朝起きてふと赤ちゃんの顔を見たら、ほっぺや額にブツブツが広がっていてドキッとしたことはありませんか。
「これってアトピーかもしれない」「何の病気なんだろう」「病院に行ったほうがいいのかな」と、不安に感じる親御さんはとても多いです。
この記事では、赤ちゃんの顔に湿疹が出る代表的な5つの原因と、種類別の見分け方、家庭でできる正しいスキンケア、受診の目安までわかりやすく解説します。
緊急度がひと目でわかる独自チェック表もご用意していますので、慌てずにお子さんの顔を観察しながら読み進めてみてくださいね。
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本記事は一般的な医学情報の解説を目的としており、個別の診断・治療を指示するものではありません。最終的な判断は医師にご相談ください。
赤ちゃんの顔に湿疹が出る5つの原因|種類と特徴で見分ける
赤ちゃんの顔の湿疹は1つの病名ではなく、複数の皮膚トラブルの総称として「乳児湿疹」と呼ばれています。

国立成育医療研究センターの報告によると、乳児脂漏性皮膚炎だけでも乳児の約3分の1に見られるとされており、赤ちゃんの顔の湿疹はとても身近な肌トラブルです。
まずは、月齢と症状の特徴から原因を見分けることが大切です。
| 種類 | 出やすい時期 | 顔の主な部位 |
|---|---|---|
| 新生児ざ瘡(しんせいじざそう) | 生後1週〜1か月ごろ | 頬・額・あご |
| 乳児脂漏性皮膚炎 | 生後2週〜3か月ごろ | 額・眉・頬・頭皮 |
| 皮脂欠乏症による湿疹 | 生後3〜4か月以降 | 頬・口の周り |
| よだれ・ミルクかぶれ | 月齢を問わず | 口の周り・あご |
| 乳児アトピー性皮膚炎 | 生後2〜3か月以降 | 頬・額・耳の周り |
新生児ざ瘡(しんせいじざそう)|生後すぐの赤いポツポツ
新生児ざ瘡は、いわゆる「新生児ニキビ」とも呼ばれる肌トラブルです。
生後2〜3週ごろから頬や額にニキビのような赤いポツポツが出はじめ、生後1か月前後にピークを迎えます。
原因は、母体由来のアンドロゲンが胎盤を経由して移行することで新生児の皮脂腺が一時的に活性化することだと考えられています。
健常な赤ちゃんにも比較的多く見られる症状とされており、通常は数週間〜数か月で自然に軽快していくことが多いです。
正しいスキンケアを続ければ落ち着くケースがほとんどなので、慌てて強い薬を使う必要はありません。
乳児脂漏性皮膚炎|黄色いかさぶたのような湿疹
乳児脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位に黄色っぽいかさぶたや、ふけのようなものができる湿疹です。
シオノギヘルスケアの解説によると、生後2週〜3か月ごろに発症しやすく、頭皮・額・眉のあたり・頬に出やすいとされています。
赤ちゃん自身もお母さんから受け継いだホルモンの影響で皮脂が多くなっており、毛穴に詰まることで炎症が起きやすくなります。
国立成育医療研究センターとピジョン株式会社の共同研究では、皮膚のセラミドなどの角層因子と発症が関連する可能性も示されています。
多くの場合は皮脂を優しく洗い流して保湿を続けることで改善が期待できます。

皮脂欠乏症による湿疹|カサカサ乾燥タイプ
生後3〜4か月を過ぎると皮脂分泌が急激に減り、今度は乾燥による湿疹が出やすくなります。
これが「皮脂欠乏症」あるいは「皮脂欠乏性湿疹」と呼ばれる状態で、頬や口の周りがカサカサと乾いて赤くなります。
田辺ファーマのヒフノコトサイトでも、皮脂分泌の急減と乾燥の関係が解説されています。
皮膚のバリア機能が低下している状態で、ちょっとした刺激でもかゆみや赤みが出やすくなります。
毎日のこまめな保湿が大切なケアの中心になります。
よだれ・ミルクによるかぶれ|口の周りの赤み
口の周りやあごの赤みは、よだれやミルクが皮膚に付着して起きる「接触性皮膚炎(かぶれ)」のことが多いです。
唾液やミルクの成分、ふき取り時の摩擦が、皮膚バリア機能が未熟な赤ちゃんの肌には強い刺激になります。
授乳や離乳食のあとに濡れたガーゼで優しく押さえ、こすらずに水分を吸い取ってあげることが基本のケアです。
ふき取りのあとに保湿剤を塗ると、皮膚を刺激から守る膜を作ることができます。
乳児アトピー性皮膚炎|2か月以上続く湿疹
日本小児アレルギー学会が発刊した小児アトピー性皮膚炎治療・管理ガイドライン2024でも、乳児期からの早期介入が重視されています。
アトピー性皮膚炎の特徴は、かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返すことです。
乳児では「2か月以上」、それ以上の年齢では「6か月以上」湿疹が続く場合に、慢性反復性とみなされ診断の対象になります。
頬や額、耳の周りに左右対称に出ることが多く、家族にアレルギー疾患(喘息・花粉症など)がある赤ちゃんは発症しやすい傾向があるとされています。
スキンケアを2週間ほど続けても改善せず、繰り返し悪化する場合はアトピー性皮膚炎を念頭に、医師の診察を受けることをおすすめします。
顔の場所別|湿疹が出やすい部位と考えられる原因
「うちの子はどこに湿疹が出ているかな」と顔をよく観察すると、原因の見当をつけやすくなります。

部位ごとに考えられる原因を整理しました。
| 出ている部位 | 考えられる主な原因 | あわせて確認したいサイン |
|---|---|---|
| 頬 | 乳児脂漏性皮膚炎・皮脂欠乏症・アトピー性皮膚炎 | 左右対称か・カサカサか・繰り返すか |
| 額・眉のあたり | 乳児脂漏性皮膚炎・新生児ざ瘡 | 黄色いかさぶた・ふけ状のものはあるか |
| 頭皮の生え際 | 乳児脂漏性皮膚炎 | 髪の生え際の黄色いかさぶた |
| 口の周り・あご | よだれ・ミルクかぶれ・食べこぼしによる刺激 | 授乳や離乳食の前後で赤みが強まるか |
| 耳の付け根 | 乳児アトピー性皮膚炎・乾燥 | 耳の付け根が切れていないか |
「赤みのある部位」と「皮膚の状態(カサカサ・ジュクジュク・黄色いかさぶた)」をセットで観察すると、原因の見当がつきやすくなります。
ただし、顔全体に複数の症状が混ざって出ることも多く、自己判断だけで決めつけずに必要に応じて医師に相談してくださいね。

赤ちゃんの顔の湿疹|家庭でできる正しいスキンケア3ステップ
母子衛生研究会も推奨しているとおり、赤ちゃんの肌ケアの基本は「清潔」と「保湿」の2つです。
新生児ざ瘡・脂漏性皮膚炎・皮脂欠乏症のいずれにも、共通して行える基本のケアを3ステップで解説します。

ステップ1|泡で優しく顔を洗う
ベビー用の低刺激ソープをしっかり泡立て、手のひらで泡をなでるように洗います。
ガーゼでこすったり、指先で押し洗いしたりすると、皮膚バリア機能を傷つける原因になります。
ぬるめのお湯(37〜38℃が目安)で、洗浄剤の泡が残らないように丁寧にすすいでください。
額や生え際は洗い残しが多い部位なので、額からおでこに沿って優しく流すと泡がきれいに取れます。
ステップ2|お風呂上がり5分以内に保湿する
入浴後は皮膚から水分が蒸発しやすく、ケアが遅れると一気に乾燥が進みます。
お風呂上がりは5分以内を目安に、ベビー用の保湿剤を顔全体に塗ってあげましょう。
保湿剤の量は、ローションタイプなら大人の人差し指の先から第一関節までを目安に、頬に大きめのドット状に置いてから優しく伸ばすと均一に塗りやすいです。
新生児ざ瘡や脂漏性皮膚炎の場合、「保湿で悪化しないか」と心配になるかもしれませんが、皮脂バランスを整える意味でも保湿は基本のケアとされています。
ステップ3|刺激を取り除く
赤ちゃんの顔の周りには、湿疹を悪化させる刺激が意外と多くあります。
- よだれやミルクは濡れたガーゼで押さえるように吸い取る
- 衣類のタグや化繊の生地が顔に当たらないようにする
- 強い日差しや乾燥した冷風から守る
「洗う・保湿する・刺激を避ける」の3つを毎日続けることが、湿疹改善の近道です。
顔の湿疹をやってはいけないNGケア5つ
良かれと思って続けていることが、かえって悪化の原因になっているケースがあります。
特に避けてほしいNGケアをまとめました。
| NGケア | なぜ避けるべきか |
|---|---|
| ガーゼでゴシゴシこする | バリア機能を傷つけ、湿疹が悪化しやすくなります |
| 大人用の化粧水や保湿剤を使う | 香料や添加物が刺激となり、かぶれの原因になります |
| 新生児ざ瘡の芯をつぶす | 細菌感染や跡が残る原因になります |
| 皮脂が多いからと保湿をやめる | 皮膚バリア機能が低下し、かえって悪化することがあります |
| インターネット情報だけで強い薬を購入する | 赤ちゃんに使えない成分も多く、医師の指示が必要です |
特に「皮脂が多いから保湿はしない」という判断は誤解が多い項目です。
皮脂分泌が多いタイプの湿疹でも、保湿で皮脂バランスを整えることが基本のケアになります。
病院に行くべきか判断するチェック表|緊急度3段階で整理
「これって病院に行くレベル?」と迷ったら、以下のチェック表で緊急度を確認してみてください。
| 緊急度 | 当てはまる症状 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 【今すぐ受診】赤信号 | 38℃以上の発熱・水ぶくれ・顔全体の強い腫れ・機嫌が極端に悪い | 救急外来や小児救急電話相談(#8000)へ |
| 【数日以内に受診】黄信号 | 2週間以上スキンケアを続けても改善しない・繰り返し悪化する・かゆみで眠れない | 平日に小児科または皮膚科を受診 |
| 【家庭でケア】青信号 | 機嫌や食欲は普段通り・スキンケアで少しずつ改善している・カサカサや軽い赤みのみ | 毎日のスキンケアを継続 |
夜間や休日に赤信号の症状が出た場合は、迷わず救急外来や#8000に相談してください。
判断が難しいときは、自己判断で様子を見続けずに、早めに医師に相談することが大切です。

受診時の病院の選び方|小児科と皮膚科の使い分け
赤ちゃんの顔の湿疹は、小児科と皮膚科のどちらでも診察を受けることができます。
それぞれの特徴をふまえて、状況に合わせて使い分けてみてください。
| 受診先 | 向いているケース |
|---|---|
| 小児科 | 全身の発疹・発熱や機嫌の悪さなど他の症状もある・予防接種や定期健診のついでに相談したい |
| 皮膚科 | 湿疹が広範囲に出ている・ステロイド外用薬の使い分けを詳しく相談したい・繰り返す湿疹の経過を診てもらいたい |
| アレルギー科 | アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが疑われる・家族にアレルギー疾患があり詳しく検査したい |
迷ったときはまずかかりつけの小児科に相談し、必要に応じて皮膚科やアレルギー科を紹介してもらうのが安心です。
国立成育医療研究センターの研究では、新生児期から毎日保湿剤を塗ったグループはアトピー性皮膚炎の発症率が約3割低下したと報告されています。
家族にアトピーや喘息などのアレルギー疾患がある場合は、早めに専門医に相談することも検討してみてください。
よくある質問
- 乳児湿疹とアトピーはどう見分けますか?
-
スキンケアを2週間ほど続けても改善せず、良くなったり悪くなったりを繰り返す場合はアトピー性皮膚炎の可能性があります。
乳児では「2か月以上」湿疹が続くと、慢性反復性として診断の対象になるとされています。
最終的な診断は、症状の経過を見ながら医師が判断します。
- 顔の湿疹は何科を受診すればいいですか?
-
全身の症状や発熱を伴う場合は小児科、湿疹が広範囲に広がっている場合は皮膚科がおすすめです。
判断に迷うときは、まずかかりつけの小児科に相談すると安心です。
- 保湿剤は新生児から使っても大丈夫ですか?
-
ベビー用の保湿剤であれば、新生児期から使うことが推奨されています。
国立成育医療研究センターの研究でも、新生児期からの保湿がアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げる可能性が示されています。
- 新生児ざ瘡は自然に治りますか?
-
多くの場合、生後数週間〜数か月で自然に軽快するとされています。
ただし、長引いたり広がったりする場合は、別の原因が隠れている可能性もあるため一度受診を検討してください。
- ステロイドの塗り薬は赤ちゃんに使っても安全ですか?
-
医師の指示に従って正しく使えば、適切な選択肢の一つとされています。
自己判断で塗ったり、急にやめたりすることはおすすめできません。
不安な点は処方時に医師や薬剤師にしっかり確認しましょう。
- 顔の湿疹がいつまで続いたら病院に行くべきですか?
-
正しいスキンケアを2週間続けても改善しない場合は、一度医師の診察を受けることをおすすめします。
水ぶくれや膿、発熱を伴う場合は、日数にかかわらず早めの受診をご検討ください。
【まとめ】赤ちゃんの顔に湿疹が出るのは皮脂や乾燥・刺激が主な原因
赤ちゃんの顔の湿疹は1つの病気ではなく、皮脂・乾燥・刺激・アレルギーなどさまざまな原因によって起こります。
正しいスキンケアと適切な受診判断ができれば、多くの場合は落ち着いていくとされています。
- 赤ちゃんの顔の湿疹は新生児ざ瘡・脂漏性皮膚炎・皮脂欠乏症・かぶれ・アトピー性皮膚炎の5つが代表的な原因
- 月齢と顔の部位を観察すると原因の見当がつきやすい
- 毎日のスキンケアは「優しく洗う」「お風呂上がり5分以内に保湿」「刺激を避ける」の3ステップが基本
- 2週間ケアを続けても改善しない、または発熱や水ぶくれを伴うときは早めに受診を検討
- 新生児期からの保湿はアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げる可能性があるとされている
夜間や休日に湿疹が悪化したり、受診すべきか判断に迷ったりしたときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用してご相談いただくのも選択肢の一つですよ。
最終的な判断は医師に相談してください。

