夜中にお子さんの体が急に熱くなって、ひやりとしたことはありませんか。
「朝まで待って大丈夫かな?」「救急車を呼ぶほどなのかな?」と、頭の中がぐるぐるしてしまいますよね。
この記事では、神奈川県にお住まいの方に向けて、夜間や休日に子どもが体調を崩したときの相談先を、緊急度の高い順に整理して解説します。
慌てずに、上から順に当てはめて確かめてみてくださいね。
本記事の編集方針について
あんよマガジンは、編集方針に基づき、公的機関の発表資料や学会ガイドライン等の一次情報を確認したうえで記事を制作しています。
※本記事には、当社が運営する小児科オンライン診療「あんよ」のサービス紹介(広告)を含みます。
本記事は、疾患や症状に関する一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。また、特定の医薬品・医療機器・治療法の効果を保証・推奨するものでもありません。気になる症状やご不安がある場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。
なお、本記事の内容は公開時点の情報に基づいており、最新の医学的知見や制度改正により変わる場合があります。
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神奈川県で子どもが夜に体調を崩したときに考える順番
夜間や休日は、開いている窓口が日中よりも限られます。だからこそ、迷ったときにたどる順番を、元気なうちに決めておくと落ち着いて動けます。
判断の軸は、熱の高さだけではありません。お子さんの顔色や機嫌、呼吸の様子、水分が取れているかどうかを合わせて見ていきます。ただし、体温が41℃以上あるときは、それだけで早めの受診を考える目安になります。
まずは緊急度を3段階に分けて考えてみましょう。
| 緊急度 | 当てはまる様子・できごと | まず取る行動 |
|---|---|---|
| 今すぐ | ①のサインが一つでもある(けいれん/反応が乏しい・目が合わない・起こしても目を覚まさない/呼吸が苦しそう・肩で息/唇や顔色が青白い・紫色/頭を強くぶつけたあとに、出血が止まらない・意識がない・けいれん・嘔吐が止まらない/出血が止まらない・大量の出血/誤飲(薬・洗剤・ボタン電池を飲み込んだ可能性)/じんましんと唇や顔の腫れ・息苦しさ/何度も吐いて水分が入らない/吐血・血便/激しい腹痛・手足の硬直)。見た目がふだんどおりでも、薬・洗剤・ボタン電池を飲み込んだかもしれないというできごとがあれば当てはまります。くわしくは①の一覧をご覧ください | 119番に通報する |
| 今日中 | 生後3か月未満の発熱(予防接種のあとを除く)、体温41℃以上、水分が取れない、おしっこの回数が明らかに減っている、くり返し吐く、下痢がくり返し続く、ぐったりして見える、顔色や機嫌がふだんと大きく違って見える、押しても色が消えない発疹がある、短時間でおさまったが初めてのけいれん | 診療している医療機関を探して受診する |
| 翌日以降でよい | 生後3か月以上で、①の一覧と「今日中」のどちらにも当てはまるものがなく、顔色と機嫌がふだんと変わらず、水分も取れていて、眠れている | 翌日以降の受診を考える |
| どれにも当てはまらない | 上のどれにも当てはめられない、どこに入れてよいか決められない | 予防接種のあとの発熱なら、接種を受けた医療機関に相談する。それ以外で迷うときは#8000に電話する。夜間・休日で接種を受けた医療機関に連絡がつかないときも#8000に電話する。「今すぐ」の様子が重なるときは119番に通報する |
この3段階に当てはめたうえで、次の順番で選択肢を広げていきます。①命に関わるサインがあれば119番へ通報する、②そうでなくても心配なら今日中に受診する、③落ち着いていれば翌日以降の受診を考える、④どこにも当てはめられず迷うときはこども医療でんわ相談(#8000)に電話する、という流れです。
そして、そのうえで移動が難しい場面や、受診の必要があるかを先に相談したい場面では、オンライン診療も選択肢の一つになります。順番を飛ばして考えると、見落としてはいけないサインを通り過ぎてしまうことがあります。
神奈川県は横浜市や川崎市のような都市部から、山あいの町まで環境がさまざまです。夜間に動ける手段も、家庭の事情によって大きく変わります。
だからこそ、選択肢は住んでいる場所ではなく、お子さんの様子から先に決めていきます。「どこへ行けるか」より「どの緊急度か」を先に置くと、判断がぶれにくくなります。
なお、この順番は元気なうちに一度たどっておくことをおすすめします。実際に熱が出てからでは、冷静に読み比べる余裕がなくなってしまうものです。
① 迷わず119番に通報したいサイン(神奈川県も全国共通です)
救急車を呼ぶ基準は、住んでいる地域によって変わるものではありません。神奈川県でも全国と同じ考え方で判断します。
次のような様子が見られるときは、判断に迷う時間を取らず、119番に通報してください。
- けいれんが5分以上続いている、または一度おさまってもくり返し起きている
- 呼びかけへの反応が乏しく、目が合わない、または起こしても目を覚まさない
- 呼吸が苦しそうで、肩で息をしている、または唇や顔色が青白い
- 頭を強くぶつけたあとに、出血が止まらない、意識がない、けいれんがある、または嘔吐が止まらない
- 出血が止まらない、または明らかに大量に出血している
- 薬や洗剤、ボタン電池などを誤って飲み込んだ可能性がある
- 全身にじんましんが急に広がり、唇や顔が腫れている、または息苦しそうにしている
- 何度も吐いて水分がまったく入らない、または便や吐いたものに血が混じっている
- おなかを激しく痛がって苦しがる、または手足が硬直している
けいれんについては、5分以上続く場合に救急車を呼ぶよう、日本小児科学会が運営するこどもの救急が保護者向けに案内しています。時計を見ながら数えるのは難しいものですが、「長い」と感じたら通報してかまいません。
頭を強くぶつけたあとに出血が止まらない、意識がない、けいれんがあるといった様子、頭を痛がってけいれんを起こしている様子、くちびるの色が紫色である、顔色が明らかに悪い、激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそう、呼吸が弱い、嘔吐が止まらない、便に血がまじった、激しいおなかの痛みで苦しがる、手足が硬直しているといった様子は、厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」が子ども(15歳以下)について救急車を呼ぶ目安として挙げているものです。
同じページでは、意識の障害、けいれん、飲み込み、じんましん、やけど、事故、生まれて3カ月未満の乳児も、救急車を呼ぶことを考える場面として示されています。
このうち生まれて3カ月未満の乳児については、予防接種のあとを除いて、発熱だけのときは②の考え方で、時間外でもその日のうちの受診を基本にしてください(予防接種のあとの発熱は、②に書いたとおり事情が異なります)。
ぐったりしている、呼吸が苦しそう、反応が乏しい、顔色が明らかに悪いといった様子が一つでも重なるときは119番に通報してください。判断に迷うときも、朝を待たずに#8000か119番に相談してください。
このページは消防庁の救急車利用リーフレット(子供版)をもとに作られています。
通報したあとは、お子さんの年齢と月齢、いつから何が起きているか、けいれんであれば始まった時刻を伝えられるようにしておくと、その後のやり取りがスムーズになります。
けいれん中の対応も、前掲のこどもの救急に案内があります。
口の中に指や物を入れないこと、横たえたうえで顔(あるいは体ごと)を右か左に向けて、よだれや吐いたものがのどに詰まらないようにすること、余裕があれば短時間けいれんの様子をスマートフォンなどで動画に残しておくことが挙げられています。
「大げさだったかもしれない」と、あとから気にされる親御さんは少なくありません。けれど、命に関わるサインの判断は、専門家でも実際に見なければ難しいものです。迷ったことそのものが、通報してよい理由になります。
② 今日中に小児科の受診を考えたいサイン

命に関わるサインは見られないものの、朝まで待つかどうか迷う場面があります。次のような様子があるときは、その日のうちに医療機関で診てもらう方向で考えます。
- 生後3か月未満のお子さんに発熱がある(予防接種のあとを除く)
- 体温が41℃以上ある
- 水分をほとんど受けつけない、またはおしっこの回数が明らかに減っている
- 嘔吐や下痢がくり返し続いている
- ぐったりして見える(呼びかけには反応するが、いつもより明らかに元気がない)
- 熱の高さよりも、顔色や機嫌がふだんと大きく違って見える
- 押しても色が消えない発疹がある
- 短時間でおさまったものの、けいれんが起きたのが初めてである
押しても色が消えない発疹があるときに、顔色が明らかに悪い、呼吸が苦しそう、反応が乏しいといった様子が重なるときは、②ではなく①の考え方に沿って119番に通報してください。
とくに月齢の小さいお子さんは注意が必要です。生後3か月未満のお子さんの発熱について、厚生労働省の資料は、時間外でも早めに受診するよう案内しています。
同じ資料は、脱水が疑われるとき、ぐったりしているとき、初めてひきつけたとき、体温が41℃以上のときも、時間外でも早めに受診するようすすめており、あわせて、熱が高いほど病気が重いわけではないこと、年齢によって対応が変わり、新生児、生後3か月未満、3才未満の順に注意が必要であることも示しています。
予防接種のあとの発熱は事情が異なりますので、まずは接種を受けた医療機関にご相談ください。夜間や休日で連絡がつかないときは、朝を待たずに#8000に電話して相談してください。①に挙げた様子が一つでも重なるときは119番に通報してください。
なお、予防接種のあとに体調を崩したときは、⑤に書いたとおりオンライン診療では判断しきれないため、受診が必要と判断されたときは対面での受診を選んでください。
生後3か月以上のお子さんでも、3才未満のうちは、熱の数字だけでなく、水分が取れているか、顔色や機嫌がふだんと違わないかをあわせて見ていきます。
水分が取れているかどうかは、飲んだ量よりも出た量で見るとわかりやすくなります。前掲の厚生労働省の資料は、脱水を疑う様子として、12時間以上おしっこが出ない、泣いても涙が出ない、皮膚をつまんだときに戻るのに時間がかかる、といった点を挙げています。
また、機嫌の良し悪しは、体温計の数字と同じくらい大切な手がかりになります。熱が高くても遊ぼうとするお子さんと、熱が中くらいでも抱っこから降りようとしないお子さんでは、後者のほうを心配して見ていきます。
夜間や休日に診てもらえる医療機関は、お住まいの市町村や神奈川県の公式ページで案内されています。慌てて探すと見つけにくいので、平時のうちに確認して、ブックマークしておくと安心ですよ。
③ 翌日以降の受診でよいと考えられるとき
生後3か月以上のお子さんで、①と②に挙げたものがどれも当てはまらず、熱が出ていても顔色と機嫌がふだんと変わらず、水分が取れていて、眠れているのであれば、翌日の診療時間に受診する形でよいと考えられます。
体温が41℃以上ある、押しても色が消えない発疹がある、顔色がふだんと大きく違う、初めてのけいれんが起きたあとである、といったものが一つでも当てはまるときは、機嫌がよく見えても②の考え方に沿って、その日のうちの受診を考えてください。生後3か月未満のお子さんは、この段階には当てはめず、②の考え方で判断してください。
夜中に無理に移動すると、お子さんも親御さんも体力を使います。眠れているのであれば、無理に起こさず朝を待つという考え方もあります。ただし、起こさないまま息づかいと顔色だけは確かめてください。
前掲の厚生労働省の資料も、ふだんの様子を知っておくこと、食べる・寝る・遊ぶ・出すができているかという全身の様子を見ることを挙げています。
様子を見ると決めたあとも、変化には気を配りましょう。水分が取れなくなってきた、反応が鈍くなってきた、呼吸が速くなってきた、顔色が悪くなってきたといった変化があれば、①や②の考え方に戻って判断し直します。
夜通し起きて見張り続ける必要はありませんが、確認する回数を減らすのではなく、確認するタイミングを決めておく、という考え方をおすすめします。いつもと違うと感じたら、時間帯にかかわらず①や②の考え方に戻ってください。
診断がついた場合、園や学校を休む期間は感染症ごとに決められています。基準は学校保健安全法施行規則の第十九条に定められています。なお、この規則が直接の対象としているのは、幼稚園を含む学校です。
保育所や認定こども園ではこれに準じた取り扱いとなり、園ごとの決まりが加わることもあります。登園や登校の可否は自己判断せず、診断した医師と園や学校に確認してください。
なお、翌日に受診すると決めた場合でも、朝いちばんの時間帯は混み合いやすいものです。かかりつけの医療機関の受付時間や、予約の要否を前もって調べておくと動きやすくなります。
④ 判断に迷ったら神奈川県でも #8000 に電話する
3段階のどこにも当てはめられず、判断に迷うことは珍しくありません。そのために用意されているのが、こども医療でんわ相談(#8000)です。
#8000は全国共通の短縮番号で、厚生労働省のこども医療でんわ相談の案内によれば、お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師に電話で相談できる仕組みです。
神奈川県では、看護師等の専任の相談員が対応し、受診が必要かどうかについて助言を受けられます。この電話相談は助言を行うもので、電話で診断や治療を行うものではありません。
ただし携帯電話からかけると、電波を受けた基地局によって東京都や近県の窓口につながることがあります。またダイヤル回線やIP電話、市外局番が「042」のプッシュ回線からは#8000が使えないため、神奈川県では 045-345-8865 におかけください。
受付時間や、つながらないときの案内は都道府県ごとに異なります。神奈川県での受付時間や案内は、かながわ小児救急ダイヤル(♯8000)のページで確認してください。
この記事では時間帯を書きませんので、必ず公式の案内をご覧いただければと思います。
電話をかける前に、体温、いつからどんな症状があるか、水分やおしっこの様子、飲んでいる薬の有無をメモしておくと、短い時間でも状況が伝わりやすくなります。
相談したからといって、必ず受診をすすめられるわけではありません。「朝まで様子を見ましょう」と言われることも、判断の材料としては大きな意味を持ちます。
混み合ってつながりにくい時間帯もあります。少し時間を置いてかけ直す、あるいは②の考え方に戻って受診を検討する、という切り替えも用意しておきましょう。
⑤ 神奈川県でオンライン診療という選択肢を考えるとき
ここまでの①から④を確かめたうえで、それでも移動が難しい、あるいは受診の必要があるかを先に相談したい、という場面が残ることがあります。そうしたときに、オンライン診療が選択肢に入ります。
なお厚生労働省は、オンライン診療を考えるときも、まずはかかりつけの医師か、お近くの医療機関に尋ねるよう国民・患者向けの案内で示しています。
かかりつけの医療機関がオンラインでの診療を行っていることもありますので、ふだんの様子を知っている医師に相談できないかを先に確かめてみてください。
オンライン診療は、スマートフォンやパソコンの映像と音声を通じて医師の診察を受ける方法です。実施のルールは医療法にもとづく厚生労働省令(医療法施行規則)で定められており、あわせて厚生労働省が「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を示しています。
指針や関連する通知は、厚生労働省のオンライン診療に関するホームページから確認できます。
向いている場面と、対面での受診のほうが向いている場面を並べてみます。
| 役立ちやすい場面 | 画面越しでは判断しきれない場面 |
|---|---|
| きょうだいが小さく、家を離れられないとき | けいれんや意識の変化があるとき |
| すでに対面で診てもらった症状の、その後の経過を相談したいとき | 呼吸が苦しそうなとき |
| 受診が必要かどうかの判断に迷うとき | 血液検査や画像検査が必要と考えられるとき |
| 通院のための移動が難しいとき | けがや強い痛み、大量の出血があるとき |
右側に挙げた場面は、緊急度が同じではありません。けいれんや意識の変化、呼吸の苦しさ、けがや強い痛み、大量の出血は①の119番に当てはまり、検査が必要と考えられるときは②の今日中の受診に当てはまります。
このほか、ぐったりして起き上がらない、顔色が悪い、母乳やミルクを飲まないとき、誤飲や誤えん、鼻や耳に物を入れてしまったとき、やけど、熱中症、脱水、体が冷えきって温めても戻らないとき、出血をくり返すとき、予防接種のあとに体調を崩したときも同じです。
日本医学会連合のオンライン診療の初診に関する提言は、ここまでに挙げた状態を、緊急性の面で初診からのオンライン診療に適さない状態として挙げています。
表の右側にある血液検査や画像検査が必要と考えられる場面は、これとは別に、画面越しでは行えないことによるものです。いずれもオンライン診療ではなく、①に当てはまるなら119番、そうでなければ対面での受診を選んでください。
ここまでに出てきた月齢の区切りは、2つの別の物差しです。②や③で使った生後3か月は、どれくらい急いで受診するかの目安で、厚生労働省の資料にもとづいています。
もう一つは、オンライン診療を選んでよいかどうかの目安です。
同じ提言は、発熱について、生後4か月未満の場合、熱が出て3日目以降の場合、悪寒戦慄が続く・食欲が落ちている・活気がない・顔色が悪い・眠れていない場合、小児がんや手術のあと、免疫の働きが弱い病気など重症化のリスクがある場合を、情報量や対応手段の問題で初診からのオンライン診療に適さない状態として挙げています。
いずれか一つでも当てはまるときは、①に当てはまるならまず119番に通報し、②や③に当てはまるときはオンライン診療ではなく対面で診てもらう形をとってください。急ぐかどうかは①から③の考え方で、どこで診てもらうかはこの提言の考え方で、それぞれ判断していただければと思います。
なお同じ提言は、押しても色が消えない発疹(紫斑)が強い場合も、初診からのオンライン診療に適さない状態として挙げています。
オンライン診療は、対面診療の代わりになるものではなく、状況に応じて使い分ける選択肢の一つと考えていただくとよいでしょう。
対面での受診には、触って、聴いて、その場で調べられるという強みがあります。この強みは、通信の技術が進んでも置き換えられるものではないと考えられます。
一方で、夜間に小さなきょうだいを連れて移動するのが難しい、という事情も現実にあります。どちらが優れているという話ではなく、その日の状況で選び分けるものと捉えていただければと思います。
先に挙げた国民・患者向けの案内は、オンライン診療に期待される効果として、医療機関が遠方で通院が困難だった方が受診しやすくなったこと、育児・介護や仕事などで通院が困難だった方が受診しやすくなったことを挙げています。
これはオンライン診療全体について挙げられているもので、子どもの急な症状を想定したものではありません。そのうえで、通院そのものが難しい事情があるご家庭にとって、相談先の選択肢を知っておくことには意味があります。
ただし、どれを選ぶかは、①から④で確かめた緊急度が先です。
オンライン診療の限界と、神奈川県で受けるときの準備
オンライン診療には、はっきりとした限界があります。医師は画面越しに見ることしかできないため、おなかを触って確かめる触診、胸の音を聴く聴診、のどの奥を直接見る診察ができません。血液検査や迅速検査も行えません。
そのため、診察の結果として「対面での受診をおすすめします」と案内されることがあります。これは診察が無駄だったという意味ではなく、必要な次の一手が決まったということです。
日本医学会連合のオンライン診療の初診に関する提言は、オンライン診療に習熟した医師が、対面診療に切り替えられる地理的・時間的な状況で初診を行う場合には、現在のオンライン診療の限界を患者に十分理解してもらったうえで、受診のしやすさという利点を活かすことが適切だ、と述べています。
ここで前提とされているのは、医師の側がオンライン診療に慣れていることと、必要になればすぐ対面に切り替えられる状況にあることの2つです。受診を考えるときは、この2つの前提が満たされているかを、医療機関の案内で確かめてください。
お薬についても、期待の持ち方に注意が必要です。医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。症状や年齢、経過によっては、対面で確かめてからでなければ判断できないと考えられるためです。
受付時間も、あわせて確かめておきたいところです。オンライン診療は24時間いつでも受けられるわけではなく、医療機関ごとに受付の時間帯と締め切り時刻が決まっています。**深夜まで受け付けているとは限りません。**受付時間外にあたる場面では、①から④の考え方に戻ってください。
準備しておくと、短い診察時間を有効に使えます。
- 体温を測った時刻と数値を、時系列でメモしておく
- いつから、どんな症状が、どのくらいの間隔で起きているかを書き出しておく
- 最後に水分を取った時刻と、おしっこが出た時刻を確認しておく
- 今飲んでいる薬やアレルギーの有無を手元にまとめておく
- 明るい部屋で、お子さんの顔や皮膚が映る場所を選んでおく
発疹やのどの様子は、明るさによって見え方が変わります。カーテンを開けた窓際や、照明の下で撮った写真を用意しておくと、伝わりやすくなりますよ。
通信環境も、診察の質を左右します。映像が途切れると、顔色や呼吸の速さといった大事な情報が伝わりにくくなってしまいます。電波の届きやすい部屋を選び、端末の充電を確かめておきましょう。
お子さんが泣いてしまい、画面の前でじっとしていられないこともあります。無理に押さえつけず、抱っこしたまま映す、機嫌のよいときに撮った写真を見せる、といった形でも伝えられます。
診察のあとに医師から言われたことは、その場で短くメモしておくと役立ちます。夜間のやり取りは記憶に残りにくく、翌朝には細かい部分があいまいになりがちだからです。
神奈川県の親御さんが持ちやすい、夜の受診をめぐる誤解

夜間の判断は情報が少ないぶん、思い込みが入り込みやすくなります。よくある受け止め方と、実際に考えたいことを並べてみます。
| よくある受け止め方 | 実際に考えたいこと |
|---|---|
| 熱が高いほど重い病気だと考えてしまう | 熱の数字だけでなく、顔色や機嫌、水分が取れているかを合わせて見ます。ただし生後3か月未満の発熱(予防接種のあとを除く)と、41℃以上の高熱は、それだけで早めの受診を考える目安になります |
| 夜間はどこにも相談できないと考えてしまう | 判断に迷う場面では#8000に電話するという選択肢があります |
| #8000は必ず神奈川県の窓口につながると考えてしまう | 携帯電話では、電波を受けた基地局によって東京都や近県の窓口につながることがあります |
| 救急車を呼ぶのは大げさだと感じてしまう | けいれんや呼吸の異常など命に関わるサインでは、ためらわずに119番へ |
| オンライン診療ならどんな症状も解決すると考えてしまう | 触診や聴診、検査ができないため、対面でなければ判断できない症状があります |
| 解熱鎮痛薬を使えば病気そのものが治ると考えてしまう | 熱やつらさをやわらげる目的の薬で、原因を治すものではないと考えられます |
もう一つ、覚えておきたいことがあります。夜のうちに一度落ち着いても、翌朝また症状が強くなることは珍しくありません。落ち着いたから終わり、と考えず、翌日の様子も見ていきましょう。
子育て全般の相談先や支援の情報は、こども家庭庁の相談窓口の案内からたどることができます。医療の話に限らず、困りごとの入り口として知っておくと役立ちます。
神奈川県の夜間の受診でよくある質問【FAQ】
- 神奈川県で #8000 に電話したら、どこにつながりますか。
-
お住まいの都道府県の相談窓口へ自動で転送され、神奈川県では看護師等の専任の相談員が対応します。ただし携帯電話からかけると、電波を受けた基地局によって東京都や近県の窓口につながることがあります。受付時間は変更されることがありますので、かながわ小児救急ダイヤル(♯8000)のページでご確認ください。
- 夜にオンライン診療を受ければ、その場でお薬を受け取れますか。
-
その場で手元に届くわけではありません。オンライン診療でお薬が処方された場合も、受け取りは薬局を通すことになりますので、夜間は翌日以降になることがあります。医師の判断によりお薬を処方できない場合もあります。症状や年齢、経過によっては、対面で確かめる必要があると判断されることもあります。
- けいれんやぐったりした様子があるときも、オンライン診療で相談してよいですか。
-
そうした場面では、まず119番への通報を考えてください。画面越しでは呼吸の状態や意識の様子を十分に確かめられません。緊急のサインがあるときは、通信の準備をしている時間そのものが惜しくなります。
- 保護者である私自身が体調を崩したときも、小児科に相談してよいですか。
-
小児科が診るのはお子さんです。親御さんご自身の心身の不調は、ご自身のかかりつけの医療機関や、お住まいの自治体の相談窓口へご相談ください。子育て中の相談先については、こども家庭庁のページからたどれます。
- 市販の解熱鎮痛薬を、子どもに使ってもよいですか。
-
前掲の厚生労働省の資料は、子どもの解熱剤としてアセトアミノフェンを挙げ、体を楽にするために使うもので病気を治すわけではない、としています。使う前に外箱や添付文書の対象年齢の記載を必ず確かめ、自己判断せず、薬剤師や医師に相談したうえで使いましょう。とくに生後3か月未満のお子さんの発熱(予防接種のあとを除く)は、市販薬で様子を見るのではなく、②の考え方に沿って受診を優先してください。市販薬で熱が下がっても、顔色や機嫌、水分の様子は引き続き確かめてください。
- 夜間に一度診てもらったあと、翌日もかかりつけの医療機関を受診したほうがよいですか。
-
夜間の診察は、そのときの様子をもとにした判断になります。経過を続けて見てもらう意味は大きいため、翌日以降の受診についても、その場で医師に確認しておくと安心です。
- オンライン診療は、初めて相談するお子さんでも受けられますか。
-
その症状について対面で診てもらったことがないお子さんのオンライン診療には、国のルールで定められた条件があります。
具体的には、医療法施行規則第九条の六の十三第3項で、その症状について対面診療を経ていない場合には、麻薬や向精神薬を処方しないこと、基礎疾患などの情報が把握できていない患者さんには、特に安全上の管理が必要なお薬と、8日分以上のお薬を処方しないことが定められています。
はじめての受診はもちろん、同じ医療機関にかかったことがあっても、その症状について対面で診てもらっていない場合は同じ扱いになります。そのうえで対応できる範囲は医療機関ごとに異なり、一律ではありません。受診を考えている医療機関の案内で、対象となる年齢や症状の範囲を確認してください。画面越しでは判断しきれない症状がある点も、あわせて覚えておきましょう。
なお、生後4か月未満のお子さんに発熱があるときは、はじめてかどうかにかかわらず、オンライン診療は選ばないでください。①に当てはまるサインがあるときはまず119番に通報し、そうでないときは対面での受診を選んでください。
【まとめ】神奈川県で子どもが夜に体調を崩したら、どう動けばよいのか
神奈川県で夜間や休日に子どもが体調を崩したときは、緊急度の高い順に当てはめて考えるのが近道です。まず命に関わるサインを確かめ、次に今日中の受診が要るかを考え、落ち着いていれば翌日以降を考えます。
それでも迷いが残るときに電話相談(#8000)があり、そのうえで移動が難しい場面にオンライン診療という選択肢が加わります。
- ①のサインが一つでもあるときは119番に通報する(けいれん/反応が乏しい・目が合わない・起こしても目を覚まさない/呼吸が苦しそう・肩で息/唇や顔色が青白い・紫色/頭を強くぶつけたあとに、出血が止まらない・意識がない・けいれん・嘔吐が止まらない/出血が止まらない・大量の出血/誤飲(薬・洗剤・ボタン電池を飲み込んだ可能性)/じんましんと唇や顔の腫れ・息苦しさ/何度も吐いて水分が入らない/吐血・血便/激しい腹痛・手足の硬直。見た目がふだんどおりでも、薬・洗剤・ボタン電池を飲み込んだかもしれないというできごとがあれば当てはまります。くわしくは①の一覧を見てください)
- 生後3か月未満の発熱(予防接種のあとを除く)、体温41℃以上、水分が取れない、おしっこの回数が明らかに減っている、くり返し吐く、下痢がくり返し続く、ぐったりして見える、顔色や機嫌がふだんと大きく違って見える、押しても色が消えない発疹がある、短時間でおさまったが初めてのけいれん——このいずれか一つでも当てはまれば、今日中の受診を考える
- 生後3か月以上で、「今すぐ」「今日中」のどちらにも当てはまるものがなく、顔色と機嫌がふだんと変わらず水分も取れていて眠れていれば、翌日以降の受診を考えてよい場合がある
- どこにも当てはめられず迷うときは、#8000に電話して相談する
- 移動が難しい場面では、触診や検査ができない限界を理解したうえでオンライン診療も検討する。ただし、けいれんや意識の変化、呼吸が苦しそう、ぐったりして起き上がらない、顔色が悪い、母乳やミルクを飲まない、誤飲や誤えん、鼻や耳に物を入れてしまった、やけど、けが(とくに頭を打ったとき)や強い痛み、熱中症、脱水、体が冷えきって温めても戻らない、大量の出血やくり返す出血、予防接種のあとに体調を崩した、押しても色が消えない発疹が強い、体温41℃以上——のいずれかがあるとき、および発熱について、生後4か月未満、熱が出て3日目以降、悪寒戦慄が続く・食欲が落ちている・活気がない・眠れていない、重症化のリスクがある病気がある、のいずれかが当てはまるときは、①に当てはまるならまず119番、そうでなければ①から④で急ぐ度合いを決めたうえで、オンライン診療ではなく対面での受診を選ぶ
あんよマガジンでは、公的機関が公開している一次情報を確認しながら記事を作成する編集方針をとっています。本記事は一般的な情報の整理であり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。
オンライン診療の受付時間は医療機関ごとに違い、深夜まで受け付けているとは限りません。対応している時間帯と受付の締め切り時刻を先に確かめておくと確実です。①と②のどちらにも当てはまらず、生後4か月以上で、⑤に挙げた対面をおすすめする様子もないときで、受付時間内に医療機関に行く時間が取りにくいときは、小児科オンライン診療「あんよ」も選択肢の一つです。
ご利用の前に、この記事で挙げた2つの前提(医師がオンライン診療に慣れていること、必要になればすぐ対面に切り替えられること)と、診療を行う医療機関の名称や問い合わせ先が案内ページに書かれているかを、ご自身で確かめてください。受付時間外や、迷いが残るときは、①から④の考え方に戻ってください。
最終的な判断は医師に相談してください。

