子どもがインフルエンザにかかると、高熱の中で急に意味不明なことを言い出したり、走り出そうとしたりすることがあると聞いたことがある人も多いでしょう。
これはインフルエンザに伴う子どもの「異常行動」と呼ばれるもので、発症から2日以内に現れやすいことが報告されています。
万が一の事故を防ぐためには、正しい知識を持って冷静に対応することが大切です。
もし心配な症状が見られたら、早めに医療機関に相談することを検討してください。

小児科専門医六郷 由佳
2012年福島県立医科大学卒業後、小児科専門医として先天性心疾患を専門に診療。現在はオンライン診療と都内小児科クリニックに勤務。
インフルエンザによる異常行動が起きやすい条件と行動の例
インフルエンザによる異常行動は、発熱後2日以内に発現しやすいことが知られています。
就学以降の小児・未成年の男性での報告が多いですが、女性でも見られているため注意が必要です。
条件に当てはまらない場合でも可能性がゼロではないので、軽快するまでは気を付けて対策をするようにしましょう。
インフルエンザによる異常行動の例
異常行動はさまざまですが、例を挙げておきます。
- 急に外に飛び出してしまう
- 普段と違う不自然な話し方をする
- 大声で叫ぶ、歌を歌う
- 理由もなくおびえる、急に笑い出す
- 人を正しく認識できず、いる人を「いない」、いない人を「いる」と言う
- 見えないものを見えると言う
- 自分の手を食べ物だと思って噛む
急にこのような言動がみられると驚いてしまいますが、落ち着いて事故のないように見守り、その後の様子を観察しておいてください。
インフルエンザによる異常行動で受診を検討するべき症状
一時的に意味の通じないことを言うだけで、数分で落ち着く場合や解熱剤を使用し体温を少し下げてあげると改善する場合は、部屋の安全を確保して見守ってください。
しかし、以下のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診するか、状況によっては救急車を検討する必要があります。
- 呼びかけに対して反応がなく意識がはっきりしない
- 5分以上続くけいれんやひきつけが起きている
- 顔色が明らかに悪く呼吸が苦しそうに見える
- 激しい興奮状態や錯乱状態が長時間続いている
- 異常行動が繰り返し起こる
夜間や休日で対面での受診が難しい場合や、受診すべきか判断に迷う際は、オンライン診療を活用して医師に相談するのも一つの選択肢です。
インフルエンザで子どもに異常行動が見られる原因
インフルエンザによる異常行動の原因としては、高熱による「熱せん妄」や、脳に一時的な影響が出ている可能性などが考えられます。
インフルエンザ脳症の可能性もある
インフルエンザ脳症の初期には異常言動・行動が認められることがあります。
インフルエンザ脳症の初期と、熱せん妄や、脳症と関連のない異常行動との違いをご家庭で判断するのは非常に困難です。
意識状態が明らかに悪い場合、連続して異常な行動がみられる場合は速やかに医療機関を受診するか、相談することを検討してください。
抗インフルエンザ薬の服用と異常行動の関係
現在では、薬の種類に関わらず、インフルエンザそのものの影響によって異常行動が誘発される可能性があると指摘されています。
かつてはオセルタミビル(商品名:タミフル)などの抗インフルエンザ薬が異常行動を引き起こすのではないかと言われていました。
その後、厚生労働省などにより、抗インフルエンザ薬の服用の有無にかかわらず、同様の症状が起こることが報告されています。
医師から処方された薬は、指示通りに服用を続けるようにしてください。
子どもの異常行動から転落事故を防ぐための具体的な対策
インフルエンザによる異常行動で最も懸念されるのは、窓やベランダからの転落事故です。
発症から少なくとも2日間は子どもを一人にせず、万が一の事故を未然に防ぐために以下の対策を徹底し、安全な環境づくりを心がけましょう。
| 対策場所 | 具体的な安全対策の内容 |
|---|---|
| 寝室・居室 | 可能な限り1階の部屋で寝かせる ベランダのない部屋・格子窓のある部屋を選ぶ |
| 窓 | 補助錠を取り付けて出られないようにする |
| ベランダ | 出られないよう施錠し、足場となる椅子や箱などを置かない |
| 玄関 | チェーンロックや補助錠を併用して施錠する |
異常行動は小学生以上の未成年での報告が多いため、高いところでも手が届いてしまう場合もあります。
十分すぎるほどの対策を心がけるとよいでしょう。
子どものインフルエンザでの異常行動に関するよくある質問
- 異常行動は何日ぐらい気を付ければいいですか?
-
般的には、発熱が始まってから2日間(48時間)が最も注意が必要な期間と考えられています。
熱が下がり始めていても、この期間内は一人にしないよう見守ってください。
- 異常行動が起きた後に後遺症は残りますか?
-
多くの場合、異常行動は一時的なもので、解熱とともに収まっていく経過をたどるのが一般的です。
ただし、意識障害や強いけいれんを伴う場合は「インフルエンザ脳症」などの可能性も否定できないため、早めに医師の診察を受けてください。
- 目を離さなければいけないときはどうすれば良いですか?
-
トイレや家事でどうしても短時間離れる場合は、窓や玄関の施錠を再度確認してください。
子どもが寝ている間でも、突然動き出す可能性があることを念頭に置くことが重要です。
子どものインフルエンザによる異常行動には徹底した対策を!心配ならオンライン診療も活用して
インフルエンザに伴う子どもの異常行動は、一定数報告されており、注意が必要な症状の一つです。
あらかじめ補助錠などで対策をしておくことで、重大な事故が起きてしまうリスクの低減につながります。
- 発症から少なくとも2日間は窓や玄関を施錠し、子どもを一人にさせない工夫をする
- 薬の有無に関わらず異常行動は起こる可能性があると理解する
- 受診すべき症状がないか注意深く見守っておく
薬の服用については自己判断で中止せず、不安なことがあれば専門家に相談するようにしましょう。
受診すべきか迷う場合には、小児科オンライン診療「あんよ」も選択肢の一つとして活用してください。


小児科専門医
六郷 由佳
インフルエンザの異常行動は脳症の初期症状の可能性もあり見極めが必要です。本当に大丈夫なのか不安になるかと思いますので、オンラインで小児科医に直接見てもらうと安心ですね。