赤ちゃんの赤いあざは消える?いちご状血管腫とサーモンパッチの見分けと受診目安を解説

赤ちゃんの赤いあざは消える?いちご状血管腫とサーモンパッチの見分けと受診目安を解説

生まれたばかりの赤ちゃんの顔やうなじに赤いあざを見つけると、ドキッとしてしまいますよね。

「このまま消えないのかな」「病気のサインだったらどうしよう」と、不安になる親御さんは少なくありません。

この記事では、赤ちゃんの赤いあざの主な種類と見分け方、自然に薄くなる時期の目安、そして受診を考えるタイミングについて解説します。

慌てずに、まずはあざの出ている場所と様子を落ち着いて確かめてみてくださいね。

小児科オンライン診療あんよの詳細はこちら
本記事の編集方針について

あんよマガジンは、編集方針に基づき、公的機関の発表資料や学会ガイドライン等の一次情報を確認したうえで記事を制作しています。

※本記事には、当社が運営する小児科オンライン診療「あんよ」のサービス紹介(広告)を含みます。

本記事は、疾患や症状に関する一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。また、特定の医薬品・医療機器・治療法の効果を保証・推奨するものでもありません。気になる症状やご不安がある場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。

なお、本記事の内容は公開時点の情報に基づいており、最新の医学的知見や制度改正により変わる場合があります。

当社は記事制作にあたり、医療法医療広告ガイドライン医薬品医療機器等法(薬機法)健康増進法景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)等の関係法令・指針を踏まえて制作しています。

目次

赤ちゃんの赤いあざには種類があります

赤ちゃんの皮膚に現れる赤いあざは、皮膚の下にある毛細血管の集まりが透けて見えている状態を指します。医学的には血管腫や血管奇形と呼ばれ、いくつかのタイプに分かれます。

同じ「赤いあざ」でも、出やすい場所や現れる時期、その後の経過は大きく異なります。だからこそ、まずはどのタイプに近いのかを整理することが出発点になります。

赤いあざの分け方と経過については、厚生労働科学研究班がまとめた診療ガイドラインに整理されています。この記事で挙げる時期の目安も、血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017(第2版)各論の記載にもとづいています。

赤いあざを見分けるときの3つの視点

見分けるときは、次の3点を意識して観察すると整理しやすくなります。

  • 額の中央やまぶた、うなじなど、あざが出ている場所を確かめる
  • 生まれたときからあったのか、生後しばらくして現れたのかを思い出す
  • 皮膚の表面が平らなのか、いちごのように盛り上がっているのかを見る

この3点をメモしておくと、受診したときに医師へ状況を伝えやすくなりますよ。

赤いあざは妊娠中の過ごし方が原因ではありません

「妊娠中に何か悪いことをしたのだろうか」と自分を責めてしまう親御さんがいます。けれども赤ちゃんの赤いあざは、血管の作られ方の個性によるものと考えられています。

食べたものや転んだこと、スマートフォンの使用などが原因になるという説明は、医学的な裏づけがありません。あざの位置や大きさも、あらかじめ防げる性質のものではないとされています。

まずは自分を責めず、赤ちゃんの様子を見ていくことに気持ちを向けてみてくださいね。

赤ちゃんの赤いあざの種類と消える時期を一覧で確認

代表的な4つのタイプを、出やすい場所とその後の経過で整理しました。あくまで一般的な傾向であり、実際の経過には個人差があります。

スクロールできます
あざの種類出やすい場所と見た目経過の一般的な傾向
サーモンパッチ(正中部母斑)眉間、上まぶた、鼻すじ、上くちびる。平らで薄いピンク色生まれたときからあり、5歳ごろまでに自然に薄くなるものもあるとされる
ウンナ母斑うなじや後頭部の生え際。平らな赤み生まれたときからあり、5歳ごろまでに自然に薄くなるものもある一方、赤みが残ることもある
いちご状血管腫(乳児血管腫)顔・頭・体幹など全身。表面が盛り上がり鮮やかな赤色生後2週間ごろに目立ちはじめ、1歳半ごろまで大きくなり、そこから5歳ごろにかけてゆっくり縮んでいくとされる
ポートワイン母斑(単純性血管腫・毛細血管奇形)顔や手足。平らでワインのような濃い赤紫色生まれたときからあり、体の成長に比例して面積が広がる。色が自然に薄くなることはほとんどないとされる

この表の時期の目安は、血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017(第2版)各論に記載されている自然経過にもとづいています。

大きく分けると、サーモンパッチといちご状血管腫は時間とともに目立たなくなっていくことが多いタイプです。一方でポートワイン母斑は、成長とともに色が濃くなったり、皮膚が厚くなったりすることがあります。

ウンナ母斑はその中間で、位置が髪に隠れるため生活上の困りごとになりにくいのが特徴です。ただし家庭での見た目だけで種類を決めつけず、一度は小児科や皮膚科で確認してもらってください。

いちご状血管腫は「大きくなる時期」があります

いちご状血管腫は、生まれたときには目立たないか小さな赤い点にしか見えないことがあり、生後2週間ごろから赤みがはっきりしてくるとされています。その後およそ1歳半ごろまでが大きくなる時期(増殖期)にあたり、そこから5歳ごろにかけてゆっくり色が抜けて平らになっていくとされています。ただし経過には個人差が大きく、全体では10年を超えることもあると記載されています(血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017(第2版)各論)。

同じガイドラインでは、機能の障害や、ただれ・出血・感染につながる可能性のある病変については、早期に治療を検討・開始する必要があるとされています。

大きくなる時期をどう過ごすかが相談のポイントになるため、生後まもなく赤いふくらみに気づいたときは、大きくなる時期のうちに一度医師に診てもらうと経過を比べやすくなります。

次の乳幼児健診まで間があるときは、健診を待たずに外来で相談してください。

縮んだあとに皮膚のたるみや色の違いが残る場合もあります。また、盛り上がりが強いタイプのほかに、皮膚の深いところにできて青紫色に見えるタイプもあります。表面が平らなので、あざだと気づかれにくいことが特徴です。

サーモンパッチは泣いたときに濃くなることがあります

サーモンパッチやウンナ母斑は、赤ちゃんが泣いたりお風呂で温まったりすると、一時的に赤みが強く見えることがあります。血流が増えて、皮膚の下の毛細血管が目立つためと考えられています。

落ち着いているときに色が薄くなるようであれば、血流による一時的な変化と考えられます。ただし家庭での見た目だけで種類や経過を判断することはできませんので、あざに気づいたら一度は医師に確認してもらってください。機嫌に関係なく色が濃くなり続ける場合や、あざ自体が大きくなっている場合は、健診を待たずに外来で相談してください。

赤ちゃんの赤いあざで受診を急ぐ目安を3段階で確認

赤いあざそのものは、多くの場合すぐに命に関わるものではありません。とはいえ、場所や状態によっては早めの相談が役立つ場面があります。緊急度を3段階で整理しました。

スクロールできます
緊急度こんなときに当てはまります行動の目安
今すぐ救急車(119番)けいれんが起きている、呼びかけへの反応が乏しい、呼吸が苦しそうでゼーゼーしている、押さえても止まらない出血があるためらわず119番へ連絡してください
今日中に受診あざの表面がただれて汁が出ている、あざを痛がって泣き続ける、まぶたが腫れて目が開けにくい、口や鼻のまわりのあざが大きくなり授乳や呼吸がしにくそう診療時間内に小児科・皮膚科へ相談してください
翌日以降に相談赤みが平らで機嫌も授乳も普段どおり、短期間で急に大きくなっている様子がない、髪に隠れる位置にある家庭での見た目だけで判断せず、診療時間内に小児科・皮膚科へ相談し、医師に種類と経過を確認してもらってください

3段目に当てはまる場合でも、次の乳幼児健診まで待つ必要はありません。とくに、大きくなり続けているあざ、目・鼻・口のまわりのあざ、おむつの中にあるあざは、健診を待たずに早めに相談してください。

判断に迷ったときは、小児救急電話相談の#8000を利用する方法もあります。夜間や休日に、地域の相談窓口へつながる公的な仕組みです。受付の時間帯は都道府県ごとに異なるため、子ども医療電話相談事業(♯8000)について(厚生労働省)でお住まいの地域の情報を確かめておくと安心です。

なお、月齢の低い赤ちゃんは体調の変化が急に進むことがあります。

日本小児科学会が運営するこどもの救急(ONLINE-QQ)の発熱の項目でも、受診の必要性を確かめる項目のひとつに、生後3か月未満であることが挙げられています。

この時期は、あざの状態にかかわらず発熱や哺乳量の低下があれば早めに医療機関へ相談してください。

まぶた・口唇・のどの近くのあざは早めの相談を

いちご状血管腫が目のまわりにできると、まぶたが持ち上がって視界をさえぎることがあります。口唇や鼻の穴の近くも、授乳や呼吸への影響が心配される場所です。

またおむつの中や首のしわなど、こすれやすい場所のあざは表面がただれることがあります。こうした部位では、健診を待たずに医師の診察を受けておくと経過を追いやすくなります。

小児科オンライン診療あんよの詳細はこちら

赤いあざと間違えやすい湿疹やあせもの見分け

赤いあざだと思っていたものが、実は乳児湿疹やあせも、虫さされだったというケースは珍しくありません。数日で形や色が変わるもの、かゆがってかいてしまうものは、あざ以外の可能性が高くなります。

あざは基本的に同じ場所にとどまり、押しても急に消えたり現れたりはしません。

一方で湿疹はブツブツの数が日ごとに増減し、体のあちこちに出てくるのが特徴です。ただし見た目だけで区別しきれないことも多いため、迷うときは自己判断せず医師に確認してもらってください。

あわせて読みたい
赤ちゃんの顔に湿疹が出る原因5つ|種類別の見分け方と正しいケア・受診の目安を解説 朝起きてふと赤ちゃんの顔を見たら、ほっぺや額にブツブツが広がっていてドキッとしたことはありませんか。 「これってアトピーかもしれない」「何の病気なんだろう」「...

顔の赤みが続く場合は、赤ちゃんの乳児湿疹はいつまで続く?ピークの時期を解説もあわせて確認してみてください。頭皮のフケのような症状が気になるときは、赤ちゃんの頭皮がポロポロするときの原因とケアが参考になります。

受診すべきかどうかで迷ったときは、乳児湿疹で病院に行く目安を解説も判断の助けになりますよ。

家庭でできる赤ちゃんの赤いあざの見守り方

診察のときに一番役立つのは、家庭で記録した変化の情報です。特別な道具は必要なく、スマートフォンがあれば十分に準備できます。

  • 明るい自然光の下で、毎回同じ距離と角度から写真を撮っておく
  • あざのとなりに定規やメジャーをそえて、大きさが比べられるようにする
  • 撮影した日付と、そのときの機嫌や授乳の様子をメモに残す

硬貨やボタンなどの小さなものは、赤ちゃんが口に入れて飲み込んでしまう危険があります。大きさの目安には使わないでください。定規やメジャーを使ったあとも、赤ちゃんの手の届かないところへ片づけておくと安心です。

こすったり、市販のクリームで色を薄くしようとしたりする必要はありません。刺激を加えると表面が傷つき、かえって経過を見にくくすることがあります。

保育園の入園時などに説明を求められることもありますが、診断名と経過を医師に確認しておけば落ち着いて伝えられます。

見た目のことで気持ちが沈むときは、保護者ご自身の相談先として、お住まいの市区町村のこども家庭センター(旧・子育て世代包括支援センター)があります。保健師などの専門職が、妊産婦や子育て家庭からの相談に応じる窓口です。気持ちのつらさが続くときは、こうした大人向けの窓口や、かかりつけの内科・心療内科など、ご自身の相談先を利用してくださいね。

受診のときに伝えるとよい情報

外来では限られた時間で状況を伝える必要があります。あらかじめ整理しておくと、医師も経過を把握しやすくなります。

いつからあざに気づいたか、この1か月で大きさや色が変わったか、あざの部分を痛がる様子があるかの3点は特に役立ちます。授乳や睡眠に影響が出ていないかも、あわせて伝えてみてください。

きょうだいや親御さんに似たあざがあるかどうかを聞かれることもあります。答えられる範囲で構いませんので、思い出せる情報を持っていくとよいですよ。

赤ちゃんの赤いあざの治療で知っておきたいこと

自然に薄くなっていくタイプでも、場所や大きさによっては治療が検討されることがあります。治療の要否は、あざの種類と体への影響をふまえて医師が判断します。

いちご状血管腫では、β遮断薬に分類される内服薬(一般名プロプラノロール)が用いられる場合があります。この目的で国内承認されているのは、乳児向けに設計された小児用の経口液剤です。

大人の循環器の病気に使う錠剤を転用するものではなく、全身の治療が必要な増殖期の乳児血管腫が対象とされています(プロプラノロール経口液剤の承認申請資料概要(医薬品医療機器総合機構))。

このお薬は心拍数や血糖への影響が知られており、開始前の検査や定期的な確認が行われます。用法や量は一人ひとり異なるため、自己判断はせず医師の説明にしたがってください。オンライン診療でも経過の相談はできますが、医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

ポートワイン母斑では、レーザーによる治療が選択肢になることがあります。回数を重ねて色の変化をみていく方法で、効果の出方には個人差があります。

国立成育医療研究センター皮膚科では、赤あざに対して生後1ヶ月頃からレーザー治療を行っており、皮膚が薄く血管が細い乳児期のほうが効果が高いとされています。

広範囲のあざや目のまわりなど局所麻酔での治療が難しい場合には、1歳かつ10kgを超えてから全身麻酔下で行う方法もあると案内されています。

治療を始める年齢や進め方は、施設によって考え方が異なります。どの時期にどの方法を選ぶかは、診察のうえで医師と相談して決めていきます。

治療するかどうかは「困りごとがあるか」で考えます

治療の判断で重視されるのは、あざが赤ちゃんの生活に影響しているかどうかです。目が開けにくい、授乳がしづらい、表面がただれて痛がるといった状況は、相談する理由になります。

一方で、平らで小さく、機嫌も授乳もいつもどおりであれば、経過をみながら判断していくことが少なくありません。「様子をみましょう」と言われた場合も、何を目安に再受診するかを確認しておくと安心です。

治療の内容や進め方に迷いがあるときは、その気持ちをそのまま医師に伝えて大丈夫です。納得したうえで選べるように、疑問点は書き出して持っていくとよいですよ。

小児科オンライン診療あんよの詳細はこちら

赤ちゃんの赤いあざについてよくある質問【FAQ】

サーモンパッチやウンナ母斑はいつ消えますか?

どちらも5歳ごろまでに自然に薄くなるものがあるとされています。とくに上まぶたのサーモンパッチはその傾向が強いと記載されています。一方で赤みが残る場合もあるため、消えるかどうかを家庭で見きわめようとせず、外来で経過を診てもらってください(出典:血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017 第2版)。

いちご状血管腫はいつピークを迎えますか?

生後2週間ごろから目立ちはじめ、1歳半ごろまで大きくなり、その後5歳ごろにかけてゆっくり縮んでいく経過をたどるとされています。ただし個人差が大きいため、写真で記録しながら外来で経過を確認してもらうと安心です(出典:同ガイドライン各論)。

赤いあざは治療した方がよいのでしょうか?

平らで小さく、生活に影響していないあざは経過をみることが多くなります。目や口のまわり、ただれやすい場所にある場合は、健診を待たずに早めに相談してください。

自然に消えないあざはどれですか?

ポートワイン母斑(単純性血管腫)は、体の成長に比例して面積が広がり、色が自然に薄くなることはほとんどないとされています。一方でサーモンパッチやいちご状血管腫は、時間とともに目立たなくなる傾向があります。

赤いあざは何歳から治療できますか?

治療を始める時期は、あざの種類と赤ちゃんの状態によって変わります。乳児期のうちに相談が勧められる場合もあるため、開始できる時期は診察のときに確認してください。

赤いあざの近くを強くこすっても大丈夫ですか?

強くこする必要はありません。表面が傷つくと出血やただれの原因になるため、沐浴のときもやさしく洗い流す程度で十分です。

オンライン診療でも赤いあざを相談できますか?

見た目の様子や経過の伝え方については相談できます。ただし画面越しでは触診や検査ができないため、確定的な診断や治療方針の決定には対面での受診が必要です。医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

【まとめ】赤ちゃんの赤いあざは自然に薄くなるものと残るものがあります

赤ちゃんの赤いあざは、種類によって経過が大きく分かれます。場所と見た目、現れた時期の3点を押さえておけば、受診のタイミングを落ち着いて判断しやすくなります。

この記事のまとめ
  • 赤ちゃんの赤いあざにはサーモンパッチ・ウンナ母斑・いちご状血管腫・ポートワイン母斑という主なタイプがある
  • いちご状血管腫は生後2週間ごろに目立ちはじめ、1歳半ごろまで大きくなり、5歳ごろにかけて縮んでいくとされる
  • サーモンパッチやウンナ母斑は5歳ごろまでに薄くなるものがある一方、ポートワイン母斑は自然に薄くなりにくいとされる
  • けいれんや止まらない出血があるときは119番、ただれや目が開けにくい状態は当日中の受診を検討する
  • 大きくなり続けているあざ、まぶた・口唇・鼻のまわりのあざ、おむつの中のあざは、健診を待たずに早めに医師へ相談する
  • 家庭での見た目だけで種類や経過を判断せず、同じ角度から撮った写真と日付のメモを持って外来で相談する

夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。

最終的な判断は医師に相談してください。