おむつを替えるたびにおしりが赤くなっていて、ドキッとしてしまうことはありませんか。「昨日より広がっている気がする」「このまま様子を見ていいのかな」と迷う親御さんは少なくありません。
この記事では、オムツかぶれの原因と家庭でのケアの手順、よく似たカンジダ皮膚炎との見分け、受診を考える目安を、赤ちゃんから年長のお子さんまで年齢を通して解説します。
慌てずに、できるところから試してみてくださいね。
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オムツかぶれはおむつが当たる部分に起こる皮膚の炎症です

オムツかぶれは、医学的には「おむつ皮膚炎」と呼ばれます。尿や便などの刺激するものが皮膚に触れ続けることで起こる、接触皮膚炎の一種です。
見た目としては、肛門やおしり、外陰部のまわりの赤み、小さく盛り上がったブツブツから始まることが多いとされています。進むと皮膚の表面がめくれてジクジクしたり、おむつ替えや入浴のときに痛がって泣いたりすることがあります。
大切なのは、オムツかぶれが赤ちゃんだけのものではないという点です。トイレトレーニング中で日中はパンツ、夜だけおむつという幼児にも起こります。夜尿のためにおむつを使っている年長のお子さんや、体調を崩して一時的におむつに戻ったお子さんも同じです。おむつを使っている期間は、年齢を問わず起こりうると考えておくと安心です。

オムツかぶれの原因は尿と便の刺激・蒸れ・こすれです
オムツかぶれは、ひとつの原因で起こるというより、いくつかの条件が重なって生じます。おおまかには次の4つに整理できます。
- 尿に含まれる成分が皮膚に触れ続けて刺激になる
- 便に含まれる消化酵素などが皮膚のバリア機能を弱める
- おむつの中の蒸れで皮膚がふやけ、傷つきやすくなる
- おむつのギャザーやおしり拭きによるこすれが加わる
おむつの中は水分と熱がこもりやすい環境です。ふやけた皮膚はもともとの守る力が落ちているところに、尿や便の刺激とこすれが重なります。この積み重ねが赤みにつながっていきます。
下痢が続くときは悪化しやすくなります
下痢のときの便は水分が多く、皮膚に広がりやすいという特徴があります。おむつに吸収されるより先に広い範囲に触れてしまうため、肛門のまわりだけでなく、おしり全体や太ももの付け根まで赤くなることがあります。
胃腸炎などで下痢が数日続くときは、ふだんよりおむつ替えの回数を増やし、こすらずに洗い流す方法に切り替えると負担を減らせます。子どもの感染症と集団生活での過ごし方については、厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインに情報がまとめられています。
オムツかぶれとカンジダ皮膚炎の見分け方を知っておきましょう
ケアを続けているのによくならないとき、原因が別のところにあることがあります。
代表的なのがカンジダ皮膚炎で、乳児寄生菌性紅斑(にゅうじきせいきんせいこうはん)とも呼ばれます。カンジダという真菌(カビの仲間)が増えて起こるもので、必要な治療の方向が異なります。
| 見るところ | オムツかぶれ | カンジダ皮膚炎 |
|---|---|---|
| 出やすい場所 | おむつが当たる面。しわの奥は比較的きれいなことが多い | おむつが直接当たらないしわやくびれの奥まで赤くなる |
| 見え方 | 赤みやブツブツが境目なく広がっていく | 赤みの境目が比較的はっきりし、周囲に小さな発疹が散ることがある |
| 対応 | 清潔と乾燥を保つ家庭でのケアが基本 | 抗真菌薬による治療が必要になる |
この表は目安であり、実際には見た目が重なることも多くあります。医療機関では、皮膚の表面を少し採って顕微鏡で調べることで見分けます。家庭で確実に判断する方法はない、と考えておくのが安全です。
自己判断で市販のステロイド外用薬を使うことは避けてください。 カンジダ皮膚炎だった場合、炎症を抑える薬だけを使うことで、かえって症状が長引くことがあります。市販薬の使い方に迷ったときは、薬剤師に相談するか受診してください。医薬品の使用上の注意は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報で確かめられます。
家庭でできるオムツかぶれのケアの手順を押さえましょう
家庭でのケアは「汚れを長く肌に残さない」「こすらない」「しっかり乾かす」の3つが軸になります。順番に見ていきます。
おむつを替える回数を増やします
尿や便が肌に触れている時間を短くすることが、いちばん基本の対応です。赤みが出ている間は、ふだんより早めに確認して替えるようにします。外出の予定があるときは、替えられる場所をあらかじめ調べておくと余裕が生まれます。
こすらずに押さえ拭きをします
おしり拭きで往復にこするのは、皮膚にとって負担になります。汚れは「こすり取る」のではなく「浮かせて取る」意識に切り替えてください。具体的には次のような方法があります。
- ぬるま湯で濡らしたコットンやガーゼで、押し当てるように汚れを取る
- 洗面器にぬるま湯を張っておしりを浸し、手で優しく洗い流す
- 空のボトルにぬるま湯を入れ、古いおむつの上でかけ流す
- しわやくびれの奥は、指で軽く広げて汚れが残らないようにする
石けんを使うのは1日1回の入浴時で十分です。よく泡立てて、手のひらでなでるように洗います。
水気を取り、乾いてからおむつをつけます
洗ったあとは、柔らかいタオルやガーゼで押さえるように水分を吸い取ります。濡れたままおむつをつけると蒸れの原因になるため、少し時間を置いて乾かしてから新しいおむつをつけましょう。室温に気をつけたうえで、おむつを外した状態で少しおしりを空気にさらす時間をつくるのも一つの方法です。
乾いたあとに、ワセリンなどの保湿剤で皮膚を覆うと、尿や便が直接触れにくくなります。保湿剤は炎症を治療するものではなく、刺激から守る役割と考えてください。

年齢によって変わるオムツかぶれの注意点があります

同じオムツかぶれでも、年齢や発達の段階によって気をつける点が変わります。
赤ちゃんの時期は、排便の回数が多く便もゆるいため、汚れが肌に触れる機会そのものが多くなります。皮膚も薄く、刺激の影響を受けやすい時期です。この時期は、替える回数を増やすことが最も効きます。
トイレトレーニングの時期になると、事情が変わります。日中はパンツで過ごし、夜だけおむつというお子さんの場合、夜のあいだの数時間、尿が肌に触れたままになりがちです。朝いちばんに替えること、就寝前におしりが乾いた状態でおむつをつけることが対応の中心になります。
夜尿でおむつを使っている年長のお子さんでは、本人が恥ずかしさから赤みを言い出せないことがあります。かゆがるそぶりや、座るときに気にする様子が手がかりになります。おねしょは本人のせいではないと伝えたうえで、痛みがないか声をかけてあげてください。
体調を崩して一時的におむつに戻った場合も同じです。下痢や発熱があるときは肌の負担が急に増えるため、短い期間でも赤みが出ることがあります。
やりがちなオムツかぶれのNG行動を確認しましょう
よかれと思ってしていることが、結果として肌の負担になっていることがあります。
| やりがちなこと | 起こりうること | 代わりにできること |
|---|---|---|
| おしり拭きで往復にこすって汚れを落とす | 摩擦が加わり、赤みやただれが広がりやすくなる | ぬるま湯で湿らせて押さえ拭きにする |
| 濡れたままおむつをつける | おむつの中が蒸れ、皮膚がふやけて傷つきやすくなる | 押さえて水気を取り、乾いてからつける |
| もれないようにきつめにおむつをあてる | ギャザー部分のこすれと蒸れが強まる | 体格に合ったサイズで、指1本入る程度のゆとりをもたせる |
| 残っていた市販のステロイド外用薬を自己判断で使う | カンジダ皮膚炎だった場合に症状が長引くことがある | 薬剤師に相談するか、医療機関を受診する |
| よくならないまま同じケアを続ける | 別の原因を見つける機会が遅れることがある | 数日で変化がなければ受診を検討する |
ベビーパウダーについては、つけすぎると汗の出口をふさいでしまうことがあると考えられています。使う場合はごく薄くにとどめ、赤みやジクジクがあるときは使わないでおきましょう。
オムツかぶれで受診を考える目安を整理します
家庭でのケアで落ち着くことも多い一方で、早めに医療機関に相談したほうがよい場面もあります。緊急度で整理すると判断しやすくなります。
| 緊急度 | お子さんの様子 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| すぐに相談する | ぐったりして反応が鈍い、呼びかけへの反応が弱い、発熱を伴い水分が取れない | 救急外来や119番を含め、時間帯を問わず医療機関へ |
| 数日以内に受診する | 皮膚がめくれている、出血している、水ぶくれがある、おむつの当たらない場所まで広がっている | 小児科または皮膚科を受診する |
| ケアを続けて様子を見る | 赤みが薄く、痛がる様子が軽く、範囲が広がっていない | 家庭でのケアを続け、3〜4日で変化がなければ受診する |
生後3か月未満のお子さんは、発熱があるときは熱の程度によらず速やかに受診してください。皮膚の症状だけで判断せず、機嫌や顔色、水分が取れているかもあわせて見てあげてください。
夜間や休日に迷ったときは、こども医療でんわ相談(#8000)で相談できます。子どもの症状への向き合い方については、国立成育医療研究センターの成育医療お役立ち情報や厚生労働省の子ども医療電話相談事業(#8000)の案内が一般向けに公開されています。
オンライン診療でオムツかぶれを相談できる場面と限界があります
おむつ替えのたびに気になるけれど、受診するほどか分からない。そんなときの相談先として、オンライン診療という選択肢があります。自宅から様子を伝えられるため、外出の負担が少ない点は利点です。
オンライン診療の制度については、厚生労働省のオンライン診療についてのページが指針を公開しています。
一方で、限界もはっきりしています。画面越しでは皮膚に直接触れて確かめることができず、顕微鏡での検査もできません。オムツかぶれとカンジダ皮膚炎の見分けは、この検査で確かめられることがあるため、画面越しの情報だけでは判断が難しい場面があります。
皮膚の写真についても同じです。照明の色や影の入り方で赤みの見え方は変わり、しわの奥は写りにくいところです。写真だけで見分けをつけることは難しい、と考えておいてください。
また、医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。診察の結果、対面での受診をすすめられることもあります。オンラインでの相談は、対面の受診に置き換わるものではなく、判断の手前で使える窓口のひとつと捉えるとちょうどよい距離感になります。
オムツかぶれについてよくある質問【FAQ】
- オムツかぶれは自然によくなりますか。
-
赤みが薄く範囲が狭い段階であれば、こまめな交換と乾燥を保つケアで落ち着くことが多いとされています。数日続けても変化がないときや、範囲が広がるときは受診をご検討ください。
- おしり拭きは使わないほうがよいですか。
-
赤みが出ているあいだは、こすれを減らす意味でぬるま湯で洗い流す方法のほうが負担が少なくなります。外出時などで難しいときは、たっぷり湿らせて押さえるように使ってください。
- 布おむつと紙おむつではどちらがかぶれにくいですか。
-
どちらが優れていると一概には言えませんが、大切なのは濡れたままの時間を短くすることです。使っている種類にかかわらず、替える間隔を見直すほうが効果を実感しやすいと考えられます。
- トイレトレーニング中で夜だけおむつです。朝いつも赤くなります。
-
夜のあいだ尿が肌に触れたままになりやすい時間帯です。就寝前におしりが乾いた状態でおむつをつけること、起きたらすぐに替えて洗い流すことで、触れている時間を短くできます。
- 市販の塗り薬を使ってもよいですか。
-
症状が軽い場合に市販薬が選択肢になることはありますが、成分によって向き不向きがあります。とくにステロイド外用薬は、カンジダ皮膚炎かどうかの見分けがついていない段階では自己判断で使わず、薬剤師への相談か受診を挟んでください。
- きょうだいにうつりますか。
-
オムツかぶれそのものは、尿や便の刺激による炎症のため、人から人へうつるものではありません。ただし下痢の原因が感染症の場合は、その感染症が広がることがあるため、おむつ替えのあとの手洗いを丁寧に行ってください。
【まとめ】オムツかぶれは見分けとケアの手順で落ち着いて対応できます
オムツかぶれは、尿や便の刺激・蒸れ・こすれが重なって起こる皮膚の炎症です。汚れを長く残さず、こすらず、しっかり乾かすという手順を押さえることが、年齢を問わず対応の中心になります。ケアを続けても変わらないときは、別の原因を考えて受診してください。
- オムツかぶれはおむつが当たる部分に起こる接触皮膚炎である
- 赤ちゃんに限らずトイレトレーニング期や夜尿の年長児にも起こる
- しわやくびれの奥まで赤いときはカンジダ皮膚炎の可能性を考える
- 市販のステロイド外用薬を自己判断で使うことは避ける
- 皮膚がめくれる、出血する、発熱を伴うときは受診を検討する
夜間や休日など病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。気になる症状があるときは自己判断せず、医師に相談してください。公的機関と学会の情報をもとに、あんよマガジンの編集方針にそって作成しています。
最終的な判断は医師に相談してください。

