生後5〜6か月を過ぎたあたりから「そろそろお座りができてもいい頃かな」と、お子さんの様子をついつい観察してしまうことはありませんか。
「同じ月齢の子はもう座れているのに、うちの子はまだ」「早すぎる練習で腰に負担はかからない?」「そもそも練習って必要なの?」と、不安や疑問を抱える親御さんから多くのご相談をいただきます。
この記事では、厚生労働省や世界保健機関(WHO)の公的データをもとに、赤ちゃんのお座りが始まる一般的な時期、4つの発達ステップ、家庭でできる関わり方、注意したい安全対策、受診を検討する目安までを整理しました。
読み終えた頃には「うちの子は今どの段階で、どう関わってあげればよいか」が見えるようになるはずですので、お子さんの今の姿を思い浮かべながら読んでみてくださいね。
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本記事は一般的な医学情報の解説を目的としており、個別の診断・治療を指示するものではありません。最終的な判断は医師にご相談ください。
赤ちゃんのお座りはいつから?厚生労働省データで見る一般的な月齢
赤ちゃんのお座りは、生後6〜7か月頃から見られはじめ、9〜10か月頃には9割以上の赤ちゃんができるようになるとされています。
ここで言う「お座り」は、医学的には「ひとりすわり」と呼ばれ、厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査」では「おおむね1分以上、両手を床につかずに支えなしで座っていられる状態」と定義されています。
厚生労働省データが示すお座りの月齢別達成率
厚生労働省の調査結果による「ひとりすわり」の月齢別通過率は、次のとおりです。
| 月齢 | ひとりすわりができる割合 |
|---|---|
| 生後5〜6か月未満 | 7.7% |
| 生後6〜7か月未満 | 33.6% |
| 生後7〜8か月未満 | 68.1% |
| 生後8〜9か月未満 | 86.3% |
| 生後9〜10か月未満 | 96.1% |
| 生後10〜11か月未満 | 97.5% |
データを見ると、生後7か月台で半数以上、生後9〜10か月で9割以上が達成しています。
つまり、生後6〜8か月の時点で「まだ座れない」というのは、ごく一般的な発達の範囲内と考えられます。
WHO・CDCの国際基準と比べてどう違うか
世界保健機関(WHO)が公開する乳児の運動発達中央値では、支えなしでお座りができるようになる月齢の中央値は5.9か月、99パーセンタイルでも9.2か月とされています。
一方、米国疾病予防管理センター(CDC)は「9か月時点で75%の赤ちゃんが支えなしで座れる」を一つの目安としています。
国によって判定基準や対象が異なるため、月齢に多少の差は出ますが、いずれも「9〜10か月までに大多数が達成する」という大枠は共通しています。
「お座り」と「腰すわり」は同じ意味か
母子健康手帳や健診の場では「お座り」と「腰すわり」という言葉が使われることがあります。
どちらも基本的には同じ動作を指し、「自分の体を支えてひとりで座れる状態」と理解して差し支えありません。
赤ちゃんのお座りに至るまでの4つの発達ステップ
お座りは突然できるようになるわけではなく、首すわりや寝返りを経て、少しずつ体幹が育つことで完成していきます。

MSDマニュアルプロフェッショナル版や厚生労働省の発育データを踏まえると、お座りは大きく4つの段階で発達していきます。
| 段階 | 月齢の目安 | できるようになることの目安 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 生後5〜6か月頃 | 大人が支えてあげると座っていられる |
| ステップ2 | 生後6〜7か月頃 | 両手を前についた「三脚座り」ができる |
| ステップ3 | 生後7〜8か月頃 | 両手を離して短時間ひとりで座れる |
| ステップ4 | 生後8〜9か月頃 | 体勢を立て直しながら安定して座り続けられる |
ステップ1|支えありで座れる(生後5〜6か月頃)
首がしっかりすわってくると、大人がお腹や腰を支えてあげれば座位を保てるようになります。
この時期はまだ背中が丸まりやすく、長時間の座位は体に負担がかかるため、数分程度を目安にしてあげましょう。
ステップ2|両手を前について座れる(生後6〜7か月頃)
両手を前について「三脚」のような姿勢で短時間自分の体を支えられるようになります。
ただし、まだ重心が前後左右に揺れやすく、ふいにバランスを崩して倒れることが多い段階です。
ステップ3|両手を離して座れる(生後7〜8か月頃)
両手を床から離して、数十秒から1分程度ひとりで座っていられるようになります。
ここから先は手で物を持ったり、体をひねって周りを見たりと、座位での遊びがぐっと広がります。
ステップ4|安定したお座りができる(生後8〜9か月頃)
体勢を崩しても自分で姿勢を立て直せるようになり、座ったまま長く遊べる安定したお座りに到達します。
厚生労働省の「ひとりすわり」の基準を満たすのもこの頃が中心です。

赤ちゃんがお座りを始めるサインと前兆
「そろそろお座りができそうかも」と気づくきっかけになる、代表的なサインがあります。
複数のサインが重なってきたら、座位での遊びを少しずつ取り入れてあげるとよいでしょう。
- 首がしっかりすわり、抱っこで頭がぐらつかなくなった
- 寝返りができるようになり、自分で体を動かせる
- うつ伏せで頭と胸を持ち上げ続けられる
- 抱っこすると、自分から体をまっすぐ起こそうとする
これらは体幹の筋肉や平衡感覚が育ってきているサインで、お座りの土台が整いつつあると考えられます。
赤ちゃんのお座りを無理なく支える3つの関わり方

小児科オンラインジャーナルの医師解説でも触れられているとおり、お座りには特別な練習は必要ありません。
自由に体を動かせる環境を整え、日々の遊びの中で体幹を使う機会を増やしてあげることが大切です。
関わり方1|うつ伏せ遊びで体幹を育てる
うつ伏せの姿勢は、首・背中・お腹の筋肉をバランスよく使う動きです。
機嫌のよい時間に、大人が見守りながら短時間のうつ伏せ遊びを取り入れることで、お座りに必要な体幹の力が自然に育ちます。
関わり方2|大人が後ろから支えて座る時間をつくる
赤ちゃんを大人の足の間や胸の前に座らせ、後ろから腰や脇腹を支えてあげると、座位の感覚を安全に体験できます。
絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりしながら数分ずつ行うのがおすすめです。
関わり方3|興味を引くおもちゃで自然に姿勢を保つ
正面や少し離れた場所にお気に入りのおもちゃを置くと、赤ちゃんが自分から手を伸ばそうとして体を起こそうとします。
無理にお座りの姿勢を取らせるのではなく、「自分で座ろうとする」きっかけを生活の中につくってあげるイメージです。
赤ちゃんのお座り期に気をつけたい安全対策
座位ができるようになると同時に、転倒や転落の危険も一気に増えます。
消費者庁の調査では、入院を要する子どもの事故のうち最も多いのが「転落」で、全体の32.8%を占めています。
さらに、0歳児の転落事故では「ベッド」が最も多い原因として報告されています。
| 場面 | 起こりやすい事故 | 家庭での備え方 |
|---|---|---|
| 大人用ベッド・ソファ | 寝返り・お座りからの転落 | 床にマットを敷いたスペースで遊ばせる |
| ハイチェア・補助いす | 立ち上がり・滑り落ち | 床の上で短時間、必ずベルトを使用し、上で立たせない |
| おむつ交換台 | 寝返りからの転落 | ベルト固定と、必ず手を添える習慣を |
| リビング全般 | 誤飲・家具への頭部打撲 | 小物の撤去、家具の角にコーナーガードを設置 |
特に、赤ちゃんを座らせるための補助いすについては、消費者庁が「ベッドやテーブルの上などの高い場所では使わず、床の上で短時間使用する」よう繰り返し注意喚起しています。
「少しの間だから」「すぐ戻るから」という油断が、転落事故につながりやすい時期だと意識して環境を整えてあげましょう。

赤ちゃんのお座りとハイハイ、どちらが先?
お座りとハイハイの順番は、必ずしも「お座りが先」と決まっているわけではありません。
ハイハイのほうが先に始まる赤ちゃんもいれば、お座りとハイハイが同時期に進む赤ちゃんもいます。
厚生労働省の調査でも「ひとりすわり」と「はいはい」はどちらも生後9〜10か月で9割前後が達成しており、順序より「両方が順調に進んでいるか」を見るほうが大切だと考えられます。
順番の前後よりも、「興味のあるものに向かって自分から動こうとしているか」「両手・両足を左右バランスよく使えているか」を確認してあげてくださいね。
早産で生まれた赤ちゃんのお座り|修正月齢で見るのが基本
早産で生まれた赤ちゃんの発達は、出産予定日を基準にした「修正月齢」で考えるのが基本です。
たとえば2か月早く生まれた赤ちゃんが生後8か月になった場合、修正月齢では6か月となり、お座りの目安も修正月齢に合わせて見守ってあげます。
国立成育医療研究センターの報告でも、運動発達には季節や個人差が大きく影響すると示されており、特に早産児の場合は2歳頃まで修正月齢で評価することが一般的です。
健診や受診の際は、出産時の在胎週数を医師に伝えると、より正確な発達評価につながります。
赤ちゃんのお座りが遅いと感じたら|受診を検討する目安
お座りには大きな個人差があるため、月齢だけで「遅い・早い」を判断する必要はありません。
ただし、以下のような様子が見られる場合は、自治体の乳幼児健康診査やかかりつけの小児科で一度相談することをおすすめします。
- 生後10か月を過ぎても、支えなしで全く座れない
- 体を支える力に左右差があり、いつも同じ方向に倒れる
- 抱っこやうつ伏せでも、首や体がぐったりと柔らかく感じる
- 手をぎゅっと握ったままで、開いたりおもちゃをつかんだりしない
- 表情の変化が乏しく、呼びかけへの反応が弱い
特に9〜11か月の時期は、こども家庭庁の方針により全国の自治体で乳幼児健診が行われています。
健診の場でお座りやハイハイの状況を確認してもらえるので、心配なことは遠慮なく医師や保健師に伝えてみてくださいね。
赤ちゃんのお座りに関するよくある質問
- 生後4か月の赤ちゃんがもう座りたがります。早すぎませんか?
-
無理に座らせなければ、本人が座位を試そうとする動き自体は心配いりません。
ただし、生後4か月頃はまだ首や背中の筋肉が十分に育っていないことが多いため、長時間の座位は避け、大人が支えながら数十秒程度にとどめてあげるのが安心です。
- 生後8か月になっても、まだ支えなしで座れません。発達が遅れているのでしょうか?
-
厚生労働省のデータでは、生後8〜9か月で約86%が「ひとりすわり」を達成しています。
裏を返せば、生後8か月時点ではまだ達成していない赤ちゃんも一定数いるということです。首すわりや寝返り、うつ伏せの様子に問題がなければ、もう少し見守ってあげても大丈夫と考えられます。
- お座りの練習に、いわゆる赤ちゃん用の補助いすを使ってもよいですか?
-
公的に「使用禁止」とされている製品はありませんが、消費者庁からは座位補助具やハイチェアからの転落事故が繰り返し報告されています。
使う場合は、必ず床の上で、ベルトを正しく装着し、短時間・大人の見守りの中で利用するようにしてください。
- ハイハイをせずにお座りばかりするのですが、問題ありますか?
-
ハイハイをあまりせずにつかまり立ちや歩行へ進む赤ちゃんもいます。
厚生労働省の調査でも順序には個人差があるとされており、ほかの発達が順調であれば過度に心配する必要はないと考えられます。
- 早く座れるようになると、頭がよくなる・運動神経が伸びるって本当ですか?
-
お座りが早いことと、知能や運動能力の長期的な発達との関連を示す明確な根拠はないとされています。
発達のスピードよりも、楽しく体を動かせる環境を整え、安心して過ごせる関わりを続けてあげることのほうが大切と考えられています。
【まとめ】赤ちゃんのお座りは生後7か月頃から徐々に始まる|焦らず見守りつつ安全な環境を整えよう
赤ちゃんのお座りは、生後5〜6か月頃から少しずつ始まり、生後9〜10か月までに9割以上の赤ちゃんが達成する発達のステップです。
特別な練習は必要なく、うつ伏せ遊びや支えながらの座位など、日常の関わりの中で自然に育っていきます。
- 厚生労働省のデータでは、生後7〜8か月で約7割、9〜10か月で9割以上の赤ちゃんがひとりすわりを達成する
- お座りには「支えあり座位」「両手をついた三脚座り」「両手を離した短時間の座位」「安定した座位」の4段階がある
- お座りの土台は首すわり・寝返り・うつ伏せで育ち、特別な練習よりも自由に動ける環境づくりが大切
- 座位ができる時期は転落事故が増えやすいため、ベッド・ソファ・補助いすの使い方に十分な配慮が必要
- 生後10か月を過ぎても全く座れない、左右差や筋緊張の極端な違いがある場合は乳幼児健診や小児科で相談を
「同じ月齢のお子さんと比べて気になる」「9〜10か月児健診で相談しようか迷っている」というときは、ひとりで抱え込まずに、専門家に話を聞いてもらえるとお気持ちも軽くなるはずです。
夜間や休日で病院に行く時間がないとき、健診の前に少し相談したいときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して医師に相談するのも選択肢の一つですよ。
最終的な判断は医師に相談してください。

