「ほかの子となんだか様子が違う気がする」「言葉が出るのがゆっくりかもしれない」と、お子さんの成長を見ていてふと気になったことはありませんか。
「うちの子は発達障害なのかな?」「どこに相談したらいいのだろう」と、不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもの発達障害の主な種類や、年齢ごとに見られるサイン、気づいたときの相談先や家庭での関わり方までを、公的機関の情報をもとにわかりやすく解説します。
お子さんの「困った」を「その子らしさ」として支えるヒントになりますので、気になる点を一緒に確認していきましょう。
本記事の編集方針について
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発達障害とは?子どもに生まれつき見られる特性のこと

発達障害とは、生まれつきの脳の働き方の違いによって、物事のとらえ方や行動の現れ方に特性がある状態を指します。
法律上の定義を定めた発達障害者支援法では、自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害などを含み、その症状が通常低年齢で現れる脳機能の障害とされています。
医療の分野では、こうした特性は近年神経発達症(神経発達症群)とも呼ばれています。
ここで、まず知っておいていただきたいことがあります。
発達障害は、育て方やしつけ、親御さんの愛情不足によって起こるものではありません。本人のわがままや努力不足でもないと考えられています。
生まれつきの特性であるからこそ、周りが早めに気づき、その子に合った関わり方を見つけていくことが支えになります。
特性の現れ方は一人ひとり違う
発達障害の特性は、強さも組み合わせも子どもによってさまざまです。
複数の特性が重なって見られることもあれば、診断の基準を完全には満たさないものの特性が感じられる、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる状態のこともあります。
グレーゾーンは正式な診断名ではありませんが、困りごとがある場合には、診断の有無にかかわらず支援を受けられることが多いとされています。
子どもの発達障害の主な種類と特徴
子どもに見られる発達障害は、大きく次の3つのタイプに分けて説明されることが多くあります。まずは全体像を確認してみましょう。
| 種類 | 主な特性 | 気づかれやすい様子 |
|---|---|---|
| 自閉スペクトラム症(ASD) | 対人関係やコミュニケーションの難しさ、強いこだわり、感覚の過敏さ | 視線が合いにくい、一人遊びが多い、変化が苦手 |
| 注意欠如・多動症(ADHD) | 不注意、多動性、衝動性 | 落ち着きがない、忘れ物が多い、順番を待つのが苦手 |
| 限局性学習症(LD) | 読む・書く・計算するなど特定の学びの困難 | 知的発達に遅れはないのに特定の教科でつまずく |
それぞれの特徴を、もう少し詳しく見ていきます。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症は、かつて自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれていた特性を含む考え方です。
言葉や表情、身振りを使って気持ちをやりとりすることが苦手だったり、特定のことに強い関心を持ったりする様子が見られます。
音や光、肌ざわりなどの感覚がとても敏感な子どももいれば、逆に感じにくい子どももいます。

注意欠如・多動症(ADHD)
注意欠如・多動症は、発達の年齢から期待される水準に比べて、不注意や多動性、衝動性が複数の場面で見られる特性です。
学校でも家庭でも落ち着きがなかったり、集中が続きにくかったりする様子が、複数の場所で見られる点が特徴とされています。
年齢が上がると、多動性は少しずつ落ち着いていくことも多いと考えられています。

限局性学習症(LD・学習障害)
限局性学習症は、全体的な知的発達には遅れがないのに、読む・書く・計算するといった特定の学びだけに強い困難が見られる状態です。
「努力が足りない」と誤解されやすいのですが、本人の怠けではありません。気づかれにくい特性のひとつとされています。
そのほかの神経発達症
発達障害には、これら3つのほかにも、知的発達症(知的障害)、発達性協調運動症、チック症、吃音(きつおん)などが神経発達症に含まれます。
同じ診断名でも現れ方は異なり、いくつかの特性を併せ持つ子どももいます。
年齢別に見られる子どもの発達のサイン
「発達障害かもしれない」と感じるきっかけは、年齢によって少しずつ変わっていきます。
家庭で気づかれやすい様子の例を、時期ごとにまとめました。
| 時期 | 気づかれることがある様子の例 |
|---|---|
| 乳児期(〜1歳ごろ) | 視線が合いにくい、あやしても笑いが少ない、指さしをしない |
| 幼児期(1〜6歳ごろ) | 言葉の発達がゆっくり、一人遊びが多い、かんしゃくが強い、こだわりが目立つ |
| 学童期(小学生ごろ) | 忘れ物や離席が多い、友だち関係でつまずく、特定の教科だけ極端に苦手 |
ここで大切なのは、これらはあくまで「気づきのきっかけ」だという点です。
当てはまる様子があっても、それだけで発達障害と決まるわけではありません。成長のペースには大きな個人差があります。
気になる様子が続いていたり、家庭や園、学校での生活に困りごとがあったりする場合に、専門の窓口へ相談するのが安心です。
「発達障害かもしれない」と感じたときの相談先
いざ相談しようと思っても、「どこに行けばいいの?」と迷う親御さんは少なくありません。
お子さんの年齢や状況によって、相談しやすい窓口の例を整理しました。
| 相談したい状況 | 相談先の例 |
|---|---|
| 乳幼児で発達が気になる | 市区町村の乳幼児健康診査、保健センター |
| 体や発達のことを医療的に相談したい | かかりつけの小児科、児童精神科 |
| 就学や生活全般の支援を知りたい | 発達障害者支援センター、児童相談所 |
1歳6か月児健診や3歳児健診は、母子保健法にもとづいて市区町村が行うもので、発達の様子に気づく大切な機会のひとつとされています。近年は5歳児健診を広げる取り組みも進められています。
「受診したほうがいいのか、もう少し様子を見てよいのか判断に迷う」というときは、自宅から医師に相談できる小児科オンライン診療「あんよ」のような手段を活用して、最初の相談先として利用するのも選択肢の一つです。
平日の日中に受診の時間をとりにくいご家庭でも、気になった段階で早めに相談しやすくなります。
発達障害の診断と検査はどのように進むのか
発達障害の診断は、専門の医師が行います。
一度の受診ですぐに決まるものではなく、生育歴の聞き取りや行動の観察、必要に応じた発達検査などを組み合わせて、時間をかけて総合的に判断されるのが一般的です。
検査には、子どもの発達の状態や得意・不得意を客観的に把握するための発達検査や知能検査が用いられることがあります。
これらは「できる・できない」を決めつけるためのものではなく、その子に合った支援を考えるための手がかりとして活用されます。
診断がつくかどうかにかかわらず、困りごとに応じて支援につなげていくことが大切だと考えられています。
発達障害のある子どもへの支援と療育

発達障害のある子どもへの支援の中心となるのが、療育(発達支援)です。
療育とは、一人ひとりの特性に合わせて、生活やコミュニケーションのスキルを育てていく関わりのことをいいます。
公的な支援としては、児童福祉法にもとづく児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援があります。就学前の子どもや、小学生以降の子どもが、身近な場所で支援を受けられる仕組みです。
家庭での関わりでも、工夫できることはたくさんあります。次のような視点が役立つとされています。
- 指示は短く具体的に伝える
- できたことをその場で具体的にほめる
- 予定や手順を絵や文字で見えるようにする
- 苦手な刺激を減らして落ち着ける環境を整える
保護者が対応の仕方を学ぶ「ペアレント・トレーニング」を取り入れている地域もあります。
なお、症状に応じて薬が用いられることもありますが、薬は特性そのものを治すものではなく、困りごとを和らげることを目的としています。使うかどうかは、効果と副作用を踏まえて医師と相談しながら慎重に判断されます。
学校や園では、一人ひとりの状況に応じて負担を調整する合理的配慮という考え方もあります。2024年4月からは、事業者にもこの配慮を行うことが求められるようになりました。
発達障害の子どもが「二次障害」を防ぐために大切なこと
発達障害を考えるうえで、あわせて知っておきたいのが「二次障害」です。
二次障害とは、発達障害の特性そのものではなく、周りの理解が得られなかったり、失敗や叱られる経験が重なったりすることで、あとから生じる困りごとを指します。
具体的には、自信のなさや不安、気分の落ち込み、不登校、心身の不調などが挙げられます。
大切なのは、二次障害は周りの理解と早めの支えによって予防が期待されるという点です。
文部科学省の調査では、通常の学級に在籍する小・中学生のうち、学習面や行動面で著しい困難を示す子どもは8.8%にのぼると推定されています。これは教員の見立てによるもので医師の診断ではありませんが、特性のある子どもが決して珍しくないことを示しています。
「うちの子だけ」と抱え込まず、早めに周りとつながることが、お子さんの毎日を支える一歩になります。
より詳しい全体像は、政府広報オンラインでも紹介されています。
子どもの発達障害についてよくある質問(Q&A)
- 発達障害は治るのですか?
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発達障害は生まれつきの特性であり、「治す」というより、特性を理解して付き合い方を工夫していくものと考えられています。周りの理解と適切な支援によって、生活のしづらさが和らいでいくことも少なくありません。
- 「グレーゾーン」と言われました。何かしたほうがよいですか?
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グレーゾーンは正式な診断名ではありませんが、困りごとがあるなら支援を受けられる場合が多くあります。診断の有無にこだわりすぎず、気になる様子があれば相談窓口につながることをおすすめします。
- 何歳から相談できますか?
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年齢の下限は決まっていません。乳幼児健診や保健センターは、赤ちゃんのころから相談できる身近な窓口です。気になった時点で相談して問題ありません。
- 発達障害は遺伝するのですか?
-
生まれつきの脳の働き方が関係すると考えられていますが、原因は一つに特定できるものではありません。育て方が原因ではないという点は、多くの公的機関が共通して説明しています。
- 診断を受けるべきか迷っています。
-
診断は、その子に合った支援を考えるための手がかりになります。受けるかどうか迷う段階でも、まずは健診の場やかかりつけ医、オンライン診療などで相談してみると、次の一歩が見えやすくなるはずです。
【まとめ】子どもの発達障害は種類ごとの特性を知り早めに相談することが第一歩
子どもの発達障害は、生まれつきの脳の働き方の違いによる特性であり、種類や現れ方は一人ひとり異なります。気づいたときに早めに相談し、その子に合った支えを見つけていくことが大切です。
- 発達障害は生まれつきの特性で、育て方やしつけが原因ではない
- 主な種類には自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、限局性学習症などがある
- 気づきのサインは年齢によって変わり、当てはまっても発達障害と決まるわけではない
- 迷ったら乳幼児健診やかかりつけ医、発達障害者支援センターなどに相談できる
- 早めの理解と支援は、二次障害の予防にもつながると考えられている
気になる様子が続くときや、家庭だけで抱え込みそうなときは、早めに専門の窓口や医療機関に相談してみてくださいね。
夜間や休日など受診の時間をとりにくいときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。
最終的な診断や治療の判断は、医師にご相談ください。

