お子さんのうんちが何日も出ていないと、気になってしまいますよね。
「何日出ていなければ便秘なんだろう」「病院に行ったほうがいいのかな」と迷う親御さんは少なくありません。
この記事では、子どもの便秘の原因、家庭でできる対応、受診を考える目安、病院での治療の流れを順番に解説します。
慌てずに、お子さんの様子と照らし合わせながら読み進めてみてくださいね。
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子どもの便秘とはどんな状態か|何日出ないと便秘なのか

便秘というと「何日出ていないか」で判断しがちですが、回数だけで決まるものではありません。排便のペースには大きな個人差があります。
毎日出ていても、そのたびに強くいきんだり痛がったりするなら、便秘として考えたほうがよい場合もあります。
「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」(日本小児栄養消化器肝臓学会・日本小児消化管機能研究会)では、便秘は「便が滞った、または便がでにくい状態」と説明されています。
「便がでにくい状態」とは、排便に努力や苦痛をともなう状態で、子どもの場合は排便時の肛門の痛みで泣いたり、いきんでも出せなかったりする様子を指します。
反対に、2〜3日に1回でも、やわらかい便がするっと出て機嫌もよいなら、心配しすぎなくてよいことが多いです。
目安になるのは回数よりも「出るときにつらそうかどうか」「便がかたくないか」の2点だと考えられます。
年齢別に見る排便回数と気をつけたい様子
年齢によって、消化管の動きや食事の内容が変わります。
下の表は、上記ガイドラインが示している健常児の排便回数(1日あたりの平均)をもとにした目安です。
あくまで平均であり、あてはまらないからといって、すぐに異常というわけではありません。
| 年齢の区分 | 排便回数のおおよその目安 | 気をつけたいお子さんの様子 |
|---|---|---|
| 生後0〜3か月 | 母乳栄養で1日およそ3回、人工乳栄養で1日およそ2回 | 母乳やミルクの飲みが落ちる、お腹が張って苦しそう |
| 生後6〜12か月 | 1日およそ2回 | 離乳食の開始や進み方に合わせて便がかたくなる |
| 1〜3歳 | 1日およそ1〜2回 | トイレを嫌がる、いきんでも出ずに泣く |
| 3歳以上 | 1日およそ1回 | 学校や園で我慢する、パンツに便がついている |
出典:小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン(日本小児栄養消化器肝臓学会・日本小児消化管機能研究会)(健常児の排便回数)
同ガイドラインでは、母乳栄養の赤ちゃんは授乳のたびに排便することもあれば、7〜10日に1回になることもあると説明されています。低月齢ほど幅が広い、と考えておくと安心です。
かたい便で肛門が切れて痛みが出ると、お子さんは「うんちは痛いもの」と学習してしまいます。すると排便を我慢し、便がさらにたまってかたくなるという流れが起こります。同ガイドラインでは、これを「便秘の悪循環」として説明しています。この悪循環をどこかで止めることが、子どもの便秘への対応で大切な考え方です。
赤ちゃんの排便については、月齢ごとの特徴があります。より低月齢のお子さんについては、赤ちゃんの便秘の見分け方と家庭でのケアもあわせてご覧ください。

子どもの便秘の主な原因

子どもの便秘の多くは、腸そのものの病気ではなく、生活の中の要因が重なって起こると考えられています。原因を1つに決めつけず、思い当たるものがないか広く見ていきましょう。
- 野菜や果物、いも類が少なく、食物繊維や水分がとりにくい食事が続いている
- 外遊びや体を動かす時間が減り、腸の動きが鈍りやすくなっている
- 遊びに夢中になったり、園や学校のトイレを嫌がったりして排便を我慢している
- 入園や入学、引っ越し、きょうだいの誕生など、生活環境が大きく変わった
- トイレトレーニングを急いだことで、排便そのものに苦手意識ができている
「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」では、便秘を発症しやすい時期として、乳児期の食事の移行期(母乳から人工乳への切り替えや離乳食の開始)、幼児期のトイレットトレーニングの時期、学童期の通学の開始があげられています。
また、増悪の要因として、不適切なトイレットトレーニング、トイレ嫌い、学校のトイレを避けること、家庭環境の変化、食物繊維の少ない食事などが示されています(出典)。
特に見落とされやすいのが、排便を我慢する習慣です。園や学校のトイレは、個室が使いにくかったり、友だちの目が気になったりします。家では出るのに外では出せない、という状態が続くと、便が腸にとどまってかたくなっていきます。
環境の変化も引き金になります。入園、入学、転居、きょうだいの誕生などの時期は、生活リズムと気持ちの両方が揺れます。この時期に一時的に便秘になるお子さんは珍しくありません。落ち着くにつれて戻ることも多いです。
乳児では、母乳からミルクへの切り替えや、離乳食の開始によって便の性状が変わることがあります。これは成長の過程で起こる変化であることも多く、それだけで病気とは限りません。
一方で、生まれつきの腸の病気やホルモンの病気が背景にあることも、まれにあります。
同ガイドラインは、便秘の背景に別の病気があることを示唆する徴候として、生まれてすぐの時期の胎便の排泄が遅れた既往、成長障害や体重の減少、繰り返す嘔吐、血便、お腹の張り、お腹のしこり、肛門の形や位置の異常などをあげ、これらがある場合は精密検査の対象としています。
また、新生児期に始まった便秘は、はじめから専門の医師への紹介が望まれるとされています(出典)。あてはまる様子があるときは、生活の工夫だけで様子を見ずに医療機関へ相談してください。
子どもの便秘に家庭でできる対応
家庭でできることは、食事、水分、トイレ習慣などに整理できます。どれも数日で結果が出るものではありません。数週間単位で続けることを前提に考えてみてください。
食事と水分のとり方を見直す
食物繊維や水分をとりやすい食事の工夫が基本になります。いも類、豆類、海藻、果物などを、お子さんが食べやすい形にして少しずつ取り入れてみましょう。特定の食品が便秘を治すわけではないため、「これさえ食べれば」という考え方は避けたほうが安心です。
水分は、朝起きたときや外遊びのあとなど、タイミングを決めるととりやすくなります。汗をかく季節は必要な量も増えます。乳児期の食事の進め方については、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月)も参考になります。
食べる量が減っている場合は、食物繊維を増やすより先に、全体の食事量が足りているかを見てみましょう。便のもとになる材料が少なければ、腸に送り出すものも減ってしまいます。偏食が強い時期は、無理に品目を増やそうとしなくて構いません。
なお、1歳未満のお子さんには、はちみつ(はちみつ入りの飲みものやお菓子を含む)を与えないでください。詳しくは後述の「子どもの便秘のよくある誤解」で説明します。
トイレの習慣をつくる
「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」は、生活・排便習慣の改善を治療の一つとして位置づけています(出典)。朝食後など、腸が動きやすい時間にトイレに座る習慣をつくると、排便のリズムが整いやすくなります。足がぶらつくといきみにくいため、足台を置いて足の裏がつく姿勢にしてあげてください。
大切なのは、出ても出なくても責めないことです。「座れたね」と声をかけるだけで十分です。トイレを嫌がる時期は、無理に続けず一度お休みしてもかまいません。

綿棒での刺激は月齢と方法に注意する
綿棒でおしりの入り口を刺激する方法は、主に離乳食が始まる前の乳児を想定した対応です。離乳食が進んだお子さんや、繰り返し必要になる場合は、自己判断で続けずに医師へ相談してください。
次のようなときは、綿棒での刺激を行わず、先に医療機関を受診してください。
- お腹が強く張っている
- 吐いている
- 血便が出ている
- 発熱がある
また、生まれてから一度も自力で便が出ていない場合や、生まれてまもない時期から便が出にくい場合は、家庭で様子をみずに医療機関へ相談してください。「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」でも、新生児期に始まった便秘は、はじめから専門の医師への紹介が望まれるとされています(出典)。
行うときは、ベビーオイルなどで綿棒の先をすべりやすくし、綿の部分が隠れる程度までにとどめます。出血したり強く痛がったりしたときは、その場で中止してください。
子どもの便秘で受診を考える目安
便秘そのものはよくある症状ですが、お腹の症状の中には急いで対応したほうがよいものもあります。緊急度を3段階に分けて整理しました。
| 緊急度 | お子さんの様子 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 今すぐ | 激しい腹痛で泣き止まない、繰り返し吐く、血便が出る、お腹が板のようにかたく張る、ぐったりして反応が鈍い | すぐに119番へ連絡する |
| 今日中 | 腹痛が続く、食欲がなく元気がない、便に血が少量つく、発熱をともなう | 診療時間内に小児科を受診する |
| 翌日以降でよい | 便はかたいが機嫌はよい、痛がらない、食欲があり遊べている | 生活の工夫を続ける。2週間ほど続けても便がかたいまま、または痛がる様子が出てきたら小児科を受診する |
判断に迷ったときは、こども医療電話相談「#8000」に電話すると、住んでいる都道府県の窓口に自動転送され、小児科の医師や看護師から症状に応じた助言を受けられます。
相談できる日時は都道府県によって異なります。詳しくはこども家庭庁「もしものために」をご覧ください。
そのうえで、緊急性が低く、生活の工夫や受診のタイミングについて相談したい段階であれば、オンライン診療という選択肢もあります。
ただしオンライン診療では、お腹を触って便のかたまりを確認したり、レントゲンなどの検査を行ったりすることはできません。診察の結果、対面での受診をご案内する場合もあります。
何科を受診すればよいか
まずは小児科で問題ありません。かかりつけの小児科で経過を見ていき、必要に応じて小児外科や小児の消化器を専門とする医療機関へ紹介される流れが一般的です。
「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」でも、経過が思わしくない場合には専門の医師へ相談する流れが示されています(出典)。
かかりつけ医が決まっていると、普段の様子との違いを踏まえて相談できます。前回の受診からの経過を続けて見てもらえることは、便秘のように時間をかけて付き合う症状では大きな助けになります。
受診の際は、いつから出ていないか、便のかたさや量、痛がるかどうか、食事や水分の様子をメモして持っていくと、診察がスムーズになります。写真を撮っておくのも一つの方法です。
子どもの便秘の治療の流れ
医療機関での対応は、大きく「たまった便を出す段階」と「たまらない状態を保つ段階」に分かれます。この2段階を知っておくと、治療の見通しが立てやすくなります。
はじめの段階では、直腸にたまってかたくなった便を出すことを目指します。坐薬や浣腸、内服の下剤などが状況に応じて使われます。ここが不十分なまま次に進むと、また同じ状態に戻りやすいと考えられています。
次の段階では、やわらかい便が痛みなく出る状態を続けます。
ここで使われるのが、便に水分を保たせる浸透圧性下剤(ポリエチレングリコール製剤や酸化マグネシウムなど)です。腸を動かす作用のあるピコスルファートナトリウムや、ビサコジルの坐薬が用いられることもあります。
これらのお薬は、製剤ごとに使える年齢の下限と1日あたりの量が定められています。
同じ成分でも、製剤が違えば使える年齢も量も変わります。どの製剤をどれだけ使うかは、お子さんの年齢や体重、便の状態を見て医師が決めるものであり、この記事で具体的な量や飲み方をお示しすることはできません。
自己判断で量を増やしたり、急にやめたりしないでください。
酸化マグネシウム製剤については、注意しておきたい副作用があります。厚生労働省の医薬品・医療機器等安全性情報では、酸化マグネシウムによって血液中のマグネシウムが高くなる「高マグネシウム血症」が起こることがあり、便秘症で使っている場合には、腎臓の機能が正常でも、通常の量以下でも起こりうると示されています。
初期症状として嘔吐、徐脈(脈が遅くなる)、筋力低下、傾眠(眠りがち)などがあげられており、これらがみられた場合は服用を中止して受診するよう指導することとされています(出典:医薬品・医療機器等安全性情報 No.328(厚生労働省))。お子さんに吐き気やだるさ、力が入りにくい、いつもより眠そうといった様子がみられたら、飲ませるのをやめて医師に相談してください。
経過を見るときは、排便のあった日、便のかたさ、痛がったかどうかを簡単に記録しておくと役立ちます。カレンダーに丸をつけるだけでも構いません。診察のときに、口頭で思い出すより正確に伝えられます。
治療は短期間で終わるとは限らず、長く続くこともあります。便が出るようになった時点でやめてしまうと、再び便がたまる流れに戻ることがあります。やめる時期も医師と相談しながら決めていきましょう。
なお、オンライン診療でお薬について相談することはできますが、医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。症状や経過によっては、対面での診察や検査が必要と判断されることもあります。
子どもの便秘のよくある誤解
便秘については、家庭で受け継がれてきた情報の中に、今の考え方と合わないものもあります。代表的なものを整理しました。
1歳未満のお子さんに、はちみつを与えてはいけません
便が出にくいときに、はちみつを使う方法が家庭で語られることがありますが、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。
厚生労働省は、1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べることで乳児ボツリヌス症にかかることがあり、ボツリヌス菌は熱に強いため通常の加熱や調理では死なないこと、そのため1歳未満の赤ちゃんにははちみつやはちみつ入りの飲料・お菓子などを与えないようにすることを示しています。
乳児ボツリヌス症の症状としては、便秘、ほ乳力の低下、元気がなくなる、泣き声が変わる、首のすわりが悪くなるといったものがあげられています(出典:ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。(厚生労働省))。
離乳食を手作りするときも、材料や市販品にはちみつが入っていないかを確かめてください。
そのほか、次のような点にも気をつけてみてください。
- 浣腸や下剤を使うと癖になるのではないか、と心配されることがあります。使うかどうか、どのくらいの期間使うか、いつやめるかは、お子さんの状態を診た医師が判断します。自己判断で続けたり、急にやめたりせず、相談しながら進めていきましょう
- 便が出た日にすぐ薬をやめてしまうと、再びたまりやすくなるため、やめる時期は医師と相談します
- 特定の食品を食べれば便秘が治るわけではなく、食事全体のバランスと続けやすさを優先します
- 「そのうち治る」と自己判断せず、痛がる様子が続く段階で一度相談したほうが、対応の選択肢が広がります
お腹の症状は、便秘以外の不調と重なって見えることもあります。吐く様子が続くときは離乳食のあとに吐くときの見分け方、便の色が気になるときは赤ちゃんのうんちが白いときに考えることもあわせて参考にしてください。
子どもの便秘についてよくある質問【FAQ】
- 何日出ないと便秘といえますか?
-
日数だけでは決まりません。数日空いてもやわらかい便が痛みなく出ていれば、様子を見てよいことが多いです。反対に、毎日出ていても強く痛がるなら便秘として考えます。
- 出ない状態が続くとどうなりますか?
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たまった便で直腸が広がると、便意を感じにくくなることがあります。腹痛や食欲不振、下着に便がつくといった様子につながる場合もあるため、痛がる時期が続くなら相談してみてください。
- 市販の便秘薬は子どもに使えますか?
-
年齢によって使えるものが限られます。使うかどうかを保護者だけで決めず、まず薬剤師や医師に相談し、そのうえで使う・使わないを決めてください。
相談の際は、パッケージの対象年齢の表示を確認して伝えると話が早く進みます。特に乳児や幼児では、対象年齢の下限が設けられている製品が多く、大人向けのものを分けて飲ませることはできません。繰り返し必要になる場合も、医療機関で相談することをおすすめします。
- 母乳やミルクの赤ちゃんが数日出ないのは便秘ですか?
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低月齢では排便の間隔が空くことがあり、それだけで便秘とは限りません。
「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」では、母乳栄養の赤ちゃんは7〜10日に1回の排便になることもあると説明されています。
飲みがよく、体重が増えていて、お腹の張りや強い不機嫌がなければ、経過を見ることが多いです。ただし同ガイドラインは、最後の排便から5日以上たっている場合や、いきんでいるのに便が出ないという訴えがある場合を、直腸に便がたまっていることを疑う所見の一つとしてあげています(出典)。あてはまるときは受診してください。
- トイレトレーニング中に便秘になったらどうしますか?
-
一度トレーニングの歩みをゆるめ、排便への苦手意識を減らすことを優先します。おむつに戻すことは後退ではなく、痛みの記憶を残さないための工夫と考えてください。
- 便が出ないときにお腹が痛いと言います。どうすればよいですか?
-
痛みが軽く、機嫌や食欲が保たれていれば、家庭での工夫を続けながら受診を検討します。泣き止まないほどの痛みや繰り返す嘔吐があるときは、緊急度の表を参考に対応してください。頭痛など別の症状が重なるときは、子どもの頭痛の原因とホームケアもご覧ください。
【まとめ】子どもの便秘は原因の見直しと段階的な対応で向き合えます
子どもの便秘は、回数よりも「つらそうかどうか」で見ていきます。家庭での工夫を続けつつ、緊急度に応じて受診のタイミングを判断していきましょう。
- 排便のペースには個人差があり、便のかたさと痛みの有無を目安に考える
- 食事、水分、運動、排便の我慢、環境の変化など複数の要因が重なって起こる
- 1歳未満のお子さんにはちみつを与えない。加熱しても乳児ボツリヌス症は防げない
- 食事の工夫とトイレに座る習慣づくりを、数週間単位で続けてみる
- 綿棒での刺激は、お腹の張り・嘔吐・血便・発熱があるときは行わず、先に受診する
- 激しい腹痛や繰り返す嘔吐、血便、強いお腹の張りがあるときは緊急の対応を優先する
- 治療はたまった便を出す段階と保つ段階に分かれ、やめる時期は医師と相談する
夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。
最終的な判断は医師に相談してください。

