子どもの喘息(小児喘息)とは?症状・原因と発作時の対応・受診の目安をやさしく解説

子どもの喘息(小児喘息)とは?症状・原因と発作時の対応・受診の目安をやさしく解説

夜になると子どものせきが止まらなかったり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえたりすると、見ているこちらまで苦しくなってしまいますよね。

「これはただの風邪かな?」「喘息だったらどうしよう」「このまま様子を見ていて大丈夫かな」と、不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、子どもの喘息(小児喘息)の代表的な症状や原因、発作が起きたときの対応、そして「すぐ受診すべきか」を見極める受診の目安までを、公的機関や学会の情報をもとにやさしく解説します。

まずは発作の強いサインから確認できるようにまとめましたので、落ち着いてお子さんの様子とくらべてみてくださいね。

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目次

まず確認したい|子どもの喘息で受診を急ぐべきサインと受診の目安

子どもの喘息で受診を急ぐべきサインと受診の目安_まとめ画像

喘息の発作は、急に強くなることがあります。

まずは、家庭で「すぐに受診すべきか」を落ち着いて見極められるよう、子どもの様子から緊急度の目安を整理しました。

下の表で強いサインに1つでも当てはまる場合は、夜間や休日でも早めの受診や救急を検討してください。

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緊急度子どもの様子の目安
すぐに受診・救急を検討唇や顔色が青白い/息を吸うたびにろっ骨の間やのど元がへこむ(陥没呼吸)/肩を上下させて苦しそう/苦しくて話せない・歩けない・眠れない/ぐったりして反応がにぶい
できるだけ早めに受診ゼーゼーをくり返す/夜間や早朝にせきで目が覚める/いつもの発作の薬が効きにくい
家庭で様子を見つつ相談軽いせきや軽いゼーゼーはあるが、機嫌・食欲・睡眠は保たれている

顔色や唇が青白い、ろっ骨の間がへこむ、話せないほど苦しそうといった状態は、環境再生保全機構でも強い発作のサインとして示されており、速やかな受診が必要とされています。

判断に迷うときは、こども医療でんわ相談「#8000」(15歳未満のお子さんが対象)や、お住まいの地域で実施されている場合は救急安心センター事業「#7119」に相談する方法もあります。

意識がはっきりしない、唇が青いなど命に関わりそうなときは、ためらわず119番も検討してください。

子どもの喘息(小児喘息)とは|気道の炎症がくり返す病気

子どもの喘息(小児喘息)は、空気の通り道である気道に炎症が続き、さまざまな刺激で気道がせまくなって、ゼーゼー・ヒューヒューという音(喘鳴)やせき、息苦しさをくり返す病気です。

炎症が続くと気道が過敏になり、ふだんは何ともない刺激にも反応しやすくなります。

せまくなった気道は、治療や時間の経過でもとに戻ることが多いとされますが、炎症を放っておくと気道が変化して戻りにくくなることもあると考えられています。

そのため、発作のないときも気道の炎症を抑えておくことが大切だと、環境再生保全機構などで説明されています。

なお、喘息は子どもに比較的多いアレルギーの病気のひとつですが、治療の進歩によって、発作による重い状態や喘息が原因の死亡は大きく減ってきたと報告されています。

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子どもの喘息の主な症状と出やすいタイミング|年齢別の特徴

子どもの喘息で代表的なのは、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴、続くせき、息苦しさです。

これらの症状は、次のようなタイミングで出やすいとされています。

風邪をひいたとき、寝入りばなや明け方、走ったり運動したりしたあと、季節の変わり目や天候・気温が変わるときなどです。

特に、夜間や早朝にせき込んで目を覚ます、運動のあとにゼーゼーするといった様子は、環境再生保全機構でも喘息で見られやすい特徴として挙げられています。

年齢によって症状の出方や気づき方が少しずつ異なるため、目安を表にまとめました。

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年齢の区分よく見られる特徴
赤ちゃん・乳児(0〜1歳ごろ)もともと気道が細く、風邪だけでもゼーゼーしやすいため、喘息との区別がつきにくい
幼児(2〜5歳ごろ)風邪をきっかけに発作をくり返すことがあり、走るとせき込みやすい
学童(6歳ごろ〜)運動や季節の変わり目で症状が出やすく、自分で「苦しい」と伝えられるようになる

乳児は気道が細いため、喘息以外の原因でもゼーゼーすることがあります。

「ゼーゼー=必ず喘息」ではないため、くり返す場合は自己判断せず、赤ちゃんの喘息についてなどを参考にしつつ、医師に相談することが大切です。

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喘息と風邪・気管支炎の見分け方|ゼーゼーするせきの違い

「喘息のせきなのか、風邪や気管支炎のせきなのか分からない」という声はとても多く聞かれます。

見分けの参考になるポイントを表に整理しました。ただし、これはあくまで目安です。

見た目や音だけで区別するのは難しいため、最終的には医師の診察が必要になります。

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みるポイント風邪・気管支炎で多い喘息で気をつけたい
せきの音湿ったせきや鼻水が中心ゼーゼー・ヒューヒューという音をともなう
出やすい時間日中が中心のことが多い夜間・早朝・運動後に強くなりやすい
くり返し一度きりで治まることが多い何度もくり返す
きっかけウイルス感染が中心風邪に加えてダニや天候の変化などでも起こる

喘鳴やせきが何度もくり返す、夜眠れないほど続くといった場合は、風邪と決めつけずに一度相談してみてください。

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子どもの喘息の主な原因ときっかけ

子どもの喘息の主な原因ときっかけ_まとめ画像

子どもの喘息は、体質にさまざまな要因が重なって起こると考えられています。日本の住まいでは、特にダニやハウスダストが大きなきっかけになりやすいとされています。

主な原因やきっかけとして、次のようなものが挙げられます。

ダニ・ハウスダスト、風邪などのウイルス感染、タバコの煙(受動喫煙)、ペットの毛やフケ、カビ、花粉、運動、天候や気温・気圧の変化などです。

こうした発作のきっかけは環境再生保全機構でも紹介されています。なかでもタバコの煙は、屋外やベランダで吸ったあとでも影響することがあるため、家族の禁煙が大切だとされています。なお、「喘息は親の育て方やストレスのせい」と心配される方がいますが、喘息はアレルギーの体質などが関わる病気であり、親の育て方だけが原因ではありません。

疲れや体調が発作のきっかけになることはありますが、必要以上に自分を責めず、環境を整えることに目を向けていきましょう。

子どもの喘息の検査と診断

喘息かどうかは、医師が症状の経過やこれまでの様子をていねいに聞き取り、聴診などの診察と合わせて総合的に判断します。

必要に応じて、次のような検査を行うことがあります。

年長のお子さんでは息を吐く力を調べる呼吸機能の検査やピークフローの測定、気道の炎症の目安を調べる呼気中の一酸化窒素を測る検査、アレルギーの体質を調べる血液や皮膚の検査などです。

一方で、小さなお子さんは検査に協力するのが難しいことも多いため、症状のくり返し方や経過から判断されることが多いと環境再生保全機構でも説明されています。

受診したときにたまたま症状が出ていなくても、これまでの経過から診断されることがあります。

気になる症状は、動画やメモに残しておくと診察のときに役立ちますよ。

子どもの喘息の治療|2つの薬の役割と治療の目標

子どもの喘息の治療は、大きく2つの薬を役割に応じて使い分けるのが基本とされています。

毎日続けて気道の炎症を抑える「長期管理薬」と、発作が起きたときに使う「発作の薬」です。

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薬の種類主な役割使うタイミング
長期管理薬(毎日続ける薬)気道の炎症を抑えて発作を予防する症状がなくても毎日続けて使う
発作の薬(発作時に使う薬)せまくなった気管支を広げて症状をやわらげる発作が起きたときに使う

長期管理薬には、吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などがあります。発作の薬には、短時間だけ気管支を広げる作用のある気管支拡張薬(β2刺激薬)などが使われます。

発作の薬には気道の炎症そのものを抑える働きはないとされているため、発作をくり返す場合は、炎症を抑える治療の見直しが必要になることもあります。

こうした薬の使い分けは、日本小児アレルギー学会の患者さん向けガイドラインや、環境再生保全機構でも解説されています。どの薬をどれくらい使うかは、年齢や症状の程度によって医師が判断します。

吸入ステロイド薬は、医師の指示のもとで正しく使えば全身への影響は少ないとされていますが、効果と副作用のバランスを見ながら処方されます。

症状が落ち着いても、自己判断で長期管理薬をやめると発作をくり返すことがあるため、続け方や減らし方は必ず医師と相談してください。治療の目標は、発作のない状態を保ち、運動を含めた毎日の生活を普通に送れるようにすることです。

呼吸の働きを正常に近づけ、発作をくり返さず、成長を妨げないことも大切な目標とされています。

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子どもの喘息は治る?何歳まで続くのか

「喘息は治るの?」「いつまで続くの?」というのは、多くの親御さんが気になるところだと思います。

小児喘息は、成長とともに症状が軽くなり、落ち着いていくことが多いとされています。

一方で、症状が大人まで続いたり、いったん落ち着いても再びぶり返したりすることもあるため、「必ず治る」と言い切ることはできません。

医療の場では、経過を表す言葉として「寛解」と「治癒」が区別して使われています。

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用語意味の目安
寛解(かんかい)治療によって症状が出ない状態が続いているが、体質は残っていること
治癒(ちゆ)長期間にわたって症状がなく、治療の必要もなくなった状態のこと

治療の考え方や経過については、日本小児アレルギー学会の患者さん向けガイドラインでも解説されています。

大切なのは、良い状態(コントロール)を長く保つことです。

適切な治療を続けることが、その後の経過を良くすることにつながると考えられています。

家庭でできる喘息の予防と環境の整え方

喘息を確実に予防できる方法はないとされていますが、発作の悪化を防ぐために家庭でできる工夫はいくつかあります。

特に日本ではダニ・ハウスダスト対策が大切だとされているため、無理のない範囲で取り入れてみてください。

  • こまめに掃除をして、寝具はときどき干したり洗ったりする
  • 部屋の湿度が高くなりすぎないように換気する
  • 家族が喫煙をやめ、子どものそばで吸わない
  • 適度な運動・バランスのよい食事・十分な睡眠で体調を整える
  • 風邪をひかないよう手洗いなどの基本的な対策を続ける

こうした環境の工夫は、環境再生保全機構でも紹介されています。

ただし、環境を整えることは薬による治療の代わりになるものではありません。

環境の工夫と医師による治療を組み合わせていくことが大切です。

保育園・幼稚園・学校生活で気をつけたいこと

喘息があっても、良い状態(コントロール)が保たれていれば、体育や運動を含めて、ほかのお子さんと同じように園や学校で過ごせることが多いとされています。

ただし、掃除の時間や運動のとき、宿泊をともなう行事などは発作が起こりやすい場面でもあります。

運動をきっかけに症状が出やすいお子さんでも、運動を避けるのではなく、日ごろのコントロールや十分な準備運動などで対応していくことがすすめられています。

園や学校と情報を共有するための「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」といった書類もありますので、主治医と相談しながら備えておくと安心です。

集団生活での配慮については、環境再生保全機構にもくわしい説明があります。

夜間や休日にせき・喘息が心配なときの相談方法

喘息が心配になる場面は、病院が開いていない夜間や休日に多いものです。

「発作というほどではないけれど、せきが続いて不安」「受診すべきか迷う」というときは、小児科のオンライン診療を活用して相談するのも選択肢の一つです。

自宅から医師に相談できるため、通院や待ち時間の負担を減らしながら、受診の必要性やタイミングの判断に役立てることができます。

ただし、オンライン診療は診察の内容によって、その場でお薬を処方できない場合もあります。

強い発作のサインがあるときは、オンラインでの相談にとどめず、対面での受診や救急を優先してください。

夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。

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よくある質問(FAQ)

子どもの喘息は何歳から発症しますか?

発症する年齢はお子さんによってさまざまですが、乳幼児期に最初の症状が見られることが多いとされています。

小さなお子さんは風邪でもゼーゼーしやすく、喘息との区別が難しいため、くり返す場合は医師に相談してください。

せきだけで、ゼーゼーしなくても喘息のことはありますか?

はっきりした喘鳴がなくても、夜間や早朝、運動のあとにせきが続くことがあります。

せきが長引く、くり返すといった場合は、一度受診して相談することをおすすめします。

喘息の子どもは運動を控えたほうがよいですか?

良い状態が保たれていれば、運動を含めて普通の生活を送れることが多いとされています。

運動で症状が出やすい場合の対応も含めて、どこまで運動してよいかは主治医に確認しておくと安心です。

長期管理薬は症状がなくてもやめないほうがよいですか?

症状が落ち着いていても、自己判断で長期管理薬をやめると発作をくり返すことがあります。

薬の続け方や減らし方は、必ず医師と相談しながら決めてください。

夜中に発作が出たときはどうすればよいですか?

医師から発作時の対応を指示されている場合は、その指示に従ってください。

唇や顔色が青白い、ろっ骨の間がへこむ、話せないほど苦しそうといった強いサインがあるときは、夜間でも受診や救急を検討しましょう。

喘息とアレルギーは関係がありますか?

喘息はアレルギーの体質が関わることが多く、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を合併することもあります。

気になる症状がある場合は、あわせて医師に相談してみてください。

【まとめ】子どもの喘息は早めの気づきと継続的なコントロールが大切

子どもの喘息(小児喘息)は、気道の炎症が続き、ゼーゼーやせき、息苦しさをくり返す病気です。

早めに気づいて、良い状態を続けていくことが、その後の経過を良くすることにつながると考えられています。

この記事のまとめ
  • 唇や顔色が青白い・ろっ骨がへこむ・話せないほど苦しそうなときは、すぐに受診や救急を検討する
  • ゼーゼーやせきが夜間・早朝・運動後にくり返す場合は、風邪と決めつけず相談する
  • 治療は毎日続ける長期管理薬と発作時の薬を、医師の指示に沿って使い分ける
  • 環境の工夫は大切だが、薬による治療の代わりにはならない
  • 良い状態(コントロール)を続けることが、その後の経過を良くすることにつながる

夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。

お子さんの喘息に不安があるときは、自己判断せず、最終的な判断は医師に相談してくださいね。