赤ちゃんの熱中症の症状と緊急度の見分け方を月齢別に解説

赤ちゃんの熱中症の症状と緊急度の見分け方を月齢別に解説

暑い日に外から帰ってきた赤ちゃんの顔が真っ赤で、いつもより静かだと、ドキッとしてしまいますよね。

「これは熱中症かな?」「ただ眠いだけなのか、それとも受診したほうがいいのか」と迷う親御さんは多いです。

この記事では、赤ちゃんの熱中症の症状を緊急度の3段階に分け、月齢ごとの見分け方と家庭でできる手当てまで解説します。

慌てずに、目の前のお子さんの様子と照らし合わせてみてくださいね。

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目次

赤ちゃんの熱中症の症状は「いつもと違う」から始まる

赤ちゃんの熱中症の症状は「いつもと違う」から始まる

熱中症は、暑い環境で体に熱がたまり、体温の調節がうまくいかなくなることで起こります。大人であれば「頭が痛い」「気持ち悪い」と言葉にできますが、0〜1歳台の赤ちゃんはそれができません。

そのため、赤ちゃんの熱中症の症状は、はっきりした訴えではなく「いつもと違う様子」として現れます。顔色、汗のかき方、機嫌、おしっこの量。この4つが、親御さんが家庭で観察できる手がかりです。

熱中症は重症度によってⅠ度からⅢ度に分けられ、Ⅲ度は入院しての治療が必要とされています。この重症度分類は、日本救急医学会ほかが作成した「熱中症診療ガイドライン2024」で示されているもので、厚生労働省の熱中症関連情報のページでも同ガイドラインの作成が案内されています。

見逃しやすい赤ちゃんの熱中症のサイン

言葉で訴えられない分、次のような変化が最初の手がかりになります。

  • 抱き上げたときに首や背中が汗でびっしょり濡れている
  • 反対に、暑い場所にいたのに汗をかいていない
  • 呼びかけへの反応がいつもより鈍く、目線が合いにくい
  • 泣き声に力がなく、抱いてもぐったりして体を預けてくる
  • 授乳やミルクを途中でやめてしまい、量が明らかに減っている

汗をかいていないことは「大丈夫なしるし」ではありません。体に熱がたまっているのに汗で逃がせていない状態のこともあるため、暑い場所にいた後で肌が乾いて熱いときは注意が必要です。

赤ちゃんの熱中症の緊急度を3段階で見分ける

同じ「熱中症かもしれない」でも、対応の急ぎ方は症状によって変わります。次の表で、目の前の様子がどの段階にあたるかを確認してみてください。

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緊急度赤ちゃんの様子とる行動
今すぐ119番けいれんしている/呼びかけても目を覚まさない/呼吸が速く苦しそう/体が熱いのに汗が出ずぐったりしている救急車を呼び、到着まで涼しい場所で体を冷やす
今日中に受診半日以上おしっこが出ない/唇や舌が乾いている/泣いても涙が出ない/授乳やミルクを受けつけない/嘔吐を繰り返すその日のうちに小児科を受診する
翌日以降でよい涼しい場所で休んだら機嫌が戻った/水分をいつもどおり飲めている/おしっこが出ている(いずれも生後3か月以上の場合)家庭で様子をみて、気になれば翌日に相談する。生後3か月未満は、機嫌が戻っていても速やかに医療機関へ相談する

迷ったときは #8000 に電話する

夜間や休日で、上の表のどこにあてはまるか判断がつかないこともあります。

そのときは、小児科医や看護師に電話で相談できる子ども医療電話相談事業(#8000)を利用できます。受診の必要性や家庭での対応について助言を受けられる、都道府県が実施している窓口です。

なお、生後3か月未満の赤ちゃんは、熱の高さや機嫌にかかわらず、発熱に気づいた時点で速やかに医療機関へ相談してください。この月齢では症状が出そろわないまま状態が変わることがあるためです。

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月齢別に見る赤ちゃんの熱中症の症状と対応

同じ「赤ちゃん」でも、動ける範囲や水分のとり方は月齢で大きく変わります。観察するポイントも変えたほうが確実です。

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月齢出やすい症状家庭での対応
生後0〜5か月授乳を嫌がる/うとうとして起きない/おむつが半日以上濡れない母乳やミルクを普段どおり与え、量が減るときは受診する
生後6〜11か月座ったまま動かない/離乳食も飲み物も受けつけない/顔が赤く体が熱い涼しい場所で休ませ、母乳やミルク、湯冷ましを少量ずつ与える
1歳〜1歳台歩きたがらず抱っこを求める/ぐずり続ける/急に静かになる日陰や室内に移動し、水分をとらせて機嫌が戻るか確認する

生後6か月未満の赤ちゃんに経口補水液を使うかどうかは、自己判断せず医師に相談してください。この時期は母乳やミルクで水分と塩分をとるのが基本になります。

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赤ちゃんが熱中症になりやすいのはなぜか

乳幼児は、体温を調節するしくみが発達の途中にあります。汗をかいて熱を逃がす力が十分ではないため、大人と同じ環境にいても体に熱がこもりやすいと考えられています。

この特性については、こども家庭庁の「こどもの熱中症」を防ぐための情報ページでも、こどもは体温調節機能が未発達で、特に汗をかく機能が未熟なため体に熱がこもりやすいと説明されています。

同ページは、通気性の良い服装を選び帽子をかぶらせることを予防のポイントに挙げています。

もう一つの理由は、身長の低さです。地面に近いほど照り返しの影響を受けるため、ベビーカーや抱っこひもの高さでは、大人が感じている以上の暑さにさらされることがあります。

環境省の熱中症環境保健マニュアル2022の「高齢者と子どもの注意事項」でも、子どもは大人より高い温度環境にさらされやすいことが指摘されています。

加えて、赤ちゃんは自分で服を脱ぐことも、日陰に移動することも、水分を取りに行くこともできません。暑さから逃れる手段を持っていないという点が、大人との最も大きな違いです。

なお、熱中症は屋外だけで起こるものではありません。総務省消防庁の熱中症情報によると、令和8年8月10日から8月16日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、全年齢あわせて3,132人でした。

こども家庭庁も、屋内で熱中症になることがあるため室内あそびでも油断しないよう呼びかけています。

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赤ちゃんの熱中症を疑ったときに家庭ですること

救急車を待つ間や、受診までの時間にできることがあります。順番に落ち着いて行ってください。

  • 風通しのよい日陰か、冷房のきいた室内へすぐに移動させる
  • 衣類やおむつをゆるめて、体から熱が逃げやすい状態にする
  • 首の付け根、わきの下、脚の付け根を保冷剤やぬれたタオルで冷やす
  • 意識がはっきりしていて飲めるようなら、母乳やミルク、湯冷ましを少量ずつ与える

意識がはっきりしないときや、けいれんしているときに飲ませようとするのは避けてください。飲み込めずに気管へ入ってしまうおそれがあります。応急の手当ての進め方は、環境省の熱中症の対処方法(応急処置)のページでも段階を追って示されています。

赤ちゃんの熱中症を防ぐために家庭でできること

症状に気づくことと同じくらい、そもそも熱中症の症状を出さない環境づくりが大切です。

  • 室内では冷房や扇風機を使い、暑さを我慢させない
  • のどの渇きを訴えられない分、時間を決めて少量ずつ水分を与える
  • 通気性のよい淡い色の衣類と帽子を選ぶ
  • ベビーカーでは日よけを使い、照り返しの強い時間帯の外出を避ける
  • 短時間であっても、車内に赤ちゃんを残して離れない

車内に残さないことは特に重要です。閉め切った車内は短時間で高温になり、赤ちゃんは自力で逃げることも助けを呼ぶこともできません。

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熱中症でオンライン診療が使える場面と使えない場面

ここまでの順番、つまり 119番 → その日のうちの受診 → 翌日以降の相談 → #8000 で行き先が決まらなかったとき、もう一つの相談先としてオンライン診療があります。使える場面と使えない場面は、はっきり分かれます。

オンラインでは判断できないこと

熱中症の重症度は、深部体温と全身の状態で判断されます。画面越しでは体温を正確に測ることも、お腹や手足に触れて循環の状態を確かめることもできません。血液検査で脱水や臓器の障害を調べることもできません。

そして重症度Ⅲ度の熱中症は、点滴による補液と体を冷やす処置が必要になります。これはオンラインでは行えない治療です。

そのため、先ほどの緊急度の表で「今すぐ119番」に当たる様子、つまりけいれん、呼びかけても目を覚まさない、呼吸が速く苦しそう、体が熱いのに汗が出ずぐったりしているといった状態のときは、オンライン相談ではなく救急要請を優先してください。「今日中に受診」に当たる脱水を疑う様子があるときも、その日のうちに対面での診察を受けてください。

オンラインで相談できること

一方で、対面の受診が必要かどうかを整理する場面では役に立ちます。涼しい場所で休ませたあとの様子を伝えて受診の必要があるかを一緒に確認する、水分の与え方や冷やす場所と冷やし方を確認する、何を目印に観察を続ければよいかを整理する、といった使い方です。

部屋の温度や服装、外出の時間帯など、繰り返さないための環境づくりの相談にも向いています。生後6か月未満の赤ちゃんに経口補水液を使うかどうかのように、自己判断しにくい点を確かめる場面も同じです。夜間に迷ったとき、受診先を決める前の交通整理として使うイメージです。

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赤ちゃんの熱中症の症状についてよくある質問【FAQ】

熱中症と発熱は、どう見分ければよいですか。

家庭で確実に見分けるのは難しく、暑い環境にいた直後かどうかが手がかりになります。涼しい場所に移して体を冷やしても体温が下がらない場合や、判断に迷う場合は医療機関に相談してください。

汗をたくさんかいていれば、熱中症ではありませんか。

そうとは限りません。大量に汗をかくこと自体が水分と塩分を失っている状態です。汗をかいていても、機嫌が悪い、おしっこが減ったといった変化があれば注意してください。

熱中症のときにお風呂に入れてもよいですか。

症状があるうちは、体温を上げる行為は避けたほうがよいと考えられます。汗を流したい場合は、回復して機嫌や食欲が戻ってから、ぬるめのシャワーで短時間にとどめてください。

保冷剤で冷やすとき、直接あてても大丈夫ですか。

赤ちゃんの皮膚は薄いため、タオルなどで包んでからあててください。同じ場所を長く冷やし続けず、様子を見ながら位置を変えます。

オンライン診療で熱中症の相談はできますか。

症状の経過や家庭での対応について相談することはできます。ただし触診や検査はできないため、判断には限界があります。けいれんや意識がはっきりしない状態のときは、オンラインではなく119番通報が必要です。

【まとめ】赤ちゃんの熱中症の症状はどこを見て判断すればよいのか

赤ちゃんの熱中症は、言葉ではなく「顔色・汗・機嫌・おしっこ」の変化として現れます。けいれんや意識の変化があれば救急車を、おしっこが出ないなど脱水を思わせる変化があればその日のうちの受診を考えてください。

この記事のまとめ
  • 赤ちゃんの熱中症の症状は訴えではなく普段との違いとして現れる
  • けいれんや呼びかけへの反応がない場合はためらわず119番通報をする
  • 半日以上おしっこが出ないときはその日のうちに小児科を受診する
  • 生後3か月未満は熱の程度によらず速やかに医療機関へ相談する
  • 判断に迷う夜間や休日は #8000 の電話相談を利用できる

夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。

最終的な判断は医師に相談してください。