子どもの食べられるものが決まっていて、よくある好き嫌いなのか、相談したほうがよいのか迷いますよね。ここでいう偏食は、食べられるものが限られ、特定の食べ物を避け続ける状態です。原因は1つではなく、発達の特性と関わらない背景もあります。国の資料や論文をもとにまとめました。
- 偏食という様子だけで、発達障害かどうかは判断できません
- ただし、家庭で見ておけることと、相談できる先はあります
- 好き嫌いとの違い、相談先の使い分け、相談のときに伝えたい4つのことを紹介します
本記事の編集方針について
あんよマガジンは、編集方針に基づき、公的機関の発表資料や学会ガイドライン等の一次情報を確認したうえで記事を制作しています。
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本記事は、疾患や症状に関する一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。また、特定の医薬品・医療機器・治療法の効果を保証・推奨するものでもありません。気になる症状やご不安がある場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。
なお、本記事の内容は公開時点の情報に基づいており、最新の医学的知見や制度改正により変わる場合があります。
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偏食だけで発達障害かどうかは判断できません|好き嫌いとの見分け方
食べられるものが少ないことは、子どもの食事の悩みとして珍しくありません。平成27年度(2015年)の国の調査では、子どもの食事で困っていることに「偏食する」を挙げた保護者は、3歳〜4歳未満で30.6%でした(図16、回答者数661人)[1]。
調査から約10年たちますが、こども家庭庁が令和7年9月にまとめた「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」も、この平成27年の調査結果を引いています。ただし、この調査は子どもを発達の特性の有無で分けていません。言えるのは「偏食を心配する保護者は珍しくない」というところまでです。
発達障害は、法律で「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定められています(発達障害者支援法 第2条第1項)[2]。偏食そのものは、この定義に挙がっていません。
一方で、偏食と発達の特性に関わりがあることも、専門家の論文で指摘されてきました。発達の特性の診断の考え方を解説した森野・海老島「ICD-11における神経発達症群の診断について」(精神神経学雑誌123巻4号、2021年)[12]には、自閉スペクトラム症(ASD)のある人が「感覚特性やルーチンへの執着から特定の食品の摂取を制限することがある」と書かれています。

ただ、同じ論文によると、ICD-11がこの診断を定義する症状は「社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥」と「行動、興味、または活動の限定された反復的な様式」の2つです。食べ方だけを取り出した診断の項目は、そこに挙がっていません。
診断は、そもそも医師が行う医療行為です。国の指針は診断を「診察、検査等により得られた患者の様々な情報を、確立された医学的法則に当てはめ、患者の病状などについて判断する行為」と定義しています[3]。ネットの記事を読んで決まるものではないのです。
年齢だけで区切るのも難しいところです。本記事で確認した国の資料・論文には、偏食を年齢で区切る目安は見当たりませんでした。そのため編集部は、「3歳だからまだ大丈夫」と年齢で考えるより、食べられるものが前より増えているか減っているかを見ることをおすすめしています。
好き嫌いと言われる食べ方との違い
好き嫌いとの違いを見る目安として、編集部は拒否の強さ、続き方、食べられるものの増減の3つを挙げます。診断の基準ではなく、あとで様子を人に伝えやすくするための整理です(編集部の見解)。
- 拒否の強さ|苦手なものを見ると泣く、吐き出す、パニックのようになる
- 続き方|日によって食べたり食べなかったりするのか、何か月も同じなのか
- 増えるか減るか|食べられるものが増えているのか、むしろ減っているのか
雰囲気や調理方法を変えると食べる日があるなら、気分や好みが影響しているのかもしれません。反対に、何か月も同じものしか口にせず、食べられるものが前より減ってきているなら、続き方と増減の2つが重なっている状態です。日付と一緒に書き留めておき、相談するかどうかは、あとの「すぐ受診したい様子と、相談を考えたい目安」の表で決めてください。
どの項目も、当てはまれば発達の特性があると決めるためのものではありません。
子どもの偏食の原因は?食べられるものが少ない4つの背景
食べられるものが少ない原因として、本記事では次の4つの背景を紹介します。こども家庭庁のガイドは偏食の原因として「食経験が少ないことによる反応、食器・食具が上手く使えない、おなかがすいていない、かみ合わせや発達の状況など」を挙げています[4]。
ただし、どれが主な原因かの順位は、本記事で確認した資料には示されていません。そこで本記事では、発達の特性と重なりうる背景(感じ方の違い・こだわり)と、誰にでも起こりうる背景(口の動かし方の発達による噛みにくさ・食べ慣れないものへの警戒)に分けました。ガイドが挙げる「おなかがすいていない」ことは、どの背景にも重なって食べにくさを強めうる条件と考えられます(この分け方は編集部の整理です)。
どれも一つだけで特性の有無は決まりません。発達の特性そのものについては、子どもの発達障害の特徴とは?年齢別のサインと3つの分類・受診の目安をわかりやすく解説でまとめています。
感じ方の違い(感覚過敏)
食感やにおい、見た目、温度をほかの人より強く感じる子どももいます。こども家庭庁のガイドも、障害のあるこどもでは「味覚・嗅覚・触覚等の感覚が敏感である場合があり」、「特定の色の食べ物しか食べない」等が見られると書いています[4]。
前出の論文が食品の摂取を制限する理由に挙げていたのも、感覚の特性でした。ただし同じ論文によると、ICD-11がこの診断で求めているのは、こだわりや感覚の特性を含む「行動、興味、または活動の限定された反復的な様式」が「年齢、性別、社会文化的背景に比べて明らかに非典型的または過度に」表れていることです。感覚過敏に思い当たる様子があっても、それだけで発達の特性があるとは言えません。
感覚過敏の様子と家庭での工夫は、感覚過敏の子どもに見られる様子と家庭での工夫を解説で詳しく紹介しています。
こだわり|同じものを食べ続ける偏食
同じパン、同じ器、同じ順番でないと食べない、といった形で表れることがあります。前出の論文が挙げる「ルーチンへの執着」は、発達の特性と重なる部分です。
ただし同じ論文は、繰り返しの行動について「強迫観念や強迫行動が、ASDの特徴である行動、興味、または活動の限定された反復的な様式と区別することが難しい場合がある」とも書いています。同じものばかり食べることも、それ一つで特性を示すものではありません。
口の動かし方の発達(口腔機能)
噛む力や飲み込む力(咀嚼・嚥下)の育ちも、食べられるものに関わる視点の一つです。歯科の学会は、「食べる機能」「話す機能」「その他の機能」が十分に発達していないなどの状態を「口腔機能発達不全症」と呼び、専門的な関与が必要な状態として定義しています[5]。
母子健康手帳の様式[14]にも、2歳の頃に「肉や繊維のある野菜を食べますか」、3歳の頃に「よくかんで食べる習慣はありますか」と保護者が答える欄があります。こども家庭庁のガイドは「離乳の不適切な進め方が、幼児期の咀嚼や嚥下に問題が発生する原因となることが多くあります」としています[4]。噛みにくさがあるときは、まず口の育ちの面から確かめる視点を持っておきましょう。噛みにくさがあっても、それだけで発達の特性があるとは言えません。
食べ慣れないものへの警戒
初めての食べ物を怖がって口にしない傾向を「食物新奇性恐怖」といいます。淀川尚子ほか(民族衛生82巻5号、2016年)[13]は、この傾向を「身体を害する恐れのある食物の摂取を避けて安全に生きていくために必要な能力」と説明しています。
誰にでも備わっている警戒心が、食べる場面で強めに出ているだけかもしれません。新しいものを嫌がる様子から、発達の特性まで決めることはできないのです。
気になるなら相談を、と言われても、どこへ何を言えばいいのか分からないと思います。気にしすぎと思われないか、いきなり診断名を告げられないかと不安になる方もいるでしょう。相談の入り口は1つではなく、役割の違う3つがあります。
偏食の相談はどこにすればよい?3つの入り口の使い分け
偏食の相談先は、かかりつけの小児科、自治体の子育て・保健の窓口、発達支援の専門機関の3つです。どこから始めるか決められないときは、ふだん風邪などで診てもらっているかかりつけの小児科に電話するのが、最初の1本にしやすい選び方です。
すぐ受診したい様子と、相談を考えたい目安
入り口を選ぶ前に、急いで受診したい様子がないかを確かめてください。下の表は、表の後に挙げる資料をもとに編集部が相談の目安として整理したもので、医学的な判定の基準ではありません。
| 目安 | 見ておきたい様子 | 次にとる行動 |
|---|---|---|
| すぐ受診・救急相談 | ぐったりして水分もとれない、呼びかけへの反応が鈍い | すぐに医療機関を受診する。反応がおかしいなど緊急のときは119番、夜間・休日で迷うときは子ども医療電話相談(#8000) |
| 早めに受診する | 体重が減ってきた、飲み込むときにむせることが続く | かかりつけの小児科を受診する |
| 近いうちに相談する | 食べられるものが減り続けている、苦手なものに泣く・吐くほど強く反応する、食べ方以外にも気になることがある | 3つの入り口から1つを選んで電話する |
| 家で記録しながら見る | 日によって食べるものが変わる、身長と体重が母子健康手帳のグラフの帯(発育曲線)の中で伸びている | 食事の記録を続け、心配が続けば相談する |
前出の論文は、食事の制限によって「体重減少が著しかったり、健康問題を引き起こしていたり、重大な機能障害を引き起こしたりしている場合」は、発達の特性とは別の診断(回避・制限性食物摂取症)を追加する、と説明しています。体重の変化は、食べ方の話より先に小児科へ伝えてください。
表の体重と身長、むせの段の根拠は次の3つです。前出のこども家庭庁のガイドは保育所などの施設向けの資料ですが、家庭で母子健康手帳のグラフを見るときの手がかりになります(編集部の見解)。
- 発育曲線での評価|測った値を発育曲線に書き込んで評価し、「身長・体重増加不良又は肥満と判定された場合、嘱託医または、かかりつけ医と相談し、保護者に医療機関に受診するよう勧める」としています(p.20)[4]
- 3歳以上の目安|評価の表で、「身長あるいは体重が経時的に基準線を横切って低下」する場合を、医療機関への受診や市町村保健センターへの相談を勧める目安の一つに挙げています(同 p.56)
- むせの段|ガイドは、口の機能の発達と食事の形が合わない場合に「丸飲みや口から出すこと、さらには誤嚥や窒息につながるおそれがあります」と書いています(同 p.40)。受診の目安までは示しておらず、この段は編集部が受診の目安として置いたものです
体重が減ってきたと感じたら、発育曲線に書き込んだ母子健康手帳を持って小児科へ行きましょう。
#8000は、休日・夜間の子どもの症状で判断に迷ったときに、小児科医師・看護師へ電話で相談できる全国共通の窓口です[6]。いちばん下の段にいても、気になった時点で相談してかまいません。
3つの入り口の使い分け

| 相談先 | こんなときに向く | してくれること |
|---|---|---|
| かかりつけの小児科 | どこから始めるか決められない。体重や体調も一緒に見てほしい | 体の状態の確認、保護者の相談への対応、必要に応じた専門機関への紹介 |
| 自治体の子育て・保健の窓口(保健センター、子育て支援センター、こども家庭センターなど) | かかりつけの小児科がない。食事の進め方を具体的に聞きたい | 保健師や管理栄養士による健康相談・栄養相談 |
| 発達支援の専門機関(児童発達支援センター、発達障害者支援センターなど) | 小児科や自治体の窓口で相談したうえで、発達について詳しく相談したい | 発達の特性に合わせた相談や支援、関係機関との連絡調整 |
電話する先を1つに決めるなら、かかりつけの小児科があればそこへ、なければお住まいの市区町村の保健センターへ、という順番で考えると迷いにくくなります。
かかりつけの小児科を最初の相談先に挙げたのは、ふだんの体重や体調の経過を知っている医師に、食べ方の話もまとめて聞いてもらえるからです(編集部の見解)。国の指針も「かかりつけの医師」を「日頃より直接の対面診療を重ねている等、患者と直接的な関係が既に存在する医師」としています(前出の指針)。
制度の面では、令和6年3月の国の診療報酬の通知が、小児かかりつけ診療料を算定する医療機関が行う指導等の一つとして、次の内容を挙げていました(別添1 B001-2-11)[7]。
発達障害の疑いがある患者について、診療及び保護者からの相談に対応するとともに、必要に応じて専門的な医療を要する際の紹介等を行うこと
ただし、この取り決めはその診療料を算定している医療機関に限ったもので、すべての小児科に当てはまるわけではありません。
自治体の窓口の保健センター(市町村保健センター)は、住民に対し「健康相談、保健指導及び健康診査その他地域保健に関し必要な事業」を行うことを目的とする施設と法律で定められています(地域保健法 第18条第2項)[8]。3歳児健診が終わっていても相談できる場はあり、たとえば次のような例があります。
- 平塚市の「育児相談」[19]|0歳から就学前までの子どもを対象に、予約なしで相談できる日を設けています
- 芦屋市の「おやこ栄養相談」[20]|「偏食への対応」を管理栄養士に相談できると案内しています(予約制)
名前は「こども家庭センター」「保健福祉センター」「健康課」など自治体で違っても、受けている相談の中身は近いものです。お住まいの自治体の案内で確認してください。
発達支援の専門機関のうち、発達障害者支援センターは、発達障害のある人やその家族などに対し「専門的に、その相談に応じ、又は情報の提供若しくは助言を行う」業務を担う機関です(発達障害者支援法 第14条第1項第1号)[2]。児童発達支援センターの支援の考え方は、こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)[16]にまとめられました。地域によっては、児童相談所や児童精神科のある医療機関を案内しているところもあります。
診断がなくても相談してよいのでしょうか
診断名がついていない段階で受け付けている窓口はあります。たとえば幸田町(愛知県)の「乳幼児健康相談」[17]は、「お子さんの発育や発達、子育てに関するさまざまな心配のある方、お気軽に保健師・栄養士・助産師にご相談ください」と案内しています。対象は「乳幼児と保護者」で、診断のある子どもに限っていません。
国も、5歳児健診の支援事業の資料[15]で「発達障害等(発達障害等の疑いを含む。)と判定された幼児」を就学前までに支援へつなげる体制づくりを自治体に求めています。対象や受付の方法は窓口ごとに違うため、お住まいの自治体の案内で確かめてください。
専門機関は予約まで時間がかかることがあります
発達の専門の医療機関は、すぐに予約が取れるとは限りません。厚生労働省の事業による調査報告書は、「初診の申し込みから実際に受診に至るまでの待機期間が数か月という医療機関が多く、初診待機は全国的に深刻な状況となっている」と書いています[9]。
専門機関から始めなくても、かかりつけの小児科や自治体の窓口で先に話を聞いてもらえます。待っている間に食事の記録をためておけば、受診の日に様子を伝えやすくなるでしょう。
相談のときに伝えたい4つのことと、家庭でできる偏食の対応
相談の場では、短い時間で食事の様子を伝えなければなりません。記録を4つの項目に絞っておくと、話が早く進むはずです。
相談のときに伝えたい4つのこと
- 食べたもの|白ごはん、食パンなど、実際に口にしたもの
- 食べなかったもの|手を付けなかったもの、一口でやめたもの
- そのときの様子|泣いた、皿を押し返した、においをかいでやめた
- 時間帯|朝・昼・夕のどこか、家か園か
何日分と決める必要はありません。数日分あると、日による違いも伝わります。書き始めるのは今日のぶんからで十分です。
母子健康手帳も持って行きましょう。前出の様式の保護者の記録には、「このページは医療機関、こども家庭センター等で参考にするので、丁寧に記入しましょう」とあります。
保育園や幼稚園に通っているなら、給食の様子を先生に聞いておくと役立ちます。保育所保育指針解説[18]も、「保育所での子どもの食事の様子や、食育に関する取組とその意味などを保護者に伝えること」を、家庭と連携した食育の取組に挙げました。連絡帳のメモも一緒に持って行きましょう。
家庭でできること|無理強いしない・少しずつ・楽しく食べる
家庭での対応は、子どもと家族の両方の負担を減らす方向で考えます。今日からできるのは下の3つと記録で、数か月の単位では発育曲線と食べられるものの増減を見ていきます。
- 無理強いしない|苦手なものは皿に出しても、食べるかどうかは子どもに任せます
- 少しずつ段階を分ける|食べられるものの隣に置く、においをかぐだけ、触るだけ、と一歩ずつ進めます
- 楽しく食べる時間を守る|皿を押し返されたら、その皿は何も言わずに下げ、食べられるものの皿で食事を続けます
3つの考え方は、国の資料の記述に沿っています。保育所などの施設向けですが、こども家庭庁のガイドが紹介する保育所の取組例では、「こどもの『食べたい』という意欲を育むために、苦手なものを無理に食べさせることはしない」としています。感覚過敏のこどもについては「こどもと一緒に、食べられるものや、食べられる方法を探していきます」と書いています(p.82・p.60)[4]。
保育所保育指針解説も、乳児の保育について「苦手そうな味や食品に関しては、形や食べる順番を変えてみるなど工夫するとともに、食事の時間が子どもにとって楽しいものとなるよう心がけることが重要である」と書いています。においや手触りから段階を分ける進め方と、皿を下げる対応は、編集部の工夫の例です。
押し返された皿を下げるのは、負けたことにはなりません。食卓に一緒に座っていられた時間を、その日の記録に残しておきましょう。ただし、偏食は作り方の工夫が足りないから起きる、と決めつけられるものではありません。
オンライン診療で相談できる内容
ここまで読んでも、「うちの子はどうなのか」という一点は残ったままのはずです。食べられるものが少ない背景には、感じ方、こだわり、口の動かし方、警戒心が重なります。どれが強く出ているかは実際の様子を見ないと分からないため、記事の一般的な説明では目の前の子どもについて判断できません。
あんよでできること・できないこと
「食べ方の話を小児科でしてよいのか分からない」「平日の日中に時間を取りにくい」と迷う方もいるでしょう。小児科オンライン診療サービス「あんよ」は、相談内容に特段のルールがなく、日常的な悩みから相談できます。診療時間は6時から23時まで、予約はLINEからです[10]。診療を行うのは、あんよと提携する医療機関の医師です。
自宅から話せるため、記録した4つの項目と母子健康手帳を手元に置いたまま、感覚過敏かもしれない食べ方の様子をそのまま伝えられます。提携医療機関の医師と話しながら整理しやすいのは、次の3つです。
- 家で見ておくこと|記録のどこを続けて見ていくか
- 次の相談先|3つの入り口のうち、どこへ持って行くか
- 対面の受診が要るか|体重や飲み込みの様子を伝えたうえでの、提携医療機関の医師の判断
どこまで話が進むかは、お子さんの様子や相談の内容によって変わります。また、オンラインの相談は発達の診断を受ける場ではありません。国の指針はオンライン診療で得られる情報が視覚と聴覚に限られるとしており、診察の結果、提携医療機関の医師が対面での受診が必要と判断する場合もあります。
かかりつけの小児科に相談できるなら、そちらが先です。国の指針も、かかりつけの医師以外の医師が初診からオンライン診療を行う場面として「休日夜間等で、「かかりつけの医師」がオンライン診療に対応できない場合」「患者に「かかりつけの医師」がいない場合」を挙げています。
向いているのは、表の「近いうちに相談する」「家で記録しながら見る」段に当てはまり、かかりつけの小児科がない、または休日・夜間など、かかりつけの小児科に相談しにくい時間に話したい場面です。向かないのは次の3つで、それぞれ先にとる行動があります。ぐったりして水分もとれない・呼びかけへの反応が鈍いときは119番や子ども医療電話相談(#8000)へ。体重が減ってきた・むせることが続くときは対面の小児科へ。発達の診断をはっきりさせたいときは、かかりつけの小児科や自治体の窓口を通した専門機関への相談が先になります。
費用と、相談をためらう気持ちについて
費用は2つに分かれます。あんよの利用料は無料です。提携医療機関の医師の診察にかかる診療料は健康保険の対象です。子ども医療費助成は、あんよが対応している都道府県で使えます。対応する都道府県は順に広がっている段階のため、お住まいの地域が対象かは公式サイトで確認してください。窓口で払う自己負担があるか、いったん払ったあとで払い戻しを受けるかは、お住まいの自治体の助成の内容しだいです。
「気にしすぎと思われないか」とためらう方もいるでしょう。ここまで見てきたとおり、相談は診断名がついてから始めるものではありません。気になった時点で話してよいものです。
偏食と発達障害についてよくある質問【FAQ】
- 無理やり食べさせたほうがよいですか?
-
無理やり食べさせるのはおすすめしません。前出のこども家庭庁のガイドが紹介する保育所の取組例も、「苦手なものを無理に食べさせることはしない」としています。食べられるものを確保しながら、においをかぐ、触るなど、少しずつ進めてください(段階の分け方は編集部の工夫の例)。
- 食べられるものが少なく、栄養不足が心配です。
-
身長と体重を母子健康手帳のグラフに書き込み、帯の中で伸びているかを見てください(前出「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」の見方)。母子健康手帳の健康診査の記録欄には、どの回にも「栄養状態」を記録する欄があります(1歳6か月児健診までは「良・要指導」、2歳児健診以降は「ふとり気味・普通・やせ気味」)。体重が増えない、減ってきたと感じたら、早めに小児科で相談してください。
- 偏食は何歳まで様子を見てよいですか?
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本記事で確認した資料に年齢の目安は見当たらず、編集部としては、食べられるものの増減を見ることをおすすめします。食べられるものが減り続けている、食べ方以外にも気になることがあるときは、年齢を待たずに相談してかまいません。
- 保育園の給食だけ食べないときも相談してよいですか?
-
はい。家と園で食べ方が違う場合は、その違い自体が伝えたい情報になります。先生から聞いた給食の様子を、4つの項目の記録に書き足しておきましょう。
- オンラインの相談で、発達の特性があるかどうか診断してもらえますか?
-
オンラインの相談だけで診断名がつくものではありません。厚生労働省の指針は、オンライン診療では得られる情報が「視覚及び聴覚に限られる」とし、十分な情報が得られていると判断できない場合は速やかにオンライン診療を中止して対面の診療を行うよう定めています。オンラインでは、いま家で何を見ておくか、次にどこへ相談するかを整理できます。
かかりつけの小児科に相談しにくい時間に、記録した4つの項目を手元に置いて偏食の様子を話してみたいときは、小児科オンライン診療サービスあんよへ相談を検討してみてはいかがでしょうか。サービスについてのお問い合わせは、アプリ「あんよ」内のチャット、または電話(050-3645-4364/運営:ジークス株式会社)で受け付けています[11]。
【まとめ】偏食が発達障害かどうか迷ったときに押さえたいこと
- 偏食という様子だけで、発達障害かどうかは判断できません
- 好き嫌いとの違いは、拒否の強さ、続き方、食べられるものの増減で見ておきます
- 原因には感じ方、こだわり、口の動かし方、食べ慣れないものへの警戒があり、どれも当てはまるだけでは特性の有無は決まりません
- 相談先は、かかりつけの小児科、自治体の窓口、発達支援の専門機関の3つがあり、迷ったらかかりつけの小児科から始めます
- 食べたもの、食べなかったもの、そのときの様子、時間帯の4つを記録すると、相談の場で伝えやすくなります
偏食に悩む毎日のなかで、保護者自身が疲れていることもあるはずです。子どもの様子と同じように、ご自身の気持ちも相談の場で話してよいことです。発達の特性そのものについて知りたいときは、子どもの発達障害とは?種類ごとの特徴やサイン 相談先の目安までわかりやすく解説もあわせてご覧ください。
最終調査日:2026年9月23日 / 次回見直し予定日:2027年3月23日
本記事は2026年9月15日時点(一部の資料は9月23日時点)で公開されている法令・公的資料と、あんよ公式サイトの記載にもとづきます。保護者の回答の割合(30.6%)は平成27年度(2015年)の調査の値で、現在の割合を示すものではありません。偏食のある子どものうちどのくらいに発達の特性があるかといった割合は示していません。小児かかりつけ診療料についての診療報酬の通知は、令和6年度改定時点(令和6年3月5日付)のものです。自治体の窓口や子ども医療費助成の内容は地域で異なるため、お住まいの自治体の案内で確認してください。次回見直し予定日より前でも、制度や資料が改められた場合は本文を見直し、この節に記録を残します。
更新履歴:2026年9月15日 調査・作成 / 2026年9月23日 出典の追加(食事の提供ガイド・発達障害者支援法第2条・幸田町・あんよ「特定商取引法に基づく表記」)、体重の見方と家庭での対応の根拠を食事の提供ガイドの該当箇所(p.20・p.56・p.60・p.82)へ差し替え、編集部の見解である箇所の明示
参考文献
この記事の出典一覧です。番号は本文中の[1]などの番号に対応しています。
- 厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」|https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134460.pdf (掲載ページ:厚生労働省 平成27年度乳幼児栄養調査) ↩
- 発達障害者支援法(平成16年法律第167号)|https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC1000000167 ↩
- 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」平成30年3月(令和8年4月改訂)|https://www.mhlw.go.jp/content/001685735.pdf ↩
- こども家庭庁「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」令和7年9月|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5f30b36e-6d64-49c2-812f-71fdef462c98/9e082688/20250924-policies-boshihoken-jidoufukukshi-eiyou-01.pdf ↩
- 日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」令和6年3月|https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r06/document-240402-2.pdf ↩
- 厚生労働省「上手な医療のかかり方 子どもの症状は#8000」|https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/8000.html ↩
- 厚生労働省保険局医療課「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添1|https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/iryo_hoken/santei/000330125.pdf ↩
- 地域保健法(昭和22年法律第101号)|https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000101 ↩
- 厚生労働省「発達障害児者の初診待機等の医療的な課題と対応に関する調査」令和元年度研究報告書(研究代表者 本田秀夫)令和2年3月|https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000654179.pdf ↩
- 小児科オンライン診療サービスあんよ 公式サイト(2026年9月15日確認)|https://www.annyo.jp/?from=magazine ↩
- あんよ「特定商取引法に基づく表記」(2026年9月23日確認)|https://www.annyo.jp/order/ ↩
- 森野百合子・海老島健「ICD-11における神経発達症群の診断について」精神神経学雑誌 123(4)、2021年|https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1230040214.pdf ↩
- 淀川尚子ほか「母子の食物新奇性恐怖と食生活コミュニケーションが野菜摂取におよぼす影響」民族衛生 82(5)、2016年|https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshhe/82/5/82_183/_pdf ↩
- こども家庭庁「母子健康手帳 府令様式」令和8年4月1日施行|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/909390f5-d0c0-47b9-9b9e-c343b88bde66/ce5b736e/20260409_policies_boshihoken_techou_25.pdf ↩
- こども家庭庁「『1か月児』及び『5歳児』健康診査支援事業」令和5年度補正予算資料|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/ff38becb-bbd1-41f3-a95e-3a22ddac09d8/6a0d17f1/20231129_policies_boshihoken_136.pdf ↩
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」令和6年7月|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/863f5ecf/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_guideline_tebiki_02.pdf ↩
- 幸田町「乳幼児健康相談」|https://www.town.kota.lg.jp/soshiki/11/692.html ↩
- 厚生労働省「保育所保育指針解説」平成30年2月|https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/36b55701/20231016_policies_hoiku_66.pdf ↩
- 平塚市「育児相談」|https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/kodomo/page-c_01995.html ↩
- 芦屋市「おやこ栄養相談」|https://www.city.ashiya.lg.jp/kenkou/bosieiyousoudan.html ↩

