子どもの後鼻漏で咳が止まらない…楽になる寝る姿勢と対処法

子どもの後鼻漏で咳が止まらない…楽になる寝る姿勢と対処法

夜、子どもが後鼻漏(こうびろう)による咳で何度も起きてしまうのは、見ている家族にとっても辛いものです。

後鼻漏による咳は寝る姿勢を少し工夫すると、呼吸しやすい状態になる可能性があります。

大人と子どもでは体の構造が違うため、一般的に言われる「枕を高くする」対策が、小さな子どもには難しい場合も。

この記事では、子どもの安全を守りつつ後鼻漏を楽にする「正しい寝る姿勢」と、家庭でできる具体的な対処法を解説します。

六郷 由佳 

小児科専門医六郷 由佳 

2012年福島県立医科大学卒業後、小児科専門医として先天性心疾患を専門に診療。現在はオンライン診療と都内小児科クリニックに勤務。

目次

後鼻漏とは?原因や症状は?

後鼻漏とは、鼻水が鼻から外に出るのではなく、喉の奥に流れ込んでしまう状態のことです。

後鼻漏とは、鼻水が鼻から外に出るのではなく、喉の奥に流れ込んでしまう状態のこと

後鼻漏の主な原因は風邪や副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎

後鼻漏の主な原因は風邪や副鼻腔炎(蓄のう症)やアレルギー性鼻炎などの疾患です。

これらが原因で鼻水が大量に出て、加えて鼻の粘膜が腫れることで喉に流れ込みやすくなってしまいます。

子どもの場合、鼻を上手にかめないことも後鼻漏の原因の一つです。

また、子どもは鼻の中の空間が大人に比べて狭いため、鼻がつまりやすく後鼻漏になりやすい傾向にあります。

後鼻漏は「喉の不快感」や「仰向けに寝ると咳が出る」などが主な症状

後鼻漏の主な症状として、喉の不快感や仰向けで寝ると咳が出るといった症状があります。

後鼻漏の主な症状
  • 喉に何かが張り付いたような不快感
  • 痰が絡んだ咳が出る
  • 仰向けになると咳が出る
  • 鼻づまりによる口呼吸

このような症状がある場合、後鼻漏の疑いがあるため、一度小児科や耳鼻科で詳しく診てもらうことも検討してください。

なぜ後鼻漏は「寝る時」に咳がひどくなるのか

日中は元気なのに、横になった途端に咳が出るのは鼻水が喉に流れ込んでしまうためと考えられます。

鼻水が喉へ落ちる「後鼻漏」の仕組み

後鼻漏とは、鼻水が鼻の穴から外に出ず、喉の奥へ流れ落ちてしまう状態のことです。

通常、起きている間は重力によって鼻水は胃の方へ流れ落ちるか、無意識に飲み込まれます。

しかし、仰向けで寝ると、鼻水が喉の奥(気管の入り口付近)に溜まりやすくなってしまうのです。

後鼻漏で咳が出るのは体を守る防御反応

喉に溜まった鼻水が気管に入りそうになると、体は異物を外に出そうとして激しく咳き込みます。

これが後鼻漏による夜間の咳の正体です。

就寝中は副交感神経が優位になり気管支が狭くなることも、咳が出やすくなる一因と考えられます。

子どもの後鼻漏を楽にする「寝る姿勢」は横向き

後鼻漏による咳を出にくくするポイントは気管への垂れ込みを防ぐこと気道を確保することです。

後鼻漏による咳を出にくくするポイント

後鼻漏の時に寝る姿勢は「仰向け」よりも「横向き」にするのが基本

後鼻漏で咳き込んでいる場合、まずは体を「横向き」にして寝かせてあげてください。

横向きで寝かせるメリット
  • 重力により鼻水が頬の内側へ流れやすくなる
  • 鼻水が気管へ直接入り込むのを防ぎやすい
  • 咳き込んで嘔吐した場合の窒息のリスクを軽減

子どもが寝入るまでは、背中を優しくトントンしながら、横向きの姿勢を保ってあげると良いでしょう。

枕だけでの調整ではなく「上半身全体」に傾斜をつける

「頭を高くすれば鼻水が下がる」と考えがちですが、子どもに対して枕だけを高くするのは避けてください。

首だけが「くの字」に曲がると気道が圧迫され、かえって呼吸が苦しくなる可能性があります。

正しい方法は、腰から背中、頭にかけてなだらかな傾斜(15度〜30度程度)を作ることです。

後鼻漏の子どもの年齢や体の大きさに合わせて、安全な方法を選んでください。

0歳〜1歳(乳児)はバスタオルがおすすめ!安全な傾斜の作り方

乳児の場合は、バスタオルやタオルケットなどのあまり柔らかくないものを使いましょう。

敷布団やマットレスの下に入れて、布団全体に傾斜をつけるのがポイントです。

0歳〜1歳(乳児)の場合の手順

  1. 赤ちゃんを一度布団から移動させる
  2. 敷布団やマットレスの「頭側」を持ち上げる
  3. 敷布団の下に、バスタオルなどを折りたたんで差し込む
  4. 布団全体がなだらかな坂になっているか確認する

特に乳児は窒息(SIDS)のリスクがあるため、柔らかい枕やクッションの使用は避けましょう。

幼児〜小学生は座布団などで調整!安全な傾斜の作り方

幼児から小学生の場合は、大きめのクッションや座布団などで傾斜をつけてみてください。

幼児〜小学生の場合の手順

  1. 大きめのクッションや座布団を用意
  2. 子どもの背中から頭が乗る位置にセット
  3. 寝かせた際に顎が少し上がって気道が確保されているか確認

子どもを一度寝かせて、呼吸が楽にできるかチェックしながら調整していくとよいでしょう。

小児科専門医

六郷 由佳 

夜間の咳や咳込嘔吐は体力も消耗しますし、見ている親御さんも不安になりますね。お薬以外のホームケアでも症状を和らげることができるので、ぜひ積極的に取り入れてくださいね。

後鼻漏の寝る姿勢とセットで行うとよい自宅でできる3つのケア

姿勢を整えるだけでは、すでに溜まっている鼻水を取り除くことはできません。

以下のケアを併用することで、後鼻漏の子どもがより安眠できる可能性が高まります。

ケアの方法主な働き
寝る直前の鼻水吸引電動もしくは手動の鼻水吸引器などを使う
部屋の湿度を50〜60%に保つ加湿器や濡れタオルを使う
温かいものを一口飲む喉に絡んだ鼻水が飲みものにより胃に流れやすい

小児科専門医

六郷 由佳 

鼻水吸引器は特に湯舟にたっぷりつかり、鼻水を柔らかくしてから吸引するのがおすすめです

少しでも楽な状態で眠りにつけるように、工夫してみてください。

咳や呼吸の状態に注意!受診を検討すべきサイン

「姿勢を工夫したり、加湿をしたり、鼻水を吸引したりやれることはやっているのに咳が止まらない」「何日も続いている」という場合、後鼻漏だけではなく、気管支炎や喘息、クループ症候群などの可能性も考えられます。

早急に受診したほうがよい呼吸や咳の症状
  • 呼吸をするたびに肋骨の間や喉の下がへこむ(陥没呼吸)
  • 「ケンケン」という音の咳が出る
  • ヒューヒュー・ゼーゼーという呼吸音がする
  • 横になると咳き込み、座らないと呼吸ができない
  • 顔色が悪い、またはぐったりしている

呼吸が辛そうな場合には無理に自宅で様子を見ず、医療機関への受診を検討してください。

受診は耳鼻科あるいはかかりつけの小児科へ

後鼻漏の場合、受診は基本的に耳鼻科もしくは小児科が良いでしょう。

鼻の奥の状態を確認してもらえ、後鼻漏の原因となりやすいアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎も耳鼻科の専門分野です。

鼻水の吸引やネブライザーでの治療は小児科でも耳鼻科でも行ってもらえることもあります。

耳鼻科の診察の結果、後鼻漏がない場合には、その他の可能性を考えるために小児科に相談するようにしましょう。

夜間の不安には「オンライン診療」の活用も

夜中に後鼻漏が原因の呼吸や咳の症状で迷った場合や、通院が難しい場合は、小児科のオンライン診療を活用するのも一つの方法です。

ビデオ通話で医師が呼吸状態を確認し、医学的なアドバイスや必要に応じたお薬の処方を行います。

※医師の判断により、緊急性があると判断された場合には対面受診を推奨される場合やお薬が処方できない場合もあります。

後鼻漏に関するよくある質問(Q&A)

咳き込んで吐いてしまいました。どうすればいいですか?

まずは慌てずに、吐いたものが気管に詰まらないよう顔を横に向けてください。

吐いた後は口の中をきれいにし、水分摂取が可能であれば少量の水を飲ませて喉をスッキリさせてあげましょう。

咳による嘔吐が一過性のもので、その後ぐっすり眠れるようであれば、翌朝の受診でも問題ないケースが多いです。

鼻づまりで口呼吸になっていますが大丈夫ですか?

鼻がつまっているとどうしても口呼吸になります。

口呼吸は喉が乾燥し、さらに咳を誘発する悪循環になりやすいため、加湿を十分に行うことが大切です。

幼児以上であればマスクをして寝ることで、喉の乾燥を防ぎやすくなります。

子ども用の市販の咳止めを使ってもいいですか?

鼻漏の子どもに市販薬を使用することは可能ですが、年齢制限や成分に注意が必要です。

特に小さな子どもの場合、咳止めによって痰の排出が抑えられ、かえって症状が悪化することもあります。

可能な限り、かかりつけ医に処方された薬を使用することをご検討ください。

後鼻漏の咳を楽にする寝る姿勢は横向きや上半身を上げる姿勢!オンライン診療も活用して

後鼻漏が原因の咳で寝苦しい場合は、寝る姿勢に着目して安眠を目指しましょう。

この記事のまとめ
  • 後鼻漏による咳には横向きの姿勢が推奨される
  • 枕だけを高くせず、タオルなどでなだらかな傾斜をつける
  • 寝る前の鼻水吸引と加湿を徹底し、鼻水を流れやすくする
  • 呼吸が苦しそうな場合や陥没呼吸が見られる場合は早めに受診

夜間の咳は、子どもはもちろん保護者の心身も消耗させてしまうものです。

まずは安全な寝る姿勢を試し、不安な症状があるときはオンライン診療「あんよ」の活用も検討してみてください。

LP