子どものマイコプラズマ肺炎とは?症状の見分け方と治療・受診目安をわかりやすく解説

子どものマイコプラズマ肺炎とは?症状の見分け方と治療・受診目安をわかりやすく解説

「咳がもう2週間以上続いている」「熱は下がったのにケホケホが止まらない」と、お子さんの様子が気になっていませんか。

「ただの風邪じゃないのかな?」「マイコプラズマって聞いたことはあるけれど、うちの子もそうなの?」と、不安に感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、子どものマイコプラズマ肺炎の特徴や風邪との見分け方、家庭でのケア、受診の目安、登園・登校再開のタイミングまでを、公的機関の最新情報をもとに分かりやすく解説します。

医師監修のもと確認していますので、慌てずに目の前のお子さんに合わせて読み進めてみてくださいね。

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本記事は一般的な医学情報の解説を目的としており、個別の診断・治療を指示するものではありません。最終的な判断は医師にご相談ください。

目次

子どものマイコプラズマ肺炎とは?病原体と好発年齢

子どものマイコプラズマ肺炎の概要と特徴の説明図

子どものマイコプラズマ肺炎は、Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ)という細菌の感染によって起こる呼吸器の感染症です。

一般的な細菌と違って細胞壁を持たないという特徴があり、ペニシリン系などの細胞壁に作用する抗菌薬が効かないことが知られています。

厚生労働省の情報によると、マイコプラズマ肺炎の報告数の約80%は14歳以下の小児が占めるとされています。特に学童期(おおむね5〜15歳)に多くみられますが、近年は乳幼児での感染報告も増えています。

国立成育医療研究センターも、幼稚園・小学校以上の年齢を中心に発症することが多いと説明しています。

以前は4年ごとに大流行を繰り返すことから「オリンピック肺炎」と呼ばれた時期もありますが、近年はそのサイクルが崩れています。2024年から2025年にかけては全国的な流行が報告されており、今後もしばらくは注意が必要な状況が続くと考えられます。

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子どものマイコプラズマ肺炎の主な症状と長引く咳の特徴

マイコプラズマ肺炎は、発熱とともに乾いた咳が長く続くのが最大の特徴です。

鼻水や痰は比較的少なく、咳が「コンコン」「ケンケン」と乾いた音で出ることが多いとされています。

東京都こども医療ガイドでは、熱が下がった後もしつこい咳が3〜4週間ほど続くことがあると説明されています。

マイコプラズマ肺炎で起こりやすい症状

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症状特徴出やすい時期
発熱38度以上の高熱が出ることが多い発症初期から数日間
乾いた咳コンコン・ケンケンとした咳で痰が少ない発症数日後から3〜4週間
頭痛・倦怠感だるさや頭痛を訴えることがある発症初期
咽頭痛のどの痛みや違和感発症初期
喘鳴ヒューヒュー・ゼーゼーという呼吸音重症化の兆候として

幼児の場合は、症状を言葉で伝えにくいため、機嫌や食欲、呼吸の様子で気づくことが大切です。

「咳で眠れない」「呼吸が早い」「胸の痛みを訴える」といった様子がみられる場合は、肺炎が進行している可能性があります。

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子どものマイコプラズマ肺炎と風邪・インフルエンザ・新型コロナとの見分け方

長引く咳というだけでは、ほかの感染症と区別がつきにくいことがあります。

家庭でできる見分け方の目安として、症状の出方や経過を比較してみると参考になります。

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感染症主な症状の特徴咳が続く期間の目安
マイコプラズマ肺炎発熱と乾いた咳が中心、鼻水・痰は少ない3〜4週間続くことがある
風邪(一般的なかぜ)鼻水・くしゃみ・のどの痛みが中心、熱は軽め1〜2週間でおさまることが多い
インフルエンザ高熱・関節痛・全身の倦怠感が急に出る1〜2週間でおさまることが多い
新型コロナウイルス発熱・咳・のどの痛み・味覚や嗅覚の変化1〜2週間が一般的

ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、症状だけで確定診断はできません。最終的な診断は医療機関での検査が必要になります。

日本呼吸器学会も、マイコプラズマ肺炎は他のかぜ症候群との区別が難しい場合があるとしています。

子どものマイコプラズマ肺炎の感染経路と潜伏期間

子どものマイコプラズマ肺炎の感染経路と潜伏期間の説明図

感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染と、ウイルスのついた手などを介する接触感染が中心です。家庭内や保育園・学校での濃厚接触で広がりやすいとされています。

潜伏期間は、おおむね2〜3週間(場合により1〜4週間とされることもあります)と比較的長いのが特徴です。

「お子さんが発症した時点で、すでに2〜3週間前にどこかで感染していた」というケースが多く、感染源の特定が難しい感染症でもあります。

きょうだいや親が同じ時期に咳をしている場合は、家庭内感染も視野に入れて様子を見ることが大切です。

子どものマイコプラズマ肺炎の検査と診断

医療機関では、症状や流行状況に加え、いくつかの検査を組み合わせて診断を行います。

日本小児科学会の2025年改訂ガイドラインでは、急性期の診断には核酸同定検査(PCR法・LAMP法)が最も優れているとされています。

主な検査方法と特徴

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検査の種類特徴結果が出る時間
LAMP法・PCR法喉の粘液から原因菌の遺伝子を検出、精度が高い当日〜数日
迅速抗原検査喉の粘液から原因菌の成分を検出、簡便だが感度はやや低い15〜30分
抗体検査(血液)血液で抗体の有無を調べる、確定には2回の採血が必要数日〜1週間
胸部レントゲン肺炎の有無や広がりを画像で確認当日

検査の選択は、お子さんの年齢や症状、医療機関の体制によって異なります。

どの検査も100%正確というわけではなく、診察所見と組み合わせて総合的に判断されるのが一般的です。

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子どものマイコプラズマ肺炎の治療薬とマクロライド耐性菌

マイコプラズマ肺炎の治療には、第一選択としてマクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン・アジスロマイシンなど)が用いられます。

通常は内服してから2〜3日で発熱や咳の改善がみられることが多いとされていますが、効果には個人差があります。

マクロライド系が効きにくいケース

近年は、マクロライド系抗菌薬が効きにくい「マクロライド耐性菌」の存在が問題になっています。

日本小児科学会のガイドラインによると、2024年上半期の調査では耐性率が約60%と報告されており、流行時期や地域によって大きく変動するとされています。

服用から48〜72時間経っても発熱や咳が改善しない場合は、耐性菌の可能性も考えられるため、再受診して相談することが大切です。

第二選択の薬と小児への注意

マクロライド系が効かないと判断された場合は、以下のような薬が選択肢となります。

ニューキノロン系(小児ではトスフロキサシンが使用可能)やテトラサイクリン系(ミノサイクリン・ドキシサイクリン)が用いられることがあります。

ただしテトラサイクリン系は、歯の着色や骨の発育への影響が知られているため、8歳未満の子どもには他の薬が無効な場合に限って慎重に使用されます。

薬の選択は必ず医師が判断します。

市販の咳止めや解熱剤を自己判断で長く使い続けるのは避けてください。

子どものマイコプラズマ肺炎で家庭でできるケア

マイコプラズマ肺炎は、自宅で安静と対症療法を続けながら経過を見ていくことが基本です。

東京都こども医療ガイドでは、症状を悪化させないために観察・水分補給・室内環境の3点を意識することが推奨されています。

観察したい体の様子

ご家庭で確認したいのは、体温・呼吸の様子・顔色・機嫌・食欲・水分摂取量です。

特に呼吸が早くなっていないか、唇や指先の色が悪くないかを、1日に数回チェックすることをおすすめします。

「いつもと違う」と感じた変化は、メモに残しておくと受診時に役立ちます。

水分補給と食事

熱と咳で脱水になりやすいため、こまめな水分補給が大切です。

一度にたくさん飲ませると咳き込んで吐いてしまうことがあるため、湯ざましや麦茶、乳幼児用イオン飲料などを少量ずつ与えるとよいでしょう。

食事は無理に食べさせず、のどごしのよいおかゆやゼリー、スープなどから始めるのがおすすめです。

部屋の環境

部屋が乾燥すると咳が悪化することがあるため、加湿器や濡れタオルなどで湿度を保つとよいとされています。

加湿器は内部に雑菌が繁殖しないよう、こまめに水を換えて清潔に保つことが大切です。

温度は秋冬で20℃前後、夏は26〜28℃を目安に、大人が快適と感じる程度に調整してみてください。

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子どものマイコプラズマ肺炎で受診すべきタイミングと緊急度の見分け方

「いつ病院に行けばいいの?」と迷うことが一番多いのが、この感染症の特徴です。緊急度を3段階に分けて整理してみました。

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緊急度こんなときは受診のタイミング
すぐ受診呼吸が苦しそう・唇の色が悪い・水分が取れない・ぐったりしている時間帯にかかわらず受診、夜間休日は救急相談
早めに受診発熱と激しい咳が続く・夜眠れないほど咳き込む・胸の痛みを訴える当日〜翌日に小児科を受診
様子をみる軽い咳のみ・熱もなく機嫌や食欲は普段通り数日経っても改善しなければ受診を検討

東京都こども医療ガイドでは、以下のような呼吸困難のサインがあれば速やかな受診が推奨されています。

呼吸が早い、鼻がふくれたり縮んだりする、息を吸うときに首やあばら骨の間がへこむ、肩で息をする、うめくような呼吸をする、といった様子が目安になります。

夜間や休日に判断に迷うときは、小児救急電話相 #8000や、東京都の場合は救急相談センター #7119に相談するのも選択肢の一つです。

夜間や休日で病院に行く時間がないときは、小児科オンライン診療「あんよ」で医師に相談するのも検討してみてください。

子どものマイコプラズマ肺炎で注意したい合併症

マイコプラズマ肺炎は多くの場合、軽症ですむと考えられていますが、まれに肺以外の臓器に合併症が出ることがあります。

厚生労働省日本呼吸器学会では、以下のような合併症が報告されています。

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合併症主な症状注意したいサイン
中耳炎耳の痛み・耳だれ耳を頻繁にさわる・痛がる
発疹・皮膚症状体に赤い発疹が出る・口の中の粘膜が荒れる発疹が急に広がる・水ぶくれができる
心筋炎胸の痛み・動悸・極端な疲れやすさ顔色が悪い・脈が乱れる
無菌性髄膜炎・脳炎強い頭痛・嘔吐・けいれん・意識がぼんやり呼びかけへの反応が鈍い
ギラン・バレー症候群手足の力が入らない立てない・歩けない

これらの合併症は決して頻度が高いわけではありませんが、「肺炎が治ったあとも体調が戻らない」「新しい症状が出てきた」という場合は、早めに医師に相談することが大切です。

子どものマイコプラズマ肺炎の登園・登校再開の目安と出席停止

マイコプラズマ肺炎は、学校保健安全法施行規則において、第一種〜第二種のような具体的な出席停止期間が定められた感染症ではありません。

日本呼吸器学会等の合同ステートメントによると、マイコプラズマ肺炎は学校保健安全法施行規則の第三種「その他の感染症」に該当し、学校医や校長の判断で出席停止が決められる枠組みとされています。

日本小児科学会の2025年改訂ガイドラインでは、登園・登校再開の目安として、発熱や激しい咳といった主要な症状が改善していることが基準として示されています。

実際の判断は、保育園・幼稚園・学校ごとに異なる場合があるため、主治医の意見書や登園許可証の必要性も含めて、通っている園や学校に必ず確認するようにしてください。

「咳が完全にゼロになるまで休む」必要はないとされていますが、激しく咳き込む状態のままでは本人もつらく、周囲への感染リスクも残るため、無理な早期復帰は避けたほうが安心です。

子どものマイコプラズマ肺炎の予防策

マイコプラズマ肺炎には、現在のところワクチンはありません。日常の感染対策が予防の中心になります。

こども家庭庁や厚生労働省の情報をもとに、家庭で取り組みやすい予防策を整理しました。

家庭でできる予防として、外出後の手洗いとうがいを習慣にする、人混みではマスクを着用する、咳エチケットを家族全員で守る、部屋の換気をこまめに行う、規則正しい生活と十分な睡眠を心がけるといった点が挙げられます。

家族の誰かが感染した場合は、タオルや食器の共用を避ける、寝室を分けるなどの対応も感染拡大の予防につながります。

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子どものマイコプラズマ肺炎に関するよくある質問

マイコプラズマ肺炎は何日くらいで治りますか?

発熱は治療開始から数日〜1週間ほどで落ち着くことが多いとされています。

ただし、咳だけは熱が下がった後も3〜4週間ほど続くことがあります。咳が長く残っても、ほかの症状がなく機嫌や食欲が戻っていれば、過度に心配しすぎる必要はないと考えられます。

お風呂に入ってもいいですか?

熱が下がり、体力が回復してきていれば、短時間の入浴は問題ないことが多いとされています。

ただし高熱がある間や、ぐったりしているときは、体力を消耗しやすいため濡れたタオルで体を拭く程度にとどめましょう。

きょうだいへの感染を防ぐ方法はありますか?

完全に防ぐのは難しいものの、こまめな手洗い・うがい、タオルや食器の共用を避けること、部屋を分けて寝ることなどがリスクを減らす対策として知られています。

潜伏期間が2〜3週間と長いため、しばらくは家族全員の体調変化に注意することが大切です。

抗菌薬を飲んだのに熱が下がりません。どうすればいいですか?

48〜72時間経っても発熱や咳が改善しない場合は、マクロライド耐性菌の可能性も考えられます。自己判断で薬をやめたり追加で飲んだりせず、処方を受けた医療機関に再度相談してください。

マイコプラズマ肺炎は何回もかかりますか?

一度かかってできる免疫は完全ではなく、数年経つと再感染することもあるとされています。流行している時期は、年齢にかかわらず予防対策を続けることが大切です。

【まとめ】子どものマイコプラズマ肺炎は長引く咳と発熱が特徴|早めの受診と適切なケアで回復を目指せます

子どものマイコプラズマ肺炎は、発熱と長く続く乾いた咳が特徴の感染症です。

学童期を中心に乳幼児にも広がっており、2024年からは全国的な流行が続いています。

この記事のまとめ
  • 子どものマイコプラズマ肺炎は発熱と3〜4週間続く乾いた咳が特徴で潜伏期間は2〜3週間と長い
  • 第一選択はマクロライド系抗菌薬だが近年は耐性菌の報告があり48〜72時間で改善しないときは再受診を検討する
  • 呼吸が苦しい・水分が取れない・ぐったりするなどのサインがあれば時間帯を問わずすみやかに小児科を受診する
  • 登園や登校再開の目安は主要症状の改善とされており最終判断は園や学校への確認が大切
  • 予防は手洗い・うがい・マスク・換気とこまめな体調観察が中心でワクチンは現時点で存在しない

長引く咳や発熱が続いていて、「夜間や休日でも相談したい」「通院の判断に迷う」というときは、小児科オンライン診療「あんよ」を活用して医師に相談するのも選択肢の一つですよ。

最終的な判断は医師に相談してください。

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