発語が遅いと感じたら?年齢別の言葉の発達の目安と家庭での関わり方、受診の目安を解説

発語が遅いと感じたら?年齢別の言葉の発達の目安と家庭での関わり方、受診の目安を解説

1歳を過ぎてもなかなか意味のある言葉が出てこないと、「うちの子は発語が遅いのかな」と心配になりますよね。

「同じくらいの月齢の子はもう話しているのに」「何か発達の問題があるのかな」と、不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、年齢別の言葉の発達の目安や、発語が遅くなる主な原因、家庭でできる関わり方を解説します。あわせて、受診・相談を検討したい目安や相談先も、公的機関の情報をもとにわかりやすくまとめました。

言葉の発達には大きな個人差があります。過度に慌てず、お子さんの様子を確かめるための参考にしてみてくださいね。

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目次

「発語」とは?まずは言葉が育っていく流れを知ろう

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「発語」とは、意味のある言葉(有意語)を口に出すことをいいます。「ママ」「ワンワン」のように、対象と結びついた単語が出てくることが一つの目安です。

言葉は、ある日突然出てくるわけではありません。泣き声から始まり、声遊び、喃語(なんご)、指差しといった段階を少しずつ積み重ねて育っていきます。

発語の前には、「相手の言っていることがわかる」「伝えたい気持ちがある」といった土台が育っています。話し始める時期だけでなく、こうしたやりとりの育ちも大切な目安になります。

そして何より、言葉が出てくる時期には大きな個人差があります。歩き始めが早い子と遅い子がいるように、話し始めの時期も一人ひとり幅があると考えられています。

年齢別に見る発語(言葉)の発達の目安

まずは、月齢・年齢ごとの言葉の発達の目安を確認してみましょう。あくまで一般的な目安であり、前後の幅があることを前提にご覧ください。

時期言葉・発語の目安
生後2〜3か月ごろ機嫌のよいときに「あー」「うー」と声を出す(クーイング)
生後5〜7か月ごろ「ばばば」「まままま」などの喃語が出はじめる
生後10か月〜1歳ごろ指差しが出てくる/ほしいものを声や身ぶりで伝える
1歳ごろ「ママ」「ブーブー」など意味のある単語が出はじめる
1歳半〜2歳ごろ話せる単語が少しずつ増えていく
2歳ごろ「ワンワン きた」のような二語文が出はじめる
2歳半〜3歳ごろ三語文や簡単なやりとりが増えていく

指差しは、言葉の育ちを見るうえで大切なサインの一つです。ほしいものを指でさす、大人が指さした方を見る、といったやりとりは、乳幼児健康診査(乳幼児健診)でも確認される項目とされています。

この時期の数字はあくまで平均的な目安です。少し早い子も遅い子もいるため、月齢の数字だけで判断せず、少しずつ育っているかどうかを見ていくことが大切です。

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発語が遅いと感じる子どもによく見られる様子

発語が遅いと感じる子どもによく見られる様子_まとめ画像

「発語が遅いかも」と気づくきっかけには、いくつかのパターンがあります。次のような様子が、心配のきっかけになりやすいようです。

たとえば、1歳を過ぎても意味のある単語が出てこない、同じ月齢の子と比べて言葉が少ない、といった様子です。また、こちらの言うことは理解しているのに、話す方だけがゆっくりに見えることもあります。

一方で、言葉が遅いだけでなく、目が合いにくい、名前を呼んでも反応が薄い、指差しをしない、といった様子が重なる場合もあります。こうしたときは、言葉以外の発達もあわせて見ていくと安心です。

ただし、これらはあくまで気づきのきっかけです。当てはまるからといって、何か問題があると決まるわけではありません。次の章で、発語が遅くなる背景を整理していきます。

発語が遅くなる主な原因

発語がゆっくりになる背景はさまざまで、多くは個人差の範囲と考えられています。ここでは、主に考えられる背景を整理します。

個人差や環境によるもの

言葉が出る時期には、もともと大きな個人差があります。性格や興味の方向、きょうだいや周囲との関わり方などによって、話し始めの時期は変わってくると考えられています。

理解が年齢相応に進んでいて、やりとりも育っているなら、しばらく様子を見てよいことも多いようです。関わりを続けるなかで、少しずつ言葉が増えていくお子さんもいます。

聞こえ(難聴)の影響

言葉は、まわりの音や声を聞くことで育っていきます。そのため、聞こえにくさがあると、言葉の発達に影響が出ることがあります。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の情報では、少しでも聞こえにくさがあると、言葉が十分に発達しにくいとされています。また、子どもは順応性が高く、聞こえの悪さに気づかれにくいことも指摘されています。中耳炎などで一時的に聞こえにくくなることもあります。気になるときは、耳鼻咽喉科に相談してみましょう。

話す力だけがゆっくりな場合

聞こえや理解、人とのやりとりには目立った心配がないのに、話す力だけがゆっくりなこともあります。いわゆる「単純性言語遅滞」と呼ばれてきたタイプで、今は表出性の言語発達の遅れとして説明されることもあります。

このタイプは、言っていることは理解できているのに、自分から言葉にするのが難しい状態と考えられています。関わりを続けるなかで追いついていくことも多いとされますが、経過を見ていくことが大切です。

発達の特性による場合

自閉スペクトラム症(ASD)や知的発達症(知的障害)などの発達の特性がある場合に、言葉の遅れがみられることもあります。ただし、これらの特性があれば必ず言葉が遅れるわけではなく、言葉の遅れだけで判断できるものでもありません。

大切なのは、「発語が遅い=発達障害」と決めつけないことです。背景はさまざまで、専門家でも月齢が低いほど判断が難しいとされています。気になるときは自己判断せず、次の章以降の目安を参考に相談を検討してみてください。

発語が遅いときによくある誤解

発語については、昔からよく言われている「言い伝え」のようなものもあります。なかには、今の考え方とは少し違うものもあるため、代表的なものを整理しました。

よく言われること今の考え方
男の子だから遅くて当たり前性差の傾向は語られるが、個人差の方が大きい。性別だけで安心・判断はしにくい
様子を見ればそのうち話す追いつくことも多い一方、背景に聞こえや発達の要因が隠れることもある。気になるなら相談が安心
動画や教材で言葉を覚える一方通行の視聴だけでは育ちにくく、人とのやりとりのなかで言葉は育つと考えられている
たくさん話しかけないと遅れる量より、子どもの興味に合わせたやりとりが大切とされる

「そのうち話す」で気になる様子を見過ごしてしまうより、目安を参考にしながら、必要なときに相談できる準備をしておくことが安心につながります。

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家庭でできる 発語(言葉)を育てる関わり方

言葉を育てるうえで、家庭での毎日の関わりはとても大切です。特別な教材がなくても、日常のやりとりのなかでできることがたくさんあります。

  • 子どもが見ているものに大人も目を向けて、「ブーブーだね」と実況するように言葉にする
  • 絵本を一緒に見て、ものの名前や言葉のリズムに触れる時間をつくる
  • 「どっちがいい?」と2つのなかから選んでもらい、伝える機会を増やす
  • 子どもが言葉にする前に先回りせず、伝えようとする様子を待つ
  • 言い間違いはあえて直さず、正しい言い方でさりげなく返す

大切なのは、うまく話させることではなく、「伝えたい」「通じた」という気持ちを育てることです。楽しいやりとりの積み重ねが、言葉の土台になっていきます。

焦って練習のように取り組むと、親子ともに負担になってしまうこともあります。遊びのなかで、無理なく続けられる関わりを大事にしてみてくださいね。

受診・相談を検討したい発語の目安

「どのくらいなら様子を見てよいのか」「いつ相談すればよいのか」は、いちばん気になるところですよね。ここでは、相談を検討したい目安を整理します。

時期・様子相談を検討したい目安
1歳半ごろ意味のある言葉が一つも出ていない
2歳ごろ二語文が出ていない/話せる言葉がとても少ない
年齢を問わず指差しをしない、目が合いにくい、名前を呼んでも反応が薄い
年齢を問わず呼びかけへの反応が薄く、聞こえにくさが気になる
年齢を問わず一度出ていた言葉やできていたことが減ってきた

これらはあくまで相談を検討する目安であり、当てはまる=異常というわけではありません。1歳半で言葉が出ていなくても、その後に増えていくお子さんもいます。

一方で、「様子を見ましょう」と言われても不安が続くこともあります。気になる様子が続くときや、聞こえが心配なときは、目安の時期を待たずに相談しても構いません。最終的な判断は、健診やかかりつけの医師に相談してください。

発語の遅れはどこに相談する?公的な相談先

いざ相談しようと思っても、「どこに相談すればいいの?」と迷いますよね。発語や発達の相談には、身近な公的の窓口がいくつかあります。

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相談先どんなとき特徴
乳幼児健診節目の時期に発達を確認したいとき1歳6か月児・3歳児健診などで、ことばや聞こえを確認できる
かかりつけ小児科・耳鼻咽喉科発達や聞こえが気になるとき身近な医師に相談でき、必要に応じて専門機関につないでもらえる
保健センター/こども家庭センターどこに相談すべきか迷うとき市区町村の窓口で、保健師などに継続的に相談できる
児童発達支援発達の支援を受けたいとき発達に心配のある子と家族が、身近な地域で支援を受けられる
発達障害者支援センター発達の特性について相談したいとき都道府県などが設置し、本人や家族の相談に応じる

乳幼児健康診査は、母子保健法にもとづいて市区町村が行うものです。1歳6か月児健診・3歳児健診では、言葉や聞こえの育ちも確認されます。健診は、発達の相談ができる身近な機会でもあります。

「どこに相談すればいいかわからない」というときは、お住まいの市区町村の窓口が入り口になります。近年は、母子保健と子育ての相談をまとめて受けられるこども家庭センターの設置も各地で進められています。

発達の支援については、児童発達支援発達障害者支援センターといった窓口もあります。まずは身近な健診やかかりつけ医に相談し、必要に応じてこうした窓口につないでもらうこともできます。

なお、発語の遅れそのものは、健診やかかりつけ医、発達の相談窓口でみてもらうのが基本です。ただ、「受診の目安を知りたい」「聞こえが気になるので、まず相談したい」という段階もありますよね。そうしたときは、自宅から医師に相談できる小児科オンライン診療を、最初の相談先の一つとして活用することもできます。夜間や休日など、すぐに受診できないときの選択肢として知っておくと安心です。

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発語が遅いことに関するよくある質問(Q&A)

言葉が遅いだけで、発達障害だとわかるのですか?

いいえ、言葉の遅れだけで判断できるものではありません。発語がゆっくりな背景はさまざまで、多くは個人差の範囲と考えられています。気になる様子が重なるときは、自己判断せず専門家に相談してみてください。

2歳ですが、単語は出ても二語文が出ません。相談すべきですか?

二語文が出はじめる時期には幅があります。ただ、2歳ごろで二語文が出ていない、言葉がとても少ないといった場合は、相談を検討したい目安の一つとされています。健診やかかりつけの医師に相談してみると安心です。

たくさん話しかければ、言葉は早く出ますか?

話しかけの「量」よりも、子どもの興味に合わせたやりとりが大切だといわれています。子どもが見ているものを言葉にしたり、反応を待ったりする双方向の関わりが、言葉の土台になります。

動画や知育教材を見せると、言葉が増えますか?

一方通行で見るだけでは、言葉は育ちにくいと考えられています。言葉は人とのやりとりのなかで育つとされるため、見せる場合も大人が一緒に言葉を添える関わりが大切です。

「様子を見ましょう」と言われましたが、不安が続きます。

様子を見るように言われても、不安が続くことはありますよね。気になる様子が続くときや聞こえが心配なときは、目安の時期を待たず、あらためて相談しても構いません。

【まとめ】発語が遅いと感じたら、目安を参考にしつつ気になるときは早めに相談を

発語が遅いと感じたときは、まず年齢ごとの目安と、お子さんのやりとりの育ちを確かめてみましょう。そのうえで、気になる様子が続くなら早めに相談することが安心につながります。

この記事のまとめ
  • 発語や言葉が出る時期には大きな個人差がある
  • 話し始めだけでなく、理解ややりとりの育ちも大切な目安になる
  • 発語が遅い背景はさまざまで、個人差のほか聞こえや発達の要因も考えられる
  • 1歳半で言葉が出ない、2歳で二語文が出ないなどは相談を検討したい目安になる
  • 相談先には健診やかかりつけ医、市区町村の窓口、発達の相談窓口などがある

言葉の遅れは、原因や必要な関わりがお子さんによって異なります。自己判断で決めつけず、気になるときは専門家に相談してみてくださいね。

夜間や休日など病院に行く時間がないときや、まず相談先を知りたいときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して相談するのも選択肢の一つですよ。

最終的な判断は医師に相談してください。