中耳炎でプールに入っていいか|種類別の判断と再開の目安を解説

中耳炎でプールに入っていいか|種類別の判断と再開の目安を解説

スイミングの日が近づいて、「中耳炎なのにプールに入れて大丈夫かな」と迷ったことはありませんか。

「耳に水が入ったら悪化する?」「休ませたほうがいいのかな」と、判断に困ってしまいますよね。

この記事では、中耳炎の種類ごとに変わるプールの可否の考え方と、再開を判断する目安を整理して解説します。

慌てず、お子さんの耳の状態から順番に確認してみてくださいね。

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目次

中耳炎とプールの関係|水が耳に入ることが主な原因ではありません

中耳炎とプールの関係|水が耳に入ることが主な原因ではありません

「プールの水が耳に入ったから中耳炎になった」と考える方は多いのですが、実際の成り立ちは少し違います。まず、ここを押さえておくと判断がぶれにくくなります。

中耳炎は鼻とのどの炎症が耳管を通って起こります

中耳は、鼓膜の奥にある小さな空間です。ここは外耳とは鼓膜で隔てられていて、通常は外から水が直接入り込む場所ではありません。

一方で、中耳は「耳管(じかん)」という細い管で鼻の奥とつながっています。風邪やアレルギー性鼻炎で鼻やのどに炎症が起きると、その炎症や細菌が耳管を通って中耳に及び、中耳炎が起こります。

子どもの耳管は大人より短く、水平に近い形をしています。そのため鼻の奥の細菌が中耳に届きやすく、中耳炎を起こしやすいと考えられています。子どもの中耳炎の種類ごとの解説は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「子どものみみ・はな・のどの病気Q&A」にまとまっています。

プールで気をつけたいのは「耳に入る水」より「鼻に入る水」です

つまり、プールで注意したいのは耳の穴からの水よりも、鼻から入る水のほうです。鼻に水が入って鼻炎が悪化すると、耳管を通じて中耳に影響が及ぶことがあります。

また、水泳は体力を使う運動です。回復しきっていない時期に泳ぐと疲れがたまり、鼻やのどの症状が長引くこともあります。

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中耳炎の種類別に見るプールの可否の考え方

中耳炎とひとことで言っても、状態によってプールの考え方は変わります。大きく4つに分けて整理しました。いずれも最終的な可否は主治医が判断します。

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状態プールの考え方診察で確認したいこと
急性中耳炎(痛み・発熱・耳だれがある)原則として休む鼓膜の炎症が引いているか
滲出性中耳炎(聞こえにくさが残る)許可されることがある鼓膜に穴がないか、鼻の状態
鼓膜切開のあと穴がふさがるまで慎重に鼓膜の穴が閉じたか
鼓膜チューブ留置中条件つきで許可されることがあるチューブの種類と潜水の可否

急性中耳炎のときは炎症が落ち着くまで休みます

耳の強い痛み、発熱、耳だれがあるときは、中耳の炎症が活発な時期です。この時期は運動そのものが負担になるため、プールは控えるのが基本と考えられています。

とくに耳だれが出ているときは注意が必要です。耳だれは鼓膜に穴が開いているサインのことがあり、その状態で水に入ると炎症がぶり返すことがあります。

滲出性中耳炎は鼓膜と鼻の状態しだいです

痛みや熱が落ち着き、耳が詰まる感じや聞こえにくさだけが残っている場合は、滲出性中耳炎が疑われます。中耳に液体がたまった状態ですが、鼓膜に穴が開いていないことが多く、水が中耳へ直接入る心配は大きくありません。

そのため、診察で問題がなければプール参加が許可されることもあります。ただし鼻から水が入ると鼻炎が悪化しうるため、潜水や飛び込みは控えめにし、顔を水につける時間は短くしておくと安心です。

鼓膜切開のあとと鼓膜チューブ留置中は個別の判断になります

膿がたまって痛みが強いときなどに、鼓膜を切開して膿を出す処置を行うことがあります。切開した穴は自然にふさがりますが、閉じるまでの期間には個人差があります。プールの再開は、鼓膜が閉じたことを診察で確認してからにしましょう。

滲出性中耳炎を繰り返す場合には、鼓膜に小さなチューブを入れて中耳の換気を保つ治療が選ばれることがあります。チューブが入っていても、顔をつけない程度の水遊びなら許可されることは珍しくありません。

一方で、潜水や飛び込みは水圧がかかるため、控えるよう指示されることがあります。チューブの種類や鼓膜の状態によって指示が変わるので、参加の前に必ず主治医へ確認してください。

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中耳炎でプールを再開する目安

「何日休めばいいですか」とよく聞かれますが、日数で一律に決めることはできません。回復の速さには個人差があり、見た目が元気でも鼓膜の奥に炎症が残っていることがあるためです。

再開の前に主治医の診察で確認すること

再開を相談するときは、次のような点が診察で確認されます。目安として頭に入れておくと、受診時に質問しやすくなります。

  • 耳の痛みがなくなっている
  • 熱が下がって普段どおりの生活に戻っている
  • 耳だれが止まっている
  • 濃い鼻水や強い鼻づまりが続いていない
  • 鼓膜の赤みや腫れが引いていると医師に確認された

これらがそろっていても、最終的にプールに入れるかどうかは主治医の診察で決まります。自己判断で再開せず、「そろそろ泳がせてもいいですか」と一言たずねてみてください。

耳栓だけで防ぎきれるわけではありません

耳栓を使えば安心と考えたくなりますが、動いているうちにずれてすき間から水が入ることがあります。何より、主な入り口である鼻からの水は耳栓では防げません。

鼓膜チューブが入っているなど、耳を保護する必要がある場合に、医師の指示で専用の耳栓を使うことはあります。市販品を自己判断で使う前に、主治医に相談すると確実です。

プールと中耳炎をめぐるよくある誤解

判断に迷う背景には、いくつかの思い込みがあります。よく聞く誤解を整理しました。

よくある誤解実際の考え方
プールの水が耳に入って中耳炎になる鼻の奥の炎症が耳管を通って起こることが多い
中耳炎は出席停止になる病気だ中耳炎そのものは出席停止の対象疾患ではない
痛みが引いたらすぐ泳いでよい鼓膜の状態は見た目ではわからず、診察が必要
耳栓をすれば必ず入ってよい鼻からの水は防げず、状態によっては休む
プールのあとは綿棒で奥まで拭くとよい奥まで入れると傷つくおそれがあり避ける

出席停止の対象となる感染症は、学校保健安全法施行規則で定められています。中耳炎はこの一覧に含まれていませんが、原因となった風邪などの症状が続いているときは、登園や登校の可否を園や学校に確認しておくと安心です。

なお、プールのあとは頭を軽く傾けて水を自然に出し、清潔なタオルで耳の入口をやさしく拭く程度で十分と考えられています。

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中耳炎で受診を急ぐ目安

プールの可否よりも先に確認したいのが、受診のタイミングです。急ぎ具合の目安を3段階で整理しました。

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急ぎ具合こんなとき動き方
すぐに119番けいれんが起きている、呼びかけへの反応が鈍い、顔色や唇が青白い、呼吸が苦しそうためらわず119番へ連絡する
今すぐ受診生後3か月未満で熱がある夜間・休日を問わず救急外来を受診する
今日中に受診強い耳の痛みで眠れない、耳だれが出た、生後3か月以上で38℃以上の熱が続く小児科または耳鼻咽喉科を受診
数日以内に相談聞き返しが増えた、テレビの音が大きい状態が2〜3週間続く診療時間内に受診し、聞こえの確認を
迷ったとき119番を呼ぶほどではないが、受診の要否が判断できない子ども医療電話相談 #8000 に電話する

生後3か月未満のお子さんは、熱の高さにかかわらず速やかな受診がすすめられています。日本小児科学会のこどもの救急(ONLINE-QQ)「発熱(38℃以上)」でも、受診の要否を確かめる項目のひとつに「生後3か月未満である」が挙げられています。

夜中に耳を痛がって泣くときは、顔色と呼吸が普段どおりか、抱っこや姿勢を変えることで落ち着くか、眠れる時間があるかを見てください。これらが保たれていれば、翌日の診療時間内の受診で間に合うことが多いとされています。判断がつかないときは #8000 に電話してください。

痛み止めを使うかどうかは、この記事の情報で決めずに、かかりつけの医師または薬剤師に相談してから決めてください。すでに処方されている薬がある場合も、使うタイミングと量は処方時の指示に従ってください。

なお、アセチルサリチル酸(アスピリン)を含む解熱鎮痛薬は、原則として15歳未満には使わないこととされています。市販の解熱鎮痛薬は製品ごとに使える年齢が決まっています。購入する前に薬剤師に相談し、外箱と添付文書に書かれた対象年齢を確かめてください。

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中耳炎を繰り返さないためにプール以外でできること

中耳炎が何度も起こると、そのたびにプールを休むことになります。鼻のケアと感染予防が、結果としてプールを続けやすくすることにつながります。

  • 鼻は片方ずつ、口を少し開けてやさしくかむ
  • 自分でかめない年齢では鼻吸い器でこまめに吸い取る
  • 鼻をすする癖がついていないか日ごろから見ておく
  • 手洗いと十分な睡眠で風邪そのものを減らす
  • 定期接種のワクチンをスケジュールどおりに受ける

肺炎球菌やインフルエンザ菌b型(ヒブ)のワクチンは、中耳炎の原因菌に対するものを含みます。接種のスケジュールは厚生労働省の予防接種のページで確認できます。保育施設での感染症の考え方は、こども家庭庁の保育所における感染症対策ガイドラインにまとめられています。

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中耳炎とプールについてよくある質問【FAQ】

耳に水が入っただけで中耳炎になりますか?

鼓膜に穴が開いていない状態であれば、耳の穴から入った水が中耳に届くことは基本的にありません。多くは鼻やのどの炎症が耳管を通って中耳に及ぶことで起こります。

お風呂やシャワーも控えたほうがよいですか?

強い痛みや高い熱があるときは控え、症状が落ち着いてから再開するのが一般的です。耳だれがあるときや鼓膜に穴が開いているときは、洗い方について主治医に確認してください。

プールは何日休めばよいですか?

日数で決めることはできません。中耳炎の種類と回復の程度によって変わるため、診察で鼓膜の状態を確認してもらったうえで判断します。

滲出性中耳炎でも水泳教室に通えますか?

診察で問題がなければ許可されることがあります。潜水や飛び込みを避ける、顔をつける時間を短くするなど、条件がつくこともあります。

鼓膜チューブが入っていてもプールに入れますか?

顔をつけない程度の水遊びは許可されることがあります。ただしチューブの種類や鼓膜の状態で指示が変わるため、参加前に必ず主治医へ確認してください。

オンライン診療で中耳炎かどうかわかりますか?

画面越しでは鼓膜を直接見ることや、聴力の検査を行うことができません。そのため確定的な診断は難しく、症状の経過を整理して受診の必要性を相談する使い方が向いています。医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

【まとめ】中耳炎のときプールに入っていいかは種類と診察で決まります

中耳炎でプールに入ってよいかは、急性中耳炎か滲出性中耳炎か、鼓膜に処置をしているかで考え方が変わります。日数ではなく、主治医の診察で鼓膜の状態を確認してから再開しましょう。

この記事のまとめ
  • 中耳炎の多くは耳に入った水ではなく鼻の奥の炎症から起こる
  • 痛み・発熱・耳だれがあるうちは原則としてプールを休む
  • 滲出性中耳炎や鼓膜チューブ留置中は条件つきで許可されることがある
  • 再開の可否は日数ではなく主治医の診察で確認する
  • 鼻のケアとワクチン接種が中耳炎を繰り返さないことにつながる

夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。

最終的な判断は医師に相談してください。