3歳児検診でひっかかる原因は?5つの区分で解説

3歳児検診でひっかかる原因は?5つの区分で解説
3歳児検診でひっかかる原因を知り、次の一歩を決めるまでの見取り図

3歳児検診でひっかかったのに、その場で理由を聞き返せないまま帰ってきてしまうこともありますよね。健診票に「要観察」とだけ書かれていても、どこを見てそう言われたのかは分かりにくいものです。言葉の発音や呼びかけへの反応を言われたなら、この記事で「発達とことば」「見え方・聞こえ方」と呼ぶ区分の話になります。

結論

健診では「からだの育ち」「見え方・聞こえ方」「歯と口」「発達とことば」「生活と育児」の5つの区分を見ています。「要観察」は時期を置いてもう一度様子を見る判定で、国の統計では、健診を受けた3歳児の約3割が経過観察か精密検査の対象です。

分かることは次の3点です。

  1. 「要観察」「要精密」と書かれたときの意味と、ひっかかる割合
  2. 区分ごとに、指摘につながりやすい様子
  3. 次の再確認まで待ってよい場合の目安と、条件に合う相談先
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目次

「要観察」とは?判定の言葉の意味と、3歳児健診でひっかかる割合

健診は、あとで詳しく確かめたほうがよい子どもを広く拾い上げる場(スクリーニング)です。国の研究班がまとめた「改訂2版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」では、医師の判定欄が「異常なし」「既医療」「要観察」「要紹介」の4つです[1]。要観察は時期を置いて様子を見る判定、要紹介は医療機関などへつなぐ判定で、精密検査として紹介する場合も含みます。

厚生労働省の統計は、健診の結果を次の区分で集計しています。令和6年度に市区町村の3歳児健診を受けた808,671人の内訳です[2]。

統計の区分意味令和6年度の人数(割合)
異常なし気になる様子が見つからなかった486,545人(60.2%)
既医療すでに医療機関にかかっている60,608人(7.5%)
要経過観察時期を置いて、もう一度様子を見る128,473人(15.9%)
要精密医療機関で詳しい検査(精密検査)を受けるよう紹介する116,801人(14.4%)
要治療医療機関で治療を受けるよう紹介する12,991人(1.6%)

「意味」欄はこの記事による説明です。人数の合計が受診実人員と合わないのは、同表の注1「受診結果は計数不詳な市区町村があるため、受診実人員と受診結果の計が一致しない場合がある。」によります。

要経過観察と要精密を合わせると30.3%で、ひっかかること自体は珍しくありません。

健診票に「要観察」とあれば、表の「要経過観察」にあたると読んでよいでしょう。健診票の書き方は自治体で違い、別の言い方のこともあります。はっきりしないときは、健診を受けた保健センターで確認できます。

3歳児健診で見ている5つの区分と、ひっかかる主な原因

3歳児健診は、母子保健法第12条で市町村に実施が義務づけられた健診です[3]。対象は満3歳を超え4歳になるまでの子どもで、その1年のうちいつ受けるかは自治体しだいです。

見る項目は母子保健法施行規則が13項目と定めています[4]。下の5つの区分は、13項目を内容の近いものでまとめた名前です。

区分含まれる項目指摘につながりやすい様子の例
からだの育ち身体測定で見る身長・体重などの発育、栄養、背骨や胸の形、皮膚、手足の動き歩き方が不安定で左右に揺れる、親指と人差し指で輪が作れない
見え方・聞こえ方目の病気や異常、耳・鼻・のどの病気や異常家庭での視力検査で0.5が確認できない、呼んで返事をしない・聞き返すことがある
歯と口歯や口の病気や異常歯科健診で、むし歯などの歯や口の病気や異常が見つかる
発達とことば心の発達、言葉の育ち二語文が出ていない、大小・長短・4色のすべてが理解できない、視線が合いにくい、座っていられない
生活と育児予防接種、子育ての困りごと、その他の病気小食や偏食、便秘、寝る時間など、生活リズムで困っていることがある

出所:前掲マニュアルの判定基準(「歯と口」の行を除く)。

自治体によっては尿検査など、表に無い項目が加わります。届いた案内で確かめてください。

発達とことば|発音、やりとり、落ち着き

マニュアルは、3歳で二語文が出ていない場合を言葉の遅れと判断する一方、大小や色の理解ができていれば言葉が追いつくことが多いとして、経過観察の扱いです。発音の発達(構音)は「5歳前後で完成するとされており」、サカナがタカになるような発音の未熟さは異常ではないと書かれています。言葉の伸び方には個人差があると考えてよいでしょう。

話全体が聞き取りにくい場合は、聞こえを確かめたうえで経過観察になります。会話ややりとりが成り立たない、診察中にじっとしていられない場合は、医療機関や、発達の支援を行う機関(療育機関)の紹介を考える目安です。

一方で、短時間の診察で行動を十分に評価するのは難しく、緊張して話せない子どももいると同マニュアルは述べています。保育園に通っていれば、園での友だちとの関わり(社会性)も判断材料です。

見え方・聞こえ方(視力検査と聴力検査)と、からだの動き

家庭での視力検査で左右どちらかでも0.5が確認できなかった子どもと、検査ができなかった子どもは、健診の場の二次検査で再検査します。3歳6か月ごろになると検査できる子どもが増えます。再検査でも確認できなければ、眼科での精密検査です。

聞こえは、問診票と家庭で行う聴力検査(ささやき声検査)で確かめます。問診票のうち「呼んで返事をしなかったり、聞き返したり」を含む4つの重要項目は、1つでも「はい」がつくと、ささやき声検査の結果にかかわらず精密検査の対象です。呼びかけへの反応について言われたら、健診票と一緒に耳の精密検査の紹介状や案内が入っているかを見てください。入っていれば紹介先を受診し、入っていなければ再確認の場で「聞こえは確かめてありますか」と聞きましょう。

歩き方が不安定だったり、左右に重心が揺れたりする場合は、精密検査として医療機関を紹介されます。

1歳半健診では指摘されなかったのに、なぜ3歳で?

見る中身が年齢で変わるからです。1歳6か月児健診の言葉の判定は、絵や体の部位を指差せるか、意味のある言葉が2つ以下かどうかでした。3歳児健診では、二語文、大小や色の理解、会話のやりとりへと目安が進みます。

法令の項目も、1歳6か月児健診の11に対して3歳は13で、眼と、耳・鼻・のどの確認は3歳にだけある項目です。

どの区分の話か分からなくても、下にある「待つか相談するか」の目安で次の行動を決められます。

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「要観察」は発達障害と言われたわけではありません

注意

健診は、発達障害かどうかを決める場ではありません。医師が短い時間で、もう一度確かめる必要があるかを判定する場です。

発達障害かどうかは、医療機関で、生まれてからの育ちの経過(生育歴)などを聞き取って判断します。発達障害情報・支援センターも、診断には生育歴が重要な情報になると説明しています[5]。

検索で見かける「グレーゾーン」は、健診の判定の言葉にも、国の統計の区分にもない言葉です。健診で「グレーゾーン」と判定されたわけではありません。

たとえば奈良市の発達相談は、「保護者の方からお子さんの様子や困りごとについて詳しくお話を伺います」と案内しています[6]。心配して相談するのは、特別なことではありません。

指摘されたあと、次の再確認まで待つか相談するかの分け方と相談先

「2か月後にもう一度」と言われても、それまで待ってよいかは健診票の内容と家での様子で変わります。救急の目安は、消防庁の「救急車を上手に使いましょう」でこども(15歳以下)向けに示されています[7]。

段階当てはまる状況とる行動
すぐに受診・救急相談けいれんが止まらない、意識がない(返事がない)、呼吸が弱い・苦しそう119番に通報する。迷うときは子ども医療電話相談(#8000)に電話する
診療時間内に相談眼科・耳鼻咽喉科での精密検査をすすめられた。家庭や園の困りごとと重なる。再確認まで不安が強い精密検査は受診票や案内に従う。困りごとや不安は保健センターに連絡する
次の再確認まで家で様子を見る「もう一度見せてください」とだけ言われ、家庭でも園でも困る場面が思い当たらない指定の日程を守る。気になる場面が出たら待たずに上の段へ移る

判断に迷うときは、上の段を選んで構いません。

自分の条件で選ぶ相談先

健診票の書かれ方で選ぶ3歳児健診後の相談先の図

受診票や案内が入っていれば最優先です。「要観察」だけで家庭や園でも困っているなら、児童発達支援センターへ。

  • 健診票に受診票や案内が付いていた:健診票と一緒に届く受診票や案内に従ってください。精密健康診査は市区町村が受診票を交付し、委託先で受けます[8]
  • 「要観察」とだけ書かれていた:健診を受けた自治体の保健センターの保健師へ。平日の日中に開く窓口で、健康相談や保健指導を行います[9][3]
  • 家庭でも園でも困っている:児童発達支援センター。子どもが通って発達の支援を受ける施設ですが、通うかどうかが決まる前の段階でも、家族の相談にも応じます。場所は市区町村で聞けます[10]

けいれんが止まらない、意識がない、呼吸が弱いときは119番へ。休日・夜間の急な症状は子ども医療電話相談(#8000)へ(相談日時は都道府県で異なります)[11]。

家庭でできることと、伝え方の例文

発達障害情報・支援センターは、相談の前に困っていることをメモに書き、母子手帳を持っていくようすすめています。書き留めると伝えやすいのは、次の4点です。

  • 健診票に書かれた言葉と、どの区分の話だったか
  • 困っている場面(いつ・どこで・どうなるか)
  • 気になり始めた時期
  • 家庭と、保育園や幼稚園での様子
補足

伝え方の例「3歳児健診で、言葉の発音と呼びかけへの反応について要観察と言われました。家では二語文で話しますが、夕方に名前を呼んでも振り向かないことがあります。保育園では特に言われていません。」

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3歳児検診でひっかかることについてよくある質問【FAQ】

Q1. 相談した内容は記録に残りますか。保育園に伝わりますか。

健診の結果は母子健康手帳に記入され、相談の内容は市区町村が個人情報として持ちます。市区町村は個人情報保護法第69条により、本人の同意なく、健診や相談の目的以外でその情報を使ったり外に渡したりすることが原則できません[12]。例外は、法令に基づく場合や相当の理由があって行政機関内で使う場合などとして条文にあります。気になるときは、保健センターに「園には伝えないでほしい」と伝えておきましょう。

Q2. 相談のときは、何を伝えればよいですか。

健診票の言葉、困っている場面、気になり始めた時期の3つで十分です。

Q3. 「要観察」と言われたら、療育に通うことになりますか。

そのまま決まるわけではありません。療育と呼ばれる支援の一つが児童発達支援で、利用には自治体での相談と手続きが必要です。手順は療育で使う受給者証の申請手順と必要書類にまとめました。

Q4. 2か月後の再確認のあとは、どうなりますか。

結果によって、続けて様子を見るか、医療機関などへの紹介になるかが分かれます。就学前にもう一度見てもらえる5歳児健診を行う自治体もあります。法定の健診ではありませんが、早期発見・早期支援(「こどもの特性を早期に発見し、特性に合わせた適切な支援を行う」こと)を目的としています[13]。

Q5. 発達障害かどうかは、いつ・どこで分かりますか。

健診では決めず、医療機関で生育歴などを聞き取ったうえで判断するものです。自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症も同じです。3歳ごろの目安は自閉症の特徴は3歳でどう見えるか、言葉の目安は発語が遅いと感じたときの目安と関わり方で扱っています。

Q6. 次の再確認や相談に行くとき、持っていくものは?

母子健康手帳、手元にあれば問診票の控え、家での様子を書いたメモを持っていきましょう。視力や聴力の再検査、尿検査の案内が届いていれば、そのとおり準備しておきましょう。

平日の日中に相談の時間を取りにくい場合

ここまでで、判定の言葉の意味と、区分ごとに言われやすい様子は整理できます。ただし健診票の一文がどの様子を指しているかは、家と園での様子を合わせて聞き取らないと決まりません。一般的な説明だけでは、そこまでは分かりません。

平日の日中は仕事で電話や外出が難しく、まず話を聞いてもらいたいという場合は、小児科オンライン診療サービスあんよへ相談を検討してみてはいかがでしょうか。

あんよの診療時間は6時から23時までで、予約はLINEから行います[14]。枠の空き状況は、予約の操作をするときに確認できます。

2025年6月には発達の相談ができる専用の予約枠を設けました。1枠20分の予約制で提携医療機関の小児科専門医が診察し、専用の問診フォームで事前に状況を伝えられます[15]。前の節の4点は、問診フォームで事前に伝えられます。

条件

利用料は無料、診療料は健康保険と子ども医療費助成制度の対象です。助成の適用は、お住まいの自治体で確認してください。専用枠の曜日と時間帯は、予約の際に確かめてください。オンライン診療で確定診断がつくわけではなく、医師の判断により処方できない場合もあります。急を要する症状のときは、119番や子ども医療電話相談(#8000)を優先しましょう。

向いているのは、家での様子の見方を先に整理したい方と、日中に窓口へ連絡しにくい方でしょう。眼科・耳鼻咽喉科で精密検査をすすめられているなら、まず受診票や案内に従って委託先の医療機関を受診してください。発達障害かどうかの診断を求めている場合も、生育歴などを聞き取る医療機関が担当します。前の節に並べた受診票の医療機関、保健センターの保健師、児童発達支援センターも相談先で、あんよはそのうちの一つと考えてください。

【まとめ】3歳児検診でひっかかる原因と、次にとる行動

健診での指摘は、診断ではなく「もう一度確かめる」という合図です。

この記事のまとめ
  1. 令和6年度の国の統計では、健診を受けた3歳児の30.3%が要経過観察か要精密だった
  2. 紹介状や受診の案内が届いていれば紹介先を受診し、「要観察」なら再確認までに家での様子をメモしておく
  3. 発音の未熟さは5歳前後まで続くことがあり、呼びかけへの反応を言われたら耳の精密検査の案内を確かめる
  4. 精密検査をすすめられた場合や、家庭・園の困りごとと重なる場合は、再確認を待たずに相談する

手元の健診票で区分を確かめ、3段階の目安のどこに当たるかを決めることが、次の一歩になります。


最終調査日:2026年9月15日

更新履歴:2026年9月15日 初版。統計は令和6年度(2026年3月公開)の値です。次の年度の公表時に見直します。

参考資料(出典一覧)

  1. 「改訂2版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」(改訂2版・2021年3月/こども家庭庁掲載 2025年7月) ↩
  2. 厚生労働省「令和6年度 地域保健・健康増進事業報告」地域保健編 市区町村編 第7-3表(e-Stat・2026年3月17日公開) ↩
  3. 厚生労働省 法令等データベース「母子保健法」 ↩
  4. 厚生労働省 法令等データベース「母子保健法施行規則」 ↩
  5. 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「医療・相談機関へ行くときには」 ↩
  6. 奈良市「発達相談」 ↩
  7. 総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」 ↩
  8. 厚生労働省「乳幼児に対する健康診査の実施について」(平成10年4月8日児発第285号) ↩
  9. e-Gov法令検索「地域保健法」 ↩
  10. こども家庭庁「地域における児童発達支援センター等を中核とした障害児支援体制整備の手引き」概要 ↩
  11. こども家庭庁「もしものために」 ↩
  12. e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」 ↩
  13. こども家庭庁「5歳児健康診査マニュアル〈改訂版〉」 ↩
  14. あんよ公式サイト(小児科オンライン診療) ↩
  15. ジークス株式会社「小児科オンライン診療『あんよ』、発達障害に特化した外来枠を新設」(2025年6月4日) ↩
  16. 厚生労働省「令和6年度 地域保健・健康増進事業報告」結果の概要(表4 幼児の健康診査の年次推移)(3歳の受診実人員808,671人・受診率96.4%の確認に使用)
  17. 大阪市「3歳児健康診査」