溶連菌感染症(A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎)は、子どもを中心に多くみられる感染症で、発熱・喉の強い痛み・いちご舌と呼ばれる舌の発疹などが特徴です。
こども家庭庁によると、ワクチンは開発されておらず、飛沫感染や接触感染の手洗いでの予防が大切であるとされています。
「出席停止はいつまで?」「登園許可証は必要?」「合併症が心配 」といった保護者の疑問に、最新のガイドラインに基づいてお答えします。
この記事では、出席停止期間の目安・登園許可証の取得方法・溶連菌の症状と見分け方・合併症リスク・家族の感染対策まで、網羅的に解説します。
溶連菌による出席停止期間はいつからいつまで?

溶連菌と診断された場合、出席停止の期間は、症状や処方薬の服用開始時期などを踏まえて医師が判断するのが一般的です。
登園や登校の再開時期は、症状の回復状況だけでなく、服薬開始からの経過時間を含めて判断されます。
抗菌薬の服用開始から24時間が登園・登校再開の目安
一般に、抗菌薬の服用開始後24〜48時間で感染性は低くなるとされますが、詳しい判断は医師の指示に従ってください。
厚生労働省のガイドラインでは、登園・登校再開の目安について抗菌薬内服後 24-48 時間経過していることと記載しています。
薬を飲み始めてすぐに熱が下がったとしても、体内の菌が完全になくなったわけではありません。
体の様子や機嫌が良くなっていても、自己判断で早めに登園させるのは控えましょう。
▼ 出席停止期間の目安まとめ
| タイミング | 状態 | 登園・登校 |
|---|---|---|
| 抗菌薬服用開始から0〜24時間 | 感染力が残っている | ✖ 不可 |
| 24時間経過後 | 感染力が大幅に低下 | ○ 登園・登校再開の目安 |
| 48時間経過後 | 症状も落ち着き始める | ○ 症状が安定していれば再開可能 |
医師の指示に従って、指定された期間は自宅で安静に過ごすことが大切です。
学校や保育園の出席停止ルールはどう決まっている?法律や基準を解説
学校や保育園では、感染症の拡大を防ぐために出席停止の基準が定められています。
溶連菌も対象のひとつであり、一定の条件を満たすまで登園や登校を控えることが必要です。
施設によって細かな対応が異なるため、診断後は学校や園のルールを確認しましょう。
溶連菌は学校保健安全法で第三種感染症に分類
東京都青梅市によると、溶連菌感染症は、学校保健安全法において第三種感染症の分類です。
第三種感染症は、学校長が感染拡大の恐れがないと判断するまで出席停止にできることが法律で定められています。
具体的には、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められるまで」が出席停止の基準となっています(日本学校保健会『学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉』より)。
溶連菌を見分ける5つの症状|ただの風邪との違い
溶連菌感染症は風邪と似た症状で始まることが多く、見落とされやすい病気です。
以下の5つのサインに注意してください。
サイン1|喉の激しい痛み(真っ赤に腫れる)
溶連菌の最も代表的な症状は、喉の強い痛みです。
風邪の喉の痛みと比べて、喉の奥が真っ赤に腫れるのが特徴です。
食事や水分を飲み込む際に強い痛みを訴えることがあります。

サイン2|舌にブツブツができる「いちご舌」
舌の表面にいちごのような赤いブツブツが現れる症状です。
発症から2〜4日後に現れることが多く、初期には舌に白い苔(白苔)が生じ、その後剥離して赤いブツブツが目立つようになります。

サイン3|体や手足に細かい赤い発疹
首や胸から全身にかけて、細かい赤い発疹(猩紅熱様発疹)が出ることがあります。
皮膚を触るとザラザラとした手触りがあるのが特徴です。

サイン4|38度以上の急な発熱(咳や鼻水が少ない)
38度以上の急な発熱がみられますが、風邪と異なり咳や鼻水などの上気道症状が少ないのが特徴です。
「熱が高いのに咳が出ない」場合は溶連菌を疑うサインのひとつです。

サイン5|首のリンパ節の腫れ
首の前側や側面のリンパ節が腫れ、押すと痛みを感じることがあります。
▼ 溶連菌と風邪の症状比較
| 症状 | 溶連菌感染症 | 風邪 |
|---|---|---|
| 喉の痛み | 強い(真っ赤に腫れる) | 軽度〜中程度 |
| 発熱 | 38度以上の急な発熱 | 微熱〜中等度 |
| 咳・鼻水 | 少ない(特徴的) | あり |
| いちご舌 | あり(2〜4日後) | なし |
| 発疹 | 細かい赤い発疹 | 通常なし |
| リンパ節の腫れ | あり(圧痛あり) | まれ |
※ 上記は一般的な目安であり、個人差があります。気になる症状がある場合は医療機関を受診してください。
登園許可証・治癒証明書の取得方法|医師記入型と保護者記入型の違い
溶連菌から回復し登園・登校を再開する際には、施設によって書類の提出を求められます。
代表的なのは登園許可証や登園届などの書類です。
提出書類は施設ごとに異なるため、診断された時点で必要な手続きについて確認しておくとよいでしょう。
登園・登校再開に必要な書類の違い
登園や登校の再開に必要な書類は、大きく分けて医師が記入するものと保護者が記入するものが一般的です。
どの書類が必要かは自治体や施設によって異なります。
| 書類の種類 | 記入者 | 提出が求められる主な施設の例 |
|---|---|---|
| 登園許可証(意見書) | 医師 | 認可保育園・幼稚園 |
| 登園届 | 保護者 | 小学校・一部の保育園 |
| 治癒証明書 | 医師 | 中学校・高校 |
診断された時点で、施設に必要な書類を確認しておくとスムーズです。
許可証の発行には再診が必要な場合もあるため、初診時に医師に確認しておくとよいでしょう。
治療が不十分だと起こりうる合併症|腎炎・リウマチ熱のリスク

溶連菌感染症は、抗菌薬の服用が不十分だと、治療後に重大な合併症を引き起こす可能性があります。
急性糸球体腎炎

感染後1〜3週間で発症することがあります。
血尿・たんぱく尿・浮腫・尿量減少・高血圧などの症状が現れます。
通常は時間の経過とともに改善しますが、まれに腎機能障害が残るケースもあります。
リウマチ熱

感染後1〜5週間で発症し、発熱・関節炎・心炎・輪状紅斑などの症状が現れます。
特に心臓に炎症が起こると心臓弁に後遺症が残る可能性があります。
日本では発症が減少していますが、リスクがゼロではありません。
アレルギー性紫斑病(IgA血管炎)
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治癒後に出現する可能性のある合併症です。
皮膚の紫斑(内出血)、腹痛、関節痛などの症状がみられます。
なぜ治療後の尿検査が大切なのか
急性糸球体腎炎は感染後1〜3週間後に発症するため、症状が治まった後でも尿検査の指示がある場合があります。
医師から尿検査の指示があった場合は、症状がなくても必ず受けるようにしましょう。
▼ 主な合併症まとめ
| 合併症 | 発症時期 | 主な症状 | 予防のポイント |
|---|---|---|---|
| 急性糸球体腎炎 | 感染後1〜3週間 | 血尿・浮腫・高血圧 | 治療後の尿検査 |
| リウマチ熱 | 感染後1〜5週間 | 発熱・関節炎・心炎 | 抗菌薬の確実な服用 |
| アレルギー性紫斑病 | 治癒後 | 紫斑・腹痛・関節痛 | 経過観察 |
大人もうつる?家族・兄弟が感染した場合の対応
溶連菌は子どもの病気というイメージがありますが、大人も感染します。
家族の誰かが感染した際の対応を確認しておきましょう。
一般的には、症状が出ていない家族に対して出席停止や出勤停止が求められるケースは多くありません。
溶連菌の潜伏期間は2日から5日程度とされているため、体調の変化にはよく注意しましょう。
大人の溶連菌の症状と特徴
大人が感染した場合も、喉の痛みや発熱が主な症状です。
ただし、子どもよりも症状が軽いケースがある一方で、重症化するリスクもあります。
特に注意が必要なのが「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」です。
これは同じA群溶血性レンサ球菌が原因で、急速に重症化し、致死率約30%とされています。
日本では2024年に1,888人の報告があり、過去最多を更新しています。
家族の出勤停止について
一般的には、症状が出ていない家族に対して出席停止や出勤停止が求められるケースは多くありません。
溶連菌の潜伏期間は2日から5日程度とされているため、体調の変化にはよく注意しましょう。
兄弟姉妹間では約25%が感染するというデータもあり、同じ空間で過ごす時間が長いほど感染リスクが高まります。
家庭内で感染を広げないために意識したいこと
家庭内での二次感染を防ぐためには、日常生活の中でいくつかの点に気をつけることが大切です。
基本的な対策を続けることで、家庭内での感染拡大防止に繋がりやすくなる場合もあります。
- タオルや食器の共有を避けて使用する
- 食事中の回し飲みや食器の使い回しを控える
- 帰宅後や食事前の手洗いを習慣にする
- 定期的に部屋の換気を行う
- 感染者はマスクを着用し、飛沫が周囲に広がらないように配慮する
溶連菌の検査・治療の流れと薬の飲み切りの重要性
医師から処方された薬を最後まで飲み切ることは、溶連菌から回復するために重要なことのひとつです。
症状が改善してきたら薬の服薬をやめたくなる場合もありますが、途中で薬を中断すると症状の再発や合併症につながる場合もあるため注意が必要になります。
診察から回復までの流れ
溶連菌感染症の診断には、喉の粘膜をこするだけの「迅速検査」が用いられ、約5分で結果がわかります。
陽性の場合は抗菌薬が処方されます。
▼ 治療の流れ
| STEP | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 受診 | 迅速検査(約5分) | 喉の粘膜をこするだけの簡単な検査 |
| 2. 処方 | 抗菌薬の処方 | ペニシリン系(アモキシシリン等)10日間が標準 |
| 3. 自宅療養 | 安静・服薬継続 | 24時間経過後から登園・登校再開の目安 |
| 4. 回復 | 薬の飲み切り+尿検査 | 症状が消えても薬は最後まで。尿検査で合併症確認 |
症状が軽くなっても薬は最後まで飲み切る
抗菌薬を飲み始めると、1日から2日ほどで喉の痛みや発熱が落ち着くケースもありますが、症状が改善されたからと言って体内の菌が完全にいなくなったわけではありません。
途中で服薬を中止すると、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症リスクが指摘されています。
医師から指示された期間は、医師の指示通りに薬の服用を続けることが大切です。
もし薬を飲めない状態が続く場合は、自己判断で中断せず、病院への相談を検討し、最終的な判断は医師に委ねてください。
オンライン診療で溶連菌の相談はできる?
「子どもの具合が悪いけれど、病院に連れていくのが大変…」という場合、オンライン診療も選択肢のひとつです。
受診の目安チェックリスト
以下の症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
- 38度以上の発熱があり、喉の強い痛みがある
- いちご舌や体の発疹がみられる
- 周囲で溶連菌が流行している
- 兄弟姉妹が溶連菌と診断された
小児科オンライン診療「あんよ」では、子どもの発熱や喉の痛みなどの症状について自宅から医師に相談できます。
移動や待ち時間の負担を軽減できるため、体調がすぐれないときの受診方法のひとつとして検討してみてください。
【Q&A】溶連菌の出席停止に関するよくある質問
溶連菌の出席停止期間について、代表的な質問をまとめました。
- 登園許可証は必ず必要ですか?
-
必要な書類は学校や保育園によって異なるため、必ず施設のしおりを確認しましょう。
医師の証明書が必要な場合もあれば、保護者が記入する登園届のみでよいケースもあります。
- 親が溶連菌になった場合は仕事を休むべきですか?
-
大人の溶連菌について、法律で出勤停止が義務付けられているわけではありません。
感染拡大を防ぐために発症後24時間程度は療養することが望ましいと考えられています。
- 溶連菌は一度治ればもうかかりませんか?
-
溶連菌感染症は一度感染しても再びかかる場合があります。
溶連菌には複数の型があり、別の型に感染すると再発することがあるためです。
喉の痛みや発熱などの症状が再び現れた場合は、自己判断で様子を見るのではなく、病院での診察を検討することが望ましいでしょう。
- 溶連菌で出席停止になる期間は何日間ですか?
-
抗菌薬の服用開始から24時間が経過し、全身状態が良好であれば登園・登校再開の目安となります。
ただし施設や医師の判断によっては48時間経過を求められるケースもあります。
- 必要な書類は学校や保育園によって異なりますか?
-
はい、異なります。必ず施設のしおりを確認しましょう。
医師の証明書が必要な場合もあれば、保護者が記入する登園届のみでよいケースもあります。
- 熱が下がったらすぐに登園・登校してもいいですか?
-
いいえ。解熱だけでは判断できません。
解熱鎮痛薬で一時的に熱が下がっている場合もあり、抗菌薬の服用開始から24時間が経過していることが登園・登校再開の前提条件です。
- 兄弟が溶連菌に感染しました。症状のない兄弟は登園できますか?
-
症状がなく元気であれば、登園してかまいません。
ただし、溶連菌の潜伏期間は2〜5日あるため、喉の痛みや発熱が少しでもみられた場合は登園を控え、早めに受診してください。
- 溶連菌に感染中、お風呂に入ってもいいですか?
-
高熱がなく元気があれば、入浴は可能です。
ただし、発疹がある場合は体を温めるとかゆみが増すことがあるため、ぬるめのシャワーで済ませるのが安心です。また、嘔吐を繰り返しているときや高熱でぐったりしているときは入浴を控えましょう。
- プールや水遊びはいつから再開できますか?
-
抗菌薬の服用を開始して24時間以上が経過し、発熱や体のだるさがなくなっていればプールに入れる状態の目安です。
ただし、体力が十分に回復しているか、医師や施設に確認してから再開しましょう。
- 溶連菌のとき、食事で気をつけることはありますか?
-
喉が痛いときは、熱い・酸っぱい・辛いなど刺激の強い食べ物や炭酸飲料は避けてください。
おかゆ、うどん、ゼリー、プリンなど、のどごしがよく消化にいいものがおすすめです。こまめな水分補給も大切です。
- 抗菌薬を飲んですぐに熱が下がりました。もう安心ですか?
-
熱が下がっても、体内の菌が完全になくなったわけではありません。
処方された抗菌薬は必ず最後まで飲み切ってください。途中でやめると合併症のリスクが高まります。
- 抗菌薬は何日間飲む必要がありますか?
-
ペニシリン系抗菌薬(アモキシシリンなど)の場合、標準的な服用期間は10日間です。
この期間はリウマチ熱などの合併症を予防するために定められたものであり、症状が消えても自己判断で中断しないでください。
- 溶連菌の検査はどのようなものですか?
-
喉の粘膜を綿棒でこするだけの迅速検査で、約5分で結果がわかります。
痛みも少なく、小さなお子さまでも受けられる検査です。
- 妊娠中に家族が溶連菌に感染しました。注意すべきことはありますか?
-
妊娠中は免疫力が低下しやすいため、家庭内での感染対策(手洗い・タオルの分離・マスク着用)を徹底しましょう。
喉の痛みや発熱がみられた場合は、早めにかかりつけの産婦人科または内科に相談してください。
【まとめ】溶連菌や溶連菌による出席停止期間についてのまとめ
喉の痛みやいちご舌などの症状が見られる溶連菌感染症は、子どもに多いとされている感染症のひとつです。
登園や登校を再開できるタイミングや、必要な手続きについてはあらかじめ確認しておきましょう。
学校や園によって必要な書類やルールが異なる場合もあります。
まずは医師の指示に従いながら、施設の決まりを確認することが大切です。
- 登園や登校再開の目安は抗菌薬を飲み始めてから24時間〜48時間とされている
- 登園許可証や登園届など必要な提出書類は学校や園によって異なる
- 症状が改善しても処方された薬は医師の指示通り最後まで飲み切る
- 喉の強い痛み・いちご舌・発疹・急な発熱は溶連菌を疑うサイン
- 抗菌薬の途中中断は腎炎・リウマチ熱などの合併症リスクがある
- 大人も感染するため、家庭内の感染対策が重要
小児科オンライン診療あんよでは、子どもの発熱や喉の痛みなどの症状について自宅から医師に相談できる場合があります。
移動や待ち時間の負担を軽減できる可能性もあるため、体調がすぐれないときの受診方法のひとつとして検討することも可能です。

