子どもの嘔吐と発熱で下痢なし|原因5つと受診の目安をわかりやすく解説

子どもの嘔吐と発熱で下痢なし|原因5つと受診の目安をわかりやすく解説

夜中に子どもが急に吐いて熱まで出てきたのに、下痢の症状はない――そんなとき、思わずドキッとしてしまいますよね。

「胃腸炎じゃないのかな?」「下痢がないなら様子を見ても大丈夫?」「夜間でも病院へ行くべき?」と、不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、子どもの嘔吐と発熱があって下痢がないときに考えられる代表的な5つの原因、緊急度別の受診目安、家庭でできるケアまでを医師監修のもとわかりやすく解説します。

「すぐに受診すべきか、朝まで様子をみてよいか」の判断チェックもまとめましたので、慌てずにお子さんの様子を確認してみてくださいね。

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本記事は一般的な医学情報の解説を目的としており、個別の診断・治療を指示するものではありません。最終的な判断は医師にご相談ください。

目次

子どもの嘔吐と発熱で下痢なしのとき、まず確認したい3つのポイント

嘔吐と発熱が同時に起きて下痢がないとき、原因や緊急性は症状の出方によって大きく変わります。

子どもの嘔吐と発熱で下痢なしのとき、まず確認したい3つのポイントの概要図

受診を考える前に、まずはお子さんの様子を3つの視点で観察してみましょう。

嘔吐の回数と間隔

1回吐いてその後落ち着いているのか、短時間で繰り返しているのかで対応が変わってきます。

30分〜1時間おきに何度も吐く、数時間止まらないといった場合は脱水のリスクが高まります。

吐いた時刻と回数、間隔をメモしておくと、受診のときに医師の判断材料として役立ちます。

吐いたものの中身と色

食べたものがそのまま出るのか、透明や黄色の胃液なのかを確認します。

血が混じる、コーヒーかすのような黒っぽい色、緑色(胆汁)が見られる場合は、消化管の重い異常が疑われるため、夜間でも早めの受診をおすすめします。

機嫌・元気・水分のとれる量

吐いた直後でも機嫌が戻り遊べるなら比較的軽症のことが多いと考えられます。

一方で、ぐったりして反応が鈍い、目の焦点が合わない、まぶたの周りがくぼんでいるなどがあれば注意が必要です。

水分を口にしても全部吐いてしまう状態が続くと、短時間で脱水が進むことがあります。

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子どもの嘔吐と発熱で下痢なしのときに考えられる原因5つ

下痢がないからといって、感染症の可能性が低いとは限りません。

実は、感染症の初期は嘔吐と発熱だけが先行することがよくあります。ここでは代表的な5つの原因を整理します。

ウイルス性胃腸炎の初期(嘔吐が先行して下痢が後から出る)

ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルスなどによるウイルス性胃腸炎では、まず嘔吐から始まり、下痢が半日〜1日遅れて出ることが少なくありません。

「下痢がないから胃腸炎ではない」と判断するのは早計といえます。

特に冬から春にかけては流行しやすく、保育園や幼稚園で広がっていることがあるため、最近の流行情報や園での感染状況の確認も参考になります。

詳しくは厚生労働省のロタウイルスに関するQ&Aもあわせて参考にしてください。

かぜ症候群・咽頭炎(のどの炎症や強い咳に伴う嘔吐)

かぜの初期では、のどの痛みや咳が出る前に、熱と吐き気だけが先に現れることがあります。

咳き込みすぎて吐いてしまうケースも子どもには多くみられます。

数時間〜半日ほどで落ち着き、その後に鼻水や咳など本来のかぜ症状が出てくるパターンもあるため、嘔吐後の経過観察が大切です。

インフルエンザ

インフルエンザは咳・鼻水・高熱が主症状とされていますが、子どもでは初期に吐き気や嘔吐だけが目立つことがあります。

下痢を伴わない場合も少なくありません。

急な高熱とともに嘔吐がみられ、流行期と重なる場合はインフルエンザの可能性を念頭に置き、検査の対象となるかを医療機関で確認することをおすすめします。

溶連菌感染症

A群溶血性レンサ球菌による感染症では、のどの強い痛みと38度以上の発熱、赤い発疹(イチゴ舌などを含む)に加えて、嘔吐がみられることがあります。

下痢を伴わないケースも多いとされています。

抗菌薬による治療が必要となるため、のどの赤みや発疹の有無もチェックし、疑わしい場合は医療機関での検査を検討してください。

あんよマガジンの溶連菌感染症の登園・登校についての記事もあわせて参考になります。

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中耳炎・尿路感染症などの「胃腸以外」の感染症

中耳炎、尿路感染症、副鼻腔炎、肺炎などの感染症も、子どもでは嘔吐や発熱を引き起こすことがあります。

「お腹の症状がないのに吐いて熱がある」場合、これらの可能性も視野に入れて受診を検討します。

特に乳幼児では症状の訴えが難しいため、耳を気にする、おしっこのときに泣く、呼吸が苦しそうなどのサインがあれば、医療機関での全身の様子の確認が大切です。

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下痢なしの嘔吐でも見逃せない、緊急性の高い病気

頻度は低いものの、命に関わる病気の初期症状として嘔吐と発熱が現れることもあります。

下痢なしの嘔吐でも見逃せない、緊急性の高い病気の概要図

以下のサインがある場合は、夜間でもためらわずに救急受診を検討してください。

急性虫垂炎(いわゆる盲腸)

10〜20歳代に多いとされていますが、年長児にもみられる疾患です。

最初はおへその周りの痛みから始まり、その後右下腹部に痛みが移動するのが典型とされています。

発熱と嘔吐を伴い、放置すると腹膜炎に進行する可能性があります。

細菌性髄膜炎・ウイルス性髄膜炎

髄膜炎では、激しい頭痛、首の硬さ(うなじが硬い)、意識がぼんやりするなどの症状が嘔吐や発熱に伴って現れます。

進行が早く、早期治療が予後を大きく左右します。

国立成育医療研究センターなど小児専門医療機関でも、けいれんや意識障害を伴う発熱・嘔吐は救急対応の対象とされています。

詳しくは国立成育医療研究センターの情報も参考になります。

腸重積(とくに生後6か月〜2歳)

腸の一部が隣の腸に入り込んでしまう疾患で、激しい腹痛と嘔吐、間欠的に強く泣くことが特徴とされています。

イチゴゼリーのような血便が後から出ることもあります。

頭部のケガによる嘔吐

転倒や落下で頭を打った後に吐く場合は、頭蓋内の出血や脳のダメージの可能性があります。

打った直後だけでなく、数時間〜1日経ってからの嘔吐にも注意が必要です。

子どもの嘔吐と発熱で下痢なしのときの受診目安【緊急度3段階】

下記の表を緊急度の目安としてご活用ください。

あくまで一般的な目安であり、最終的な判断は医師にご相談ください。

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緊急度こんな様子が見られるとき行動の目安
すぐに救急受診意識がもうろう/けいれん/呼びかけに反応が鈍い/激しい頭痛/首がうなだれず硬い/繰り返す胆汁性(緑色)嘔吐/血液混じりの嘔吐/頭を打った後の嘔吐/半日以上おしっこが出ない夜間でも救急外来・救急車を検討
当日中の受診や電話相談1時間に2回以上の嘔吐が続く/水分が口にできない/38.5度以上の発熱が丸1日以上続く/ぐったりして遊ばない/激しい腹痛通常診療時間内に受診、夜間は#8000や#7119へ相談
翌日の受診で対応できることが多い嘔吐は1〜2回で落ち着いた/少しずつ水分がとれる/機嫌は比較的良い/37度台の発熱/元気はやや戻ってきた様子をみながら翌日のかかりつけ医を受診

受診判断に迷ったとき|#8000・#7119の活用

夜間や休日に「受診すべきか判断に迷う」ときは、公的な電話相談窓口を利用できます。

こども医療電話相談事業(#8000)は、夜間・休日にお子さんの症状について小児科医師や看護師に相談できる仕組みで、全47都道府県で実施されています。

また、救急安心センター事業(#7119)は、救急車を呼ぶか医療機関を受診するかの判断に迷うときに医師・看護師らが助言してくれる窓口です。地域によって対応時間や実施状況が異なります。

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子どもの嘔吐と発熱で下痢なしのときの家庭でのケア

家庭で過ごすときは「脱水を防ぐ」「胃腸を休める」「家族にうつさない」の3つを意識して対応します。

嘔吐後の水分補給は「10〜15分置いてスプーン1杯」から

吐いた直後はおなかが敏感になっているため、すぐに飲ませると再び吐いてしまうことがあります。

10〜15分ほど時間を置き、スプーン1杯(5mL前後)の経口補水液を口にしてみてください。

吐かなければ5分おきに少しずつ量を増やします。経口補水液が手元になければ、白湯や薄めの麦茶でもかまいません。

一度にコップで飲ませると吐き戻しやすいため、少量をこまめにが基本です。

解熱剤の使い方の注意点

子どもに使える解熱剤の主な成分はアセトアミノフェンです。

厚生労働省の小児薬物療法検討会議報告書では、乳児・幼児・小児へは1回あたり体重1kgにつき10〜15mgを経口投与し、投与間隔は4〜6時間以上空けることが示されています。

熱があっても元気で水分がとれていれば、無理に解熱剤を使わず体を休めることを優先する考え方もあります。

解熱剤の使用に迷うときは、医師や薬剤師に相談してください。

食事の再開タイミングと選び方

吐き気が落ち着き、水分が問題なくとれるようになってから少しずつ食事を再開します。

最初はおかゆ、やわらかく煮たうどん、すりおろしりんご、バナナなど消化にやさしいものを少量から試してみてください。

脂っこい料理・乳製品・刺激の強いもの・冷たい飲み物は、回復するまで控えるのが安心です。

家族にうつさないための感染対策

ウイルス性胃腸炎が原因の場合、嘔吐物や便から家族に感染が広がることがあります。

処理のときは使い捨ての手袋とマスクを着用し、処理後は石けんで丁寧に手洗いをしましょう。

ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウムを薄めたもの)を使うのが効果的とされています。

厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインでも、嘔吐物の処理方法と消毒の重要性が示されています。

年齢別の特徴と注意したいサイン

同じ嘔吐と発熱でも、年齢によって注意するポイントが変わってきます。

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年齢区分特徴特に注意したいサイン
乳児(0〜1歳)言葉で訴えられず、脱水が進みやすい。ミルクを飲まない、便の様子の変化が判断材料になるおしっこの量が減る/泣いても涙が出ない/ぐったりして反応が鈍い/大泉門のへこみ
幼児(1〜6歳)感染性胃腸炎が多い時期。集団生活で感染が広がりやすい水分を受けつけない/繰り返し吐く/激しい腹痛/呼びかけに反応しない
学童(6歳〜)我慢する傾向があり、症状が伝わりにくい。虫垂炎などの可能性も右下腹部の痛みが続く/高熱が下がらない/頭痛が強い

特に乳児は症状の進行が早いため、「いつもと違う」と感じたら早めに相談することをおすすめします。

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子どもの嘔吐と発熱で下痢なしでよくある質問

下痢がないのに嘔吐と発熱があるのは、胃腸炎ではないということですか?

いいえ、下痢がなくても胃腸炎の可能性は十分あります。ウイルス性胃腸炎では嘔吐が先に出て、下痢が半日〜1日遅れて出ることがよくあるためです。

「下痢がない=軽症」とは限らないため、嘔吐の回数や水分のとれる量を観察しながら受診の判断をしてください。

発熱と嘔吐があるとき、お風呂は入っても大丈夫ですか?

嘔吐の症状があるあいだは、体力を消耗しやすく転倒のリスクもあるため、入浴は控えるのが無難です。

熱が下がり、嘔吐が落ち着いて元気が戻ってきたら、短時間のシャワーから再開するとよいでしょう。

経口補水液はどのくらいの量を与えればよいですか?

吐いた直後は10〜15分待ち、まずはスプーン1杯(約5mL)から試します。問題なければ5〜10分おきに少しずつ量を増やしていきます。

脱水症状があるときに、まず数時間かけて少しずつ補給する経口補水液の目安量は、体重1kgあたり50〜100mL程度とされていますが、無理にこの量を満たそうとせず、少量をこまめにが原則です。

スポーツドリンクで代用してもよいですか?

スポーツドリンクは糖分が多く電解質バランスが脱水補正用ではないため、嘔吐や下痢の際の水分補給には経口補水液のほうが適しているとされています。

経口補水液が手元になければ、白湯や薄めた麦茶でも代用できます。

嘔吐が続いて水分も食事も拒否します。何時間まで様子を見てよいですか?

水分を完全に拒否する状態が4〜6時間以上続く、おしっこが半日以上出ない、ぐったりしている、いずれかが当てはまる場合は、夜間でも電話相談(#8000)や救急受診を検討してください。

特に乳児では半日以内でも急速に脱水が進むことがあるため、早めの対応が安心です。

保育園や学校はいつから登園・登校できますか?

嘔吐・下痢が完全に治まり、食事が普段の8割程度とれるようになり、24〜48時間以上経過してからが目安とされています。園や学校によって規定が異なる場合があるため、医師の診断とあわせて確認してください。

【まとめ】子どもの嘔吐と発熱で下痢なしの主な原因はウイルス感染の初期症状|脱水サインと緊急受診の目安に注意

子どもの嘔吐と発熱があって下痢がないときは、ウイルス性胃腸炎の初期やかぜ・インフルエンザ・溶連菌など、感染症のはじまりであることが多くみられます。

下痢がないからといって油断せず、脱水と緊急サインを見逃さないことが大切です。

この記事のまとめ
  • ウイルス性胃腸炎では嘔吐が先で下痢が半日〜1日遅れることがある
  • かぜ・インフルエンザ・溶連菌・中耳炎・尿路感染症なども下痢なしで嘔吐と発熱が出る
  • 意識がもうろう/けいれん/血液や緑色の嘔吐/頭を打った後の嘔吐は夜間でも救急受診を検討
  • 水分補給は嘔吐後10〜15分置いてスプーン1杯から少量ずつ
  • 受診に迷うときは#8000(こども医療電話相談)と#7119(救急安心センター)を活用

夜間や休日で病院に行く時間がないときや、受診すべきか迷うときは、小児科オンライン診療「あんよ」で医師に相談するのも選択肢の一つですよ。

自宅から医師の様子の確認とアドバイスが受けられ、通院や待ち時間の負担を軽減できます。

最終的な判断は医師に相談してください。

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