子どもの熱せん妄による異常行動の原因と脳症との見分け方・対処法

子どもの熱せん妄による異常行動の原因と脳症との見分け方・対処法

高熱のお子さんに「意味不明なことを叫ぶ」等の異常行動が起きていませんか?

これらは多くの場合、「熱せん妄(ねつせんもう)」と呼ばれる一時的な症状です。

まずは深呼吸をして落ち着きましょう。 

通常は一時的ですが、稀に重篤な脳症の恐れもあるため、慎重に観察することが非常に重要です。 

この記事のポイント
  • 熱せん妄は高熱時に見られる一時的な異常行動
  • 数分で正気に戻れば熱せん妄、意識障害が長引く場合は脳症の疑い
  • 転落を防ぎ側で見守る、無理に抑えず反応を確認し、15分以上の持続や視線が合わない時は至急受診を

異常行動の原因や正しい対処法、危険なサインの見分け方について分かりやすく解説します。

目次

高熱時の異常行動の原因は?熱せん妄と脳症・脳炎の2つ

異常行動の原因は「熱せん妄」と「脳症・脳炎」の2つがあり、緊急度は大きく異なります。 

どちらも脳への影響ですが、性質の違いを正しく理解しておくことが非常に重要です。 

お子さんの症状がどちらに当てはまるか、特徴を比較して冷静に判断しましょう。

比較項目熱せん妄(経過観察の目安)脳症・脳炎(至急受診の目安)
意識の状態ぼーっとしているが、パパやママの呼びかけに反応がある呼びかけに全く反応しない、意識がない、視線が合わない
持続時間数分〜数十分(30分以内)でおさまることが多い30分以上など、長時間にわたって異常が続く
症状の繰り返し1〜2回程度で落ち着くことが一般的短い間隔で何度も繰り返したり、悪化したりする
けいれんけいれんを伴わないことが多い5分以上の長いけいれんや、繰り返すけいれんがある
判断の基準まずは安全を確保し、落ち着いて様子を見守る迷わず救急外来を受診、または救急車を呼ぶ

今の様子が熱せん妄か緊急サインか見極めるため、比較表を参考にしてください。 

経過観察でよいか至急受診が必要かを判断し、お子さんの安全をしっかり守りましょう。

まずはこれを確認!救急車・病院へ行くべき熱せん妄の「危険なサイン」

様子が明らかにおかしい時は脳にダメージがある恐れがあり、一刻を争う事態です。 

長引くけいれんや意識障害がある場合は、迷わず救急車を呼び至急受診してください。

日本小児神経学会のマニュアルにおいても、けいれんが長引く場合や意識障害がある場合は、迷わず救急車を呼ぶべき緊急事態と定義されています。 

救急対応が必要な危険なサイン
  • 呼びかけに全く反応しないか意識がない状態が続いている
  • けいれんが5分以上続いている
  • けいれんが止まっても意識が戻らない
  • 呼吸が浅かったり不規則だったりと明らかに異常である
  • 顔色が青白かったり土気色だったりと明らかに悪い

焦らずチェック!熱せん妄と危険な脳症・脳炎の違い

様子がおかしい時は、継続時間や呼びかけへの反応を必ずチェックしてください。

日本小児神経学会のガイドラインでは、熱せん妄を「高熱時の一過性の意識変容」と定義しており、脳症や脳炎とは明確に区別しています。

同ガイドラインで示されている、家庭で見極めるための重要なポイントは以下の通りです。

チェック項目熱せん妄(様子見可)脳症・脳炎(要受診)
持続時間数分〜数十分でおさまる30分以上など長時間続く
意識状態ぼーっとしているが反応は残っている意識がないまたは反応が乏しい
親の認識親のことがわかる瞬間がある短い間隔で何度も繰り返したり、悪化したりする
反復1〜2回で終わることが多い親のことが全くわからない

30分以上の継続や繰り返す症状、意識障害があれば至急受診しましょう。 

病院での精密検査が必要なため、家庭ではこれら緊急サインを優先して確認してください。

子どもの熱せん妄でよく見られる具体的な症状

高熱で脳が一時的に混乱し、普段とは違う言動が見られます。 

多くは熱が下がると落ち着くため、まずは冷静に見守りましょう。

幻視や意味不明な言動の特徴

いないものが見えたり、突然大きな声で叫んだりします。 

支離滅裂な話をすることもありますが、脳の一時的な混乱です。 

驚かれると思いますが、お子さんの安全を確保して付き添いましょう。

突然走り出すなどの異常行動

急に外へ飛び出そうとするなど、危険な行動をとる場合があります。 

怪我を防ぐため、窓やドアを施錠し目を離さないようにしてください。 

熱が下がるにつれて、このような様子も次第に収まっていきます。

お子さんを熱せん妄の異常行動から守るための環境づくりと接し方

熱せん妄による異常行動が見られたら、何より安全の確保が最優先です。

転落や脱走を防ぐため、窓や玄関を施錠し、なるべく低い布団で寝かせてあげてください。

接する際は、お子さんの言動を否定せず、「そうだね」と優しく共感するのがポイントです。無理に押さえつけたりせず、落ち着くまで静かに寄り添って見守ってあげましょう。

異常行動から守るための環境づくり

窓や玄関を施錠し、ベランダからの転落や事故を未然に防ぎましょう。 

床に物を置かないなど、怪我をしないための配慮も非常に重要です。 

お子さんがどこかへ飛び出さないよう、家全体で安全を確保してください。

お子さんを守るための接し方

症状を無理に止めることはできないため、落ち着くまで側にいてください。 

叱らずに優しい声で呼びかけ、お子さんを安心させてあげましょう。 

まずはパパやママが冷静になり、安全な場所で静かに見守りましょう。

熱せん妄になりやすい原因と年齢層

熱せん妄は子どもの発熱時に起こりやすい、一時的な脳の混乱です。 

特徴や原因を正しく知ることで、焦らずにお子様をサポートできます。

熱せん妄が起こりやすい原因

未発達な脳が急激な熱の上昇に対応できず、一時的に混乱して起こります。 

インフルエンザ等の高熱時によく見られますが、多くの場合は一過性の症状です。 

脳の成長とともに見られなくなるため、過度に心配しすぎる必要はありません。

多く見られる年齢層

主に1歳から小学校低学年くらいまでのお子様に多く見られるのが特徴です。 

もし夜間などで受診の判断に迷う際は、小児科オンライン診療「あんよ」を活用するのも一つの方法です。

【Q&A】子どもの熱せん妄にまつわる疑問を解消!

一度なると熱が出るたびに起こりますか?

必ずしも毎回起きるとは限りませんが、体質的になりやすい傾向のお子さんもいます。

解熱剤を使えば症状は治まりますか? 

解熱剤を使って熱が下がっても、異常行動や幻覚がすぐに止まるとは限りません。

成長すれば治りますか? 

成長とともに脳が発達すれば自然と起きなくなるため落ち着いて対応しましょう。

後遺症はありますか? 

熱せん妄そのものが脳に長期的な後遺症を残すことは、通常考えにくいとされています。

急な異常行動に驚かないために子どもの熱せん妄への対処とオンライン診療の活用を!

熱せん妄は脳の一時的な混乱です。

窓の施錠や床への移動など、まずは安全確保を最優先してください。 

反応がない、5分以上のけいれん等の危険なサインがある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 

この記事のまとめ
  • 熱せん妄は一時的な脳の混乱、まずは窓の施錠など、お子さんの安全確保を最優先
  • 反応がない、または5分以上のけいれんがある場合は、迷わずすぐに医療機関を受診

判断に迷う夜間や休日は、6時から23時まで受診できる小児科オンライン診療あんよが便利です。 

LINEで予約し自宅で診察を受けられるため、翌朝にかかりつけ医へ相談する際も状況を伝えやすくなります。

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