寝ている赤ちゃんの顔を覗き込んだとき、お口がぽかんと開いていてドキッとしたことはありませんか。
「鼻が詰まっているのかな?」「歯並びに影響しないかな?」と、つい不安になってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、赤ちゃんが口を開けて寝る主な原因5つと、月齢別の見極めポイント、家庭でできる対処法、受診の目安までをわかりやすく解説します。
「すぐに病院へ行くべきかどうか」の判断ポイントもまとめましたので、慌てずにお子さんの様子を確認してみてくださいね。
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本記事は一般的な医学情報の解説を目的としており、個別の診断・治療を指示するものではありません。最終的な判断は医師にご相談ください。
すぐに相談したい目安|赤ちゃんが口を開けて寝るときのチェック項目
赤ちゃんが口を開けて寝ている場合、まずは落ち着いて受診の必要があるかを見極めることが大切です。

下の項目に1つでも当てはまる場合は、呼吸や発達への影響が心配されるため、早めの相談をおすすめします。
| 緊急度 | チェック項目 |
|---|---|
| すぐ受診 | 唇や顔色が青白い/呼吸が10秒以上止まる |
| 強いいびきと一緒に胸がへこむような呼吸をしている | |
| 高熱があり、ぐったりして母乳・ミルクの量が大きく減っている | |
| 翌日受診 | 鼻水・鼻づまりが1週間以上続いている |
| いびきや無呼吸が毎晩続いている | |
| 様子見可 | 機嫌よく授乳もでき、寝ているときだけ口がたまに開いている |
呼吸が苦しそうな様子や顔色の変化があるときは、夜間や休日でも小児救急電話相談(#8000)に連絡するか、救急外来の受診を検討してください。
判断に迷う場合は、自宅から相談できるオンライン診療を利用するのも選択肢の一つですよ。

赤ちゃんが口を開けて寝る主な原因5つ
赤ちゃんが口を開けて寝る原因はさまざまですが、よく見られるのは下記の5つです。
それぞれの特徴をおさえておくと、お子さんの様子と照らし合わせて落ち着いて対応しやすくなります。
| 主な原因 | 特徴 | 緊急度の目安 |
|---|---|---|
| 鼻づまり・アレルギー性鼻炎 | 鼻息が荒い/鼻水が多い | 中 |
| 口周りの筋肉の発達途中 | 月齢が低い/一時的に開いている | 低 |
| アデノイド・扁桃の肥大 | 強いいびき・無呼吸が続く | 中〜高 |
| 抱っこや寝かせ方の姿勢 | 首が反った状態が続いている | 低〜中 |
| 口腔機能発達不全症 | 1歳半以降も常時お口が開いている | 中 |
鼻づまり・アレルギー性鼻炎で鼻呼吸ができない場合
赤ちゃんの鼻の通り道はとても細く、少しの鼻水でも詰まりやすい特徴があります。
大阪小児科医会の解説でも、新生児は鼻呼吸が中心のため、鼻が詰まると口で代わりに息をするようになると説明されています。
- 風邪やウイルス感染による粘膜の腫れ
- 室内の乾燥や冷房による粘膜の負担
- ホコリ・ダニ・花粉などのアレルゲン
- 母乳やミルクの吐き戻しによる一時的な鼻づまり
鼻づまりがおさまれば自然に口を閉じて寝られるようになることが多いため、まずは加湿や鼻水ケアを試してみましょう。

口周りの筋肉や舌が発達している途中の場合
生まれたばかりの赤ちゃんは、口を閉じる筋肉や舌の位置がまだ発達途中です。
日本歯科医学会の口腔機能発達不全症の考え方でも、お口の機能は哺乳から離乳食、咀嚼へと段階的に育っていくことが示されています。
この時期に一時的に口が開くのは自然な発達過程の一部と考えられています。
ただし、月齢が進んでも常に口が開いたままの場合は、後で紹介する家庭での対応や受診を検討しましょう。
アデノイド・扁桃の肥大で気道が狭くなっている場合
アデノイドや扁桃は、のどの奥にある免疫機能に関わる組織です。
国立成育医療研究センターによると、アデノイド・扁桃の肥大は2〜5歳でピークを迎え、7〜8歳頃から徐々に小さくなるとされています。
肥大して気道が狭くなると、鼻呼吸が苦しくなり口を開けて寝る原因になることがあります。
- 大人顔負けの強いいびきが毎晩続く
- 息が数秒間止まったように見える瞬間がある
- 寝ているときに胸がへこむような呼吸をする
- 寝相が悪く、よく寝返りをうつ
これらが見られる場合は、小児の睡眠時無呼吸が隠れていることもあるため、耳鼻咽喉科や小児科への相談をおすすめします。
抱っこや寝かせ方の姿勢が原因の場合
赤ちゃんの首が後ろに反った状態が続くと、口が開きやすくなることが知られています。
首がしっかりすわる前は、首から背中にかけて緩やかなCカーブを描く姿勢で支えてあげると、口が閉じやすい状態を保ちやすくなります。
- おでこ・あご・おへそが一直線になる横抱きを意識する
- 首からおしりにかけて緩やかなCカーブになるよう支える
- 縦抱きは首がすわってから、密着するように抱く
- 寝かせるときは仰向けで、頭が後ろにのけぞらないように整える
正しい姿勢を意識するだけで、口を閉じて呼吸できる時間が増えるお子さんも多いですよ。
口腔機能発達不全症(口唇閉鎖不全)の可能性がある場合
日本歯科医学会の「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方(令和6年版)」では、お口を閉じる力が弱く、唇が常に開いている状態を「口唇閉鎖不全」と呼んでいます。
口腔機能発達不全症は、咀嚼・嚥下・呼吸などお口の機能の発達がうまく進んでいない状態を指し、複数の項目にあてはまる場合に診断される考え方です。
1歳半を過ぎても起きているときも寝ているときも口が常に開いたままの場合は、念のため小児歯科や小児科で相談してみましょう。
月齢別の見極めポイント|赤ちゃんが口を開けて寝る場合の考え方
「うちの月齢では大丈夫?」と迷ったときに参考になるよう、年齢段階別の見極めポイントを整理しました。
| 月齢・年齢 | よくある状態 | 受診を検討する目安 |
|---|---|---|
| 新生児〜生後3か月 | 鼻呼吸が中心で、ときどき口が開く | 顔色の変化・無呼吸・授乳量の低下 |
| 生後4〜6か月 | 一時的な口呼吸が見られる時期 | 鼻づまりが1週間以上続く |
| 生後7〜12か月 | 離乳食開始で口の使い方が変化 | 強いいびき・毎晩続く無呼吸 |
| 1歳〜1歳半 | 鼻呼吸が安定する時期 | 起きている時も常に口が開いている |
| 1歳半以降 | 常時の口呼吸は注意が必要な時期 | 口腔機能発達不全症の相談を検討 |
新生児〜生後3か月の場合
大阪小児科医会の解説でも、新生児期は鼻呼吸が中心と紹介されています。
鼻づまりがあると口呼吸に切り替わりますが、鼻水ケアで改善することが多い時期です。
生後4〜6か月の場合
口周りの筋肉が発達していく途中の時期です。
寝ているときだけ一時的に口が開くのは自然なことが多いものの、いびきが強い場合は耳鼻咽喉科で相談しましょう。
生後7か月〜1歳半の場合
離乳食の進行とともに、噛む・飲み込む・口を閉じるといった機能が育っていきます。
この時期に常時お口が開いている場合は、姿勢や鼻づまり、アデノイドの可能性も含めて確認しておきたい時期です。
1歳半以降の場合
日本歯科医学会の考え方では、離乳完了後にお口が常に開いている状態が続く場合、口腔機能発達不全症の評価対象になるとされています。
歯並びや顎の発達への影響を防ぐためにも、早めに小児歯科や小児科に相談しましょう。
赤ちゃんが口を開けて寝るときに気をつけたい健康への影響
口を開けて寝る状態が長く続くと、お口の健康や呼吸の質に影響が出ることがあります。

むし歯や口臭につながりやすい
口呼吸が続くとお口の中が乾燥し、唾液の働きが低下します。
唾液には細菌を洗い流す自浄作用や抗菌作用があるため、乾燥するとむし歯や口臭の原因になりやすいとされています。
歯並びや顎の発達への影響
口呼吸が続くと舌の位置が下がり、上あごの発育が十分に進みにくくなることがあります。
その結果、出っ歯や歯のすき間(開咬)などの歯並びの乱れにつながる可能性があると考えられています。
睡眠の質や呼吸への影響
国立成育医療研究センターでは、小児の睡眠時無呼吸の原因として、アデノイド・扁桃肥大が最も多いと説明されています。
毎晩の強いいびきや無呼吸は、成長や日中の様子にも影響することがあるため、気になる場合は耳鼻咽喉科や小児科への相談を検討しましょう。
家庭でできる赤ちゃんの口呼吸ケアと予防の工夫
病院に行くまでの間や、軽度な場合のケアとして、家庭で取り組める工夫を整理しました。
| 取り組み | 期待できる効果 |
|---|---|
| 部屋の湿度を50〜60%に保つ | 鼻粘膜の乾燥を防ぎ、鼻づまりを和らげる |
| こまめな鼻水ケア | 鼻呼吸をしやすい状態に整える |
| 抱っこと寝かせ方の見直し | 口が閉じやすい姿勢を維持する |
| 月齢に合わせた離乳食の固さ | 口を閉じて噛む力を育てる |
| 仰向け寝の習慣化 | 気道の確保と口閉じを助ける |
鼻づまりの家庭ケア
大阪小児科医会の解説では、入浴で鼻水をやわらげてから鼻吸い器で優しく吸引する方法が紹介されています。
吸引は片方の鼻ずつ短時間で行い、粘膜を傷つけないよう注意しましょう。
抱っこ・寝かせ方の工夫
首が後ろに反らない姿勢を意識し、Cカーブを保つように支えてあげると、口が閉じやすい呼吸の習慣が育ちやすくなります。
寝かせるときも、頭がのけぞらないようにタオルなどで角度を整えてあげると安心ですよ。
月齢が進んだら口を使う遊びを取り入れる
3歳ごろからは、口を大きく動かす遊びを取り入れる方法もあります。
「いないいないばあ」や「にらめっこ」など、表情を大きく動かす遊びも口周りの筋肉を育てる助けになります。
やってはいけないNG行動
良かれと思った対応が、逆効果になってしまうこともあります。
| NG行動 | 理由 |
|---|---|
| 寝ている赤ちゃんの口を手で押さえる | 呼吸が苦しくなり危険 |
| 大人用の点鼻薬を流用する | 月齢に合わず副作用のおそれ |
| うつぶせ寝でいびきを軽減しようとする | 乳幼児突然死症候群のリスクが上がる |
| 自己判断で口にテープを貼る | 嘔吐や窒息のおそれがある |
| 鼻吸引を長時間続ける | 粘膜を傷つけ、出血の原因になる |
こども家庭庁も、寝かせるときは仰向けが望ましいと案内しています。
正しい対応がわからない場合は、自己判断せず医療機関へ相談しましょう。
何科を受診すべき?|赤ちゃんが口を開けて寝るときの受診先の選び方
「どこに相談すればよいか」迷ったときは、症状にあわせて受診先を選びましょう。
| 受診先 | 相談に向くケース |
|---|---|
| 小児科 | 鼻づまり・発熱・全身の様子の変化・判断に迷うとき |
| 耳鼻咽喉科 | 強いいびき・無呼吸・アデノイドや扁桃肥大が疑われるとき |
| 小児歯科 | 1歳半以降の常時の口呼吸・口腔機能発達不全症の相談 |
迷ったときは、まず小児科に相談するのが安心です。
必要に応じて耳鼻咽喉科や小児歯科への紹介を受けられることもありますよ。
赤ちゃんが口を開けて寝るのに関するよくある質問【FAQ】
- 赤ちゃんが口を開けて寝るのは、いつまで様子を見ても大丈夫ですか?
-
新生児〜生後6か月頃まで、寝ているときに一時的に口が開くのは自然なことが多いとされています。
ただし、毎晩のいびきや無呼吸がある場合や、1歳半を過ぎても常に口が開いたままの場合は、早めの相談をおすすめします。
- いびきがうるさい場合は病院に行ったほうがよいですか?
-
毎晩のように強いいびきが続いたり、息が止まる様子がある場合は、小児の睡眠時無呼吸の可能性も考えられます。
国立成育医療研究センターでも、アデノイド・扁桃肥大が小児の睡眠時無呼吸の主な原因と説明されているため、耳鼻咽喉科や小児科へ相談してください。
- 口にテープを貼って閉じさせてもよいですか?
-
赤ちゃんに口テープを使うのはおすすめできません。
吐き戻しによる窒息や肌トラブルのおそれがあるため、根本の原因を見つけて整えてあげることが大切です。
- 鼻づまりがあるけれど、何度も鼻吸引をしても大丈夫ですか?
-
吸引は粘膜を傷つけることがあるため、片方ずつ数秒で切り上げ、回数も控えめにしましょう。
入浴後など鼻水がやわらかいタイミングで行うと効果的とされています。
- 保育園に行っても大丈夫ですか?
-
口を開けて寝ること自体は感染症ではないため、登園を制限される病気ではありません。
ただし発熱や強い鼻づまり、機嫌の悪さがある場合は、原因を確認するために受診を優先しましょう。
【まとめ】赤ちゃんが口を開けて寝るのは月齢初期では自然|長く続くなら早めの相談がおすすめ
赤ちゃんが口を開けて寝るのは、月齢初期では自然な姿のこともあれば、鼻づまりやアデノイド肥大などのサインが隠れていることもあります。
- 赤ちゃんが口を開けて寝る主な原因は、鼻づまり・筋肉の発達途中・アデノイド肥大・姿勢・口腔機能発達不全症の5つ
- 月齢別の見極めポイントを把握し、1歳半以降も続く場合は早めに相談する
- 強いいびきや無呼吸がある場合は耳鼻咽喉科や小児科への受診を検討する
- 加湿・鼻水ケア・正しい抱っこ姿勢など家庭でできる工夫を取り入れる
- 口テープやうつぶせ寝など自己流の対応は避け、医療機関に相談する
夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。
最終的な判断は医師に相談してください。

