インフルエンザの予防投与は子どもも受けられる?対象・自費の費用・薬の期間

インフルエンザの予防投与は子どもも受けられる?対象・自費の費用・薬の期間

子どもがインフルエンザと診断された夜、「きょうだいや自分にもうつるかも」とドキッとしますよね。予防の薬があると聞いても、誰が受けられて、いくらかかるのかが分からないと動けません。予防投与(予防内服)には、対象・始める期限・費用・薬ごとの飲み方に、それぞれ決まった条件があります。今夜のうちに確認することを整理して、慌てずに家族で相談してみてくださいね。

結論

予防投与(予防内服)の対象は、原則として発症した人の同居家族のうち、65歳以上や持病がある人です。子どもであることだけでは対象条件に入りません。保険は効かず自費で、発症した家族と接触してから48時間以内に始めるのが目安です。受けるかどうかは、家族一人ひとりが医師の診察を受けて決めます。

小児科オンライン診療あんよの詳細はこちら
本記事の編集方針について

あんよマガジンは、編集方針に基づき、公的機関の発表資料や学会ガイドライン等の一次情報を確認したうえで記事を制作しています。

※本記事には、当社が運営する小児科オンライン診療「あんよ」のサービス紹介(広告)を含みます。

本記事は、疾患や症状に関する一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。また、特定の医薬品・医療機器・治療法の効果を保証・推奨するものでもありません。気になる症状やご不安がある場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。

なお、本記事の内容は公開時点の情報に基づいており、最新の医学的知見や制度改正により変わる場合があります。

当社は記事制作にあたり、医療法、医療広告ガイドライン、医薬品医療機器等法(薬機法)、健康増進法、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)等の関係法令・指針を踏まえて制作しています。

目次

インフルエンザの予防投与(予防内服)とは?治療やワクチンとの違い

予防投与とは、発症した人と接触した家族が、症状が出る前に抗インフルエンザ薬を飲む、または吸入することです。同じ薬でも、発症後に使う「治療」と、発症前に使う「予防」は、添付文書(薬に付いている、医師・薬剤師向けの公式の説明書)で別の使い方として書き分けられています。

インフルエンザの予防投与の薬が守るのは家族の発症後の短い間で、ワクチンは流行に備えて接種することを示した図
比べる点予防投与ワクチン(予防接種)
使う時期家族が発症した後、接触から48時間以内(ザナミビルは36時間以内)流行に備えて接種(12月中旬までが望ましい)
効果の範囲使い始めてからおおむね10日間まで(毎日使う薬は使っている間)発病と重症化を防ぐことが期待される
費用保険が効かず自費地域や年齢によって異なる
位置づけワクチンの代わりにはならない予防の基本

オセルタミビルの添付文書は、予防の効果は「本剤を連続して服用している期間のみ持続する」と書いています[1]。同じ添付文書は、予防の基本はワクチンで、薬の予防使用はワクチンに置き換わるものではないとも明記しています。ワクチンには、発病を防ぐ効果と重症化を防ぐ効果が期待されており、例年12月〜3月頃の流行に備えて12月中旬までに接種を終えることが望ましいとされています[2]。

つまり予防の薬は、家族が発症した後の「すき間」を埋める手段です。ワクチンを受けていた家族でも、受けていなかった家族でも、対象の条件は同じ考え方で決まります。

予防投与の対象は誰?家族が発症したときの条件と子どもの扱い

添付文書が予防の対象に挙げるのは、原則として「発症している患者の同居家族又は共同生活者」のうち、重症化しやすい人です[1]。家族全員が対象になるわけではありません。

家族添付文書上の目安確認したいこと
祖父母(65歳以上・同居)対象になりうる同居しているか、持病があるか
持病のある家族対象になりうる呼吸器・心臓・糖尿病・腎臓の病気の有無
親(65歳未満・持病なし)原則の対象に当てはまらない医師に相談して判断
きょうだい(子ども本人)持病などの条件があれば対象になりうる持病の有無と、体重・年齢に合う薬があるか

家族の続柄で見ると、対象になりうるのは主に高齢の祖父母と、持病を持つ家族です。

添付文書で決められている対象の条件

オセルタミビルとラニナミビルの添付文書は、対象として次の4つを挙げています[1][3]。

  • 高齢者(65歳以上)
  • 慢性呼吸器疾患または慢性心疾患のある人
  • 代謝性疾患(糖尿病など)のある人
  • 腎機能障害のある人

バロキサビルは「重症化のリスクが高いと判断される者」と書き、例として高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患・慢性心疾患、代謝性疾患(糖尿病等)のある人を挙げます[4]。ザナミビルは高齢者・慢性心疾患・代謝性疾患・腎機能障害の4つで、慢性呼吸器疾患を予防の対象に挙げていません[5]。

添付文書の対象条件の原文

添付文書の対象条件の原文は「原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする」です。医師はこの条件と家族の状況をあわせて判断します。

親など条件に当てはまらない家族が希望する場合は、医師に相談して判断してもらいます。条件から外れる使い方で重い副作用が出たときは、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外になる可能性があります。

子ども本人は対象になるか

子どもであること自体は、どの薬の対象条件にも入っていません。持病のない元気なきょうだいは、大人と同じく原則の条件から外れます。喘息などの慢性の呼吸器の病気や心臓の病気があれば、対象になりうるという整理です(慢性の呼吸器の病気はザナミビルの対象には入っていません)。

さらに子どもの場合、使える薬が体重や年齢、吸入ができるかどうかで絞られます。持病のある子どもでも、体重や年齢に合う薬が無ければ使えません。

予防投与はいつまでに始める?接触から48時間以内が目安

予防の薬は、発症した家族と接触してから48時間以内に始めるのが目安です。オセルタミビル・ラニナミビル・バロキサビルの添付文書は「インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること」と書き、48時間を過ぎて始めた場合の有効性を裏付けるデータは得られていないとしています[1][3][4]。

ザナミビルはさらに短く、「接触後1.5日以内」(36時間以内)に始めることとされています[5]。

注意

添付文書が数え始めの時点としているのは「インフルエンザを発症した人と接触した時」です。同じ家で暮らしていると接触はずっと続くため、実務上の目安として、家族にインフルエンザの症状が出た時刻を控えておくと、間に合うかどうかを早めに判断できます(バロキサビルの国内試験も、家族の発症から48時間以内に飲み始めた人を対象にしていました)[4]。間に合うかどうかの最終的な判断は医師がするため、受診の際はその時刻を伝えます。

診断が夜遅いと、その夜のうちに動くのは難しいものです。受診先が開く時間を先に調べておくと、翌朝に迷わずに済みます。

予防投与の費用は自費|薬代の目安と費用の内訳

予防の薬は健康保険が効かず、全額が自費です。支払いは診察料・薬の代金・調剤の費用に分かれ、家族の人数分かかります。

費用の項目中身受ける前に確認したいこと
診察料予防を受ける本人ごとの診察家族1人あたりの診察の費用
薬の代金薬価で見ると大人1人・1回の予防分でおよそ1,200〜9,800円(下の目安)その医療機関・薬局での実際の価格
調剤にかかる費用院外処方なら薬局でかかる費用薬局での支払いが別にあるか

表の3つが、家族1人ごとに発生します。問い合わせるときは「総額はいくらか」を家族の人数分で聞くと、支払いの見通しが立ちます。

薬の代金の目安(薬価ベース・大人1人の1回の予防分)

薬価は、国が保険診療用に決めている薬の公定価格です。厚生労働省の薬価基準(2026年8月13日適用)で、大人1人が予防で1回分(1コース)を使う場合を計算すると、次のとおりです[6]。

  • オセルタミビル(先発品のカプセル):約1,200〜1,700円(7〜10日分)
  • ラニナミビル:約3,000円(吸入2キット分)
  • ザナミビル:約2,000円(10日分)
  • バロキサビル(錠):約4,900〜9,800円(体重80kg未満と以上で錠数が違う)

オセルタミビルには後発品(ジェネリック)もあり、薬価は先発品より低く設定されています[6]。自費では医療機関や薬局が価格を決めるため、窓口の金額はこの目安と一致しません。これに診察料と調剤の費用が加わり、家族の人数分かかります。子どもの薬の量は体重で変わるため、子どもの分は受診先で確認します。

保険が効かない理由

添付文書の「保険給付上の注意」に、オセルタミビルは「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の発症後の治療」の目的で使った場合にのみ保険給付されると書かれています[1]。ラニナミビルとザナミビルの添付文書にも同じ趣旨の記載があります。健康保険は病気の治療に使う制度です。発症前の予防は、その外側にあります。

子ども医療費助成は使える?

子ども医療費助成は、保険診療で窓口に払う自己負担分を助成する仕組みです。目黒区や北九州市は、保険診療以外の費用を助成の対象外としています[7][8]。

このため、自費の予防の薬には使えないと考えられます。予防目的の処方を名指しした記載は見つかっていないため、お住まいの自治体の窓口で確認してください。

受ける前に医療機関へ聞いておきたいこと

電話や予約の時点で、次の3点を聞いておくと当日に慌てません。

  • 予防の薬を出しているか、家族の分も診てもらえるか
  • 家族1人あたりの総額(診察・薬・調剤)
  • 予防の薬を飲んでいる途中で発症したときの受診の仕方

聞き方は、「子どもがインフルエンザと診断された。同居する祖母の予防を相談したい」のように、誰の分かを先に伝えるのが近道です。

小児科オンライン診療あんよの詳細はこちら

予防に使う薬は4種類|飲み方と期間、子どもが使える剤形

予防に使える薬は、飲み薬が2種類、吸入薬が2種類です。飲む回数は1回で終わる薬から10日間続ける薬まで幅があります。量は年齢と体重を見て医師が決めます。

薬(一般名)剤形(薬の形)・飲み方・予防で使う期間子どもの場合
オセルタミビルカプセル・ドライシロップ(粉薬)。1日1回、大人は7〜10日間、子どもは10日間粉薬に子ども向けの予防の使い方がある。1歳未満は予防での使い方が定められていない
ラニナミビル吸入。1回だけ、または1日1回2日間10歳未満は1回だけ吸入。正しく吸入できると判断された場合に限る
バロキサビル錠・顆粒。1回だけ飲む12歳未満で予防の使い方があるのは体重20kg以上
ザナミビル吸入。1日1回、10日間正しく吸入できる場合に限る。4歳以下の臨床試験は行われていない

表は各薬の添付文書をもとにまとめました[9][3][4][5]。1回で終わる薬と、10日間続ける薬がある点が大きな違いです。

ただしラニナミビルとバロキサビルも、10日を超える期間の予防効果は確認されていないと添付文書に書かれています。10日を過ぎてから別の家族が発症したときは、予防を続けるかどうかを改めて医師に相談します。

子どもが使えるかは、剤形・体重・吸入の上手さで変わる

剤形は、カプセル・粉薬・吸入といった薬の形のことです。小さな子どもは、吸入薬を正しく吸えないことがあります。飲み薬では、粉薬のドライシロップに子ども向けの予防の使い方があります。

バロキサビルの顆粒(分包)は2025年11月12日に発売されました[10]。顆粒にも予防の使い方がありますが、12歳未満の予防は体重20kg以上に限られます[4]。

0歳のきょうだいがいる場合、オセルタミビルの添付文書には1歳未満の予防での使い方が定められていません。持病があって予防を考えたいときは、医師に子どもの月齢と体重を伝えて相談します。

予防投与の効果と副作用|服用中に発症したら

予防の薬は発症の割合を下げますが、ゼロにはできません。副作用もあり、飲んでいる途中で発症することもあります。

バロキサビルの国内試験では、発症した人の同居家族(家族の発症から48時間以内に1回飲んだ人)のうち、バロキサビルを飲んだ人で1.9%、偽薬(薬の成分が入っていない偽の薬)を飲んだ人で13.6%が、10日目までに発症しました[4][11]。

ラニナミビルの国内試験では、発症した人の同居家族のうち2〜9歳の子どもで、ラニナミビルを1回吸入した子の10.5%、偽薬を吸入した子の19.4%が10日間のうちに発症しました[3]。試験ごとに対象や期間が違うため、薬どうしの優劣を比べる材料にはなりません。

副作用と、薬が効きにくいウイルス・異常行動の注意

オセルタミビルを42日間飲み続けた国内の予防試験(健康な成人が対象)では、155人中34人(21.9%)に副作用があり、多かったのは上腹部の痛みや下痢でした[1]。バロキサビルは、年齢の低い子どもで薬が効きにくいウイルス(低感受性株)が出やすいと添付文書が注意しています。

異常行動は、薬の有無や種類にかかわらず報告されています。厚生労働省は、自宅で療養する場合、薬の有無や種類によらず、少なくとも発熱から2日間は保護者等が転落などの事故を防ぐ対策をとるよう求めています[12]。転落を防ぐ具体的な対策は、子どものインフルエンザによる異常行動の記事で確認できます。

予防の薬を飲んでいる途中で発症したら

予防の途中で熱が出たときは、自己判断で薬を増やしたり続けたりせず、処方した医療機関に連絡します。発症後は治療の扱いになり、薬の使い方が変わることがあるためです。

注意

添付文書の条件から外れる使い方で重い副作用が出た場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外になる可能性があります。制度を運営するPMDA(医薬品医療機器総合機構・国の独立行政法人)は、「適正な使用」を添付文書に従った使用が基本としつつ、個別の事例は総合的に判断するとしています[13]。

受ける前に家族で確認したいこと|判断の手順と受診の目安

家族に症状が出てから48時間の中で、受けるかどうかを決めるには順番があります。先に「対象になりうる家族がいるか」を確かめ、次に受診の段取りを決めます。

家族がインフルエンザを発症してから、予防投与を受けるかを決めるまでの流れの図

確認する4つの順番

  1. 家族にインフルエンザの症状が出たのはいつか(48時間に間に合うかを判断する目安の時刻)
  2. 同居家族に65歳以上の人や持病のある人がいるか
  3. 予防を受ける本人が受診できるか
  4. 飲んでいる途中で発症したら、どこに連絡するか

3つ目は見落としやすい点です。医師法第20条は、医師が自ら診察しないで処方箋を出すことを禁じています[14]。子どもの受診のついでに家族の分だけ薬をもらうことはできず、予防を受ける本人の診察が要ります。

受けない場合も、家庭でできる対策がある

予防の薬の対象に当てはまらないときも、家庭での感染対策はできます。厚生労働省は、急性呼吸器感染症の予防として、手洗い、加湿器などで湿度50〜60%を保つこと、十分な休養とバランスのとれた栄養、流行時に人混みへ入るときの不織布マスク、室内のこまめな換気を挙げています[12]。親にうつる時期と家庭での対策は、子どものインフルエンザが親にうつる時期の記事で詳しく扱っています。

発症した子どもの休む期間は、子どものインフルエンザの隔離期間の記事で確認できます。

家族が発症したときの受診の目安3段階

別の家族も熱を出したときは、次の3段階で考えます。

段階家族の様子すること
1. 急ぐ呼吸が苦しそう、けいれんが続く、呼びかけへの反応がおかしいすぐに119番、または救急相談
2. 受診する熱があり、65歳以上や持病がある。または水分がとれない子ども診療時間内に受診する
3. 様子を見る水分がとれて眠れているが、受診するか迷う家で様子を見ながら相談する

救急車を呼ぶ目安は、消防庁の「救急車を上手に使いましょう~救急車 必要なのはどんなとき?~」(2025年10月発行)で確認できます。息切れ・呼吸困難、けいれんが止まらない、意識がない(返事がない)といった症状は、ためらわず救急車を呼ぶ症状として挙げられています。休日・夜間に迷ったら、子ども医療電話相談(#8000)も使えます[15]。

オンライン診療で相談できる内容

オンライン診療では、発症した子どもの体調や受診の目安を、自宅から医師に相談できます。小児科オンライン診療「あんよ」の公式サイトのQ&Aは、「お子様の日常的なお悩みから、緊急のお悩みまで、幅広く対応いたします」としています[16]。あんよで診察するのは、提携医療機関の医師です。

相談に向いているのは、次のような子どもについての悩みです。

  • 発症した子どもの熱や水分のとり方、様子の見方
  • きょうだいに熱が出たときに、受診を急ぐかどうか
  • 持病のある子どもの予防を、どこで相談すればよいか

予防の薬は、子どもでも大人でも、予防を受ける本人を診察した医師が処方するかを判断します。予防の薬を出しているかは医療機関によって異なり、あんよの公式サイトには予防の薬の処方についての記載はありません。親や祖父母の予防の薬は、その人自身が受診する医療機関で相談します。

小児科オンライン診療あんよの詳細はこちら

インフルエンザの予防投与についてよくある質問【FAQ】

子どもの熱の様子や受診の判断に迷ったら、小児科オンライン診療サービスあんよへ相談を検討してみてはいかがでしょうか。診療時間は6時から23時までのため、夕方以降や朝の早い時間にも、自宅から医師に相談できます。予約の窓口はLINEで、友だち追加をしてから予約する流れです。サービスの利用料は無料で、診察の費用(診療料)は健康保険と子ども医療費助成制度の対象です。お住まいの自治体の助成が使えるかは、事前に確認してください。

なお、診察の結果、医師の判断により処方できない場合もあります。呼吸が苦しそうなど急を要する様子のときは、119番を優先してください。

Q1. 家族が発症したら、全員が予防投与を受けたほうがよいですか?

添付文書の対象は、原則として同居家族のうち65歳以上や持病のある人です。全員に勧められているわけではなく、受けるかどうかは一人ずつ医師が判断します。

Q2. 子どもの予防には、どの薬が使われますか?

体重・年齢・吸入ができるかで変わります。ドライシロップのオセルタミビルには子ども向けの予防の使い方があり、バロキサビルは12歳未満だと体重20kg以上に限られます。量と薬の種類は医師が決めます。

Q3. 予防の薬を使ったら、インフルエンザにかかりませんか?

かからないとは言えません。試験でも薬を使った人の中に発症した人がいます。飲み終わった後は予防の効果が続かないため、手洗いや換気などの対策は続けます。

Q4. 受験や仕事のために、家族の発症がなくても予防の薬をもらえますか?

添付文書の対象は、発症した人の同居家族や共同生活者です。それ以外の目的で使うと、重い副作用が出たときに医薬品副作用被害救済制度の対象外になる可能性があります。医師とよく相談してください。

Q5. 鼻に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンを受けた後でも、予防の薬を飲めますか?

オセルタミビルの添付文書は、経鼻の生ワクチンとの併用に注意が必要で、ワクチンの効果が得られないおそれがあるとしています[1]。接種した時期を医師に伝えてください。

Q6. 子どもの予防の薬に、子ども医療費助成は使えますか?

助成は保険診療の自己負担分が対象で、自費の予防の薬には使えないと考えられます。予防目的の処方を名指しした自治体の記載は見つかっていないため、お住まいの自治体の窓口で確認してください。

Q7. 家族が発症した後、子どもの様子で受診を急ぐのはどんなときですか?

呼吸が苦しそう、けいれんが続く、呼びかけへの反応がおかしいときは、すぐに119番か救急相談をしてください。水分がとれない子どもは、診療時間内の受診が目安です。休日・夜間に迷ったら、子ども医療電話相談(#8000)も使えます。

【まとめ】インフルエンザの予防投与は、対象・期限・費用を医師と確かめてから決める

この記事のまとめ
  1. 対象は原則、発症した人の同居家族のうち65歳以上や持病のある人。子どもであることだけでは対象に入らない
  2. 始めるのは、発症した家族と接触してから48時間以内が目安(ザナミビルは36時間)。効果が確かめられているのは使い始めてからおおむね10日間までで、ワクチンの代わりにはならない
  3. 保険は効かず自費。薬の代金は薬価で見ると大人1人でおよそ1,200〜9,800円で、診察料と調剤の費用が家族1人ごとに加わる。子ども医療費助成も使えないと考えられる
  4. 薬は4種類で、1回で終わる薬と10日間続ける薬がある。子どもは体重・年齢・吸入ができるかで使える薬が変わる

今夜できるのは、同居家族に対象になりうる人がいるかを確かめ、受診先に「家族の分も診てもらえるか」と「総額」を聞く準備をすることです。


最終更新:2026年9月28日

参考資料

  1. オセルタミビル(カプセル)の添付文書(2024年10月改訂 第2版)|https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00050037.pdf ↩
  2. 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/influenza/index.html ↩
  3. ラニナミビル(吸入薬)の添付文書(KEGG MEDICUS・2024年10月改訂)|https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058821 ↩
  4. バロキサビル 添付文書(KEGG MEDICUS・2026年9月改訂 第7版)|https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067755 ↩
  5. ザナミビル 添付文書(KEGG MEDICUS・2025年6月改訂)|https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00046544 ↩
  6. 厚生労働省 薬価基準収載品目と後発医薬品に関する情報(2026年8月13日適用)|https://www.mhlw.go.jp/topics/2026/04/tp20260401-01.html ↩
  7. 目黒区「子ども医療費助成制度とは」(2025年2月10日更新)|https://www.city.meguro.tokyo.jp/kosodateshien/kosodatekyouiku/kosodate/toha.html ↩
  8. 北九州市「子どもの医療費を助成します」(2026年7月8日更新)|https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/11700129.html ↩
  9. オセルタミビル(ドライシロップ)の添付文書(KEGG MEDICUS・2024年10月改訂)|https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00050038 ↩
  10. 塩野義製薬のお知らせ(2025年11月12日)|https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2025/11/20251112.html ↩
  11. 日本感染症学会「バロキサビル マルボキシルの使用についての新たな提言」(2023年3月)|https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=52 ↩
  12. 厚生労働省「令和7年度 ARI総合対策に関するQ&A」|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2025.html ↩
  13. PMDA 医薬品副作用被害救済制度Q&A「適正な使用」|https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0034.html ↩
  14. e-Gov法令検索「医師法」|https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201 ↩
  15. 厚生労働省「子どもの症状は#8000」子ども医療電話相談事業|https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/8000.html ↩
  16. あんよ 公式サイト|https://www.annyo.jp/ ↩
  17. 消防庁「救急車を上手に使いましょう~救急車 必要なのはどんなとき?~」(2025年10月発行)|https://www.fdma.go.jp/publication/portal/items/portal002_japanese.pdf