季節性インフルエンザの発症を抑えるために、特に免疫が未熟な小さな子どもには予防接種を受けさせることが推奨されています。
副反応としては、接種部分の腫れや発熱、非常にまれにアナフィラキシーなどの重篤な反応が出ることもありますが、出やすい人の条件ははっきりしているわけではありません。
以前に予防接種でアレルギー反応が出たことがある人や、基礎疾患を持つ人は接種について慎重に医師と相談するようにしましょう。
もし副反応が出た場合は、子どもの全身の様子をよく確認し、心配な症状があれば医療機関への受診を検討してください。
インフルエンザ予防接種の副反応が起こる仕組みと症状
インフルエンザ予防接種の後に起こる発熱や腫れなどの副反応は、体の中で免疫を作ろうとする反応の一つと考えられています。
ワクチンによって不活化(弱毒化)ウイルスの一部が体内に入ると、免疫システムがそれを外敵と認識して攻撃を開始します。
この攻撃の過程で、体温を上げたり炎症を起こしたりする物質が放出されるため、熱が出たり皮膚が赤くなったりするのが副反応が起こる仕組みです。
副反応の主な症状と経過の目安
インフルエンザ予防接種の副反応は、その多くが接種後24時間以内に現れ、数日以内に自然に治まっていくものです。
| 症状の種類 | 具体的な様子 | 落ち着くまでの目安 |
|---|---|---|
| 局所反応 | 接種した部位の赤み、腫れ、痛み | 2〜3日程度 |
| 全身反応 | 発熱、寒気、だるさ、頭痛 | 2~3日程度 |
| アレルギー | 蕁麻疹、かゆみ、皮膚の赤み | 数時間〜1日程度 |
※これらは一般的な経過の例であり、体の様子には個人差があることに注意が必要です。
厚生労働省によると、腫れなどの局所反応は10~20%、発熱などの全身反応は5~10%の人に起こるとされています。
まれに、強いアレルギー反応であるアナフィラキシー症状が出ることがあります。
接種後30分は接種した医療機関内で安静にするか、すぐに医師に連絡が取れる状態にしておきましょう。
経鼻ワクチンでは鼻づまりなどが起こることがある
2023年に日本で経鼻弱毒インフルエンザ生ワクチンの製造販売が承認されました。
2歳~18歳が対象の選択肢の一つで、鼻にスプレーするタイプのため、注射特有の痛みを避けられることが特徴です。
副反応としては、鼻の粘膜が腫れることにより鼻づまり、喉の痛み、発熱や腹痛などが起こることがあります。
こちらもアナフィラキシーショックなどの強い副反応が出ることがあるので、接種後30分は特に注意しておきましょう。
インフルエンザ予防接種の副反応が出やすい人の傾向
副反応が強く出るかどうかは、その時の体調や個人の体質、過去の経験などが複雑に関係しているため、はっきりと「こんな人に出る」と言うことはできません。
インフルエンザ予防接種で副反応が出やすい人には、一般的に以下のような傾向があると考えられます。
- 過去のインフルエンザ予防接種で腫れや発熱を経験したことがある人
- 接種当日に寝不足や過労などで体力が低下している状態の人
- アレルギー体質などで皮膚や粘膜が外部刺激に対して敏感な傾向にある人
これらはあくまでも傾向で、該当する場合に強い副反応が出るとは限りません。
誰にでも起こりうると考えて、接種後のスケジュールには余裕を持ち、少しでも体調が悪いようなら延期するようにしましょう。
インフルエンザ予防接種を受ける際の注意点
当日、以下の条件に当てはまる場合は、インフルエンザ予防接種を受けることができません。
- 37.5度以上の発熱がある
- 重篤な急性疾患にかかっている
- 以前にインフルエンザワクチンの成分にアナフィラキシー反応を起こしたことがある
この他にも、子どもの様子を見て医師が接種ができないと判断する場合もあります。
接種前に医師に相談が必要な条件
子どもが次の条件に当てはまる場合は、接種をする前に接種できるかどうか医師としっかり相談する必要があります。
- 心臓血管系、腎臓、肝臓、血液などに基礎疾患がある
- 過去にけいれんを起こしたことがある
- 過去に予防接種で強いアレルギー症状が出たことがある
- 鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものにアレルギー反応を起こす可能性がある
以上の条件に当てはまらない場合でも、少しでも子どもの体調などに不安があれば、医師に相談するようにしましょう。
また、喘息患者には経鼻ワクチンの使用は推奨されておらず、基本的に注射での接種となるため事前に医師に伝えるようにしてください。
インフルエンザ予防接種を受けた当日の注意点
接種後30分は重大な副反応が現れることがあるので、医療機関にすぐ連絡できるようにし、子どもをよく観察しておくようにしましょう。
また、接種当日の過ごし方によって、副反応が強く出やすい場合もあるため、以下の注意点をチェックしておいてください。
- 激しい運動は避け、ゆっくり過ごすことを心掛ける
- 入浴は可能とされているが、長風呂は体力を奪われるため避ける
- 接種した部位はこすらない
- 腫れやかゆみが出ても自己判断で市販薬を使うのは避ける
特に、子どもは注射をした部位を気にして触ってしまいやすいため、注意しておきたいですね。
子どもに副反応が出た時の自宅での過ごし方と受診の目安
もしインフルエンザ予防接種の後に腫れや発熱などの副反応が見られた場合でも、慌てずに適切なケアを行うことで不快感を和らげることが期待できます。
以下のポイントを参考に、自宅でゆっくりと過ごさせてあげてください。
- 接種した部位が熱を持って腫れている場合は冷たいタオルなどで軽く冷やす
- 発熱による脱水を防ぐためにこまめに水分補給を行い静かに安静を保つ
- 入浴は問題ないが長湯は避け、腫れている場所を強くこすらないようにする
- 激しい運動は避けて体が回復に専念できる環境を整える
無理に普段通りの生活を送ろうとせず、体のサインに合わせて休息を取ることが大切です。
副反応で医師への相談や受診を検討すべき症状の目安
一般的にインフルエンザ予防接種の副反応は自然に軽快することが多いですが、中には早めの相談が必要なケースもあります。
以下のような様子が見られた場合は、速やかに医療機関を受診することを検討してください。
- 接種後すぐに息苦しさや激しい咳き込みが見られる場合
- 顔色が青白くなりぐったりとして意識がはっきりしない場合
- 39度以上の高熱が出たり数日経っても熱が下がらなかったりする場合
- 皮膚の腫れが肘や肩を越えて広範囲に広がって痛みが強い場合
特に小さな子どもの場合は、顔色や機嫌などを注意深く観察してあげましょう。
インフルエンザ予防接種の副反応に関するQ&A
- 卵アレルギーがあっても副反応は出やすいですか?
-
現在使用されているインフルエンザワクチンでは、軽度の卵アレルギーであれば大きな問題にならないことが多いです。
ただし、アレルギー反応が起こらないとは言えないため、必ず事前に医師へ相談してください。
特に重度のアレルギーの場合は慎重な検討が必要となります。
- 副反応が出なかったら免疫がついていないということですか?
-
副反応の有無が、ワクチンの有効性に直接影響するものではないとされています。
目に見える反応がなくても、体の中では免疫反応が起きていると考えてよいでしょう。
- 授乳中ですが赤ちゃんに副反応の影響はありますか?
-
母親が接種しても、母乳を通じて赤ちゃんに成分が影響を与える可能性は、一般的に極めて低いと考えられています。
不安を残したまま接種せず、授乳中であることを医師に伝え、接種前に相談するとよいでしょう。
インフルエンザ予防接種の副反応が出やすいかどうかは体質や体調が影響することも!子どもの副反応で不安な場合はオンライン診療も活用を
インフルエンザ予防接種で副反応について「こんな人が出やすい」とははっきり言えませんが、アレルギーの体質やその日の対象が影響していると考えられます。
副反応は自分や子どもにも起こりうると考えて、事前に体調管理を整え、接種後は無理のないスケジュールを組むことが大切です。
- 副反応は体が免疫を作ろうとする過程で起こる反応と考えられている
- 少しでも体調が悪い場合は接種を延期する
- 接種当日は安静を心がけて体の様子や顔色を注意深く確認する
一度予約を入れるとできるだけ予防接種を受けさせたくなりますが、子どもの体調が万全でない場合は延期も考えるとよいでしょう。
「子どもに副反応が出ているけれど対面での受診が必要か判断できない」という場合は、自宅から小児科オンライン診療「あんよ」を活用して医師に相談することも検討してみてください。

