一般社団法人大阪小児科医会によると、生後6か月頃までの赤ちゃんは、食道から胃の入り口にかけての形がゆるいために吐き戻しが起こりやすい状態です。
赤ちゃんの体格やミルクの飲む量には個人差があるため、縦抱きや横抱きなど、ゲップの出し方も一つではありません。
この記事では、スムーズなゲップの出し方のコツや、出ない時の具体的な対処法について詳しくお伝えします。
赤ちゃんがゲップをするのが必要な理由は?吐き戻し予防と快適な状態を保つため
赤ちゃんは大人に比べて胃の入り口の筋肉が未発達で、形も縦に近い構造をしています。
授乳時に空気を飲み込みやすく、そのままにするとミルクが逆流しやすい状態になりやすいです。
胃に空気がたまるとお腹が張って機嫌が悪くなり、授乳後の落ち着きや睡眠の質にもつながる可能性があります。
ゲップをせず胃に空気がたまるとどんな影響がある?
授乳時に飲み込んだ空気が胃に残ると、吐き戻しや不快感の原因になると考えられています。
ゲップを出すことで胃の中に余裕ができ、ミルクの消化や通過がスムーズになり、結果的に苦しそうな様子や泣きが軽減される場合もあるのです。
日々の様子を見ながら、必要に応じて対応しましょう。
- 胃の中の空気でお腹が張りやすくなる
- ミルクの逆流で吐き戻しが起きやすくなる
- 不快感で機嫌が悪くなることがある
縦抱きで行うゲップの出し方は?基本姿勢とコツを解説
縦抱きは重力を利用して胃の中の空気を上に集めやすくする姿勢です。
短時間で出ない場合もあるため、焦らず様子を見ながら行いましょう。
肩に乗せる縦抱きでのゲップはどうやって行う?身体の密着と位置がポイント
肩に乗せる縦抱きでゲップを出させる場合、赤ちゃんの顔が大人の肩より少し上に来るように抱き上げます。
片手でお尻を支え、もう一方の手で背中を軽く叩いたりさすったりしてあげましょう。
手のひらを丸めて空気を含むように当てるとやさしく行うことができます。
ゲップを出させるとき背中の刺激はどうする?叩くとさするを組み合わせると良い
同じ場所を叩き続けるよりも、さする動作を組み合わせると空気が動きやすくなる場合があります。
背中の中心から首元へ向かって、ゆっくり動かすと空気が上がりやすいです。
大人の体温や身体の密着で赤ちゃんがリラックスしやすくなり、ゲップが出やすくなる場合があります。
強く叩いたりゴシゴシしすぎることは赤ちゃんにとってストレスになるため避け、落ち着いた環境で行うことが大切です。
膝の上で行うゲップの出し方は?前傾姿勢で空気を誘導
縦抱きで出にくい場合は、膝の上で前傾姿勢をとる方法も赤ちゃんのゲップを出させる方法のひとつです。
特に首が座る前の赤ちゃんでは、膝の上での方が安定しやすい場合があります。
首への負担を避けながら支えることが重要なため、必ず無理のない姿勢で行いましょう。
前傾姿勢でのゲップは赤ちゃんの姿勢をどう作ってあげればいい?顎と体の支え方が重要
前傾姿勢でのゲップは、赤ちゃんを膝の上に座らせ、脇の下を支えながら顎を軽く支えるゲップの方法です。
首を圧迫しないよう注意しつつ、体をやや前に傾けます。
もう一方の手で背中をやさしく叩くか、円を描くようにさすると空気が動きやすくなるでしょう。
安定した姿勢を保つことで、比較的安全にゲップを出させることができる場合もあります。
膝の上でゲップさせる場合に赤ちゃんの身体を安定させるには?足と太ももの支えがポイント
保護者の膝の上でゲップを出させる場合、赤ちゃんの足が浮かないように太ももで支えると、安心して姿勢を保てる場合があります。
赤ちゃんの身体を強く傾ける必要はなく、軽く角度をつける程度で十分です。
赤ちゃんが怖がっていないか、気分を悪そうにしていないか必ず様子を見ながら調整しましょう。
赤ちゃんのゲップが出ないときはどうする?5〜10分が目安の対処法
大人が無理にゲップしようとしても出ないのと同じように、赤ちゃんのゲップも必ず出るものではなく、5〜10分試しても出ないことは珍しくありません。
公益財団法人母子衛生研究会によると、ミルクのびん哺乳に比べると、母乳は空気を飲み込むことが少ないので、ゲップも比較的少ないと考えられています。
赤ちゃんのゲップが出ない場合は無理に出させようとせず、体勢を変えるなどの工夫を取り入れてみましょう。
ゲップの出し方にこだわらず工夫を取り入れる
ゲップの出し方について取り入れやすい工夫をまとめました。
必ず、無理のない範囲で安全に取り組んでください。
| ゲップの出し方の工夫 | 具体的な方法 | 期待できる変化 |
|---|---|---|
| 態勢のリセット | 一度仰向けに寝かせてから抱き直す | 胃の中の空気の位置が動く |
| リズムの変化 | さする動作と叩く動作を交互に行う | 胃壁への刺激が伝わりやすくなる |
| 縦抱きの高さ調節 | 赤ちゃんの位置を上下に微調整する | 食道と胃の角度が最適化される |
どうしてもゲップが出ないときは
赤ちゃんをずっと抱っこしていると、空気の泡が胃の壁に張り付いて動かなくなる場合もあります。
一度ゆっくりと仰向けに寝かせて、すこし時間を置いてから再びトライすることもひとつの手段です。
- 数分間さすっても出ない時は一度横にする
- 授乳の途中で一度ゲップの時間を挟んでみる
- おむつが苦しくないかウエストの余裕を確認する
ゲップが出ないまま寝るときは?寝かせ方の工夫
ゲップが出ないまま赤ちゃんが寝てしまうこともありますが、無理に起こす必要はありません。
寝かせ方を工夫し、体の向きや角度を調整することで、ミルクの吐き戻しに配慮します。
安全性を優先しながら対応することが大切です。
ゲップが出ないまま寝かせる場合の工夫
ゲップが出ないまま寝かせるときは、姿勢を少し工夫するとミルクの逆流を防ぎやすくなります。
無理に固定せず、赤ちゃんの呼吸や安全を優先しながら調整することが大切です。
- 身体の右側を下にして寝かせる
- タオルで背中側に軽い傾斜をつける
- 体が折れないよう一直線を保つ
ゲップはいつまで必要?生後5〜6ヶ月が目安
ゲップのサポートはずっと必要ではなく、成長とともに自然に減っていくため、目安として生後5〜6ヶ月頃までとされています。
成長するにつれ体の動きが増え、自分で空気を出せるようになり、吐き戻しも徐々に減る傾向がありますが、個人差があるため赤ちゃんの様子に合わせてあげましょう。
赤ちゃんが成長すると身体はどう変わる?体の機能の発達がゲップの出し方に関係する
首が座り寝返りができるようになると、体勢を自分で変えられるようになるため、いままでゲップとして出していた空気が自然に抜ける場合があります。
胃の構造も発達し、ミルクが逆流しにくくなっていくため、無理に保護者がゲップを出させる必要も次第に減っていくのです。
ゲップをやめる判断は?様子を見ながら調整
授乳後に元気に過ごしている場合は、無理に出さなくても問題ない場合もあります。
吐き戻しや機嫌を見ながら徐々にゲップを出させる回数を減らし、自然な流れに任せましょう。
ゲップや吐き戻しで病院への受診を検討したいのはどんなとき?
赤ちゃんの吐き戻しは多くの場合が生理的な現象ですが、注意が必要なケースもあります。
吐き戻しが止まらない場合や体調の変化がある場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
日頃から赤ちゃんの様子を注意深く観察することが大切です。
赤ちゃんのゲップや吐き戻しについて受診を検討するサインは?
赤ちゃんのゲップや吐き戻しについて、不安を感じる場合は自己判断せずに医療機関の受診を検討しましょう。
関西医科大学付属医療機関によると、肥厚性幽門狭窄症といって、生後2~3週頃の赤ちゃんに吐き戻しが多いことから発見される病気もあります。
以下のような場合を目安としてください。
- 勢いよく何度も吐く
- 吐いたものに血が混じるなど異常を感じる
- 体重が増えない状態が続く
- 元気がなくぐったりしている
【Q&A】赤ちゃんのゲップに関するよくある質問
赤ちゃんのゲップについて、よくある質問を簡潔にまとめます。
- ゲップと一緒にミルクを吐いてしまうのは大丈夫でしょうか?
-
空気と一緒に少量のミルクが出てしまうことは一般的に起こり得ることと考えられます。
赤ちゃんの機嫌が良く、その後も普通に過ごせているなら様子を見ましょう。
勢いよく何度も吐いてしまうなら医療機関への相談を検討してください。
- 深夜の授乳でも必ずゲップをさせるべきですか?
-
赤ちゃんが寝ぼけている場合は出にくいこともあります。
少しのあいだ試して出なければ、右側を下にして寝かせてあげましょう。
- 赤ちゃんのおならがたくさん出るのはゲップが出ていないせいですか?
-
ゲップとして出なかった空気は、腸を通っておならとして排出されます。
お腹がパンパンに張って苦しそうでなければ問題ない場合が多いですが、心配なことは医療機関への相談を検討してください。
【まとめ】赤ちゃんのゲップの出し方は?無理せず赤ちゃんのペースに合わせる
赤ちゃんの吐き戻しやゲップは、多くの場合は自然な現象と考えられます。
無理に出させようとしすぎず、様子を見ながら適切にケアすることが大切です。
- ゲップは無理に出さず5〜10分を目安に切り上げる
- 出ない場合は寝かせ方や体勢を工夫して対応する
- 異常な吐き戻しや元気がない場合は病院受診を検討する
もし、吐き方が気になったり、受診すべきか迷うなどの不安がある場合は、小児科オンライン診療あんよの活用も選択肢のひとつです。
赤ちゃんの様子を自宅から伝えることができるため、病院受診の目安や自宅での対応方法について医師からアドバイスを受けられる場合があります。
外出が難しいときや、気になる症状がある場合は無理せず医師に相談しましょう。

