子どもの胃腸炎を早く治す方法はある?自宅でのケアや水分補給のポイントと食べ物の選び方

子どもの胃腸炎を早く治す方法はある?自宅でのケアや水分補給のポイントと食べ物の選び方

ウイルス性胃腸炎になったときに、早く治すためにウイルスを直接やっつける特効薬というものは現在のところ一般的ではありません。

しかし、お家でのケアの方法を工夫することが、子どもの体の回復を助けることにつながります。

胃腸炎は、体力だけでなく精神的にもつらい病気なので、家庭内感染を防ぎつつ子どもが早く元の状態に戻れるようにケアを続けていきたいですね。

目次

胃腸炎の子どものケアは「脱水の予防」が大切

一般的に、胃腸炎の際の嘔吐や下痢は、体がウイルスを外に出そうとする反応のひとつと考えられています。

このとき、一番気をつけたいのが「脱水」の状態になることです。

体から水分や塩分が失われてしまうと、回復を遅らせることになったり、体がぐったりしてしまったりする原因となります。

WHOが推奨する「経口補水療法」

WHO(世界保健機関)は、軽度および中等度の脱水に「経口補水療法」を推奨しています。

これはブドウ糖とナトリウムを適切な比率で含み、浸透圧を低くした「経口補水液」を飲ませる方法です。

経口補水液は「飲む点滴」と表現されることもあり、中等度までの脱水であれば脱水状態の改善に役立つとされています。

コンビニやドラッグストアなどでの取り扱いも多いため、子どもが胃腸炎の際には可能なら入手しておいてもよいでしょう。

胃腸炎の子どもに水分補給させる方法と飲み物の選び方

胃腸炎で子どもに水分補給させる方法としては、体に負担がなるべくかからないようにすることが大切です。

吐き気が強い時の水分の与え方

「何か飲ませなきゃ」と一気に飲ませると、刺激でまた吐いてしまうことがあります。

一般的には、吐いた直後の30分〜1時間は何も飲ませず、胃を休ませることが推奨されています。

少し落ち着いてきたら、スプーン1杯程度の少量の水分からスタートしましょう。

タイミング水分の量(目安)飲ませる間隔
吐き気が落ち着いた直後小さじ1杯(約5ml)5分〜10分おき
1時間くらい吐かない時ペットボトルキャップ1〜2杯10分〜15分おき
落ち着いて眠れている時無理に起こさず様子を見る目覚めた時に少量ずつ

※数値はあくまで一般的な目安です。お子さんの状態に合わせて調整してください。

「少量ずつ、回数を分けて」が、胃に負担をかけずに水分を吸収させるためには重要なポイントです。

胃腸炎の水分補給に適した飲み物

胃腸炎の際には、体への吸収が良い「経口補水液」が適しています。

経口補水液は感染性胃腸炎での嘔吐・下痢に伴う脱水時に、水分・電解質を補給するための飲料です。

市販されているものもありますが、すぐに手に入らない場合には自宅でも作ることができます。

経口補水液の材料
  • 水 500ml
  • 砂糖(上白糖)20g
  • 塩 1.5g

自作した場合は、衛生面を考慮してその日のうちに使い切るようにしてください。

胃腸炎の水分補給で避けたほうがよい飲み物

以下のような飲み物は、胃腸炎のときには控えたほうが良いと考えられます。

胃腸炎のときに避けたほうがよい飲み物
  • 糖分が非常に多いジュースや炭酸飲料
  • 脂肪分を含む牛乳や乳製品
  • カフェインが含まれている飲み物
  • 冷たすぎる飲み物

これらは腸を刺激して下痢を悪化させたり、吸収を妨げたりする可能性があるため、注意してください。

胃腸炎からの回復期の食事の進め方と避けるべき食べ物

「体力をつけるために食べさせないと」と焦る必要はありません。

胃腸が弱っているときに無理に食べると、消化にエネルギーを使ってしまい、かえって回復を遅らせる可能性があるからです。

子どもが「お腹が空いた」と言い始め、水分をしっかり摂っても吐かないことが確認できてから、食事を再開しましょう。

食べ物の選び方
  • 最初はお粥や柔らかく煮込んだうどんなど、消化の良い炭水化物から始める
  • タンパク質は、脂肪の少ない白身魚や豆腐などから段階的に進める
  • 油っこいものや食物繊維の多い野菜、刺激の強いスパイスなどはしばらく控える

子どもの食欲に合わせてゆっくりと元の食事に戻していくことが、結果的に胃腸炎からのスムーズな回復をサポートすることにつながります。

下痢止めは逆効果?胃腸炎から早く回復するための薬の考え方

「下痢を止めてあげれば早く治るのでは」と考える親御さんも多いですが、実は胃腸炎のときの下痢は、体の中にある悪いウイルスを追い出そうとしているのです。

無理に下痢止めを使ってしまうと、ウイルスが腸の中に長くとどまってしまい、かえって症状が長引く可能性も考えられます。

胃腸炎での薬に関する一般的な考え方
  • 整腸剤で腸内環境を整えるサポートをする
  • 吐き気が強くて水分が摂れない場合に吐き気止めを検討する
  • 高熱で辛そうな場合にはアセトアミノフェンなどの解熱剤を検討する
  • 自己判断で大人用の市販薬を飲ませない

どのような薬を使うかは、子どもの全身の様子を診た上で医師が判断します。

家にある常備薬を自己判断で使わずに、まずは医師に相談してみるようにしましょう。

小児科を受診する目安となる症状

子どもが胃腸炎のときに以下のような様子が見られる場合は、早めに小児科を受診することを検討してください。

速やかに受診を検討するべき症状
  • 水分を一口飲んでもすぐに吐いてしまう状態が続く
  • おしっこの回数が極端に減り半日以上出ていない
  • 泣いても涙が出ないことや口の中が乾いている様子がある
  • 呼びかけても反応が鈍くウトウトして元気がない
  • 激しい腹痛や血が混じったような便が見られる

このような緊急性の高いサインがある場合は、対面での診察が必要になります。

夜間や休日に救急外来を受診するか判断に迷う場合は、子ども医療電話相談(#8000)などに電話して相談してみてください。

家族への二次感染を防ぐための大切なポイント

胃腸炎の原因となるウイルスや細菌は非常に感染力が強いため、掃除や手洗いには細心の注意を払いましょう。

特に吐いたものを片付けるときは、使い捨ての手袋やマスクを着用し、薄めた塩素系漂白剤を使って消毒すると効果的です。

ご家族ができる感染対策として、以下の点に気をつけてみてください。

家庭内感染を防ぐ対策
  • 嘔吐物を処理する際は直接手で触れないよう注意する
  • 手洗いは石鹸を使って流水でしっかり30秒以上行う
  • タオルなどの日用品は共有せずに別々のものを使う

胃腸炎は体力的にも精神的にもつらい病気なので、子どもをしっかりケアしていくためにも親御さんへの二次感染は避けたいですね。

胃腸炎を早く回復させる方法に関するよくある質問

市販のスポーツドリンクを飲ませても良いですか?

スポーツドリンクは糖分が多く、ナトリウムやカリウムが不足していることが多いため、胃腸炎での脱水時には経口補水液の方が適しているとされています。

可能なら経口補水液を選ぶようにすることをおすすめします。

スポーツドリンクを飲ませたい場合は、ミネラルが含まれるものを選び、水で薄めて少しずつ飲ませるようにしてください。

さらに、スポーツドリンクの中でも、体液より浸透圧が低く吸収されやすい「ハイポトニック飲料」を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。

下痢が続いているときはお風呂に入っても大丈夫ですか?

熱がなく、子どもに元気があれば一般的には入浴ができると考えられます。

ただし、お尻を洗う程度にして短時間で済ませるのが無難です。

入浴は水分を奪われやすいのでこまめな水分補給を心がけて、体に負担のないようにしましょう。

吐き気が収まれば、すぐに学校や保育園に行けますか?

保育所における感染症対策ガイドラインでは「嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること」がウイルス性胃腸炎後の登園の目安とされています。

感染性胃腸炎は非常に感染力の高いウイルスや細菌が引き起こします。

集団感染のリスクを避けるためにも、まわりにうつす心配がない状態になってから登園・登校を検討してください。

判断が難しい場合は医療機関へ相談してみるといいですね。

病院でもらった薬を飲んでも下痢が止まらないのですが?

胃腸炎の下痢は数日から1週間ほど続くこともあります。

水分が摂れて元気であれば、医師の指示通り整腸剤を使いながら経過を観察するのが一般的です。

心配な様子がある、不安だという場合は我慢せずに医療機関に相談するようにしてください。

胃腸炎から早く回復するには「水分補給」が大切!ケアの方法に迷う時はオンライン診療も活用して

胃腸炎の原因となるウイルスをやっつけて早く治す助けとなるような特効薬は、現在のところ一般的ではありません。

回復の大きな助けとなるのは、脱水を防ぎ、疲れた胃腸をしっかり休ませてあげることです。

無理に食べさせたり、強い薬で症状を無理やり抑え込んだりするのではなく、子どもの体が持つ「治る力」をサポートしてあげましょう。

この記事のまとめ
  • 吐いた直後は1時間ほど胃を休める時間を設ける
  • 経口補水液をスプーン1杯から少量ずつ頻回に飲ませることを心がける
  • 水分がしっかり摂れるようになってから消化の良い食事を始める

もしケアの方法に不安を感じたり、お子さんの様子がいつもと違うと感じたりしたときは、無理をせず医師に相談しましょう。

自宅からスマホで医師に相談できるサービスである小児科オンライン診療「あんよ」の活用も検討してみてくださいね。

LP