一歳半の発達障害のサインとは?1歳半健診で見る指差し・発語・名前への反応と相談の目安

一歳半の発達障害のサインとは?1歳半健診で見る指差し・発語・名前への反応と相談の目安

「わんわんはどれ?」と聞いても指を差さない。名前を呼んでも振り向かない。健診の問診票を前に手が止まると、ドキッとしますよね。

「発達障害のサイン」という言葉を見ると、うちの子は当てはまるのかと気になるものです。健診で確かめる中心は指差し・意味のある言葉(発語)・名前への反応の3つで、どれか1つが当てはまるだけで発達障害と判断されるわけではありません。慌てずに、家での様子と照らし合わせてみてくださいね。

結論

1歳半健診は、気になる点を早めに拾い上げるための健診で、診断の場ではありません。言葉の数が少なくても、指差しや言葉の理解、真似が見られるなら、様子を見ながら次の機会に伝える範囲です。いくつかが重なるときや、できていたことができなくなったときは、健診を待たずに相談して構いません。

分かることは次の3点です。

この記事の結論

  • 健診で確かめる指差し・発語・名前への反応と、家で見られる場面
  • 様子見でよい範囲と、早めに相談したほうがよい範囲の目安
  • 「様子を見ましょう」と言われたあとの流れと、相談先の選び方
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目次

1歳半ごろの発達の目安は?言葉も指差しも個人差が大きい時期です

この時期の育ちは個人差が大きく、言葉が出る時期も歩き始めの時期も、子どもによって数か月ずれます。米国疾病予防管理センター(CDC)は、18か月の目安を「その月齢までに75%以上の子どもができること」と定義しています[1]。目安の時点でまだできない子どもも、一定の割合でいる前提の数字です。

ここでいう発達障害は、自閉症などの広汎性の障害、学習障害、注意欠陥多動性障害(現在の診断名では自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症)などをまとめた呼び名です。法律では、脳機能の障害であって、その症状がふつう低年齢のうちに現れるもの、と定められています[2]。

CDCと国内の健診の手引が挙げる18か月ごろの目安は、次のとおりです。

  • 言葉|意味のある言葉が2〜3語ほど。新潟県医師会と新潟県の手引は「2語以上」、CDCは「ママ・パパ以外に3語以上を言おうとする」を目安にしています
  • 言葉の理解|身振りなしで「ちょうだい」「持ってきて」に応じる
  • からだの動き|何にもつかまらずに一人で歩く。母子健康手帳にも、ひとり歩きの時期を書く欄があります

[3][4]

新潟県の手引は2014年の改訂版で、意味のある言葉や、後ろから名前を呼んだときの振り向きは、2026年4月施行の現行の母子健康手帳の様式でも確かめる項目になっています[5]。

1つ届かないことが、そのまま心配の理由になるわけではありません。年齢ごとに気にされやすい様子を広く知りたいときは、子どもの発達障害の特徴を年齢別にまとめた記事が参考になります。

1歳半健診のチェック項目は?指差し・発語・名前への反応の3つを見ます

健診の正式名は「1歳6か月児健康診査」です。母子保健法第12条にもとづき、1歳半を過ぎて2歳になるまでの子どもを対象に市区町村が行い、費用は市町村が負担します[6]。

厚生労働省が示した標準的な健診項目の例では、問診票に「絵本を見て知っているものをさしますか」「何かに興味を持った時に、指さしで伝えようとしますか」といった問いが並びます[4]。母子健康手帳にも、意味のある言葉を話すか、後ろから名前を呼ぶと振り向くかを尋ねる欄があります[5]。

1歳半健診で主に見る3つの様子(指差し・意味のある言葉・名前への反応)を、家での場面のイラストで示した図
項目と健診での確かめ方家で見られる場面気になる様子
指差し|絵本を見せて「わんわんはどれ?」と聞き、指で答えるか見つけた飛行機を指して親の顔を見る、欲しいおやつを指す指差しがほとんど見られない。欲しい物を指すだけで、見つけた物を指して見せることがない
発語|「ママ」「ブーブー」など意味のある言葉があるかを問診で聞く犬を見るたびに「ワンワン」と言う、「ちょうだい」に応じて渡す意味のある言葉がなく、簡単な言葉かけにも応じにくい
名前への反応|後ろから名前を呼んだときに振り向くかを問診で聞くテレビを消した部屋で、後ろから呼ぶと振り向く普通の声で呼んでも、振り向かないことが多い

健診の判定は、3つのどれか1つだけで決まるのではなく、組み合わせて見ます。問診票の文言や選択肢は自治体ごとに違い、たとえば甲府市の問診票は、言葉の数を「3語以上言う/2語言う/1語言う/言わない」の4つから選ぶ形です[7]。

補足

健診の問診票で「はい」か「いいえ」か迷ったら、家での様子をそのまま書き添えておきましょう。新潟県医師会と新潟県の手引は、初めての健診の場でできなくても家ではできていることを確かめる必要があるとし、国立成育医療研究センターの研修教材も家庭での様子を幅広く聞き取るよう示しています[3][8]。

指差ししないときは?要求・興味・応答のどれが出ているかを見ます

指差し(指さし)は、1歳前後から段階を追って出てきます。新潟県医師会と新潟県の手引は、指差しの育ちを次の順に整理しています[3]。

指差しの3つの種類

  • 興味(感動)の指差し(12か月ごろ)|見つけた物を指して、親に伝える
  • 要求の指差し(1歳2か月ごろ)|欲しい物や行きたい方向を指す
  • 応答の指差し(1歳半過ぎ)|「わんわんはどれ?」の問いに指で答える

健診で確かめたいのは、問いに指で答える応答の指差しです。ただ、出てくるのは健診の時期と重なるため、健診の場で答えられなくても家でできていれば、その場面を伝えれば大丈夫です。

気にしておきたいのは、欲しい物を指す指差しはあっても、見つけた物を指して親の顔を見る指差しが見られないときです。国立成育医療研究センターの研修教材も、この2つを別のものとして扱っています。

見つけた物を指して見せる指差しは、相手と同じものに注意を向け合う「共同注意」の行動に分けられます。同じ教材は、指差しや真似のような言葉を使わない行動が、人とやりとりする力の育ちに大切だとしています[8]。指差しそのものがほとんど見られない場合も、健診で様子を伝えましょう。

言葉が出ない・しゃべらないときは?言葉の理解もあわせて見ます

意味のある言葉と数えるのは、決まった物や人に同じ単語を繰り返し使う場合です。「あーあー」のような意味を持たない声(喃語)とは分けて数えます。

まだ言葉が出ない、しゃべらないという場合も、言葉の数だけで決まるわけではありません。身振りのない「持ってきて」のような言葉だけの頼みに応じられれば、言葉の理解は育っていると考えられます[3][1]。2歳に向けた伸び方の目安は、2歳ごろの言葉の爆発期と前兆をまとめた記事にまとめました。

名前を呼んでも振り向かないときは、聞こえの確認も欠かせません

名前を呼ぶと振り向くかという問いは、聞こえの確認も兼ねています。新潟県医師会と新潟県の手引はこの問いを難聴を見つけるための項目と位置づけ、発達の遅れが難聴と思われていることもよくある、と書いています[3]。

国立成育医療研究センターの健診マニュアルも、問いに指で答えない、言葉の指示が通らないときは、聞こえの問題がないかに常に注意するよう示しています[9]。

家で確かめるときは、テレビを消した静かな部屋で、後ろからささやき声と普通の声で呼んでみます。甲府市の問診票も「ささやき声で振り向く/通常の呼びかけで振り向く/呼んでも振り向かない」の3つから選ぶ形です[7]。振り向かないことが多いなら、発達の面だけでなく聞こえも相談先で確かめてもらいましょう。

1歳半で気にされやすいそのほかのサイン|目が合う・真似・遊び方

健診では3つのほかに、人との関わりや遊び方も見ています。国立成育医療研究センターの研修教材は、この時期に見られる行動として、アイコンタクトや表情、身振り、真似、ふり遊びなどを挙げています[8]。

  • 目が合う|話しかけたり名前を呼んだりしたとき、大人の目を見てくるか
  • 真似(模倣)|バイバイなど、周りの人の身振りや手振りを真似するか
  • ふり遊び|空のコップで飲むふりなど、見立てて遊ぶ場面があるか
  • 人への興味|周りの人やほかの子どもに関心を示し、笑顔を返すか
  • 遊び方|一人遊びばかりで、同じ遊びや並べ方へのこだわりが強いか

どれも「できるかどうか」より、いつもそうなのか、場面によって違うのかが大事な手がかりです。

クレーン現象やこだわりがあっても、それだけで発達障害とは決まりません

クレーン現象は、人の手を取って物を取らせようとする動きです。甲府市の問診票でも、欲しい物の伝え方を尋ねる問いに「あなたの手をもっていく」という選択肢があります[7]。

前出の研修教材は、自閉スペクトラム症(人との関わり方や興味の持ち方に特性がある発達障害の一つ)の幼い子に見られることがある行動として、クレーン行動や同じ動きの繰り返し、興味の偏り、感覚過敏(音や肌ざわりなどを強く嫌がること)を挙げています。ただし、すべての子に見られるわけではない、という注記付きです。詳しく知りたいときは、子どもの自閉スペクトラム症について解説した記事をご覧ください。

注意

サインに当てはまっても、発達障害とは限りません。ふだんの問診票とは別の、自閉スペクトラム症に気づくための専用の質問票を日本で調べた研究では、質問票と電話での聞き取りの2段階でチェックに当てはまった子のうち、後に自閉スペクトラム症と診断されたのは43〜46%でした。同じ報告では、診断に至らなかった場合も、自閉スペクトラム症の特性が薄い形で見られたり、何らかの発達の支援が必要だったりすることが確認されたとされています。半数余りは自閉スペクトラム症ではなかったことになります[10]。

ある市の1歳6か月児健診(2013年4月〜2015年3月の受診児)の報告では、健診の総合判定が「異常なし」(要指導を含む)だった子のうち14.5%が、保健師が見る絵の指差しの課題を健診の場でできなかった、またはしなかった、とされています[11]。

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様子見でいい?相談したほうがいい?サインの現れ方で分ける3段の目安

言葉の数だけで決めず、指差し・言葉の理解・真似と組み合わせて見ると、今どのあたりにいるかが分かりやすくなります。下の表は、新潟県医師会と新潟県の手引、CDCの目安をもとにまとめた相談の目安で、診断の基準ではありません。

目安近い様子親がとる行動
様子見でよい範囲言葉の数は少ないが、指差し・言葉の理解・真似は見られる家での様子をメモし、次の健診や相談の機会に伝える
次の健診で伝える3つのうち1つが気になるが、家ではできる場面もある健診で家の様子を伝える。健診のあとに保健センターが行う個別の相談(事後相談)を案内されたら使う
早めに相談する指差し・言葉の理解・真似のつまずきが重なる/呼んでも振り向かないことが多い/できていたことができなくなった次の健診を待たずに、保健センターかかかりつけの小児科に相談する

分かれ目は言葉の数そのものより、ほかの育ちのつまずきと重なっているかどうかです。

言葉だけゆっくりな子と、つまずきが重なる子の違い

新潟県医師会と新潟県の手引は、話す言葉だけがゆっくりで、指差しや言葉の理解、動きに気になる点がなければ、2歳前後から遅くとも3歳ごろまでに言葉が追いついてくる型があるとしています[3]。

国立成育医療研究センターの健診マニュアルも、言葉の理解や人との関わりが育っていれば、3歳までに話す言葉が伸びることが多いとしたうえで、2歳ごろに言葉の育ちを確かめることが望ましいとしています[9]。この場合も、言葉の増え方をメモして、健診や相談の機会に伝えましょう。

一方で、指差しや理解、真似、ふり遊びのつまずきが重なる子は、同じ手引で、3歳児健診まで保健センターなどが続けて様子を確かめる対象とされています[3]。3歳まで待つという意味ではなく、早めに相談して、専門の目で続けて見てもらう段です。

様子見の段でも、気になれば健診を待たずに相談して構いません

CDCは「子どものことを一番よく知っているのは親。待たないで」と呼びかけています。目安に届かないときや、できていたことができなくなったときは、早めに動くのが基本です[1]。

国立成育医療研究センターの研修教材も、個人差が大きい時期なので1〜2か月後に様子を確かめ、複数回見るよう示しています[8]。「様子見」は放っておくことではなく、期間を区切って見直すことです。

「様子を見ましょう」と言われたら?1歳半健診で引っかかったあとの流れと相談先

健診で経過観察になるのは、珍しいことではありません。ある市の報告(2013年4月〜2015年3月に1歳6か月児健診を受けた1,270人)では、42.0%が要経過観察でした。同じ論文が紹介する関西2府4県の調査では自治体ごとの割合に1.9〜56.3%と大きな差があり、判断やフォローは各自治体に委ねられています[11]。

自治体によっては、保健師の連絡から個別相談へつながります

健診のあとの流れは自治体によって違います。保健師からの電話や面接、心理職や言語聴覚士の個別相談、親子教室などを経て、必要に応じて医療機関や療育機関へつなぐ形をとる自治体もあります。たとえば東京都小平市は、健診から心理発達相談、親子のグループ、発達健診を経て療育機関や医療機関へつなぐ取組が紹介されています[12]。呼び名や回数は自治体ごとに違うため、健診を受けた保健センターで確かめてください。

1歳半健診で様子見と言われたあと、次の健診を待たずに保健センターで相談でき、必要なら病院や支援の場へつながる流れの図

補足

相談は診断ではありません。今の様子を一緒に整理して、次にどこへ相談するかを決めることです。都道府県・指定都市が直接または委託して運営する発達障害者支援センターは、診断がなくても相談でき、相談の費用は無料です[13]。

相談先の使い分け|向いている相談と次のつながり先

身近な窓口の一つが、市区町村のこども家庭センターです。母子保健と児童福祉の相談を一体で受ける窓口で、令和8年4月1日時点で全国の85.9%の自治体が設置しています[14]。

表は横にスクロールできます。

相談先向いている相談予約・費用の目安次のつながり先
市区町村の保健センター(こども家庭センター)健診結果の意味、事後相談、親子教室相談の費用と申込方法は自治体に確認心理・言語の個別相談、療育機関、医療機関
かかりつけの小児科今の様子の整理、聞こえを含めた体の確認診療料の自己負担と助成の内容は自治体に確認発達を診る医療機関、耳鼻科など
発達障害者支援センター診断がなくてもできる相談、家での関わり方相談は無料医療機関や支援事業所の紹介
児童発達支援センター通って受ける発達の支援、家族への相談と助言利用には市町村への申請と支給の決定が必要療育(児童発達支援)
発達を診る医療機関医学的な評価と診断初診まで数か月待つことがある療育機関、継続的な診療

児童発達支援センターは、地域の障害児や家族への相談、助言も行う地域の中核的な療育支援施設です[15]。

児童発達支援は市町村が行う障害児通所支援の一つで、利用には申請と支給の決定を経ます。発達支援が必要かどうかは、市町村保健センターなどの意見でもよいとされています[16]。

発達を診る医療機関は、厚生労働省の研究報告で初診まで数か月待つところが多いとされ、長野県の保護者調査では待機期間の中央値が3か月でした[17]。

専門の医療機関の予約を取りつつ、保健センターやかかりつけの小児科で今の様子を先に整理しておく。待つ間の不安を小さくする現実的な順番です。

お住まいの地域の支援センターは、国立障害者リハビリテーションセンターの全国の支援センター一覧[22]で探せます。保健センターやこども家庭センターの窓口は、お住まいの市区町村のホームページで確かめてください。

健診の前後に家でできること|場面のメモと毎日の関わり方

健診の場では、緊張や眠気でいつもどおりに振る舞えない子もいます。家での様子を短く記録しておくと、健診や相談の場で伝えやすくなります。

いつ・どこで・何をしたとき・どうだったかをメモします

指差し・言葉・名前への反応の3つについて、場面ごとに一行ずつ書いておきましょう。

  • 指差し|9月10日、公園で飛行機を見つけて指を差し、こちらを見た
  • 言葉|言えるのは「まんま」「ブーブー」「ワンワン」。犬を見たときだけワンワンと言う
  • 名前|テレビを消した部屋なら、後ろから呼ぶと振り向く。遊びに夢中だと振り向かない

できる場面とできない場面の両方を書くのがコツです。短い動画を残しておくのも、普段の様子を伝える助けになります。ただ、動画だけで判断できるわけではありません。

指差しと言葉を育てる、毎日の関わり方

CDCは18か月ごろの関わり方として、次のような例を挙げています[1]。

  • 子どもが言った言葉に、言葉を足して返す(「ワンワン」に「そうだね、ワンワンだね」と応える)
  • 体の部位を指差しながら、名前を教える
  • 絵本を一緒に見て、絵について短い言葉で話す

特別な練習を増やすより、毎日のやりとりの中で言葉を添えることが中心になります。

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一歳半の発達障害のサインについてよくある質問【FAQ】

この時期に落ち着きがなく、動き回ってばかりです。多動の心配はありますか。

この年齢では判断できません。国立成育医療研究センターの研修教材は、年少の子の多くは落ち着きがないため、注意欠如・多動症(年齢に比べて落ち着きのなさや不注意が目立つ特性)は1歳6か月では分からないとしています[8]。

癇癪が多いのは気にしたほうがよいですか。

厚生労働省の健診項目の例にも「かんしゃくをよく起こしますか」という問いがあり、健診で様子を聞かれます[4]。癇癪の多さだけで、発達の特性があるかどうかは分かりません。毎日のように長く続いて困っているときは、どんな場面で起きるかをメモし、指差しや言葉の様子とあわせて健診や相談で伝えましょう。

健診の日に泣いてしまい、指差しができませんでした。

健診の場でできないこと自体は、珍しくありません。家では指差しをしているなら、その場面を健診の担当者に伝えてください。日付と場面を書いたメモがあると、短い時間でも伝わりやすいはずです。

1歳半健診で引っかかったら、療育に通うことになりますか。

すぐに決まるわけではありません。自治体によっては、保健師の連絡や個別相談、親子教室から始まり、必要に応じて療育や医療機関へつながります[12]。療育を使うかどうかは、相談を重ねながら家族と一緒に決めていくものです。

診断がつくかどうかは、いつ、どこで分かりますか。

診断は健診ではなく医療機関で行い、分かる時期は子どもによって違います。国立成育医療研究センターの研修教材は、自閉スペクトラム症の早い兆しはこの時期から見られることがあるとしています[8]。

一方、国立障害者リハビリテーションセンターは、低年齢では明らかでなくても後にはっきり分かる特徴もあるとしています[18]。今すぐ白黒をつけるより、気になる点を相談しながら見ていくことが大切です。

【まとめ】一歳半のサインは3つを組み合わせて見て、迷ったら早めに相談を

健診での指摘は診断ではなく、もう一度確かめるための合図です。

この記事のまとめ
  1. 健診で確かめる中心は、指差し・意味のある言葉・名前への反応の3つ
  2. 言葉が少なくても、指差しや理解、真似が見られるなら、家の様子をメモして次の機会に伝える
  3. 名前を呼んでも振り向かないことが多いなら、聞こえの確認もあわせて相談する
  4. つまずきが重なるときや、できていたことができなくなったときは、健診を待たずに相談する

家での場面を一行ずつ書き出すことが、健診でも相談でも、子どもの普段の姿を伝える一番の材料になります。

ただ、ここまでに挙げた目安は、多くの子どもに当てはまる一般的なものです。わが子が3段のどこにあたるかは、実際の様子を聞き取ってみないと決められません。

健診まで間があり、夜や仕事終わりに今の様子を医師に聞いておきたいときは、小児科オンライン診療サービスあんよへ相談を検討してみてはいかがでしょうか。スマートフォンから、提携医療機関の医師に家での様子を伝えて相談できます。オンラインでの相談が合う場面と、ほかの窓口が合う場面は、次のとおりです。

  • 相談が合うとき|健診まで間があり、気になり始めた様子を整理したい。どの相談先へ行くか決めかねている
  • 診断を確かめたいとき|診断は、上の表の「発達を診る医療機関」で時間をかけて受けるものです
  • 聞こえの検査が要るとき|対面でしかできない確認は、かかりつけの小児科や耳鼻科で受けます
  • 急ぎの症状があるとき|けいれんや呼吸の苦しさがあるときは、対面の医療機関や救急を受診してください

迷ったときの入口の一つとして使い、必要に応じてほかの窓口へつなげていく使い方ができます。

診療時間は6時から23時で、予約の窓口はLINEです。利用料は無料で、診療料は健康保険と子ども医療費助成制度の対象です(助成の適用は自治体により異なります。2026年9月20日時点のあんよ公式サイトの記載)。相談の前に、書き出したメモと母子健康手帳を手元に用意しておくと、短い時間でも普段の様子が伝わります。

補足

運営会社のジークス株式会社は2025年6月、発達に関する不安や疑問を相談できる専用の予約枠を設けたと発表しました。発表では、1枠20分の予約制で、専用の問診フォームで事前に様子を伝える形とされています[19]。

2026年9月20日時点の公式サイトでも、医師の紹介欄にこの予約枠の記載があります[20]。診察するのは提携医療機関の医師で、ジークス株式会社は医療行為を行いません[21]。

予約枠の内容や受付状況は変わることがあるため、利用する前に公式サイトで確かめてください。この枠で相談する場合も、今の様子を医師と整理し、次の相談先を考える場として位置づけるのが無理のない使い方です。発達障害かどうかの見極めは、上の表の「発達を診る医療機関」や保健センターとあわせて、時間をかけて相談していきましょう。

最終更新:2026年9月27日(健診の運用や相談窓口の名称は自治体ごとに変わるため、お住まいの市区町村の案内もあわせて確かめてください)

更新履歴:2026年9月20日 初版作成

次回見直し予定:2027年3月(母子健康手帳の様式・健診項目の改定と、相談窓口やサービスの提供状況を確認)

参考文献

この記事の出典一覧です。本文中の[番号]から、対応する資料に移動できます。

  1. CDC「Milestones by 18 Months」(2026年5月15日更新)|https://www.cdc.gov/act-early/milestones/18-months.html ↩
  2. 国立障害者リハビリテーションセンター 用語の解説ページ|https://www.rehab.go.jp/ddis/understand/whatsdd/ ↩
  3. 新潟県医師会・新潟県『乳幼児健康診査の手引』改訂第5版(2014年2月)|https://komusubiken.pref.niigata.lg.jp/kosodate/files/column/h27_iltusairoltukagetu5.pdf ↩
  4. 厚生労働省「乳幼児健診における標準的な健診項目一覧」(資料5)|https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/nyuuyouzi.pdf ↩
  5. こども家庭庁「母子健康手帳 府令様式」(令和8年4月1日施行)|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/909390f5-d0c0-47b9-9b9e-c343b88bde66/ce5b736e/20260409_policies_boshihoken_techou_25.pdf ↩
  6. 厚生労働省 法令等データベース「母子保健法」|https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82106000&dataType=0&pageNo=1 ↩
  7. 甲府市 健診問診票(PDF)|https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kenkoese/kenko/kenko/kenshin/documents/1y6m_monshin.pdf ↩
  8. 国立成育医療研究センター 研修教材「社会性の発達状況の把握と支援のポイント」(平成29年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)|https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/chapt_5-3.pdf ↩
  9. 国立成育医療研究センター『改訂版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル』(2021年3月)|https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/shinsatsu_manual.pdf ↩
  10. 国立障害者リハビリテーションセンターほか運営のポータルサイト 質問票の解説(2025年1月6日公開)|https://hattatsu.go.jp/m-chat-description/ ↩
  11. 中村真梨子ら 日本健康医学会雑誌 28(1):21-30(2019年)|https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkouigaku/28/1/28_21/_pdf/-char/ja ↩
  12. こども家庭庁掲載 乳幼児健診の取組事例に関する調査研究 報告書概要(平成30年度)|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/ff38becb-bbd1-41f3-a95e-3a22ddac09d8/6233bda8/20230401_policies_boshihoken_122.pdf ↩
  13. 国立障害者リハビリテーションセンターほか運営のポータルサイト「相談できる窓口を教えて欲しい」(2021年7月29日公開)|https://hattatsu.go.jp/supporter/welfare/faq/welfare-faq01/ ↩
  14. こども家庭庁「こども家庭センター 概要・状況」(令和8年4月1日時点)|https://kokasen.cfa.go.jp/about ↩
  15. 厚生労働省「児童発達支援センターの位置づけについて」(2021年6月)|https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000791881.pdf ↩
  16. こども家庭庁「障害児通所支援・障害児入所支援の概要」|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7612b45c-aad3-4503-9026-12d01277b181/859e07e2/20230401_policies_shougaijishien_01.pdf ↩
  17. 厚生労働省「初診待機等の医療的な課題と対応に関する調査」令和元年度 研究報告書(2020年3月)|https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000654179.pdf ↩
  18. 国立障害者リハビリテーションセンター「乳幼児期のFAQ」|https://www.rehab.go.jp/ddis/aware/baby/faq/ ↩
  19. ジークス株式会社 プレスリリース(2025年6月4日)|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000071790.html ↩
  20. 小児科オンライン診療あんよ 公式サイト(2026年9月20日確認)|https://www.annyo.jp/ ↩
  21. ジークス株式会社「事業内容」|https://www.gecs.tech/business ↩
  22. 国立障害者リハビリテーションセンター 全国の支援センター一覧|https://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/ ↩