授乳中にのぞき込んでも、赤ちゃんの視線がすっと横に流れていく。
そんな瞬間に、ドキッとしてしまいますよね。「うちの子だけ目が合わないのかな?」「何かの病気だったらどうしよう」と、夜中に検索の手が止まらなくなる親御さんは少なくありません。
この記事では、赤ちゃんと目が合うまでの発達の目安を月齢別にまとめ、受診の見きわめ方と相談先の選び方まで解説します。
慌てずに、今の月齢と照らし合わせてみてくださいね。
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赤ちゃんと目が合わないのは見る力が育っている途中だから

生まれたばかりの赤ちゃんは、大人と同じように世界が見えているわけではありません。目そのものの形は大人とよく似ていても、見た像を脳へ伝える道すじが未完成なため、はっきりとは見えていないと考えられています。
日本眼科医会が示す赤ちゃんの目の発達によると、生まれた直後から物を見つめる反応はあるものの、両方の目でひとつの物を見つめられるようになるのは生後2か月ごろ、動く物を目で追うようになるのは生後3か月ごろとされています。つまり、新生児期に視線が合わないのは、育っている途中の姿として自然なことがほとんどです。
赤ちゃんは毎日、自然に物を見る練習を積み重ねています。目が合う回数は、その練習の成果があとから追いついてくるものだと考えておくと、少し気持ちがほぐれるかもしれません。
月齢別|赤ちゃんと目が合うまでの発達早見表

「いつごろ、何ができるようになるのか」を1本の時間軸に並べると、今の姿が遅れているのかどうかを落ち着いて眺められます。下の早見表は、目安として広く共有されている発達の順序をまとめたものです。
| 月齢の目安 | 見られるようになること | おうちでの見え方 |
|---|---|---|
| 生まれた直後〜1か月 | 明るさの変化に反応し、近くの物を見つめる反応が出はじめる | 顔を近づけると一瞬だけ視線が止まる |
| 生後2か月ごろ | 両方の目でひとつの物を見つめられるようになる | のぞき込むと目が合う瞬間が増える |
| 生後3か月ごろ | 動く物を目で追う(追視)ようになる | 顔をゆっくり動かすと視線がついてくる |
| 生後4〜6か月ごろ | 見つめ返しや表情のやりとりが増える | あやすと笑い返してくれる場面が増える |
| 生後7か月〜1歳ごろ | 大人が見ているものへ視線を向ける様子が出てくる | 声をかけた方向や指さしの先を見ようとする |
| 1歳6か月ごろ | 人とのやりとりの育ちが健診で確認される時期 | 目を見て「どうぞ」ができる場面が出てくる |
この順序は、あくまで大まかな目安です。早見表を見るときは、次の3点を頭の片すみに置いておいてください。
- 予定日より早く生まれたお子さんは、出産予定日から数えた修正月齢で見る
- 眠い・おなかがすいた・まぶしいなど、その場の状態で視線は大きく変わる
- 1日のなかで目が合う場面がひとつでもあるなら、育ちは進んでいると考えてよい
表の後半にある「大人が見ているものへ視線を向ける」という姿は、共同注視や視線追従と呼ばれます。声をかけた方向を見る、指さしの先を見ようとするといった形で少しずつ現れてくるもので、成立の時期には幅があります。
1歳6か月児健診では、こうした人とのやりとりの育ちも確認の対象になります。
赤ちゃんと目が合わないときに考えられる原因
原因は、大きく4つの方向に分けて考えると整理しやすくなります。
ひとつめは、発達の途中であること。月齢が低いうちは、視線を合わせ続けるだけの力がまだ育っていません。ふたつめは、興味の向き先です。
赤ちゃんは、はっきりした模様や光る物、動く物に強くひかれます。親御さんの顔ではなく窓の明るさを見ているだけ、という場面はよくあります。
みっつめは、環境と体調です。逆光で親御さんの顔が影になっていたり、部屋が暗すぎたり明るすぎたりすると、視線は合いにくくなります。
眠気や空腹、抱っこの角度も影響します。よっつめが、目の病気や発達の特性です。
日本眼科医会は、乳幼児によく見られる目の病気としてさかさまつげと斜視を挙げ、多くはないものの未熟児網膜症や先天白内障、先天緑内障、網膜芽細胞腫、先天鼻涙管通過不全などがあるとしています。
赤ちゃんは目の不調を言葉にできないため、見つける手がかりは家庭での観察になります。この2つについては、次の章から順に見ていきましょう。

緊急度3段階|赤ちゃんの目が合わないときの受診の目安
目の症状は、赤ちゃん自身が訴えられません。だからこそ、家庭で見えるサインを緊急度で仕分けしておくと動きやすくなります。
| 緊急度 | 家庭で見えるサイン | どこへ相談するか |
|---|---|---|
| 今すぐ動く | 瞳が白く濁って見える、瞳の奥が黄色く光って見える、黒目が大きく濁って見える | その日のうちに眼科へ。意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が乏しいなど普段と様子が違うときは119番 |
| 今日中から数日以内 | いつも片方の目がずれている、目つきがおかしいと感じる、いつもまぶしそうにしている、目やにや涙が続く、片方の目を隠したときだけ強く嫌がる | 眼科(小児の診療を行っている施設)。全身の様子も気になるときは小児科 |
| 様子を見てよい | 月齢相応に目が合う場面がある、機嫌よく飲んで眠れている、追視の様子が日によってばらつく | 次の乳幼児健診で相談。判断に迷うときは小児救急電話相談#8000 |
上の段にあるサインのうち、瞳が白く見える状態(白色瞳孔)は、先天白内障や網膜芽細胞腫など早い対応が望ましい病気で見られることがあります。まれな病気ではありますが、気づいたら早めに眼科で確かめてもらいましょう。
真ん中の段では、こどもの斜視や弱視が背景にあることがあります。赤ちゃんは鼻の付け根が広いため、寄り目のように見えても実際にはずれていない場合があります。見た目だけで決めず、眼科で確かめてもらうと安心です。
眼科・小児科・保健センターをどう使い分けるか
見え方や目の動きそのものが気になるなら眼科、飲みや眠り、体重の増えも合わせて心配なら小児科、育ちや関わり方の相談は市区町村の保健センターが入り口になります。
健診の機会も使えます。こども家庭庁の資料によると、母子保健法第12条で1歳6か月児健診と3歳児健診の実施が市町村に義務づけられており、1か月児健診や3から6か月児健診、9から11か月児健診、5歳児健診についても国の財政支援が行われています。
目が合いにくいと感じたら、次の健診まで待たずに、そのとき困っていることをメモして持っていくとよいですよ。

赤ちゃんと目が合わないことと自閉スペクトラム症の関係をどう考えるか
「目が合わない」と検索すると、自閉スペクトラム症という言葉が目に入ってきて、胸がざわつくかもしれません。ここは落ち着いて、順番に整理していきましょう。
発達障害ナビポータルの解説では、自閉スペクトラム症のある乳幼児で、目と目を合わせる、微笑み返す、指さしをする、後追いをするといった社会的なふるまいが弱く見えることがあると説明されています。
ただし、そこに挙がっているのは複数のふるまいの束であり、視線ひとつで見分けられるものではありません。
同じ解説では、自閉スペクトラム症の背景は遺伝と環境の相互作用にあり、子育ての結果によるものではないとも明記されています。
目が合わないことを、関わり方が足りなかったからだと受け止める必要はありません。
そして最も大切なのは、自閉スペクトラム症かどうかを判断できるのは医師だけだという点です。
月齢が低いうちは、発達の個人差と特性を切り分けること自体が難しく、家庭でも医療者でも断定はできません。
気になる様子が続くなら、保健センターや小児科で相談を重ねながら、そのお子さんに合った関わり方を一緒に探していくのが現実的な進み方です。診断がつくかどうかにかかわらず、相談してよい場所は用意されています。

赤ちゃんと目が合いやすくなる関わり方
見え方に合わせて環境を整えると、視線が合う場面は増えやすくなります。今日から試せるものを挙げてみます。
- 親御さんの顔を赤ちゃんの目から20〜30cmほどの近さに置いて話しかける
- 窓を背にして抱かず、親御さんの顔に光が当たる向きに座り直す
- 授乳のときは頭を少し起こし、顔と顔が正面で向き合う角度にする
- 赤ちゃんが見ている物に大人が視線を合わせ、それについて声をかける
正面から見つめ合うのが苦手そうなら、横並びや斜めの位置から声をかけるだけでも構いません。
目を合わせることを目標にするより、同じものを一緒に見る時間を増やすほうが、赤ちゃんにとっては取り組みやすい場合があります。
うまくいかない日があっても、関わり方が足りなかったせいだと考えなくて大丈夫です。
赤ちゃんの機嫌や眠気、その日の光の入り方など、こちらではどうにもならない要素がたくさん関わっています。うまく目が合った日をひとつ覚えておくだけでも、健診や受診のときに伝えられる材料になりますよ。
赤ちゃんと目が合わないことについてよくある質問【FAQ】
- 赤ちゃんと目が合うのは生後何か月ごろからですか?
-
日本眼科医会の解説では、生後2か月ごろに両方の目でひとつの物を見つめられるようになるとされています。目が合ったと感じられる場面が増えるのも、このころからが目安です。ただし個人差は大きく、数週間の幅はよくあります。
- 新生児のうちに目が合わないのは異常でしょうか?
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新生児期はまだ見る力が育っている途中で、はっきりとは見えていないと考えられています。この時期に視線が合わないこと自体は、心配のいらない場合がほとんどです。
- どのくらい目が合わないと受診したほうがよいですか?
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期間だけで線を引くのは難しいため、月齢の目安と、目に見えるほかのサインを合わせて考えます。生後3か月ごろを過ぎても動く物を目で追う様子がまったく見られないときや、瞳の色や目つきに気になる変化があるときは、眼科で確かめてもらいましょう。
- 目が合わないのは自閉スペクトラム症のサインですか?
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視線の合いにくさだけで判断することはできません。自閉スペクトラム症かどうかを判断できるのは医師のみで、月齢が低い時期は特性と個人差の切り分け自体が難しいとされています。気になる様子が続くなら、保健センターや小児科への相談から始めてみてください。
- 相談するのは眼科と小児科のどちらがよいですか?
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見え方や目の動きが気になるなら眼科、飲みや眠り、体重の増えも合わせて心配なら小児科が入り口になります。育ちや関わり方の相談は、市区町村の保健センターでも受け付けています。
【まとめ】赤ちゃんと目が合わないときは月齢の目安と受診先で考えましょう
赤ちゃんの見る力は生まれてから育っていくため、月齢が低いうちに目が合いにくいのは自然な姿です。
今の月齢の目安と照らし合わせ、目に見えるサインで受診先を仕分ければ、必要以上に不安をふくらませずに動けます。
- 両方の目で見つめるのは生後2か月ごろ、追視は生後3か月ごろが目安とされている
- 予定日より早く生まれたお子さんは修正月齢で発達の目安を見る
- 瞳が白く濁る、瞳の奥が黄色く光るといった変化に気づいたら早めに眼科で確かめる
- 見え方は眼科、体調も含めてなら小児科、育ちの相談は保健センターが入り口になる
- 自閉スペクトラム症かどうかを判断できるのは医師のみで、視線ひとつでは決められない
夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。画面越しでは触診や検査ができないため、実際に目を見て調べる必要があると判断されたときは、受診先の案内を受けることになります。
最終的な判断は医師に相談してください。

