られるのが一般的です。
単にしゃっくりが多いだけで、元気に過ごせているなら、まずは落ち着いて様子を見てよいケースが一般的です。
心配な場合は一人で悩まず、医療機関に相談してみてください。
- しゃっくりが多い時期はいつまで続きますか?
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個人差はありますが、首がすわる時期(生後3~4カ月)を過ぎる頃には、自然と落ち着いてくるケースが一般的です。
生後2~3カ月ころまでは脳神経の発達が十分でなく、横隔膜を支配する神経の調節がうまくいかないと考えられます。
家庭でできる対処法を試しながら、落ち着いて赤ちゃんの成長を見守ってあげてください。
赤ちゃんのしゃっくりが多いのは体の機能が未発達だから!心配ならオンライン診療で相談して
赤ちゃんのしゃっくりは、成長の過程で見られる自然な現象の一つとも言えます。
生理現象で自然と止まることも多いですので、ゆったりとした気持ちで見守ってあげてください。
- 赤ちゃんのしゃっくりは体が未発達なために起こる生理的な現象の場合が多い
- 苦しそうでなければ無理に止めようとせず自然に治まるのを待つ
- 噴水のような嘔吐やぐったりした様子が見られる場合は医師に相談する
げっぷを促す、体を温めるなどの対処法でしゃっくりが止まる場合もあります。
「受診するほどではないけれど不安…」という場合には、スマホで自宅から医師に相談できる小児科オンライン診療「あんよ」を利用してみてください。

