転んですりむいたひざのかさぶたが、2週間たってもそのまま。
虫に刺されたあとをかきむしって、はがれてはまたできて、を繰り返している。
そんな傷を見ていると、心配になりますよね。「いつまで様子を見ていていいの?」「これって病院に行ったほうがいいのかな?」と迷う親御さんは少なくありません。
この記事では、子どものかさぶたが治らないときの受診の目安、家庭でのケアの手順、やりがちなNG行動を順番に整理します。慌てずに、今の傷の様子から確かめてみてくださいね。
本記事の編集方針について
あんよマガジンは、編集方針に基づき、公的機関の発表資料や学会ガイドライン等の一次情報を確認したうえで記事を制作しています。
※本記事には、当社が運営する小児科オンライン診療「あんよ」のサービス紹介(広告)を含みます。
本記事は、疾患や症状に関する一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。また、特定の医薬品・医療機器・治療法の効果を保証・推奨するものでもありません。気になる症状やご不安がある場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。
なお、本記事の内容は公開時点の情報に基づいており、最新の医学的知見や制度改正により変わる場合があります。
当社は記事制作にあたり、医療法、医療広告ガイドライン、医薬品医療機器等法(薬機法)、健康増進法、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)等の関係法令・指針を踏まえて制作しています。
かさぶたが治らないときにまず確かめたい受診の目安

かさぶたは、傷口を血液の成分がふさいでできる、体が用意した一時的なふたです。その下で皮膚がつくり直されている間はがしてしまうと、また最初からやり直しになります。
子どものかさぶたが長引くとき、多くはこの「はがれてやり直し」の繰り返しか、傷口で細菌が増えていることが背景にあります。
心配になるとまず病名を調べたくなりますが、先に決めたいのは「いつ受診するか」です。次の表で、今の様子がどこに当てはまるかを見てみてください。
| 目安 | 子どもの様子 | 動き方 |
|---|---|---|
| 今すぐ | ぐったりして反応が鈍い、呼吸が苦しそう、意識がぼんやりする | 119番に通報する |
| 今日中 | 傷の周りの赤みが広がる、押すと痛がる、膿が出る、熱が出てきた | その日のうちに小児科か皮膚科を受診する |
| 翌日以降でよい | 元気で食欲もあり、赤みは傷のふちだけ、かゆがるが痛がらない | 数日以内に受診し、それまでは家庭でケアを続ける |
判断に迷ったときは、こども医療でんわ相談 #8000 が使えます。全国同一の短縮番号で小児科医や看護師に電話でつながる制度で、実施時間帯は都道府県ごとに異なります。
制度の内容や地域ごとの受付時間は厚生労働省の子ども医療電話相談事業(#8000)の案内で確かめられます。夜間や休日で判断に迷ったときの相談先として、番号を控えておくと安心です。
なお、傷そのものが深い場合や、出血が止まらない場合、動物に噛まれた傷の場合は、かさぶたになる前の段階で受診が必要になります。かさぶたの話として様子を見てよいのは、出血が止まって表面が乾いた状態の傷です。
子どものかさぶたが治らない主な原因
長引く理由は一つではありませんが、子どもの場合は次の3つでおおむね説明がつきます。「まれな病気かもしれない」と思う前に、まずこの3つを順番に確かめてみてください。
かゆくて掻いてしまい、かさぶたがはがれてしまう
いちばん多いのがこれです。傷が治っていく途中の皮膚はかゆみを感じやすく、子どもは眠っている間にも無意識にかいてしまいます。かさぶたがはがれると傷口がむき出しになり、また出血して新しいかさぶたができます。これを繰り返している限り、見た目はいつまでも「治らない」ままです。
大人と違って、子どもは「かかないでね」と言われてもかゆみを我慢し続けることが難しいものです。声かけだけに頼らず、かゆみそのものを抑える工夫と、物理的に触れない工夫の両方を組み合わせるほうが現実的です。
とびひなどの細菌の感染が起きている
掻き壊した傷口から細菌が入り、感染が起きているときも治りが遅くなります。
子どもで代表的なのが、とびひ(伝染性膿痂疹)です。透明な水ぶくれやじゅくじゅくした部分ができ、そこを触った手で別の場所をさわると、火の粉が飛ぶように広がっていきます。
とびひは触れることでうつると考えられており、厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインでも、集団生活での対応が必要な感染症として取り上げられています。
細菌が関わる皮膚の症状は、自然に治るのを待つのではなく、医療機関で治療を受けることが基本と考えられています。
赤みが傷のふちを越えて広がる、押すと痛がる、黄色っぽい膿がつく、熱が出てきた。こうした変化があるときは、家庭でのケアを続けるより受診を優先してください。感染が広がっているときには抗菌薬が使われることがありますが、どの薬をどう使うかは診察したうえで医師が決めます。

虫刺されの反応や乾燥が続いている
虫に刺されたあとの炎症は、子どもでは強く出たり長く続いたりすることがあります。かゆみが引かない間はかき続けてしまうため、傷も治りきりません。また、皮膚が乾燥しているとかゆみを感じやすくなり、同じ悪循環に入ります。傷そのものより、周りの皮膚の状態が長引きの原因になっていることは珍しくありません。

まれな病気の心配より、まず感染と掻き壊しから考える
「治らないかさぶた」と検索すると、皮膚のできものや皮膚がんの話が出てきて不安になった方もいるかもしれません。ただ、それは主に長年の紫外線の影響を受けてきた大人の話で、論点が子どもとは異なります。子どもで同じ心配をする必要は、通常ありません。
子どもの場合に確かめたいのは、①かき続けていないか、②感染していないか、③もともと湿疹などがあってバリアが弱っていないか、の3点です。
この3つを整えても数週間にわたって同じ場所だけが治らない、同じ場所を何度も繰り返す、傷を負った覚えがないのにかさぶたができる、という場合は、別の皮膚の状態が隠れていることがあるため、皮膚科で診てもらってください。
不安を抱えたまま様子を見るより、一度診てもらったほうが気持ちも軽くなります。
かさぶたが治らないときの家庭でのケアの手順

やることは多くありません。順番に整えていけば、たいていの傷は落ち着いていきます。
- 1日1回、ぬるま湯と泡立てた石けんでこすらずに洗い、清潔なタオルで押さえて水気を取る
- かゆみが強いときは保冷剤をタオルで包んで数分当て、かきたい気持ちが弱まるのを待つ
- 傷の部分は絆創膏やガーゼでおおい、就寝前に貼り替えて無意識にかくのを防ぐ
- 爪は短く切りそろえ、かいてしまったときの傷の深さを浅くしておく
- 傷の周りの乾いた皮膚には保湿剤を塗り、かゆみの土台になる乾燥を減らす
かゆみが強くて眠れない、かき壊しが止まらないというときは、外用薬や内服薬で抑えることを検討します。市販薬には年齢の制限があるものが多く、一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報(PMDA)でも対象年齢や使い方の注意が示されています。
年齢に合うかどうかを確かめてから使い、判断がつかないときは薬剤師や医師に相談してください。感染が疑われる状態でステロイドを含む塗り薬を続けることはすすめられないため、じゅくじゅくしてきたら自己判断で塗り続けず受診しましょう。
洗う以外に、消毒薬を毎日使う必要はありません。現在の傷の手当ての考え方では、傷口を水でよく洗うことが基本とされています。
子どもの体調やけがの手当てについての一般向けの情報は国立成育医療研究センターの子どもの病気の解説でも公開されており、家庭での手当ての考え方を確かめるときに役立ちます。
かさぶたが治らないときによくある誤解とNG行動
よかれと思ってしていることが、かえって長引きの原因になっていることがあります。
| よくある行動 | なぜ長引くのか | かわりにできること |
|---|---|---|
| 気になってかさぶたをはがす | 下で再生中の皮膚が傷つき、治り始めからやり直しになる | 自然にはがれるまで触らず、上からおおって守る |
| 毎日たっぷり消毒する | 傷を治す働きをする細胞も刺激を受け、治りが遅くなることがある | 水で洗い流すことを中心にする |
| 乾かしたほうが早く治ると考える | 固く乾ききると、その下の皮膚がつくり直されにくくなる | 傷の状態に合った被覆材でおおい、乾燥させすぎない |
| 前に処方された塗り薬を使い回す | 今の状態に合っていないことがあり、感染時は悪化することがある | 残った薬は自己判断で使わず、受診時に医師へ見せる |
| 治ったあとの色は消えないと諦める | 炎症のあとの色素沈着は時間をかけて薄れていくことが多い | 日焼けを避け、衣服や帽子で傷あとを紫外線から守る |
炎症が落ち着いたあとに茶色っぽい色が残るのは、炎症後色素沈着と呼ばれる反応です。
多くは月単位で薄くなっていきますが、紫外線を浴びると濃くなりやすいため、外遊びのときは衣服でおおうか、年齢に合った日焼け止めを使うとよいでしょう。
深くかき壊した場合は皮膚の凹凸が残ることもあるため、その点でもかき壊しを減らすことがいちばんの近道です。

かさぶたが治らないときは何科に行けばよいのか
小児科と皮膚科のどちらでもかまいません。熱がある、機嫌が悪い、体のあちこちに広がっているなど、皮膚以外の様子も含めて診てほしいときは小児科が向いています。
皮膚の見た目そのものについて詳しく診てほしいとき、繰り返していて塗り薬の使い方から見直したいときは皮膚科が向いています。かかりつけの小児科がある場合は、まずそこに相談して紹介してもらう流れでも問題ありません。
保育園や学校を休むかどうかも気になるところです。とびひは、学校保健安全法施行規則で定められた第三種の「その他の感染症」として扱われることがあり、出席停止の要否は症状の広がりや治療の状況をふまえて学校医などが判断します。
園や学校ごとの運用も異なるため、自己判断で決めず、受診時に医師へ確認して園に伝えるのが確実です。感染症と子どもの集団生活については厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインでも情報がまとめられています。
夜間や休日で受診の判断に迷うとき、オンラインでの相談を使う方法もあります。画面越しに傷の様子を見せながら、明日まで待てるのか、その日のうちに受診したほうがよいのかを一緒に整理できます。
ただし、オンライン診療では医師が傷に直接触れて硬さや熱感を確かめたり、その場で検査をしたりすることができません。判断がつきにくいときは対面での受診をすすめられますし、医師の判断によりお薬を処方できない場合もあります。
今すぐの対応が必要な様子があるときは、オンラインでの相談ではなく、受診や119番を優先してください。
かさぶたが治らないことについてよくある質問【FAQ】
- かさぶたは自然にはがれるまで待ったほうがよいですか?
-
待つほうが早く落ち着きます。かさぶたの下では皮膚がつくり直されている最中で、無理にはがすと再生中の部分ごと取れてしまいます。ふちが浮いてきて自然に取れる状態になるまで、上からおおって守ってあげてください。
- 同じ場所のかさぶたを何度も繰り返すのはなぜですか?
-
かゆみが残っていて、無意識にかいてしまっていることがほとんどです。日中は気を紛らわせられても、眠っている間にかいてしまうお子さんが多く見られます。かゆみを抑える手当てと、絆創膏などでおおう工夫を同時に行うと、繰り返しが止まりやすくなります。
- 消毒液は毎日使ったほうがよいですか?
-
毎日使う必要はありません。今の手当ての考え方では、流水でよく洗うことが基本とされています。汚れが入り込んだときや、医師から指示があったときには使いますが、日課として塗り続けることはすすめられません。
- かさぶたが治ったあとに残る茶色い色は消えますか?
-
炎症後色素沈着と呼ばれる反応で、多くは時間をかけて薄くなっていくと考えられています。紫外線を浴びると濃くなりやすいため、衣服や帽子で守ってあげてください。年単位で変わらない、盛り上がってきたという場合は皮膚科で相談しましょう。
- プールや保育園は休ませたほうがよいですか?
-
じゅくじゅくしている、膿が出ている、広がっているときは、他のお子さんにうつる可能性があるため控えます。乾いたかさぶた1か所だけで元気にしている場合は通えることが多いのですが、園ごとに決まりが異なります。受診したときに医師へ確認し、その内容を園に伝えてください。
- 傷を負った覚えがないのにかさぶたができるのはなぜですか?
-
子どもは本人も気づかないうちに小さな傷を作っていることがあり、虫刺されをかいた跡もかさぶたになります。ただ、心当たりがまったくない場所に繰り返しできるときは、湿疹など別の皮膚の状態が背景にあることがあります。数週間続くようであれば、皮膚科で診てもらってください。
【まとめ】かさぶたが治らないときは掻き壊しと感染から確かめます
子どものかさぶたが治らないときは、まれな病気を心配する前に、かき続けていないか、細菌の感染が起きていないかを確かめるのが近道です。
赤みの広がり、膿、熱の有無を見て、今日中に受診するか、数日以内でよいかを切り分けていきましょう。
- かさぶたが長引く理由の多くは、かき壊しの繰り返しと細菌の感染である
- 赤みが広がる、膿が出る、熱が出てきたときはその日のうちに受診する
- ぐったりして反応が鈍い、呼吸が苦しそうなときは119番に通報する
- かさぶたは自然にはがれるまで待ち、上からおおって守る
- 消毒を毎日続けるより、流水でよく洗うほうが基本の手当てにあたる
- 数週間にわたって同じ場所だけが治らないときは皮膚科で診てもらう
夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。
この記事は編集方針にもとづき、省庁・学会などの公的な情報を確認して作成しています。一般的な情報をまとめたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。気になる症状があるときは自己判断せず、医師に相談してください。
最終的な判断は医師に相談してください。

