近年、花粉症の発症年齢は下がっており、幼児期から症状が出ることも珍しくありません。
子どものうちに適切な対策をとることは、将来の健やかな成長を守ることにもつながります。
スギ花粉症には体質改善につながる治療法もあるため、気になる場合は医師に相談してみてください。
投薬だけでなく、普段の生活習慣に気を配り花粉に触れる機会を減らす対策を取ることも心がけるとよいでしょう。
花粉症が発症しやすい条件として考えられるもの
同じような生活をしていても花粉症を発症する子どもとそうでない子どもがいます。
花粉症を発症しやすいアレルギー体質には、さまざまな因子が影響していると考えられます。
遺伝的な要素
両親、またはどちらか一方の親がアレルギー体質の場合、どちらもアレルギー疾患を持たない場合と比較して子どもがアレルギー性鼻炎を発症することが多いことが知られています。
喘息、アレルギー性鼻炎や花粉症に関連があるとされる遺伝子の存在も報告されており、遺伝の影響は大きいと考えられます。
両親、またはどちらかが花粉症である場合は、子どもも発症する可能性が十分にあると考えて早めに対策をするとよいでしょう。
花粉の飛散が多い地域に住んでいる
花粉症の発症には、花粉の飛散量が大きく影響するとも考えられています。
実際に、スギ花粉による花粉症患者は飛散量の多い太平洋側に多い傾向があります。
さらに大気汚染物質が花粉症の症状を悪化させると考えられています。
住む環境は簡単に変えられないので、飛散の多い地域に住んでいる場合は飛散情報に注意して、対策を心がけるとよいでしょう。
腸内環境が乱れている
腸内環境の悪化はアレルギーの発症に大きく影響すると考えられています。
腸内細菌叢(腸内フローラ)は、善玉菌・日和見菌・悪玉菌がバランスよく存在している状態が望ましいとされています。
悪玉菌が増えることで免疫のシステムもバランスを崩し、アレルギーを発症しやすくなってしまいます。
生活習慣が乱れている
睡眠不足は免疫力を低下させ、アレルギー発症のリスクが高めると考えられています。
ストレスや運動不足も同様に、子どもの健康に大きな影響を与えてしまいます。
生活習慣の乱れは、花粉症だけでなく他の疾患にもつながるリスクも高めてしまうため、注意が必要です。
子どもの花粉症は体質改善で治る可能性があるのか
子どもの花粉症が自然に完治することは、残念ながら現時点では難しいと考えられています。
しかし、適切な治療や生活習慣の見直しによって、症状の緩和や発症を抑える効果が期待できます。
これを医学的な視点での体質改善と捉え、前向きに取り組むことが大切です。
早い段階でアレルギー反応を抑えるアプローチを始めることで、他のアレルギー疾患の発症を抑える可能性も指摘されているため、将来を見据えた対策を検討してみましょう。
子どもの辛い花粉症を体質改善へと導く舌下免疫療法
現在、アレルギーの体質そのものに働きかける治療として舌下免疫療法が注目されています。
アレルギーの原因となる物質を少量ずつ体に取り入れ、体を慣らしていく治療法です。
| 項目 | 対症療法(飲み薬など) | 舌下免疫療法 |
|---|---|---|
| 目的 | 今ある症状を抑える | アレルギー反応の軽減・寛解 |
| 期間 | 花粉が飛んでいる時期 | 3年〜5年程度の継続 |
| 対象年齢 | 幼児期から可能 | 一般的に5歳以上 |
この治療は、スギ花粉症とダニアレルギーが対象となります。
毎日の服用が必要ですが、長期的な寛解(症状が治まった状態)を目指すことができます。
根気が必要な治療法ではありますが、体質改善を目指す上での有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
皮下免疫療法との主な違い
スギ花粉症の体質改善には、アレルゲンを体内に注入する皮下免疫療法もあります。
- 舌下免疫療法は一般的に、重篤な全身性副作用のリスクが低い治療法とされている
- 皮下免疫療法は週に1回~月に1回注射を受けに通院する必要がある
- 投与経路や通院頻度が異なるため、子どもの性格やライフスタイルに合った方法を選ぶ
舌下免疫療法にも口の中の腫れなどの副作用が出ることもあるため、慎重な投与が必要です。
どちらの治療法を選択するかは、よく医師と相談して慎重に判断することが求められます。
子どもの体質改善のために家庭でできる工夫
医療機関での治療と並行して、家庭での生活習慣を整えることも体質改善の助けとなります。
できるだけ花粉に触れる機会を減らすことも重要なポイントです。
腸内環境を整えるための食べ物の工夫
腸内環境を整えることは、全身の健康維持や免疫バランスを整える助けになると考えられています。
- ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べる
- 食物繊維が豊富な野菜や海藻を積極的に摂取する
- 白砂糖や油っこいスナック菓子を控えめにする
善玉菌を含んでいるもの、善玉菌を増やすものを積極的に取り入れていくとよいでしょう。
「これさえ食べればよい」というものはないので、ストレスにならない程度に食生活の改善を目指せるといいですね。
花粉への接触をできるだけ減らす工夫
室内に入る花粉の量を物理的に減らすことも、子どもの体の負担を減らすためには欠かせません。
- ウール素材の服は花粉が付きやすいので避けるとよい
- 家に入る前に服や髪についた花粉を払い落とす
- 帰宅後はすぐに顔を洗い鼻の周りの花粉を落とす
- 室内では空気清浄機を活用し湿度を50パーセント程度に保つ
外出時はマスクやメガネでガードするのが基本ですが、子どもが嫌がることも多いので、できる範囲での対策を続けていきましょう。
飛散量が多い日や時間帯の予測も、こまめにチェックして花粉との接触を避ける工夫をしていけるとさらにいいですね。
花粉症の体質改善を検討する際の受診のタイミング
花粉症の症状は風邪と見分けがつきにくいことも多いため、受診するべきか迷った場合は以下の点を確認してみてください。
- 鼻水が透明でさらさらしており1週間以上続いている
- 目や鼻を頻繁にこすったり痒がったりしている
- くしゃみが連続して出ており顔色が冴えないように見える
- 決まった季節になると決まって鼻詰まりが悪化する
上記のような様子が見られる場合は、早めに小児科や耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
特に舌下免疫療法を検討する場合は、花粉が飛んでいない時期に治療を開始する必要があるため、早めの相談がスムーズです。
子どもの花粉症の体質改善に関するよくある質問
- 舌下免疫療法は何歳から始められますか?
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一般的に5歳以上で、薬を舌の下に1分間保持できる子どもであれば治療が可能とされています。
医師の指導の下で慎重に進めていくことになるため、気になる場合は一度相談してみるとよいでしょう。
- 薬を飲むと眠くなってしまうのが心配です。
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最近では眠気が出にくいタイプの薬も増えています。
子どものライフスタイルに合わせて調整できる場合もありますので、医師に相談してみてください。
- 市販の鼻炎薬で様子を見てもいいでしょうか?
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一時的な緩和に役立つ場合もありますが、原因を特定し、適切な処方薬を使用することが推奨されます。
市販の点鼻薬や点眼薬も、副作用のリスクがある場合や子どもの使用が適さないものもあります。
自己判断での使用はできるだけ避けて医療機関に相談しましょう。
花粉症の子どもの体質改善には根気強い治療と生活の工夫が大切!悩みがあればオンライン診療への相談も検討して
子どもの花粉症対策は、目先の症状を抑えることと、将来を見据えた体質改善の両輪で進めることが大切です。
- 舌下免疫療法は5歳前後から検討できる、原因物質に対する免疫を作る治療の選択肢である
- 腸内環境を整える食事や花粉を家に入れない工夫を継続するとよい
- 花粉症を疑う症状が見られた場合は早めに医療機関の受診を検討する
お子さんが春の季節を笑顔で過ごせるよう、まずは専門の医師に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
「これぐらいで病院に行っていいのかな?」と受診を迷う場合には、自宅からスマホで医師とつながる小児科オンライン診療「あんよ」への相談も検討してみてくださいね。

