過敏性腸症候群の子どもにおすすめ食べ物は?お腹を守る食事の工夫

過敏性腸症候群の子どもにおすすめ食べ物は?お腹を守る食事の工夫

朝、学校に行こうとすると子どもが「お腹が痛い」と訴えることはありませんか。

病院で検査をしても特に異常が見つからない場合、過敏性腸症候群の可能性があります。

この病気は、心理的なストレスだけでなく、日々の食べ物も深く関係していると考えられています。

医療機関に相談すると同時に、食事を見直しながら子どものお腹をサポートしていくことが大切です。

目次

過敏性腸症候群とは?主な症状と原因

過敏性腸症候群(IBS)は、内視鏡検査や血液検査などで異常がないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛などのお腹の症状があるような状態です。

子どもに以下のような症状がある場合は、過敏性腸症候群の疑いがあるかもしれません。

過敏性腸症候群が疑われる症状
  • 朝になるとお腹が痛いと言う
  • テストの前に下痢になりやすい
  • お腹にガスが溜まって苦しそうにしている
  • 便秘と下痢を交互に繰り返している

日本消化器病学会の過敏性腸症候群ガイド2023によると、およそ10%の人がこの病気であり、女性に多く、年齢とともに減ってくるとされています。

症状から大きく4つのタイプに分けられる

過敏性腸症候群は、その症状から4つのタイプに分類されます。

タイプ特徴的な症状
便秘型IBS(IBS-C)お腹が張る、ガスが溜まる
硬い便やウサギの糞のようなコロコロとした便で出すのに時間がかかる
下痢型IBS(IBS-D)急な腹痛・便意で水様便や軟便が出る
混合型IBS(IBS-M)便秘と下痢を繰り返す
分類不能型IBS上記のどれにも当てはまらない
症状が不安定だが、明らかにIBSの特徴がある

男性は下痢型、女性は便秘型が多い傾向があるとされています。

原因ははっきりとは分かっていない

実は、過敏性腸症候群の原因ははっきりとは分かっていません。

感情的要素(ストレス、不安、恐怖など)や食べ物、感染症などが引き金となって起こることがあります。

特に、細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかり、回復した後に過敏性腸症候群になりやすいことがよく知られている原因です。

また、食べ物の種類や食べ方によっては、腸が痛みを感じやすい知覚過敏状態を引き起こすことがあると考えられています。                      

過敏性腸症候群でおすすめしたい食べ物の特徴

過敏性腸症候群の子どもには、腸で吸収されやすい食べ物がおすすめと考えられます。

低FODMAP食が推奨される

最近では低FODMAP(フォドマップ)食という食習慣が、お腹の調子を整える選択肢として注目されています。

FODMAPとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい糖質をまとめて指した名称です。

これらを含む食べ物を控えめにする低FODMAP食を取り入れることで、お腹の調子を整えやすくなると考えられています。

取り入れたい低FODMAP食品

毎日の食事に取り入れやすいおすすめの食材の一部をご紹介します。

分類おすすめの食べ物
(低FODMAP)
控えたい食べ物
(高FODMAP)
主食ごはん、お餅、フォー、そばパン、うどん、パスタ
果物バナナ、キウイ、ミカンリンゴ、桃、ドライフルーツ
野菜にんじん、トマト、ナス玉ねぎ、にんにく、ゴボウ
タンパク質鶏肉、豚肉、牛肉、卵類ベーコン、ソーセージ、納豆
乳製品カマンベールチーズ、カッテージチーズ牛乳、生クリーム、ヨーグルト

特にお米は、小麦に比べてお腹の中でガスが発生しにくいと考えられています。

パンを主食にしている場合は、パンをおにぎりに置き換えることも、取り入れやすい工夫の一つです。

子どもが好んで食べられるものから、少しずつ種類を広げていくと良いでしょう。

体に良いとされる食べ物も負担となる場合がある

「体に良い」と思われている食べ物が、高FODMAPに分類され、子どもの腸に負担をかけている場合があります。

例えば、お腹の調子を整えるとされているヨーグルトや、お通じに良いとされる食物繊維が豊富な豆類などが代表的です。

これらは一般的には健康に役立つとされているものですが、過敏性腸症候群の時期には、お腹の張りや痛みを引き起こす原因となる可能性があります。

控えたい食べ物のポイント
  • 小麦を多く含むパンや麺類を一時的に控える
  • 乳糖を含む牛乳やヨーグルトの摂取を避ける
  • 玉ねぎやにんにくなどの香味野菜を料理から減らす
  • 人工甘味料が含まれるお菓子や炭酸飲料を控える

極端に食事制限すると栄養のバランスを取りづらくなるため、専門家に相談しつつ体調が悪い時にだけ控えるといった柔軟な対応も大切です。

毎日の食事で意識したいポイント

毎日の献立を考える際に意識しておくとよいポイントがあります。

献立を考える際のポイント
  • お弁当を作る際はシンプルな味付けを心がけると、お腹への刺激を抑えられる傾向がある
  • 揚げ物や辛いスパイスは控えめにし、和食中心の献立にする
  • 冷たい飲み物を一気に飲むと腸が過剰に反応することがあるため、常温のものを選ぶ

親御さんにとって負担が大きくなると、そのことが子どものストレスにつながってしまう可能性も。

できる範囲で低FODMAP食を意識しながら、食べることを楽しめるような環境づくりも意識していくとよいでしょう。

給食の場合は学校への相談も重要

学校給食で牛乳やパンが出る場合は、子どもの症状に合わせて先生と相談することも検討してください。

学校で、「全部食べないと」「食べたらお腹が痛くなりそう」とストレスや不安を抱えて食事をすることも、お腹の調子を崩すことにつながる場合もあるでしょう。

学校でお腹の調子を崩してトイレに行くことを恥ずかしいと感じてしまうことも、子どもにとっては大きなストレスとなってしまいます。

担任の先生や養護教諭と連携を取りつつ、少しでも穏やかに過ごせるようにしてあげたいですね。

よく噛みつつ楽しく食事ができるように親子で意識する

食事の際はよく噛み、ゆっくり食べることを親子で意識してみてください。

よく噛むことで消化が助けられ、腸への負担が軽くなると考えられています。

食事自体がストレスとならないよう、楽しい雰囲気で食べられるといいですね。

家庭だけで何とかしようとせずに、困ったことや不安なことは専門家に相談しながら子どものお腹をサポートしていきましょう。

過敏性腸症候群の子どものお腹の悩みに関するよくある質問

ヨーグルトは毎日食べさせたほうが良いですか?

一般的には腸に良いとされるヨーグルトですが、乳糖が含まれているため、過敏性腸症候群の子どもには合わない場合があります。

食べた後にお腹が張ったり、下痢をしたりする場合は一度控えることで様子を見て、気になる場合は医師に相談することをおすすめします。

野菜をたくさん食べさせればいいですか?

食物繊維には、お腹の調子を整えるものと、逆にガスを溜めやすくしてしまうものがあります。

ゴボウやレンコンなどの硬い野菜よりも、ダイコン、ニンジンなどの柔らかい野菜を煮込んで食べるほうが、お腹には優しいと考えられます。

低FODMAPの食品を確認し、できる範囲で取り入れていきましょう。

お菓子は絶対に食べてはいけませんか?

一般的にチョコレートやスナック菓子は脂肪分が多く、腸を刺激しやすいとされているため、できるだけ控えることが推奨されます。

おやつには、おにぎりやバナナ、米粉で作ったクッキーなどを選ぶのがおすすめです。

過敏性腸症候群の子ども食べ物は低FODMAP食を上手に活用しながら不安な点はオンライン診療への相談も検討を

過敏性腸症候群のお子さんにとって、おすすめの食べ物は低FODMAPの食材です。

これらを中心とした食事に変えることで、腸への負担を和らげ、症状を落ち着かせる一助となることがあります。

この記事のまとめ
  • 過敏性腸症候群の原因ははっきりしていないが、ストレスが引き金となることがある
  • お米を中心とした低FODMAP食を日々の献立に取り入れるよう意識するとよい
  • 改善が見られない場合は無理をせず専門の医師に相談する

対面での受診を迷う場合や、まず相談してみたい場合は、小児科オンライン診療「あんよ」で自宅から医師に相談してみることも検討してください(※症状により対面受診をご案内する場合があります)。

専門家の力を借りつつ、子どもの体質に合った食べ物を一緒に見つけて、食事を楽しめる工夫ができるといいですね。

LP